- 2019-11-2
- アニメ, イベントレポート, 日本映画, 第32回 東京国際映画祭, 舞台挨拶
第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品
映画『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶
「今、関わる事が出来て嬉しい」花澤香菜 喜び語る!
11月2日(土)、第32回東京国際映画祭(TIFF)にて、特別招待作品である劇場アニメーション『HUMAN LOST 人間失格』の舞台挨拶がEX THEATER ROPPONGIで行われ、柊美子役の声優である花澤香菜、木埼文智監督、そしてストーリー原案・脚本を務めた冲方丁が登壇した。
白いワンピース姿の花澤が「本日はお越しいただきありがとうございます」と笑顔で挨拶。続いて木崎監督と冲方も来場した観客に感謝を述べた。
花澤は、「私、大学は日本語日本文学科という学科に通っていまして、周りは太宰治好きばかりでした。一緒に文学散歩で、太宰治が入水自殺した玉川上水を巡ったり「人間失格」も、もちろん読んで、私個人的には好きな作品だったので、もともと好きだった作品に、なんと“今”関わることができてすごく嬉しかったです。どういう風になるのか全く想像つかなかったので、どう描いていくのかワクワクしていました」と作品への想いを明かした。
また木埼監督は、「古典文学とSFを融合させることに、興味を惹かれて面白そうだなと思いました」と振り返りつつ、「ただ一筋縄ではいかないなとは思いましたが、冲方さんが参加されると聞いて、何とかなるだろうと思いました」とコメント。
一方の冲方は脚本作りについて「大変すぎて覚えてないです」と苦笑い。「ブレイクスルーが2ヶ所あって、まず『人間失格』というタイトルの解釈を“人間”という規範から外れてしまうのではなく、人間全体が失格した世界を描こうと。これがSFになったきっかけです。次に、『人間失格』を描く際に重要なのが“死”をどう描くかなんですが、むしろ“死”が無い世界を描くことで、逆に“死”が浮かび上がるようにストーリーテリングしようと。それがもうひとつのブレイクスルーです」と、脚本におけるポイントを説明した。
さらに、映画のタイトルからは想像がつかないような“ここがヤバい”という箇所を聞かれると、花澤は「老人たちの怖さ」、木崎監督は「世界観において、外国人から見た日本の“おかしさ”をあえて描いたところ」、冲方は「『AKIRA』のオマージュであるバイクシーン」とそれぞれが答え、舞台挨拶は終了した。
[記者: 梅田 奈央 / スチール写真:© 2019 TIFF]
イベント情報
第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品
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第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品
映画『HUMAN LOST 人間失格』舞台挨拶
映画『HUMAN LOST 人間失格』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》昭和111年――医療革命により死を克服し、環境に配慮しない経済活動と19時間労働政策の末、GDP世界1位、年金支給額1億円を実現した無病長寿大国・日本、東京。 大気汚染と貧困の広がる環状16号線外“アウトサイド”で薬物に溺れ怠惰な暮らしをおくる“大庭葉藏”は、ある日、暴走集団とともに特権階級が住まう環状17号線内“インサイド”へ突貫し、激しい闘争に巻き込まれる。そこで“ロスト体”と呼ばれる異形体に遭遇した葉藏は、不思議な力をもった女性“柊美子”に命を救われ、自分もまた人とは違う力をもつことを知る。 暴走集団に薬をばらまき、ロスト体を生み出していたのは、葉藏や美子と同じ力をもつ男“堀木正雄”。正雄はいう。進み過ぎた社会システムにすべての人間は「失格」した、と。文明崩壊にむけ自らのために行動する堀木正雄、文明再生にむけ誰かのために行動する柊美子。平均寿命120歳を祝う人類初のイベント“人間合格式”を100日後にひかえ、死への逃避を奪われ、人ならざる者となった大庭葉藏が、その果てに選択するものとは——。 |
英題: Human Lost
《スタッフ》
スーパーバイザー: 本広克行
ストーリー原案・脚本: 冲方 丁
キャラクターデザイン: コザキユースケ
コンセプトアート: 富安健一郎(INEI)
グラフィックデザイン: 桑原竜也
CGスーパーバイザー: 石橋拓馬
アニメーションディレクター: 大竹広志
美術監督: 池田繁美 / 丸山由紀子
色彩設計: 野地弘納
撮影監督: 平林 章
音響監督: 岩浪美和
音楽: 菅野祐悟
アニメーション制作: ポリゴン・ピクチュアズ
企画・プロデュース: MAGNET/スロウカーブ
《キャスト》
柊美子: 花澤香菜
堀木正雄: 櫻井孝宏
竹一: 福山 潤
澁田: 松田健一
厚木: 小山力也
マダム: 沢城みゆき
恒子: 千菅春香
2019年11月29日(金) 全国公開!
公式Twitter: @HUMANLOST_PR