
第48回 日本アカデミー賞 授賞式 優秀助演男優賞
最優秀助演男優賞は初受賞の大沢たかお🏆
「たくさんの方に支えられ、気づけば7年間王騎を演じられた」
3月14日(金)、「第48回 日本アカデミー賞 授賞式」が、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール「崑崙」で開催。昨年『怪物』で第47回最優秀主演女優賞受賞した安藤サクラと、第43回~第47回授賞式に続き6回目となるフリーアナウンサーの羽鳥慎一が司会を務め、各部門の最優秀賞受賞者および最優秀作品などが発表された。
優秀助演男優賞を受賞したのは、内野聖陽(『八犬伝』)、大沢たかお(『キングダム 大将軍の帰還』)、岡田将生(『ラストマイル』)、佐藤二朗(『あんのこと』)、山田孝之(『正体』)。受賞者は各自撮影時の思い出を披露した。
滝沢馬琴の“親友”葛飾北斎を演じた内野聖陽
役所広司とのフラットな関係をユーモア交じりに振り返る
滝沢馬琴の「親友」として登場する葛飾北斎を演じた内野。世界的な歴史人であり、同時に“自由人”という北斎の難しい役作りは、「馬琴の『友達』の北斎という関係だったので、役所さんは大先輩でしたが、北斎のほうが年上の役なので先輩に対する礼儀とかが、あんまり出てしまうとまずいなと思った。その辺は役所さんが、とてもフラットに接していただいたおかげで、非常に過ごしやすかったです」と“大先輩”の人柄に助けられたという。一方、役所発案のアドリブでは事件が。北斎が馬琴の背中を画板がわりに絵を描くシーンで役所から「ちょんまげを綺麗に直すしぐさをしたい」と言われ、内野が役所の髪を演技としてぐしゃぐしゃにしたところ、ヘアメイクの担当者から「ちょんまげ崩さないでください」と怒られたエピソードを披露した。
“最強の軍人”を7年間演じた大沢たかおは
山﨑賢人の高度なアクションにプレッシャー
『キングダム』シリーズで絶対的な存在感を見せる大将軍・王騎役を7年演じ続けた大沢は、「当初はそういう予定ではありませんでしたが、コロナに巻き込まれたて結局7年が経ってしまった。なかなか映画でそれだけの時間をかけることが今まで無かったので、特別な作品になったと改めて思います」と率直な想いを伝えた。
最強の軍人を演じるうえでの苦労を聞かれると、主演・山﨑賢人のアクションレベルの高さにふれ、「その上を行かなきゃいけない」プレッシャーがあったと吐露。その上で「そういう(レベルの)アクションシーンをつくらせてもらえたこと、アクション監督、監督、そしてスタッフみんなが本当に執念を持っていた現場だったので、そういう意味で、今も感謝しかない」と多くの人と人とともに実現した場面へ思いを馳せた。そんな大沢に山﨑は、「王騎将軍のオーラとか力強さみたいなものを大沢さんが演じてくださったことで、キングダム全体のレベルが何段階も上がったと思っています」と話し、噛み締めるように感謝を伝えた。
岡田将生は14年ぶりに共演の満島ひかりと
“相思相愛”なエピソードを披露
岡田は、『ラストマイル』の撮影を「答えの無い、出口の無いような撮影を、満島さんと共に歩みながら撮影をしていた時間は、とても豊かでした」と振り返った。2人の共演は14年前の『悪人』以来。2人のファンだと言う司会の安藤サクラが「激熱」と伝えると「『悪人』の時も、ここに立たせていただいた。違う作品、共に歩んだこの作品で、またこうやっていさせていただけることを、本当に嬉しく思っています」と笑顔で答えた。
満島も14年ぶり共演となる台本読みの日に、『悪人』の李相日監督と偶然会い「バトン渡されたように始まった」ことを明かした。また、岡田自身について、「立っているだけで絵になるというか、彼からは美しいのに違和感があるなんとも言えない雰囲気があって、目の前にいるだけで、私も自然に”違和感”とともに芝居ができる。大好きな俳優さんです」と伝え、“相思相愛”の様子を見せた。
シリアスな刑事役で受賞の佐藤二朗
トークでは終始会場を笑いで包む
冒頭から「今撮影してる作品のために、ちょっと帽子が取れなくて、失礼をお許し下さい」と“アドリブ”全開で会場の笑いを誘った佐藤が演じたのは実在の事件を基にしたシリアスな刑事役。印象を聞かれると、「自分の中ではシリアスもコメディも、同じ地平にあると思っていて、区別してない。この作品はたった数年前に日本で本当にあったことを題材にしているので、監督、キャスト、スタッフも、それを1人でも多くに人に伝えたいって思いで、つくっていたように思います」と真摯な想いを口にした。
初共演となる主演の河合優実とのコミュニケーションでは、「重い話だったので、なるべく普段は楽しい話をしていた」と振り返りながらも「(河合は)普段も落ち着いた口調で話す。でも年齢は若いので、友達とは、『マジ?』とか崩れた話し方をするの?と聞いたら、『はい、しますよ』って言っていたけど、僕は今でも信じてない」と軽妙なやり取りを明かし、再び会場を笑いで包んだ。
意外にも今回が初受賞となる佐藤、会場の印象を問われると「やっぱり嬉しいもんですね。本当に褒められるの大好きなのでとても嬉しい」と笑顔を見せた後、「僕が監督して(山田)孝之が主演を務めた『はるヲうるひと』(2019年)って映画の舞台挨拶の時に冗談3割・本気7割で『この作品で日本アカデミー呼んでもらえないかな?』と話していた。その孝之が今、隣でいるのが感慨深いですね」と横に座る山田と頷きあった。
山田孝之は組織と信念に“板挟み”の刑事役で「多分ハゲるな」
その山田も逃亡犯を追いかけながらも、「無罪ではないか」という葛藤を抱える刑事役での受賞。常に思いつめたような同役について「本当に大変でしたね。組織の中での立ち位置だったり、その組織が日本の為であったり、国の為であったりする中で、人間として真実を追うという。板挟みのストレスで、多分ハゲるなって思って、毎日メイク入った時に『ハゲてないですか?』って確認をしていました」独自のユーモアを交えながら語った。
主演の横浜流星と派手な立ち回りを繰り広げるアクション場面では「演技だから抜かないといけないところを“本気で押さえに行ってしまった」と告白。ところが、横浜にはその押さえ込みを外されてしまい「横浜くんのほうが若くて強いんで、ほんとに外されるっていう、あ、歳とったなって」とここでも笑いを誘った。
「主演をどう盛り上げるのか?」を考え続けた7年
大沢たかおが最優秀助演男優賞に輝く
最優秀助演男優賞は初受賞となる大沢たかおが受賞。大沢は、「助演という立場。やっぱり主演をどう盛り上げるのか?ってことを7年間考え続けていました。でも気づけば、その主演の山崎賢人君はじめ、ここにいるスタッフ、今日来れないスタッフの皆さんにずっと助けられながら、演じさせていただいたなと思っております。今日いただいた賞は、僕よりもそれを支えてくれたスタッフ、そして今日来れないキャスト、それと本当に劇場に足を運んでいただいたたくさんの方のもの。全然お礼を言う時間が無かったんで、改めてほんとにありがとうございました」と、謙虚に伝えた。
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イベント情報
第48回 日本アカデミー賞 授賞式■開催日: 2025年3月14日(金)
■会場: グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール「崑崙」
■司会: 羽鳥慎一(アナウンサー)、安藤サクラ(女優)
■副賞協力: TASAKI
■協賛: 大東建託
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