映画『恋は雨上がりのように』が公開された。女子高生が親子ほど年の離れたさえないファミレスの店長に片思いする話で、原作は小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載された眉月じゅんの同名コミック。主人公の女子高生【橘あきら】を演じるのは話題作に次々と出演する若手実力派女優・小松菜奈。その【あきら】に片想いされるさえないファミレス店長【近藤正己】を映画、ドラマ、アニメーション声優など多方面で活躍する大泉洋が演じた。
そして、清野菜名、磯村勇斗、葉山奨之、松本穂香、山本舞香、濱田マリ、戸次重幸、吉田羊ら若手からベテランまで実力派キャストが集結して脇を固める。
『世界から猫が消えたなら』(2016年)、『帝一の國』(2017年)の永井聡監督が、登場人物たちの不器用だけれども真っ直ぐな想いを丁寧に描き、観る人の胸を打つ作品を作り上げた。
シネマアートオンラインでは2名のライターが本作『恋は雨上がりのように』を鑑賞。それぞれの視点から“恋雨”の見どころを紹介する。
弾けるような躍動感!小松菜奈が伸びやかに走る!!小松菜奈が演じる主人公は陸上部の元エース。練習中のケガで陸上の夢を絶たれてしまうのだが、大会でトラックを走る過去シーンが出てくる。小松菜奈のすらっと伸びた肢体が力強く地面を蹴って走る姿は神々しいほど美しい。 しかし、それ以上に印象的だったのは制服姿で疾走したとき、腰をかがめてスピードを落とすシーンだ。一方の足が制服のスカートから勢いよく飛び出し、真っすぐに伸びると、かかとで地面をとらえる。若さあふれる、弾けるような躍動感が大きなスクリーンから伝わってきた。その健康的な脚線美は堂々としており、ファミレス店長への迷いのない真っすぐな思いと重なる。 恐らく、小松菜奈は歳を重ねてもあのスタイルの良さを維持するに違いない。しかし、30代、40代になったら、この躍動感を出せないだろう。今だからこその魅力をこの作品でしっかり目に焼き付けておきたい。 [ライター: 堀木 三紀]
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年齢差恋愛ゆえの葛藤、悩み。二人の恋の行方に目が離せない!17歳と45歳。女子高生とファミレス店長という、二回りほど違う二人の恋愛は一見現実味がなさそうにも見える。しかし、登場人物たちの不器用ながらも真っ直ぐな想いに共感を覚え、観終わった後は心の中に爽やかさが残った。晴れやかな映画となっている。主人公【あきら】とファミレス店長【近藤】だけでなく、登場人物全員が誰かに対して伝えたい想いをうまく伝えられずに悩んでいる。それが手に取るようにわかり、ついそんな彼らを応援したくなってしまうような作品である。 また、映画のタイトルにもあるように、劇中では美しい雨の描写が多数登場する。まるで登場人物たちの心境をそのまま映し出しているかのような印象的なシーンだ。物語に色を添えているので、ぜひ注目してみてほしい。 [ライター: 小森 萌菜]
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映画『恋は雨上がりのように』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》高校2年生の橘あきら(17)は、アキレス腱のケガで陸上の夢を絶たれてしまう。 |
原作: 眉月じゅん『恋は雨上がりのように』(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載)
脚本: 坂口理子
音楽: 伊藤ゴロー〈参加アーティスト〉の子/mono(神聖かまってちゃん)、柴田隆浩(忘れらんねえよ)、澤部渡る(スカート)
主題歌:「フロントメモリー」鈴木瑛美子×亀田誠治(ワーナーミュージック・ジャパン)
制作プロダクション: 東宝映画、AOI Pro.
配給: 東宝
2018年 / 日本 / カラー
© 2018「恋は雨上がりのように」製作委員会 © 2014 眉月じゅん/小学館
TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー!