伊藤智彦監督 独占インタビュー!
『劇場版 SAO』の制作秘話!?
アスナとキリトの関係性にも注目!今年カップルで観に行ってほしい映画はこれだ!!
全世界シリーズ累計2,000万部発行の大人気小説『ソードアート・オンライン』を原作者・川原礫氏書き下ろしの完全新作ストーリーで初映画化!全世界1,400館以上で公開が決定した『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』。本作の監督であり、TVアニメ版『ソ―ドアート・オンライン』の第1期、第2期の監督も務めた伊藤智彦氏に劇場版が完成した経緯や映画のメッセージ性などについてお話を伺った。
── 本作は、川原礫先生の書き下ろし完全新作ストーリーということですが、どのような経緯で映画化されたのでしょうか?
テレビアニメシリーズの第2期が終わったときに今後についてスタッフどうしで話し合い、劇場版をやりましょうという話になり、劇場版なら俺もやりますと返事をして、映画化が決定しました。しかし、いざ動くとなったとき何をやるか決まってなかったので、プロデューサー陣や川原礫先生と話をして、テレビアニメシリーズの話をリブートする話もありましたが、オリジナルストーリーを新しく書くという結果になりました。
── 本作ではAR(拡張現実)が取り入れられていますが、昨年2016年が「VR元年」とメディアを中心に注目されていたことで何か意識されたことはありましたか?
昨年は、PlayStation®VRが発売されてVR(仮想現実)が盛り上がっていましたが、そこに『ポケモンGO』というARを用いたアプリが現れて爆発的人気となったので、意外とVRよりARに注目された1年だったように思います。だから、ARをネタにした映画にしたのは割と都合がいいなと思いましたね。
制作自体は『ポケモンGO』が発表される前からしていたので、『ポケモンGO』の存在自体が制作のきっかけではありませんが、人に説明しやすくなりました。『ポケモンGO』みたいにいろんな場所に行って戦います」や「ポケモンの変わりにモンスターが出てきて戦います」のように単純に話がしやすくなりました。また、VRからARに行くとちょっと退化したとみられる懸念があったのですが、「VR元年」と言われているにもかかわらず、意外とみんなが飛びついたのはARだったので、これはいけると確信し、ホッとしました。
── 《オーグマー》というAR型情報端末が映画の中で描かれていますが、肉体とのリンクなど映画では説明されていないところをぜひ教えてください。
本当は作品内で説明するべきなんですが、それをあまりやり過ぎると戦闘の際に説明が多くなり過ぎてしまうので、コントローラーにしても持っているものはきっとこれだよっていうような簡単な説明にしています。実際のことを考えると、コントローラーを持った人たちが街中でぶんぶん振り回しているって様になるのですが、それは見せたくないし、見たくないので、本編を観て察してください!という意図があります。
── 本作には実在する東京の有名スポットが沢山登場し、非常にリアルに描かれていましたが、実際にロケハンなど現地に赴いて決めたのですか?
モンスターと戦える場所にふさわしいオープンスペースをいくつか見繕ってから候補地を回って、スタッフと決めました。実際に候補地に行ってみて「ここは戦闘には向かない」という理由で中にはダメだった場所もあります。
また、高低差や目立つオブジェクトがあったほうが戦ったときに面白いのでそういう場所をチョイスしていますね。
── 本作も梶浦由記先生によるサウンドトラックや挿入歌が非常に素晴らしく、作品をさらに盛り上げていましたが、監督から何かリクエストしたことはありましたか?
ARアイドルのユナが出てくることが当初から決まっていたので、歌詞付きの曲になるだろうとは思っていたのですが、アニメで歌いながら戦うとマクロス的なものがあるので、そう見えないようにユナが歌う曲に関しては戦闘中のBGMに聞こえる曲にしてくださいという話をしました。歌謡曲ではなくサウンドトラックよりの曲にしてくださいと言ったのは覚えています。それ以外の曲もユナに関する曲は劇場作品なので20分前に聞いたメロディーがあったり、歌にも似たようなフレーズがある曲を忍ばせたり、一曲のフレーズを繰り返し使うことによって、ユナっていうキャラクターの成長具合が出るといいなと考えました。
── 本作は、ARやVRの映像作品ではありませんが、まるでその場にいると錯覚するほどの臨場感やスピード感あふれる迫力がありました。 演出上工夫した点やこだわった点を教えてください。
今回、アクションシーンは鹿間貴裕さんが特撮映画の特技監督みたいなポジションとして、絵コンテを完全に任せていました。前半部分はARバトルで、カメラワークを大きく使ったり、スーパーアクション的なものは抑えめにしていたのですが、後半はそれを一気に取っ払って、派手なアクションをやりたいと俺からも伝えていたので、舞台自体を3Dで作り、360度回れるようにしたので、縦横無尽のカメラワークができるということになりました。360度回れることで2Dとは全く異なって、閉じられた空間ではありますが、広さを確保していたのでボスとの巨大感の差はありますけど、それも含めて大スクリーンで観ごたえのあるシーンになったのではないかなと思います。
── 本作に込めた思いやメッセージをよろしければ教えてください。
テレビアニメシリーズから考えると5年たっていて、劇中でも4年間という時間が流れています。これまでのお話の中では、キリトとアスナというメインの二人が恋人的な存在になるわけですけど、ずっと同じような状況ではいられない訳ですよね。アニメでは喧嘩しているところが描かれていないのですが、本当は多分してると思います。そういうのを込みでどうなっていくのか自分も観たいと思ったので、それを想像できるような映画を作りました。二人にも現実に直面したり、困難なこともあるというのを伝えられたらいいなと思いました。
── 本作は特にどのような方に観てほしいですか?
基本的にはテレビアニメシリーズを知っている人に、まずは観てもらいたいです。しかし、作品タイトルとキリトとアスナという名前だけ知っていれば、楽しめるように作っているので、あんまり知らないけどタイトルは知ってるよって人がいたら、男性が女性を連れていくもよし、逆もまたよしで観に行ってほしいですね。
── 最後に、本作をご覧になる皆さんに一言メッセージをお願いします!
一回と言わず何回でも観てほしいです。異なる音響環境で上映している劇場もあるので、いろんなところで観てほしいです!!
[インタビュー&スチール撮影: Cinema Art Online UK / ライター: Jaemimi]
監督プロフィール
伊藤 智彦 (Tomohiko Ito)1978年愛知県生まれ。アニメーション演出家、監督。 |
祝★劇場興行収入10億円突破!!
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映画作品情報
STAFF
原作イラスト・キャラクターデザイン原案: abec
制作: A-1 Pictures
CAST
主題歌
映画『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』
2017年2月18日(土) 全国ロードショー!
公式Twitter: @sao_anime