- 2017-11-3
- アジア映画, イベントレポート, 映画賞/アワード, 映画関連ニュース, 第30回 東京国際映画祭
第30回 東京国際映画祭(TIFF)
アジアの未来部門 受賞作品発表!
日本・ミャンマー共同制作映画『僕の帰る場所』
アジアの未来部門 作品賞&国際交流基金アジアセンター特別賞をW受賞!!
11月3日(金・祝)、第30回東京国際映画祭(TIFF)の授賞式が東京・EXシアター六本木にて開催され、日本・ミャンマー共同制作映画『僕の帰る場所』(英題:Passage of Life)が“アジアの未来部門”の作品の中で最も優れた作品に与えられる“作品賞”、そして文化の違いを越え、国際的な活躍が期待される監督に贈られる“国際交流基金アジアセンター特別賞”のダブル受賞を果たした。
2013年の第26回東京国際映画祭から始まり、今年で5回目となるこの“アジアの未来部門”は活気に満ちたこれからの映画界をリードするアジア圏の作品を紹介する部門。長編映画3本目までアジアの新鋭監督が競い合い、日本の観客や映画業界との交流を図り、アジアの才能を世界へ発信するために作られた。
日本人の監督が”作品賞“を受賞するのは部門始まって以来初めて。さらに“国際交流基金アジアセンター特別賞”をダブル受賞するのも始めての快挙である。
授賞式後の記者会見では、記者に「ドキュメンタリーとしか思えない作りになっていたが、どう演出し、どんな手法で撮ったのか?」と聞かれ藤元明緒監督は「今回沢山の人にドキュメンタリーのようだという声を頂いたが、私の中ではドキュメンタリータッチでいこうという意識はなく、脚本を読んで同じ思いを持ち、共感する方々が出演することで、彼らの暮らしのありのままを見せて頂けました。ただ物語を撮るだけではなく、シーンの前後も含めて撮影することで瑞々しい瞬間を切り取れたのではないかなと思っています。出演者が本心を言っている言葉を撮影することで今回の映画は完成しました」と語った。
アジアの未来部門 各賞審査委員&受賞者コメント
《国際交流基金アジアセンター特別賞》
審査委員 ニック・ディオカンポ氏
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審査委員 松本正道氏
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受賞作品『僕の帰る場所』藤元明緒監督本当に今日はありがとうございます。こんな素敵な場に立てたのは、スタッフ、役者の方々、協力してくださった皆様のおかげだと思います。今はそれしか言えないです。最後にミャンマー語でも一言言わせてください。 「チェーズーティンバーデー(ありがとうございます)」 |
《アジアの未来作品賞》
審査委員 行定勲氏 (映画監督)未来を担う若い監督達の作品を観る刺激的な日々を過ごさせて頂きました。 それぞれユニークなアイデアで描かれた作品が多く、個人的に楽しい時間を過ごさせていただきました。しかし、描かれるべきテーマは素晴らしいにもかかわらず、視点がぶれてしまい、詰め込みすぎて観る側に何を伝えたかったのかを見失った作品が多かったのが少し残念でした。 アジアならではの漲る力、見たこともない突き抜けた圧倒されるような作品を、もっと見たかったという正直な思いが残ります。 審査会は紛糾することなく、優れたある二つの作品の議論に終始しました。オリジナリティのある記憶に残る映画、素晴らしい演技を我々に見せてくれた俳優達についてその二つの作品の力は拮抗していました。その議論の結果、私たちはアジアの未来を担う作品に作品賞とそれとは別に“スペシャルメンション”を設けました。 (ここで審査委員のオ・ジョンワン氏より“スペシャルメンション”の発表があり、チョウ・ズーヤン監督作品『老いた野獣』が受賞した。) |
審査委員 ホセ=ルイス・レボルディノス氏
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受賞作品『僕の帰る場所』藤元明緒監督先ほどは一人で登壇したのが寂しく、ミャンマーから来てくれたお父さん役のアイセさんやキャストたちと一緒に上がれることができて本当に良かったです。日本とミャンマーの中で、彼らたちが映画を作ることを超えて、彼らが生きている生き様を精一杯描けたと思っています。その作品がこのように評価して頂き本当に嬉しいです。 |
映画『僕の帰る場所』特報映像
映画『僕の帰る場所』作品情報
《ストーリー》祖国を離れ、日本に暮らす4人のミャンマー人一家。ある日、家族のもとに届いた通知が家族の運命を変えていく…。日本とミャンマー、国境を越えて紡ぐ愛の物語。 |
第30回 東京国際映画祭(TIFF) アジアの未来部門
作品賞&国際交流基金アジアセンター特別賞受賞作品
英題: Passage of Life
脚本・監督・編集: 藤元明緒
プロデューサー: 渡邉一孝、吉田文人
協賛: 坂和総合法律事務所 / 株式会社ビヨンドスタンダード /長崎大学多文化社会学部
特別協力: MYANMAR JAPON CO.,LTD.