- 2017-7-23
- イベントレポート, トークショー, ドキュメンタリー映画, 日本映画
映画『禅と骨』(Zen and Bones)
完成披露プレミア&シンポジウム上映会
田原節さく裂!作品の面白さから監督を質問攻め!
森達也“『ゆきゆきて、神軍』を彷彿とさせる!!”
7月23日(日)、7月1日に開館100周年を迎えた横浜市開港記念会館にて映画『禅と骨』(Zen and Bones)のシンポジウム付きの完成披露プレミア上映会が開催され、ジャーナリスト・田原総一朗さんと映画監督、作家・森達也さんがゲストとして登壇した。
映画『禅と骨』は 、2006年に公開され大ヒットを記録したドキュメンタリー長編映画『ヨコハマメリー』の中村高寛監督が11年ぶりに放つ最新作で、横浜生まれの“青い目の禅僧”ヘンリ・ミトワを追ったドキュメンタリーである。ドキュメンタリーの手法のみならず、ドラマ、アニメなど、様々なジャンルを駆け巡りながら、ヘンリ・ミトワという人間に迫っていく作品に仕上がっている。
《トークショーレポート》
大きな拍手で迎えられた中村高寛監督は「『ヨコハマメリー』から月日が経ち“あの人は今”状態になっていたけれど、ちゃんとやっていました(笑)」と挨拶し、会場の笑いを誘った。次いで感想を求められた森達也さんは、多くの人がつめかけた会場を見渡し、「ひとの映画、特にドキュメンタリー系はまずは嫉妬から入るので、この会場にこれだけの人が入っていることが羨ましい」とコメント。最後に感想を求められた田原総一朗さんは、「とても面白い映画でした」と感想もそこそこに、「ミトワ氏とはどう出会ったのか」と早速監督に質問を投げかけ、田原節をさく裂。終始、監督を質問攻めに。本作のプロデューサー・林海象にミトワさんを紹介され『ヨコハマメリー』の上映会で会ったが、初めてにも関わらずすごく怒られて嫌な第一印象を受けたといいうエピソードを監督が語ると、森さんが「原一男監督の『ゆきゆきて、神軍』の始まりが、今村昌平監督が原さんに面白い人がいると紹介したことから、というエピソードを彷彿とさせる」とコメント。すると監督も「最初にとても怒られたこともあって、この人を撮ったら『ゆきゆきて、神軍』(1987年/監督:原一男)みたいになる
な」と思ったと語った。
またドキュメンタリーという手法だけではなく、ドラマパートを盛り込んだことについて話が及ぶと、森さんは「ドキュメンタリーにドラマパートがある作品は失敗すると思っていたけれど、この作品には違和感を全く抱かなかった。逆になぜこの手法を?」と問いかけると、「あまのじゃくだから、あえてやってやろうと思った。やるなら“接着剤”としての役割のドラマではなく、一つの劇映画として成立する物語のある作品を作ろうと思った」と語った。ドキュメンタリーの第一線で活躍している者たちの熱き議論に、会場も大満足。盛大な拍手をもってシンポジウムは幕を閉じた。
イベント情報<映画『禅と骨』完成披露プレミア上映会>■開催日: 2017年7月23日(日) |
映画作品情報
プロデューサー: 林海象
ドラマパート出演: ウエンツ瑛士、余 貴美子
ナレーション: 仲村トオル
音楽: 中村裕介×エディ藩・大西順子・今野登茂子・寺澤晋吾・武藤イーガル健城
挿入曲:「赤い靴」岸野雄一×岡村みどり×タブレット純、「京都慕情」岸野雄一×重盛康平×野宮真貴
エンディング曲:「骨まで愛して」コモエスタ八重樫×横山剣(CRAZY KEN BAND)
2016 年 / 127 分 / HD 16:9 / 5.1ch
ポレポレ東中野、キネカ大森、横浜ニューテアトルほか全国順次公開!
公式Facebook: @zenandbonesfilm