完成披露上映会舞台挨拶
映画を通じて「刀剣乱舞」の世界観を知ってほしい
『映画刀剣乱舞』が、2019年1月18日(金)に公開する。原案は名立たる刀剣が戦士へと姿を変えた“刀剣男士”を率い、歴史を守るために戦う刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」。2015年のリリースから、これまでにアニメ2本、ミュージカル、舞台など数多くのメディアミックスを成功させた大人気コンテンツである。2018年には紅白歌合戦にミュージカル『刀剣乱舞』として出演も決定。満を持して、実写映画化された。
注目の刀剣男士のキャストには、三日月宗近役に鈴木拡樹、山姥切国広役に荒牧慶彦、薬研藤四郎役に北村諒、へし切長谷部役に和田雅成、日本号役に岩永洋昭、骨喰藤四郎役に定本楓馬、不動行光役に椎名鯛造、そして鶯丸役に廣瀬智紀と、舞台を中心に活躍する若手実力派俳優たちが名を連ねる。さらに追加キャストとして、様々な映画や舞台、大河ドラマやミュージカルなど、あらゆる方面で活躍している実力派俳優の山本耕史と八嶋智人が出演する。山本は、絢爛豪華な部屋と服に包まれ、豪快で凄みのある立ち居振る舞いで天下統一を狙う織田信長役として、安定感のある演技を発揮。また、八嶋も織田信長を支える家臣ながら、後に天下統一を成し遂げる羽柴秀吉役を熱演。この超実力派俳優と刀剣男士たちとの共演で、どのような化学反応が引き起こされるのか必見だ。
公開に先駆け12月27日(木)、完成披露上映会が開催された。上映後には鈴木拡樹をはじめ、荒牧慶彦、北村諒、和田雅成、岩永洋昭、定本楓馬、椎名鯛造、廣瀬智紀ら劇中に登場する刀剣男士がタキシードに身を包み、耶雲哉治監督とともに登壇。撮影現場での裏話などを語った。
《イベントレポート》
ファンが熱い視線を送る中、キャストたちは1人ずつレッドカーペットを歩き、歓声に応えながら、ステージに上がった。廣瀬は歩き方が早く、「もうちょっとゆっくり~」と和田から声が掛かり、やり直す一面も。その後も和田は耶雲監督が姿を見せると、「みんな、きゃーって言って!」といい、率先して「監督~!」と叫んで会場の雰囲気を盛り上げた。
舞台に引き続き、三日月宗近役を演じた鈴木は「お客様に見ていただく最初の日。ドキドキしてこの日を迎えましたが、迎え入れられたときの熱量で、楽しんでいただけたという感触を感じることができました」と上映後の挨拶だからこそわかる、観客の反応に喜んでいた。
同じく引き続き山姥切国広を演じた荒牧は「この日を待ち遠しく思っていました! 楽しんでいきましょう」と控えめに。
薬研藤四郎を演じた北村は「観ていただいて幸せいっぱい。たくさんの拍手に迎え入れられて、温かい気持ちになりました」と喜びを伝えた。
へし切長谷部を演じた和田は髪形でへし切長谷部を意識してきたといい、「こういう髪型は初めてで、気持ちがうわずっています」と胸中を告白。
日本号を演じた岩永は「お忙しい中、お越しいただきありがとうございました。短い間ですが、楽しんでいってください」と落ち着いたひとこと。
骨喰藤四郎を演じた定本は「初めての『刀剣乱舞』参加で、すごく緊張していますが、みなさんと一緒に楽しめたらなと思います」とコメント。
不動行光を演じた椎名は「ご覧いただいてわかるように仲良しです」と笑いを誘いながら、「現場でもいい雰囲気で撮影し、それをみなさんにも見ていただけたのがうれしい。公開が何より楽しみになりました。短い時間ですが、いろんな裏話が聞けると思います」と観客の期待を高めた。
鶯丸を演じた廣瀬は「みなさん、こんばんは~! お父さん、お母さん、見てる~! レッドカーペット歩いたよ~!」と興奮気味に叫んだ後で、「今、両親は旅行中でございます」とお道化ると会場が沸いた。
最後に耶雲監督が完成披露上映会への来場のお礼を述べて、「今日は外が寒いのですが、(作品を観て)温かい気持ちになれたかなと思います。これから30分くらい、短い時間ですが、トークをよろしくお願いいたします」と挨拶した。
荒牧の真っ白なタキシードに和田が「1人だけ紅白?」とつっこむ
MCの荘口から「上映後のトークではありますが、ラインライブで見ている人など、まだ作品を見ていない人がいるので、ネタバレは避けて、ふわっと2分間、話してください」と無茶ぶりされると、ムードメーカーの和田が荒牧の真っ白なタキシードに「1人だけ紅白、先どっているのかな」と突っ込みを入れて先陣を切ると、鈴木が「楽屋で『汚し、入れたほうがいいんじゃない?』って言ったんですけどね」と続けた。すると荒牧が「山姥切国広なら汚れているかなとは思ったんですよ。でも、こんな真っ白なタキシードを汚すなんて、もってのほかじゃないですか!」と反論。次に和田は定本に話題を振ると、定本は藤四郎兄弟(薬研藤四郎と骨喰藤四郎)が一緒のタキシードであることを明かした。しかし、当の北村は知らなかったようで「バッタバタで楓馬のタキシード見る余裕もなかった。 今、初めてちゃんと見たよ!」と驚きの声をあげた。
それを受けた和田が「これ(タイ)は日本号(岩永)と色は違うけれど、お揃かな」と衣装話を続けると、鈴木が「短刀チーム(作品での衣装が短パンの薬研藤四郎役の北村と不動行光役の椎名)も今日はちゃんとズボンで」と別チームに話を振り、和田が「向こうのちっちゃい子(椎名)、名探偵感出てるけど」と便乗。「ボール、持ってきて蹴ってもらう?」と鈴木がツッコミを重ねたところで、廣瀬が「僕は鶯丸からなんで、荘口さんと一緒ですよ」と言い出した。みんながきょとんとすると、その場の空気を読んで和田がすかさず「引き取ります!」とチームワークの良さを感じさせた。
「砂利道は戦いにくい」と舞台と映画の違いに話が弾む
初の実写映画ということについて、MCが鈴木と荒牧に話を振ると、鈴木が舞台版のキャストの多くがそのまま映画に出られたことを喜び、それを受けた荒牧が「作品を撮る前からキャストの意思疎通ができていたのはよかった」と続けた。さらに鈴木が「今まではセットの中の世界で、お客さんと同じように僕たちも背景を想像していたのが、映像になるとセットが360度広がっている世界なので、いろんなことを体感しました。砂利道は戦いにくいとか…」と話すと、他のキャストから「砂利道は足を取られる」、「砂がすごい」、「本当に風を受けたら気持ちが乗った」、「自然のものを使って芝居ができた」などと次々に声が上がった。
殺陣について話が及ぶと、鈴木は「ゲームでも太刀は長さがあるので戦いにくいという設定ですが、撮影のときに『ほんとだなー』としみじみと感じましたねー。にも関わらず遡行軍がすごく攻めてきますので……。これでよく戦い抜けるなと感じました」といい、荒牧は「僕は外がほぼメインだったので、コンビネーション技や他の刀剣男子と戦うときの息の合わせかたは舞台とは違うものがあると感じました」と振り返った。
初めて刀剣乱舞に参加した岩永は「初日に10時間待たされました。カツラも付け慣れていないから頭も痛くて。あーと言いながら、初日に槍を折りました」と告白。その日が初顔合わせだった和田が岩永の様子を「地獄みたいな顔をしていた」といいながらも、「中身は本当にすばらしいお兄さん! 僕は甘え、甘え、甘えでした」と褒めると、岩永も「ほぼ皆さん初めてだったので、どう絡んでいいかわからなかったのですが、グイグイ来てくれて、そこからみんなとも話せたので助かりました」と互いに感謝の気持ちを表した。すると和田は「撮影現場が和気あいあい。もっとピリピリしているかと思った。監督が作る空気、現場の雰囲気がすごくよかった。いい意味で気を遣うことなく、撮影できました」と現場の雰囲気を総括した。
短パン衣装ならではの悩みに、思わぬ知識を得た椎名
MCから撮影中に休みをもらったことを振られた廣瀬は1人だけ休みがあったと平然と答えた。他のキャストから「いちご狩りの話をせいや」などとやじられ、MCも「いちご狩りの話が聞きたい」と言っていたが、なおもマイペースに「趣き深い話をさせていただきます」とキャスト発表解禁となった3月7日のエピソードを話し始めた。「昨年のブログをさかのぼっていったら、2017年の3月7日に『ウグイス』っていうタイトルでブログを書いてたんですよ。『ウグイスを見つけたよ』って写真を撮って、ブログに挙げたら、コメントの返信が『これ、メジロだよ』とついて」と会場を爆笑させた。
北村と椎名は撮影中の苦労話を聞かれ、「衣装が半パンだったから」と椎名が語り始めると北村が「僕は大変じゃなかった」と他人事のような反応。
ムキになった椎名は「僕がいちばん最初の被害者というと虫に失礼なんですが」と虫に対して(?)敬意を払いつつ、「森の中だったので、血を吸う虫がたくさんいたのですが、パン!って叩いたら、すごく血が出て。てっきりヒルだと思って『気をつけろよ!』って言ってたんですけど、ヒルじゃなくてブヨだったんです」と説明する。さらに「あいつらはね、針で血を吸うんじゃなくて皮膚をこう…」と、より詳しい話をしようとすると、和田は「いいよ、それはどっちでも!」と止めたが、他のキャストが「鯛ちゃん、すごく詳しい」、「ブヨのことは鯛ちゃんに聞けって感じだった」などと盛り上がりを見せた。そして、撮影は3月だったという話から、森の中で深夜に撮影していると服を着ていても凍えるくらい寒かったが、衣装部が短パンの2人のためにブランケットを巻くようなレッグウォーマーを用意してくれた話に及んだ。
「舞台を越えたい」監督の願いにキャストが応えた
岩永同様、『刀剣乱舞』初参加の定本は、殺陣も初挑戦。定本は、殺陣が上手な人たちの中に初心者で入るのは緊張したと前置きしつつ、「撮影が始まる前からアクションチームの方に自分1人だけ稽古をつけてもらって、最初に映画で使うシーンの殺陣をずっと練習していました。北村さんとは藤四郎兄弟として一緒のシーンがあったので教えてもらいました」と撮影当時の緊張を思い出したかのような面持ちで語った。さらに鈴木が休憩中に刀の扱いをひとりで練習していたのを見て、「あとで(自分も)抜いたり戻したりしてみよう!」と思ったと話すと、“抜いたり戻したり”という表現に和田がうけて、他のキャストも爆笑した。
そんな定本に対して鈴木は「殺陣が初めてと聞いていましたが、合流するときにはもう殺陣ができていた。抜いたり戻したりもすぐに察知して、真似できる視野も持っている」と笑いを取りつつ、定本ののみこみの早さを褒めた。また岩永に対しても日本号の長さに驚いたといい、「あれでよく戦っていたと思う」としんみり岩永を労った。そこに和田が「ハッピーなエピソードないんですか?」とムードを盛り上げようとすると、岩永が「みんなと会えたことがよかった」と大人なコメントでまとめた。
耶雲監督も「みなさん、舞台でやっているので、殺陣やアクションに全然、心配がなかった。その分、舞台でやっている刀剣乱舞のアクションをいかに超えるかというプレッシャーを僕やスタッフ全員が感じていました。でも、すごくいいからこそ、どう撮ろうかというイマジネーションがどんどん湧いてくる現場でしたね」と撮影を振り返った。
そう語る耶雲監督に対して、廣瀬は監督の信頼を感じたといい、自分たちの提案を監督が真摯に受け止めてくれたたことで、自分たちにとっても勉強になったと返した。
次回作には短パン姿であの人が参加?!
本作のために書き下ろされた主題歌「UNBROKEN (feat. 布袋寅泰)」は布袋寅泰が作曲・ギター、西川貴教がボーカルを務めている。鈴木は「布袋さんと西川さんがやってくれるということでビックリしましたし。ロックな感じの曲が始まったっ瞬間に、『あっ映画!』とより実感できた」という。舞台では和楽器が中心だったため、ロックのテイストが響いて、映画の迫力を強めていると喜んだ。
耶雲監督は「西川さんにはまだ編集中の映像を見て、イメージする曲として作っていただきました。刀剣乱舞の映像をすごく気に入っていただけて、ノリノリでやっていただいただけでもすごいなと感動したんですが、『次回作があるなら、僕も刀剣男士になりたい!』といってくれました」と爆弾発言。「たぶん短パンだと思う」と続けると周りが一気に盛り上がり、「衣装は黒い細いアレだと思います」と付け加えた。
みんなの胃袋を支えた「お菓子配るおじさん」とは?
MCから撮影現場でのエピソードを聞かれ、和田が「撮影現場ってお腹が空くじゃないですか、(鈴木)拡樹さんが、お菓子を持ち歩いてくれてたんですよ」と明かすと、荒牧も「夜の現場ではホッカイロを持ち歩いてさまよってるんです。で、撮影がストップした瞬間に『寒いよね、寒いよね』ってホッカイロを配ってくれて」と続けた。すると鈴木も「後半には自分でもネタにしてましたからね、“お菓子配るおじさん”って。隙あらば、お菓子を配ってやろうと思っていました」と笑った。
また、空き時間に控室でウノやトランプの大富豪といったカードゲームをしていたときの話を披露。盛り上がりすぎて、スタッフに怒られたと言いながらも、本当に楽しかったと振り返った。
予想外の方法で大ヒットを祈願
最後に鈴木が「ここからこの作品をたくさん見ていただいて、刀剣乱舞の世界観を知らない方にも楽しんでいただきたいと思っています」と挨拶を始め、「この作品はドローンがたくさん使われていましたが、最後の最後のシーンで、弓でドローンを射抜いてしまいました。ドローンが1台失われるという“大ヒット”しております。そんな大ヒットの願掛けがあったので、大ヒットしてほしいと思いますし、失ったドローンを取り返すためにがんばりたいと思います」と撮影時のエピソードを絡めて、大ヒット祈願の気持ちを伝えた。
耶雲監督も「この映画は、キャスト・スタッフ・関係者全員が一丸となって挑戦した映画です。ですが、まだ、完全に完成とは言えません! 観客のみなさんに観ていただいて初めて映画が完成すると思っております。一丸となって、熱を込めてこの映画を作りました。今度はその熱をみなさんに広めていただいて、この映画をもっと大きく育てていってほしいと思っております。みなさんの熱で『映画刀剣乱舞』という刀剣を立派な、最高なものにしていきたいと思いますので、よろしくお願いします!」とイベントを締めくくった。
[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: 堀木 三紀]
イベント情報
『映画刀剣乱舞』完成披露上映会■開催日: 2018年12月27日(木) |
『映画刀剣乱舞』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》天正十年六月二日 京・本能寺。 明智光秀が織田信長を襲撃した“本能寺の変”に、歴史改変の魔の手が迫っていた。 燃 える寺から信長を逃がし歴史を変える、そんな時間遡行軍の計画は、刀剣男士たちの活躍により打ち砕かれた。 ところが、無事任務 を終えて帰還した彼らに届いた「織田信長生存」の一報。 本来の歴史に戻すため、刀剣男士たちは織田信長暗殺を目的に再び過去へ と出陣するのだった。 どうやって信長は生き延びていたのか、怪しい動きをする影、そして立て続けに歴史介入をしてくる時間遡 行軍。彼らの本当の狙いに気付いた三日月宗近は… 正しい歴史とは何か。 “守るべきもの”を守る戦いが、今始まる! |
監督: 耶雲哉治
脚本: 小林靖子
配給: 東宝映像事業部
©2019「映画刀剣乱舞」製作委員会 ©2015-2019 DMM GAMES/Nitroplus