映画『千夜、一夜』公開初日舞台挨拶 レポート
【写真】映画『千夜、一夜』公開記念舞台挨拶 (田中裕子、尾野真千子、安藤政信、久保田直監督)

映画『千夜、一夜』㊗公開記念舞台挨拶

田中裕子「制作期間の8年を“千夜”と例えるならば今日が“一夜”」

田中裕子を主演に迎えた久保田直監督の最新作、映画『千夜、一夜』が10月7日(金)に公開を迎えた。

【画像】映画『千夜、一夜』メインカット

公開翌日10月8日(土)、テアトル新宿で公開記念舞台挨拶が行われ、主演の田中裕子をはじめ、尾野真千子安藤政信ら日本映画界屈指の実力派俳優陣、そして久保田直監督が登壇。公開を迎えた各々の心境や作品に込めた想いを観客の前で語った。さらには、新潟県佐渡市で行われた撮影の様子なども明かされ、公開を迎えた記念にふさわしい貴重なイベントとなった。

まず初めに、主演の田中から「諦めずに今日という日を迎えられたこと、スタッフの方々やキャストのみなさんに感謝しています」という挨拶で舞台挨拶がスタート。

【写真】映画『千夜、一夜』公開記念舞台挨拶 (田中裕子)

MCから本作のキャスティングの経緯を聞かれた久保田監督は「前作の『家路』(2014年)で田中さんに出演していただいた際に、撮影現場でのことのみならず、一人の人間としても教わることが多く、次回作でもまたご一緒したいとずっと思っていました。脚本の青木研次さんと本作の主人公の“待ち続ける女性”を思いついた時には、二人とも自然と頭に田中さんが浮かんでいました」と企画当時の様子を明かした。

【写真】映画『千夜、一夜』公開記念舞台挨拶 (久保田直監督)

このようなキャスティングの経緯もあり、本作の脚本は田中をあてがきしたものとなっている。突然姿を消した夫を30年にわたり待つ女性・登美子を演じた田中は、脚本を読んだ印象について「脚本の青木さんとは『いつか読書する日』(2004年)でご一緒したことがあり、セリフは多くないけれど、セリフとセリフの間にまるで“風”のようにいろんなことを感じられる印象があります」と語り、「でもその“風”のようなものをうまく演技で伝えるのがなかなか難しくて、今までもなかなかできなかったと思うし、今回もできなかったかなあって思っています」と自身の演技について謙遜気味に振り返り、笑みを浮かべた。

【画像】映画『千夜、一夜』場面カット (田中裕子)

一方で、2年前に失踪した夫を探す女性・奈美を演じた尾野真千子は、「近年エンタメに特化した作品が多い中で、いい意味で地味な映画。本作は観た人も私たちも、何かを考えさせられる映画だと思っています。田中さんと前回共演したときに個人的にやり残したことがあり、本作で面と向かってしっかりとお芝居するシーンがあるので、ぜひ出演したいと思いました」と出演の経緯を明かした。

【写真】映画『千夜、一夜』公開記念舞台挨拶 (尾野真千子)

そんな尾野演じる奈美の夫・洋司を演じた安藤政信は、本作について「(事務所に所属せずフリーランスの)“役者としての所在地”を考えているところだったので、脚本を読んで、今の自分とリンクするところがあると感じました」と当時の心境を明かし、田中との共演について「田中さんと演技していると、まるで魔法にかかったように、全てを見透かされているような、動けなくなるような感覚になりました。思わず“旦那さん”というセリフを嚙んでしまったほど」と振り返ると、キャスト陣を含め会場中から笑いが起こった。

【写真】映画『千夜、一夜』公開記念舞台挨拶 (安藤政信)

また、本作は10月5日(水)~10月14日(金)まで開催中の第27回釜山国際映画祭のニューカレンツ・コンペティション部門に正式出品されており、現地で上映後のQ&Aに登壇した久保田監督はその時の様子を「上映終了時間がかなり夜遅かったにも関わらず、多くの方が残ってくれました。Q&Aはものすごく手が挙がって、予定時間から大幅に延長するほどでした」と現地でも絶賛された様子を笑顔で振り返った。

【写真】第27回 釜山国際映画祭(BIFF) 映画『千夜、一夜』Q&A (久保田直監督)

本作の舞台である佐渡島で印象に残っていることについて、田中は「撮影終わりの帰り道、道で虫を採っている女の子がいるなあと思ってよく見たら、真千子ちゃんでした」と驚きのエピソードが明かされ、尾野が「虫じゃなくて、花を摘んでました」その様子をジェスチャーで表現する場面も。

さらに久保田監督と仕事をして現場で感じたことについて、安藤は「その場での空気感や一回のエネルギーを大切にする人だなと思いました。テイクを何回も重ねるのでなく生の感覚を大事にされていましたね」と撮影時の様子を振り返り、監督とキャストの信頼関係の元で撮影が行われた様子が伺えた。

【画像】映画『千夜、一夜』場面カット (久保田直監督)

最後に久保田監督から「“待つこと”がテーマの映画ですが、新型コロナ感染拡大に伴い撮影が一時中断になることもあり、8年かかって完成を“待ち続けた映画”です。それがあったからこそ、より奥の深い映画に仕上がっていますので、多くの方に感じ取っていただきたいです」、田中から「その8年を“千夜”と例えるならば今日が“一夜”です。本作を観た後、家に帰って部屋の明かりをつけるときにふとこの映画のことを想ってくれるようなことがあればいいなと思います。そんな一夜があることを願っています」とそれぞれ挨拶があり、舞台挨拶は終了。登壇した4人の晴れ晴れした表情が終始光る、無事公開を迎えた記念に相応しい舞台挨拶となった。

イベント情報

映画『千夜、一夜』公開記念舞台挨拶

■開催日: 2022年10月8日(土)
■会場: テアトル新宿
■登壇者: 田中裕子、尾野真千子、安藤政信、久保田直監督

【写真】映画『千夜、一夜』公開記念舞台挨拶 (田中裕子、尾野真千子、安藤政信、久保田直監督)

映画『千夜、一夜』予告篇🎞

映画作品情報

【画像】映画『千夜、一夜』ポスタービジュアル

《ストーリー》

北の離島の美しい港町。登美子の夫が突然姿を消してから 30 年の時が経った。彼はなぜいなくなったのか。生きているのかどうか、それすらわからない。漁師の春男が登美子に想いを寄せ続けるも、彼女がそれに応えることはない。そんな登美子のもとに、2 年前に失踪した夫を探す奈美が現れる。彼女は自分のなかで折り合いをつけ、前に進むために、夫が「いなくなった理由」を探していた。ある日、登美子は街中で偶然、失踪した奈美の夫・洋司を見かけて…。

 
第27回 釜山国際映画祭(BIFF) ニューカレンツ・コンペティション部門 出品
 
出演: 田中裕子、尾野真千子、安藤政信/ダンカン、白石加代子、長内美那子、田島令子、山中崇、阿部進之介、田中要次、平泉成、小倉久寛
 
監督・編集: 久保田直
脚本: 青木研次
音楽: 清水靖晃
製作: 映画『千夜、一夜』製作委員会
特別製作協力: 株式会社シャイン、株式会社サンテクノ
協賛: サンフロンティア不動産株式会社
助成: 文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会
制作プロダクション: ソリッドジャム
配給: ビターズ・エンド
 
2022年 / 日本 / カラー / ビスタ / DCP / 5.1ch / 126分
 
© 2022 映画『千夜、一夜』製作委員会
 
2022年10月7日(金) テアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国公開!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter:@senyamovie
公式Facebook: @senyaichiyamovie
 

この記事の著者

この著者の最新の記事

関連記事

カテゴリー

アーカイブ

YouTube Channel

Twitter

【バナー画像】日本アカデミー賞
ページ上部へ戻る