古川登志夫&柿沼紫乃 声優夫婦登壇!
トークイベント付き試写会
“今年一番良質な映画”と絶賛!
夫婦そろって吹き替えも熱望!!
おしどり声優夫婦が明かす“声優夫婦”の甘い生活!?
イスラエルから届いたユーモラスで心温まる大人の珠玉の映画『声優夫婦の甘くない生活』(原題・英題: Golden Voices)が12月18日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開される。
吹き替え声優夫婦がイスラエルに移民して夢の第2の人生をスタート。しかし、声優の仕事にありつけない2人が始めたのは闇仕事だった・・・!妻の秘密が発覚したことをきっかけに、長年気付かないふりをしてきたお互いの「本当の声」が噴出し始める!監督が旧ソ連圏から移民した自身の経験をもとに、7年の歳月をかけて作り上げた。
物語を彩るのは、声優夫婦の歴史を形作ってきた名画の数々。今年、生誕100周年を迎える巨匠フェデリコ・フェリーニや、ハリウッドの往年の名作へのオマージュが、アキ・カウリスマキを思わせるクラシカルな映像と相まって、甘美なノスタルジーに誘ってくれる。
“声優夫婦”というこれまでにない主人公が話題となっているが、そんな設定にちなみ、11月22日(日)のいい夫婦の日に、日本のリアル声優夫婦が登壇するトークイベント付き試写会がアキバシアターで開催!「ONE PIECE」の主人公ルフィの義兄ポートガス・D・エース、「ドラゴンボール」シリーズのピッコロ、「うる星やつら」の諸星あたる、洋画の吹き替えでは『愛と哀しみの果て』(1985年)のロバート・レッドフォードや『バットマン フォーエヴァー』(1995年)のジム・キャリーなどの声を担当の古川登志夫。そして、「美少女戦士セーラームーン」の大阪なる、「ドラゴンボール改」のビーデルとパン、「クッキングパパ」の芹沢マリ、「きんぎょ注意報」の智恵子などの声を担当の柿沼紫乃の、日本を代表するレジェンド声優夫婦をゲストに迎え、『声優夫婦の甘くない生活』についてトークが繰り広げられた。
この映画を観た感想について、まず古川は「夫婦の心の機微を扱った作品。今年は相当な映画を観ているけど、一言で言うと最も良質な映画。同い年の声優夫婦がいて、離婚しそうな状態でアドバイスに困っていたけど、この映画にはその解決策やヒントがあるのではないかとも感じた」と話す。
柿沼は「イスラエルのアニメーションのイベントで、イスラエルに行ったことがあるけど、街全体や白っぽい色味のトーンはまさに映画のままで懐かしさを感じた」と振り返りながら、「本当の声を、ハリウッド映画のようなドラマチックな台詞で語ることは必要ないのかもしれないと思った」とコメント。
声優としての視点では、どうだったか尋ねられると、古川は「劇中では、知人に頼って声優の仕事を探すのが印象的だった。自分も若い時はそんなことがあって、自らアルバムや資料をつくって、大学の先輩に仕事がないか頼んだりしたこともあったが、今は事務所に所属していて、スタッフが仕事をとってきてくれる。年間1000以上、365日必ず世界中のどこかで行われている日本のサブカルコンテンテツをコンセプトにしたコンペへ度々参加した際、海外の声優の方から、海外にはその声優エージェントの仕組みがほとんどなく、声優の地位が日本と比べて低いと言っていた」と日本と海外の業界の違いについて着目。
柿沼は「妻のラヤが電話の仕事で相手にあわせて、声色を変えるのは声優あるある。セールスマンが来た時に、子供の声をしたり、あからさまに忙しそうな声を演じたりする。他にも、ヴィクトルがオーディションで、ハリウッド俳優に真似て声を出すけど、自分自身の台詞で話して、と言われた時に固まってしまう。妙にかっこつけていたりすると、今、誰の真似をしているの?とか思う時がある」と声優夫婦のあるあるも語り、会場が盛り上がった。
お互いのどんな声に惹かれたか尋ねられると、柿沼は「声優には、声のトーンを変えない人、変える人の2通りいるけど、古川さんは変えるタイプ。『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』(1990年)のロバート・カーライルの声の時は、悪役なのに抑えて痛みを感じない苦しみを表現していて、あの声が一番好き。業界でもエンドロールをみないと古川さんと気づかない。ヨイショ!」と絶賛しながらも最後に持ち上げ、会場は笑いに包まれた。
古川は「今やっている、アニメ『ワンピース 和の国編』のお鶴とかがいいかな。彼女はラジオからスタートして、当時はラジオ中心に活躍していて、七色の声を出すからレインボー柿沼というあだ名がつけられていた。当時、自分の劇団に入ってきた研究生で、鼻にかかった面白い声だなと思っていた」と振り返る。
相手の声が違っても、気づくかどうか聞かれると、古川は「絶対聞き分けられる」と断言。柿沼は「準備段階を知らないとわからない時があるかもしれない。演技の幅が広いと受け取ってほしい」と褒め、夫婦の仲の良さをみせ会場を沸かせた。
劇中では、『ボイス・オブ・ムーン』(1990年)をはじめ、フェリーニ監督や往年作品への愛に溢れている。おふたりの思い出の一本について、柿沼はフェリーニ監督の『道』(1954年)をあげて、「観終わったあとで、ジュリエッタ・マシーナが監督の実の奥さんであることを知り、ピュアなあの役を奥さんにあてるという心根に惚れた」と語る。
古川は「年に120本は映画を観るほどの映画好きで、海外に行く時は映画を事前に調べてロケ地にいく。『めまい』(1958年)のゴールデン・ゲート・ブリッジの撮影地に行ったりとか」と映画オタクであることを打ち明けながら、印象に残っている映画については「『カサブランカ』(1942年)のイングリッド・バーグマンの美貌のすごさ。あの映画をきっかけに部屋にバーグマンの写真をかけたら、柿沼さんに私の写真にしなさいと言われた(笑)」と語った。
劇中では、夫のヴィクトルが「映画は豊かな世界そのもの 吹き替えはその入り口だ」と語る名台詞から、最後にふたりにとって、映画の吹き替えとは?と尋ねられると、古川は「神様が与えてくれた天職。あとは、言葉の障壁を越えて豊かな世界に誘ってくれる。そういう橋渡しをする役目だと思っている」と話す。
柿沼は「国民性によって感情表現が違う。欧米だとこうだけど、日本はここは抑えた方が伝わるんじゃないかとか。そういう感情表現のところも翻訳して、吹き替えをすることを役目として心がけている」と声の仕事への思いを語った。
最後に、主人公の声優夫婦ヴィクトルとラヤの声をふたりにもやってほしいと司会から振られると、会場からも大きな拍手が起こった。古川は「ぜひやってみたい」と熱望し、柿沼も「上手い俳優さんが演じている作品は、吹き替えに挑戦したいし、乗り越えたいと思う」と熱いコメントで、会場も盛り上がり、まだまだ熱く語りたい空気のなか惜しくもお時間となりトークイベントは終了した。
イベント情報
映画『声優夫婦の甘くない生活 』
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映画『声優夫婦の甘くない生活』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》1990年、イスラエルへ移民したヴィクトルとラヤは、かつてソ連に届くハリウッドやヨーロッパ映画の吹き替えで活躍した声優夫婦。しかし、夢の第2の人生のはずが、新天地では声優の需要がなかった!生活のため、ラヤは夫に内緒でテレフォンセックスの仕事に就き、思わぬ才能を発揮。一方ヴィクトルは、違法な海賊版レンタルビデオ店で再び声優の職を得る。ようやく軌道に乗り始めたかに見えた日々。しかし、妻の秘密が発覚したことをきっかけに、長年気付かないふりをしてきたお互いの「本当の声」が噴出し始める。 |
邦題: 声優夫婦の甘くない生活
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開!