映画『破戒』完成披露舞台挨拶
ロミオとジュリエットとしての一面も!?
石井杏奈も演出にキュンキュン💕
1948年の木下恵介監督、1962年の市川崑監督と名だたる巨匠が映画化してきた、小説家・島崎藤村の不朽の名作「破戒」。2022年、60年ぶりに再び映画化され、7月8日(金)に丸の内TOEIほかにて全国公開される。
主演を務めるのは、近年、映画『東京リベンジャーズ』(2021年)、『Red』(2020年)、『殺さない彼と死なない彼女』(2019年)に出演するなど、多彩な活躍が目覚ましい若手俳優・間宮祥太朗。自らの出自に苦悩しつつも、最後にはある告白をする主人公・瀬川丑松という難役に挑戦し、気迫のこもった演技で観る者を惹きつける。
相手役の志保を演じるのは、映画『砕け散るところを見せてあげる』(2021年)、『記憶の技法』(2020年)など、若手女優の中でも演技への評価が特に高い石井杏奈。丑松に恋心を寄せつつも、なかなか思いを告げられない控えめな女性を演じる。
悩める丑松を支える同僚で親友の銀之助役には、『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』(2021年)、『新解釈・三國志』(2021年)、『ぐらんぶる』(2020年)など、ここ最近出演作のオファーが引きも切らない若手俳優・矢本悠馬。ほか眞島秀和、高橋和也、竹中直人、本田博太郎、田中要次、石橋蓮司、大東駿介、小林綾子など名優たちが顔をそろえ、クオリティの高いドラマを作り上げている。
そして6月13日(月)、完成披露舞台挨拶が丸の内TOEI①で行われ、主演の間宮祥太朗、石井杏奈、矢本悠馬、前田和男監督が登壇した。
矢本悠馬「人生に影響を与える作品に」自信見せる
上映前の劇場に登壇者たちが浴衣姿で登場すると、観客からは盛大な拍手が起こった。
自身が演じた丑松らしさを意識して浴衣を選んだという間宮。昨年の8月に京都で撮影したことを話し、「今日こうやって観てもらえることがすごく幸せです」と挨拶。
髪飾りも印象的な石井は「23歳の自分にもすごく響く作品になりました。ということは、20代の方が観ても届くんだなと思います」と若い世代にも観て欲しいとアピールした。
丑松の友人である銀之助を演じた矢本は「映画を観終わって、劇場を出てからの人生に影響を与える作品になっていますし、何かのきっかけになる作品です」と自信を見せる。
明治時代の作家をイメージしたという前田監督は「私としてはロミオとジュリエットのつもりで撮りました」と挨拶。「ロミオとジュリエットは悲劇ですが、この映画はほんの少しですが、希望が持てる。そのために丑松と志保の距離感に希望がポッと出てくるようにお芝居してもらいました」とこだわりを語る。
石井も「監督から丑松さんと志保が恋をするきっかけのお話を聞いた時にすごいキュンキュンして!それが映像でもしっかりと描かれているので是非観ていただきたいです」と見どころを話した。
これから映画を観る方へメッセージ
前田監督:「今はなかなか希望を持ちにくい、希望を打ち砕かれる。そんな時代なのかもしれません。丑松の希望の先に居るのは100年後の我々なんですね。映画『破戒』は約束の映画でもあると思います」
矢本:「古臭い時代劇だと思われがちかも知れないですけど、今の人が観てもリアリティのある作品です」
石井:「分かりやすいし、受け取りやすい作品だと思うので、今観ていただきたい作品が出来ました」
間宮:「丑松の中で世界が変わったなって実感が演じていてありました。それが観ている皆さんのひとりひとりの中で自分の世界に影響を及ぼす映画であれたらと思います」
最後に、これから映画本編を観る観客へ向けて登壇者がそれぞれメッセージを贈り、舞台挨拶は終了した。
フォトギャラリー📸
イベント情報
映画『破戒』完成披露舞台挨拶■開催日: 2022年6月13日(月) |
映画『破戒』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》なぜ自分の故郷を語れない。 なぜ好きな人に気持ちを伝えることができない 瀬川丑松(間宮祥太朗)は、自分が被差別部落出身ということを隠して、地元を離れ、ある小学校の教員として奉職する。 彼は、その出自を隠し通すよう、亡くなった父からの強い戒めを受けていた。 彼は生徒に慕われるいい教師だったが、出自を隠していることに悩み、また差別の現状を体験することで心を乱しつつも、下宿先の士族出身の女性・志保(石井杏奈)との恋に心を焦がしていた。 友人の同僚教師・銀之助(矢本悠馬)の支えはあったが、学校では丑松の出自についての疑念も抱かれ始め、丑松の立場は危ういものになっていく。 苦しみのなか丑松は、被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎(眞島秀和)に倒錯していく。 猪子宛に手紙を書いたところ、思いがけず猪子と対面する機会を得るが、丑松は猪子にすら、自分の出自を告白することができなかった。 そんな中、猪子の演説会が開かれる。 丑松は、「人間はみな等しく尊厳をもつものだ」という猪子の言葉に強い感動を覚えるが、猪子は演説後、政敵の放った暴漢に襲われる。 この事件がきっかけとなり、丑松はある決意を胸に、教え子たちが待つ最後の教壇へたとうとする。 |