- 2018-9-25
- イベントレポート, 映画関連ニュース, 第31回 東京国際映画祭, 記者会見
第31回東京国際映画祭(TIFF) ラインナップ発表記者会見
世界109の国と地域、1829本の応募から16本を厳選!
「世界の今」が垣間見られる10日間に期待満載‼︎
開催まで残すところあと約1カ月!
9月25日(火)、第31回東京国際映画祭(TIFF)のラインナップ発表記者会見が東京・虎の門ヒルズフォーラムのメインホールにて開催された。
司会進行はフジテレビ笠井信輔アナウンサー。ゲストに、第31回東京国際映画祭アンバサダーを務める、女優の松岡茉優、コンペティション部門出品作品『愛がなんだ』から、 今泉力哉監督と主演の岸井ゆきの、同じくコンペティション部門の『半世界』から監督の阪本順治監督、さらにアニメーション特集「アニメーション監督 湯浅政明の世界」から湯浅政明監督を迎え、各部門の全ラインナップ、国際審査委員、全イベントの魅力や見どころが次々と紹介された。
東京国際映画祭 Vision
アートとエンターテインメントの調和
記者会見の冒頭、東京国際映画祭フェスティバルディレクターの久松猛朗より開催の挨拶と今回の企画や上映に関する発表があった。第31回目を迎える今回、目新しいことを目標とするのではなく、「昨年からのビジョンをしっかりと強化していくことをテーマとして取り組んでいきたい」と述べた。また、「今まで以上に多彩、多様でにぎやかな映画祭になるので、是非ご期待ください」と結んだ。
Expansive ― 映画を観る喜びの共有世界の様々な国や地域から、幅広いテーマやジャンルの映画を紹介し、多様で多彩で豊かな映画の魅力を共有。誰もが参加したくなる、祝祭感溢れる映画祭を開催。
Empowering ― 映画人たちの交流の促進日本、アジアのみならず、世界の映画文化及び映画産業に携わる人々が交流するハブとなり、相互に発信・受信しながら、新たな出会いと活動が生まれる場を提供。
Enlightening ― 映画の未来の開拓若いクリエイターの育成、未来のクリエイターの創出に取り組み、彼らが世界に羽ばたいていくプラットフォームとしての役割を果たしていく。また、映画の魅力、映画を観る喜びを共有してもらうことで、若い映画ファン、将来の映画ファンの開拓に取り組む。
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第31回東京国際映画祭アンバサダー 松岡茉優 コメント
カンヌや上海国際映画祭といろいろ巡ってきた『万引き家族』。日本そして海外の皆さんにもう1度観てもらえるのが大変嬉しいです。『万引き家族』で共演した樹木さんとの思い出は、たくさんの宝物。樹木さんのようになりたい!次の世代に渡せるような存在になりたいと強く決意しております。この東京国際映画祭に華を添えられるように、若手の力を示せるように頑張りたいなと思っています。アンバサダーとして、自信をもって言えます。東京国際映画祭は、地元の大好きな映画祭です。
オープニング/GALAスクリーニング/クロージング作品の発表!
*GALAスクリーニングとは・・・オープニング、クロージング作品に並ぶ上映。映画祭期間中のハイライトとして、観客および世界に注目してほしい作品をセレクト。
オープニング作品『アリー/スター誕生』
オープニング作品は、12月の日本公開を前に早くも世界中で注目を集めている、レディー・ガガ主演、ブラッドリー・クーパー主演・監督作品『アリー/ スター誕生』。1937年の「スタア誕生」を皮切りに、これまでに何度も映画化されてきた、いつの時代も愛される普遍的なストーリーを、最高のキャスト・スタッフによって映画化。世界的歌姫レディー・ガガが、スターになることを夢見る主人公・アリー役を熱演。ガガは本作が映画初主演となる。そして、俳優のブラッドリー・クーパーが本作で監督デビューを果たし、アリーの才能を見出すロックスターのジャクソン役でガガとともに主演を務めている。アリーとジャクソン、2人の歌が見るものすべての心を震わす圧巻の感動エンターテインメントが映画祭の開幕を飾る。
GALAスクリーニング『人魚の眠る家』
今年初の試みとなる、GALAスクリーニング作品は『人魚の眠る家』。東野圭吾作家デビュー30周年を記念して書かれたベストセラー小説を堤幸彦監督の手によって映画化。愛するわが子の悲劇に直面し、究極の選択を迫られた夫婦の運命とは・・・。篠原涼子と西島秀俊が夫婦役で映画初共演。坂口健太郎ほか世代を代表する実力派キャストが集結。先の読めない怒涛の展開、想像を絶する衝撃のクライマックス、愛する人を持つすべての人の心を揺さぶるヒューマンミステリー。
クロージング作品『GODZILLA 星を喰う者』
クロージング作品は、アニメーション映画『GODZILLA』三部作の最終章『GODZILLA 星を喰う者』。ゴジラ映画史上初の3DCGアニメーション作品である第一章『GODZILLA 怪獣惑星』、〈メカゴジラ〉の新解釈で観客を圧倒した第二章『GODZILLA 決戦機動増殖都市』。そして、最終章を迎えた本作『GODZILLA 星を喰う者』では、超科学が生み出した〈メカゴジラシティ〉をも焼き尽くし、地上の覇者となった究極の生命〈ゴジラ・アース〉と高次元怪獣〈ギドラ〉がついに激突する。声の出演として、宮野真守、櫻井孝宏、花澤香菜ら人気・実力を兼ね備えた声優陣が顔を揃えている。
「コンペティション」部門
映画祭メイン部門の「コンペティション」部門、審査委員長は、フィリピンのブリランテ・メンドーサ監督が審査委員長に就任。『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』でカンヌ国際映画祭監督賞、『ローサは密告された』で、同じくカンヌ映画祭主演女優賞を受賞している。国際映画審査員として、J・J・エイブラムス作品や『ミッション:インポッシブル』シリーズを手掛けたプロデューサー、ブライアン・バーク、昨年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した『セールスマン』の主演女優、タラネ・アリドゥスティ、『ルージュ』や『フルムーン・イン・ニューヨーク』の監督でプロデューサーでもある、スタンリー・クワン、日本からは様々なジャンルの作品で強い印象を残す、女優の南果歩が勤める。
コンペティション部門には、109の国と地域、1,829本もの応募作品の中から16作品が選ばれた。そのラインナップをプログラミング・ディレクターの矢田部吉彦氏が発表し、1作品ずつ見所と共に紹介された。
<コンペティション部門出品作品一覧>
作品タイトル | 監督 | 製作国 |
アマンダ(原題) | ミカエル・アース | フランス |
堕ちた希望 | エドゥアルド・デ・アンジェリス | イタリア |
ブラ物語 | ファイト・ヘルマー | ドイツ・アゼルバイジャン |
ホワイト・クロウ(原題) | レイフ・ファインズ | イギリス 他 |
ヒズ・マスターズ・ヴォイス | パールフィ・ジョルジ | ハンガリー |
氷の季節 | マイケル・ノーア | デンマーク |
大いなる闇の日々 | マキシム・ジルー | カナダ |
ヒストリー・レッスン | マルチェリーノ・イスラス・エルナンデス | メキシコ |
翳りゆく父 | ガブリエラ・アルメイア | ブラジル |
シレンズ・コール | ラミン・マタン | トルコ |
テルアビブ・オン・ファイア | ザメー・ゾアビ | イスラエル 他 |
ザ・リバー | エミール・バイガジン | カザフスタン |
詩人 | リウ・ハオ(劉浩) | 中国 |
三人の夫 | フルーツ・チャン | 中国 |
愛がなんだ | 今泉力哉 | 日本 |
半世界 | 阪本順治 | 日本 |
【コンペティション部門選出作品『愛がなんだ』今泉力哉監督コメント】
東京国際映画祭には、何度か観客として、そして日本スプラッシュという部門などで携わってきました。この度コンペに選んで頂きとても光栄に思っています。海外の作品と並んで観て頂けるコンペに選出された嬉しさと「やっとたどり着いたんだな…」という気持ちとでじんわりときました。まだゴールではないので、どうご覧頂けるか楽しみです。映画祭の縁、矢田部さん、スタッフやキャストとの出会いに恵まれていました。賞を取った監督や上映された監督、そして審査員らと仲良くなって、また翌年来ようと思える映画祭です。 |
【コンペティション部門選出作品『愛がなんだ』主演岸井ゆきのコメント】
今まで3回スプラッシュ部門でレッドカーペットを歩きました。今回は、コンペというところに行けて凄く嬉しかったです。世界の方々と一緒に上映される、そしてこの作品は世界共通の普遍的な物語なので本当に嬉しいです。監督はダメ恋愛映画を撮るのが大の得意で、主人公のテルコも本当にダメダメでした。最近スクリーンで見たのですが、やっぱりテルコの肩を持っちゃって応援しちゃいたくなる映画でした。 |
「アジアの未来」部門
アジアの新鋭監督たちが賞を競い合う。中東から東アジアまで、活気に満ちたアジア圏の映画が8本揃った。バラエティに富んだ作品群の面白さを、お見逃しなく!
「日本映画スプラッシュ」部門
個性溢れる日本映画が世界を目指しています。栄冠を手にするのは果たしてどの作品か?
「特別招待作品」
日本公開前の最新作をプレミア上映!この秋以降に公開される大作や話題作がこの部門で上映される。映画スターや関係者がレッドカーペットやイベントに来場。
「ワールド・フォーカス」部門
映画ファン必見!世界各地の映画祭受賞作から、巨匠や鬼才の新作まで、公開が未定の作品を上映。
「Japan Now」部門
日本映画の“今”を世界に紹介。今年は俳優生活40周年を迎える役所広司の特集にも注目。
「CROSSCUT ASIA #05 ラララ♪東南アジア」
「国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA」の作品群。今年の切り口は“音楽”。
「アジア三面鏡 第2弾」
日本を含むアジアの気鋭監督3名が、ひとつのテーマのもとにオムニバス映画を共同製作するプロジェクト。それぞれの国の社会や文化を三面鏡の様に映し出す。シリーズ第2弾『アジア三面鏡2018:Journey』は、松永大司(日本)、エドウィン(インドネシア)、デグナー(中国)の3名の監督が手掛けた。
「ユース」部門
子どもや若い世代が感動できる映画が勢揃い。特別企画の映画製作ワークショップも要チェック!
「日本映画クラシックス」
4Kデジタル修復版によって蘇った名作。今年は名匠・川島雄三の生誕100年にあたる年を記念して、文芸作品からブラックコメディまで、代表作3本を上映。
アニメーション特集「アニメーション監督 湯浅政明の世界」
これからの日本アニメを牽引する存在として期待される、監督デビュー30周年を迎えた映画監督・原恵一の創作の軌跡を紹介。
【アニメーション特集「アニメーション監督 湯浅政明の世界」湯浅政明監督コメント】
このような大きな映画祭で特集をして頂けるとのこと、とても光栄です。今日はスーツ。トレードマークの帽子は被らないで来ました。ネットで今年は湯浅なんじゃないか?とガセネタが飛んでいて、もしそうなったらいいな…と思っていたのですが、いざ なってみたら今までスゴイ方がやっていらっしゃって、ちょっと格が違う、間違いかと思いました。こういう機会に恵まれて、大変有難く嬉しいです。貴重な作品上映になると思うのは「ちびまる子ちゃん」と「クレヨンしんちゃんーぶりぶりざえもんの冒険―」。ちびまる子ちゃんのミュージックシーンは『わたしの好きな歌』。『DEVILMAN crybaby』は、NETFLIXに入っていない方は、是非この機会にどうぞ。基本的には映像で楽しいことをやりたいと思っています。意外と1つのテーマを奥に持ってやっているんだと思う方もいるんじゃないかな。若い時の方が奇抜な方向ですが、今はみんなと感動を共有できるものが出来ればと変わってきています。スゴイ良いチャンスをもらっています。まだ観ていない方、観て下さった方、是非この機会にご覧頂きたいです。 |
[スチール撮影&記者: 花岡 薫]
第31回 東京国際映画祭 ラインナップ発表記者会見 概要■開催日: 2018年9月25日(火)14:00~
■会場: 虎ノ門ヒルズ メインホール
■司会: 笠井信輔(アナウンサー)
■登壇者: 久松猛朗(東京国際映画祭 フェスティバル・ディレクター)
都島信成(東京国際映画祭 事務局長) 矢田部吉彦(コンペティション部門、日本映画スプラッシュ部門 プログラミング・ディレクター) 石坂健治(アジアの未来部門 プログラミング・ディレクター) 安藤紘平(Japan Now部門 プログラミング・アドバイザー) 氷川竜介(アニメーション特集 プログラミング・アドバイザー) ■ゲスト: 松岡茉優(第31回東京国際映画祭アンバサダー) 阪本順治監督(コンペティション部門『半世界』より) 今泉力哉監督、岸井ゆきの(コンペティション部門『愛がなんだ』より) 湯浅政明監督(アニメーション特集『アニメーション監督 湯浅政明の世界』より) |
第31回 東京国際映画祭 開催概要■開催期間: 2018年10月25日(木) ~ 11月3日(土・祝) |