- 2017-10-30
- イベントレポート, 第30回 東京国際映画祭, 記者会見
第30回 東京国際映画祭(TIFF)
コンペティション部門『勝手にふるえてろ』記者会見
松岡茉優演じる主人公に誰もが共感してしまう?!
ラブコメ史上、最もキラキラしていない女子の妄想力爆発恋愛物語。
芥川賞作家・綿矢りさの真骨頂!妄想力爆発の恋愛小説が待望の映画化。いま最も注目を浴びる女優・松岡茉優初主演作にして第30回東京国際映画祭(TIFF)のコンペティション部門に選出された『勝手にふるえてろ』の記者会見が10月30日(月)に東京・六本木ヒルズで行われ、主人公・ヨシカを演じた主演の松岡茉優、共演の渡辺大知(黒猫チェルシー)、北村匠海(DISH//)、石橋杏奈らキャスト陣、そして大九明子監督が登壇した。
《記者会見レポート》
各登壇者からの挨拶
石橋杏奈: まさかこんな大きな東京国際映画祭という場に来られて光栄です。本作はヨシカに感情移入出来る作品です。女性はもちろんのこと、男性にも観てほしい作品になっています。本日はよろしくお願いいたします。
渡辺大知: この作品の中で「二」という人物と、主題歌を担当させていただいております。僕はこの作品を観て、ヨシカのファンになりました。主演の松岡茉優さんの魅力が爆発している作品です。男ですけど結構ヨシカに共感させられるところもたくさんありまして。だから男性も安心してヨシカワールドに引き込まれて楽しんでもらえたらと思います(笑)。
松岡茉優: この物語では普通の女の子を普通の物語の中で演じました。その普遍的なものがこの世界的な東京国際映画祭を通じて世界の女の子達の元に届くことを願っています。ヨシカ的な女の子がきっと世界中にいると思うので、その方々に届くことも願っています。よろしくお願いいたします。
北村匠海: 本作で「イチ」役を演じました北村です。僕が演じる「イチ」という男は、監督と初めて会った時に、とても残酷な男だと言われて、僕自身もすごく理解できるキャラクターというか。僕は脚本を読んだ段階ではヨシカよりも、「イチ」に共感することができた作品です。100パーセントこの役柄を北村匠海として出し切った作品です。この作品が多くの方に届くことを、イチファンとして願っております。本日はよろしくお願いいたします。
大九明子監督: 本作にとって、これがワールドプレミアということで、一般の方に広くご覧いただく大変光栄なタイミングであると同時に、東京国際映画祭のコンペティション部門という場に選んでいただいて、信じられない気持ちです。この映画はシナリオの段階からものすごく自分が20代の頃に置いてきた、閉じ込めてきた想いのようなものをぶちまけたような作品で、3年のお付き合いがある松岡茉優さんだからこそ、これは絶対にやれる!と、プロデューサー達に力説して説得して、松岡茉優さんに台本を渡して演じてもらったのですが、見事なものになりました。狭く、ヨシカ的な人に届けばいいという気持ちで撮った作品が、こうして世界に放つ機会をいただき光栄な思いでいっぱいです。劇中、「君を見つけた俺はなかなかいいセンスをしている」というセリフがあるのですが、まさに東京国際映画祭が、私どもの作品『勝手にふるえてろ』を見つけてくれたこと、嬉しく、ありがたいなと思っております。ありがとうございます。
シネマアートオンラインの記者によるQ&A
その後設けられたQ&Aでは、各登壇者にCinema Art Onlineからの質問にお答え頂いた。
―― 登場人物がどれも際立ったキャラクターだったように感じました。本作を通じての印象的な出来事や、気づきなどがありましたらお聞かせてください。
石橋: 私はヨシカの親友であるクルミを演じたんですけれども、恋をかき乱すっていう設定ではあるのですけれども、結構そういう子って意図せず周りにいるなあって。そういう子達を改めて参考にしつつ見直すきっかけになりました。そういう子から見ても、そうじゃない子からみても共感してもらえるような役どころかなと思います。でもやっぱり私はヨシカ目線で今作を観てまして、女性からみて、誰もが共感してもらえる作品に仕上がっているんじゃないかなって思っています。
渡辺: 気づいた点、印象的だった点で言いますと、ヨシカの暴走シーンが印象的でした。釣り堀のおっさんとの会話とか、コンビニのロン毛の 兄ちゃんとの会話とか、自分の心の声という表現が自分と関わったことのない人たちと会話をするという演出のされ方が、ヨシカという人物を象徴するシーンだったなと。それが壊れた時にすごくドキドキさせられました。そこが、男でありながらもヨシカに感情移入出来たところなのかなと思います。そういう変わった演出、ファンタジーな演出の中で、松岡さんが生き生きとしたお芝居をされているのがこの作品の大きな魅力の一つかなと思っています。
松岡: 私はヨシカという役を演じていて、普段お芝居をしているときは、誰かとの会話であったりとか、あるいは何か見てはいけないものを見てしまった時であったり、怪物が出てきたり、そういった時に感情って大きく動くものだと思うのですけれども、ヨシカに関してはほとんど独り相撲というか、感情の起伏・起承転結を一人でやっていかなければならない役でした。長ゼリフをやっていく中で、色をつけたり芝居の緩急をつけていくことにはじめはとまどったんですけれども、やっていくうちに私自身が結構仕切りたがりな面があるので、段々それが気持ちよさに変わっていったんです。こういった一人だからこそやれるチャレンジっていうものが今回やっていて新鮮だったことです。
―― ヨシカは全シーン出ずっぱりでしたが、大変じゃなかったですか?
松岡: 大変でしたが、私は子役からお芝居をやっているので、私にとっては憧れの時間でした。ですので、終わった後に思い返して感じたのは、なんて贅沢な時間だったんだろうという気持ちです。
北村: 僕が演じた「イチ」もそうなんですけど、残酷なやつだなあと。けど、残酷さに共感してしまった自分がいて、というのも僕はこの映画を観て、どの登場人物もキャラが際立っていて濃いと言いますか、それぞれの登場人物が吐き出す感情が、普段僕らが日常的に感じているけど、なかなか表に出ない感情の象徴のような気がして。例えばこのご飯の回、早く終わんねーかなとか。そういう思ってしまうけど、普段は自分の理性的なもので口に出さない気持ちなどが、この役で表情だったりとか、目つきとかで表現出来たので、なんて俺は残酷な奴なんだろうということに気づいた次第です。はい。
大九監督: 気づいていただく為の演出として、ヨシカが歌を歌うというシーンがございまして、物語の構成を考えた時に、どうやって物語の前半がよしかの脳内の中の出来事だったのかというのを表現するにあたり、モノクロにしてみるだとか、アスペクト比をぐっと変えてみようだとか、色々考えたんですけど、思い切って絶対に気がつくような構成にすることを心がけました。この映画としてすることは、気取った体裁を作ることではなくて、ヨシカという人間を映画を観た皆さんに届けることを至上命題にしました。物語として必要な演出にこだわって撮りました。
その後はフォトセッションが行われ、記者会見は最後まで大いに盛り上がりで終了した。
記念すべき第30回東京国際映画祭コンペティション部門の受賞結果も楽しみであるが、映画『勝手にふるえてろ』は12月23日(土・祝) より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショーが決まっている。
《イベント情報》<第30回 東京国際映画祭(TIFF) コンペティション部門>
<映画『勝手にふるえてろ』記者会見> ■開催日: 2017年10月30日(月)
■会場: TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン9
■登壇者: 松岡茉優、渡辺大知(黒猫チェルシー)、北村匠海(DISH//)、石橋杏奈、大九明子監督 |
30th TIFF『勝手にふるえてろ』記者会見動画
映画作品情報
第30回 東京国際映画祭(TIFF) コンペティション部門 出品作品
《ストーリー》“脳内片思い”の毎日に“リアル恋愛”が勃発!?
ふたりの彼氏(?)の間で揺れながら、傷だらけの現実を突き抜ける、暴走ラブコメディ! 中学時代の初恋相手のイチを10年間忘れられない24歳の会社員ヨシカ(松岡茉優)は、そんなヨシカの前に、ある日職場の暑苦しい同期のニ(渡辺大知)が現れ、交際を申し込まれる。人生初の告白に舞い上がるも、暑苦しいニとの関係にイマイチ乗り切れないヨシカは、同級生の名を騙り同窓会を計画。ついにイチとの再会の日が訪れるのだが、、、。 |
監督・脚本: 大九明子
音楽: 高野正樹
主題歌: 黒猫チェルシー「ベイビーユー」(Sony Music Records)
117分 カラー 日本語 | 2017年 日本 | 配給: ファントム・フィルム
© 2017 映画 「勝手にふるえてろ」 製作委員会
新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、
シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー!
公式Instagram: www.instagram.com/furuetero_movie/