第26回 釜山国際映画祭(BIFF) Open Cinema部門『彼女が好きなものは』Q&A レポート
【写真】第26回 釜山国際映画祭(BIFF) Open Cinema部門 映画『彼女が好きなものは』Q&A (草野翔吾監督)

第26回 釜山国際映画祭(BIFF) Open Cinema部門
映画『彼女が好きなものは』Q&A

ワールドプレミア上映後にQ&A 
草野翔吾監督とのティーチインをリモート開催!

2019年にNHKにて「腐女子、うっかりゲイに告る。」のタイトルでドラマ化され話題を呼んだ、浅原ナオトの小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫刊)が草野翔吾監督によって映画化!“ゲイ”であることを隠す主人公と“BL好き”であることを隠すヒロインという、交わるはずのなかった二人の出会いから始まる青春が描かれる。

【画像】映画『彼女が好きなものは』メインカット

主人公・安藤純を演じたのは映画『樹海村』(2021年)、『裏アカ』(2021年)に出演、また待機作に『親密な他人』(W主演/2022年春公開予定)、『20歳のソウル』(主演/2022年初夏公開予定)がある神尾楓珠

ヒロインの三浦紗枝を、映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』(W主演/2020年)、『名も無き世界のエンドロール』(2021年)、『樹海村』(W主演/2021年)、『ひらいて』(主演/2021年10月22日公開)など多くの話題作に出演する山田杏奈が演じる。

ほか共演には、前田旺志郎三浦獠太池田朱那今井翼渡辺大知三浦透子山口紗弥加磯村勇斗ら実力派キャストが顔を揃える。

【画像】映画『彼女が好きなものは』場面カットD

第26回釜山国際映画祭(BIFF)Open Cinema部門に出品作品『彼女が好きなものは』のワールドプレミア上映が、10月8日(金)に行われた!上映後、草野翔吾監督はリモートで行われたQ&Aに参加し、ティーチインが開催された。

キャストとたくさん話し合っての役作り

まずキャスティングの決め手について聞かれると、草野監督は純役・神尾について「透明で澄んだ雰囲気を持っていて、かつ影のようなものも感じられた」、紗枝役・山田については「(前原)プロデューサーに紹介してもらって、会ってみて紗枝にぴったりだと思った」と回答。続けて山田について「こちらから演技指導をしたというより、たくさん提案をしてもらって、それを参考に話し合って撮影していった」と紗枝の役作りのエピソードも話した。

【画像】映画『彼女が好きなものは』場面カットC

続いて純が“ゲイ”であることが学校で広まった後の、ある出来事をきっかけにセクシュアルマイノリティについてクラスでディスカッションをするシーンについては「“セクシュアルマイノリティ”というものに対する認識は日々変わっていっている」と言及し「理解しようとする人ももちろんいる中、拒否感を持つ人もいるのが現実。最新の知識と傾向をきちんと勉強するのが映画を作る際に重要だと感じた」と語った。なお自身が「BL漫画をたくさん読んで勉強しようとした」ことも明かした。

【画像】映画『彼女が好きなものは』場面カットB

純の透明感を“水”で表現

続いて純たちのクラスメイトである小野雄介(三浦獠太)と高岡亮平(前田旺志郎)については、まず物語の中で重要な役割を担う小野について「脚本を書く上で一番難しかった」と明かし、亮平については「亮平を演じた前田自身が持っているキャラクター性が(亮平を魅力的に描く上で)大きな力になった」と話した。

また水族館など“水”に関する演出について聞かれると、純の印象を意識していたとし、「純が持っている透明感を表現するのには水や水色のイメージがぴったりだと思った」とその意図を語った。

【画像】映画『彼女が好きなものは』場面カットA

最後に釜山にいる観客へメッセージ✉

最後に草野監督は「釜山国際映画祭に招待されたと聞いたときは本当に嬉しくて、現地に行きたかった。オンラインでの参加となってしまったのは残念」と悔やみつつも、「良く観ていただいて安心した。コロナが落ち着いたら釜山に行きたい」と、感謝と共に画面越しにメッセージを贈った。

“ゲイ”であることを隠す主人公と“BL好き”であることを隠すヒロインという、交わるはずのなかった二人の出会いから始まる物語が描かれる映画『彼女が好きなものは』。第26回釜山国際映画祭(BIFF)のOpen Cinema部門に続き、約1カ月後に開催となる第34回東京国際映画祭(TIFF)のNippon Cinema Now部門への出品も決まっている

イベント情報

第26回 釜山国際映画祭(BIFF) Open Cinema部門
映画『彼女が好きなものは』リモートQ&A

開催日: 2021年10月8日(金)
会場: 釜山シネマセンター シネマテック(Busan Cinema Center Cinematheque)
登壇者: 草野翔吾監督(東京からオンラインにて参加)

登壇者プロフィール

草野 翔吾 (Shogo Kusano)

1984年生まれ。群馬県出身。早稲田大学社会科学部在学中に長編監督映画が一般劇場で上映され、自らの故郷を舞台にしたオリジナル脚本の長編映画『からっぽ』(2012年)が国内外の映画祭に選出。その後人気漫画原作の劇場版『にがくてあまい』(2016年)を監督、そして誉田哲也原作の映画『世界でいちばん長い写真』(2018年)、では脚本・監督を務め、青春映画として秀作を生み出した。連続ドラマ「びしょ濡れ探偵 水野羽衣」(2019年/TX)、「レンタルなんもしない人」(2020年/TX)のメイン監督も手掛け、ドラマ「消えた初恋」(2021年/EX)も監督。青春の描写に定評のある今注目の監督である。

【写真】草野翔吾監督

映画『彼女が好きなものは』予告篇🎞

《ストーリー》

高校生の安藤純(神尾楓珠)は自分がゲイであることを隠して日々を過ごしている。ある日、書店でクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)が、男性同士の恋愛をテーマとした、いわゆる BLマンガを購入しているところに遭遇。BL好きであることを秘密にしている紗枝は「誰にも言わないで欲しい」と純に口止めをするのだが、彼女はまだ知らなかった。目の前にいる純がゲイであることに。純には妻子ある同性の恋人・誠がいるが、書店での遭遇をきっかけに、純と紗枝は急接近。紗枝の友人達とダブルデートをしたり、クラスメイトたちと遊園地で遊んだりと仲を深めるうちに、純は紗枝から告白をされる。「自分も“ふつう”に女性と付き合い、“ふつう”の人生を歩めるのではないか︖」。一縷の望みにかけるかのように、紗枝の告白を受け入れ、付き合うことになったのだが・・・。

 
第26回釜山国際映画祭(BIFF) Open Cinema部門 出品作品
第34回東京国際映画祭(TIFF) Nippon Cinema Now部門 出品作品
 
出演: 神尾楓珠、山田杏奈、前田旺志郎、三浦獠太、池田朱那、渡辺大知、三浦透子、磯村勇斗、山口紗弥加/今井翼
 
監督・脚本: 草野翔吾
 
原作: 浅原ナオト「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」(角川文庫刊)
 
エグゼクティブプロデューサー: 成 宏基
プロデューサー: 前原美野里、宮本 綾
ラインプロデューサー: 小泉 朋
音楽: ゲイリー芦屋
撮影: 月永雄太
照明: 藤井 勇
美術: 安宅紀史
録音: 齋藤泰陽
装飾: 山本直輝
スタイリスト: SAKAI
ヘアメイク: 寺沢ルミ
編集: 浦部直弘
助監督: 杉岡知哉
制作担当: 狭間聡司
スチール: 柴崎まどか
宣伝デザイン: 大寿美トモエ
宣伝プロデューサー: 小口心平
企画協力: KADOKAWA
企画・制作・プロデュース: アニモプロデュース
配給: バンダイナムコアーツ、アニモプロデュース
製作: 「彼女が好きなものは」製作委員会(バンダイナムコアーツ、アニモプロデュース、ベンチャーバンクエンターテインメント、カラーバード、ハーク、Filmarks、ムラタピクチャーズ)
 
2021年 / 日本 / 121分 / アメリカンビスタ / 5.1ch / カラー / デジタル
 
© 2021「彼女が好きなものは」製作委員会 
 
2021年12月3日(金) 
TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter:@kanosuki2021
公式Instagram:@kanosuki2021
公式ハッシュタグ:#彼女が好きなものは / #カノスキ
 

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