映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(부산행 / Train to Busan) レビュー
映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」

映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』
(原題: 부산행 / 英題: Train to Busan)

世界中で号泣者続出!『新感染』感染者が後を絶たない泣けるゾンビ映画!

第69回カンヌ国際映画祭で好評を博し、ハリウッドリメイクも決定!
映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では、脅威の新鮮度96%を獲得!

世界の映画関係者の間で面白いと大評判の『新感染 ファイナル・エクスプレス』が9月1日から全国公開される。2016年、第69回カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門に出品されたこの作品は、観る者の度肝を抜き、カナダのファンタジア国際映画祭で最優秀作品賞、スペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭で監督賞、視覚効果賞に輝き、156カ国からの買付けオファーが殺到し、ハリウッドリメイクも決定した。

韓国では、観客動員数1,150万人を突破して、2016年興収成績No.1の大ヒットを記録している。

世界の映画関係者たちも大絶賛!

「マジ、オススメ!絶対見るべき」
エドガー・ライト(映画監督『ショーン・オブ・ザ・テッド』)

「完璧!ハラハラしっぱなし!傑作!その目で確かめて」
ギレルモ・デル・トロ(映画監督『パシフィック・リム』)

「史上最高!素晴らしい‼︎」
ジェームズ・ガン(映画監督『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』)

「見逃すな!こんなスゴイ映画がまだあったなんて!」
イーライ・ロス(映画監督『グリーン・インフェルノ』)

「『ウォーキング・デッド』よりドキドキだ」
スティーヴン・キング(小説家)

映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」

「面白いです。しかもむちゃくちゃ面白いです。キャラクターの全てが愛らしく、物語のエンジンがかかると一気に引き込まれます、感情を揺さぶられます、問答無用の面白い映画です。素晴らしい映画です。必見‼︎」
石井克人(映画監督)

「激走!爆走!韓流謎の病原体感染者は瞬発力が違う!いたずらに特殊メイクに頼ることなく身体能力と表情筋を極限まで駆使した謎の病原体感染者たちと一緒にノーブレーキで目的地までノンストップで大爆走!逃げる乗客や自分たちだけ助かろうとするオヤジどものテンションもマックスでキレッキレ。もはや車内は全員謎の病原体感染者!逃げても助からない!超ヤバイ!ついでに映画的常識もドカンと脱線転覆だ!」
樋口真嗣(映画監督『シン・ゴジラ』)

カンヌが愛してやまない男ら02カンヌが愛してやまない男ら01

驚きのヨン・サンホ監督実写版デビュー作品!

世界を絶賛疾走中の『新感染 ファイナル・エクスプレス』を手がけた韓国のヨン・サンホ監督は、アニメーション監督であり、本作品が実写版長編映画のデビュー作となる。子どもの頃からアニメが大好きでアニメーション監督になったという彼の長編アニメは、第65回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に出品された『豚の王』(2011年/日本未公開)や『我は神なり』(2014年/2017年日本公開予定)といった社会のヒエラルキーがもたらす悲劇的な人間模様や社会の闇をえぐり出す内容である。

本作品の前日譚となるソウル駅周辺で発生したウィルス・パンデミックの恐怖を衝撃的に描いた『ソウル・ステーション/パンデミック』(2016年/今秋日本公開予定)を製作中に、その出資会社からブロックバスター(1億ドル以上の製作費をかけて大規模の宣伝を行う大作映画)級の実写版を撮らないかと依頼があったという。

実写版デビュー作で世界に通用する才能を披露したヨン監督は、『新感染』を作るに当たり、高い専門性や実力のあるスタッフや俳優たちに助けられたと監督来日イベントにて謙虚に語っている。

映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」

父親に目覚めてゆく主人公

ただのホラー映画で終わらない見どころのひとつは、『トガニ 若き瞳の告白』(2011年)の実力派俳優のコン・ユを念頭においたという主人公のソグ(コン・ユ)が娘スアン(キム・スアン)と一緒に巻き込まれた突然の感染パニックの中で、仕事一辺倒でちょっと駄目な父親から、極限状態の人間模様を通じて父親として成長し、愛する者を捨て身の覚悟で守り抜こうとする懸命な姿にある。ソグを熱演して父性愛を表現したコン・ユは、脚本を読んだときに、生きるためや愛する人を守るために誰かが犠牲になる葛藤や感情をリアルに感じたことから、この作品に出なければならないと思ったという。

異常事態に直面した普通の市民が繰り広げる生き残るための人間のエゴや葛藤など、多様なメッセージ性が組み込まれている。人々に襲いかかるゾンビも怖いが、危機的状況下の社会や人間模様の中でむき出しとなる愚かな人間のほうがずっと怖い。ノンストップのサスペンスホラーでありながら、人間としての心が試される非常に繊細なドラマとなっている。

映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」

時速300Kmの疾走感が劇場で体感

舞台となるソウル発釜山行きの特急列車KTX101号の中で繰り広げられるサバイバルアクションを引き立たせているのは、本物と同じように猛スピードで走る列車の内外の具現化にある。LEDリアルプロジェクションという撮影技術が導入されて、実際に列車の中にいるような光の動きとスピード感は、本当に走っているKTXで撮影されたとしか思えない臨場感である。

映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」

これまでのゾンビの概念が覆される

『新感染』では、これまでの馴染みあるゾンビのイメージではなく、時間の経過によって感染レベルが変わっていく嫌悪感の少ないリアルな感染者が作られている。100人以上の感染者役はそれぞれ違う外見にデザインされて、感染者の動きも半年をかけて、年齢や性別、動きの速さを分類して振付が行われたという。

第一感染者01

韓国の公開当時の広告では、ゾンビ映画のヒットがなかったことから、ゾンビの単語が禁止であったという。日本でも、ゾンビやホラー映画と広告すると、女性の観客数が減ることが懸念されているほど。しかし、『新感染』は、多くの人々の心を掴む泣けるゾンビ映画に仕上がっていることから、親子や夫婦、家族、仲間、愛する人たちと観てほしい誰にでも薦められる感動作である。

エンドロールぎりぎりまで興奮のさめやらない『新感染 ファイナル・エクスプレス』にお乗り遅れのないように!

映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」

ストーリー

ソウル発と釜山行を結ぶ高速鉄道KTXの車内で突如として感染爆発が起こる。疾走する密室と化した列車の中で凶暴化する感染者たち。そんな列車に偶然乗り合わせたのは、娘の誕生日に別居中の妻のもとへ向かうソウルでファンドマネージャーとして働く父親ソグ(コン・ユ)と幼い娘スアン(キム・スアン)。出産間近の妻ソンギョン(チョン・ユミ)とその夫サンファ(マ・ドンソク)、そして野球部の高校生たち。果たして彼らは安全な終着駅に無事にたどり着けるのか。目的地まであと2時間、時速300Kmで疾走する列車の中で、感染者に捕まれば死が待ち受ける絶体絶命のサバイバル。極限状態の中で愛するものを守るための決死の闘いが繰り広げられる。

[ライター: おくの ゆか]

映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』予告篇

映画作品情報

映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」9.1 [Fri]

第69回 カンヌ国際映画祭 ミッドナイト・スクリーニング部門 特別招待作品
第20回 ファンタジア国際映画祭 最優秀作品賞受賞!
第49回 シッチェス・カタロニア国際映画祭 2冠!! 監督賞&視覚効果賞受賞!
 
原題: 부산행
英題: Train to Busan
監督: ヨン・サンホ
出演: コン・ユ、チョン・ユミ、マ・ドンソク
2016年 / 韓国 / 韓国語 / 118分
配給: ツイン 
© 2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved. 
 

9.1 [Fri] 新宿ピカデリーほか全国疾走!!

映画公式サイト

公式Twitter: @shinkansen0901
公式Facebook: @shinkansen0901

この記事の著者

おくの ゆかライター

映画好きの父親の影響で10代のうちに日本映画の名作のほとんどを観る。
子どものときに観た『砂の器』の衝撃的な感動を超える映像美に出会うために、今も映画を観続けている。

★好きな映画
『砂の器』[監督: 野村芳太郎 製作: 1974年]
『転校生』[監督: 大林宣彦 製作: 1982年]
『風の谷のナウシカ』[監督: 宮崎駿 制作:1984年]
『硫黄島からの手紙』(Letters from Iwo Jima) [監督: クリント・イーストウッド 製作: 2006年]

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