映画『ビール・ストリートの恋人たち』(If Beale Street Could Talk) レビュー

【画像】映画『ビール・ストリートの恋人たち』メインカット

映画『ビール・ストリートの恋人たち』(原題:If Beale Street Could Talk)

バリー・ジェンキンス監督の渾身作
人種差別問題と心震えるラブストーリー

前作『ムーンライト』(2016年)で第90回アカデミー賞作品賞に輝いたバリー・ジェンキンス監督。『ビール・ストリートの恋人たち』(原題:If Beale Street Coould Talk)は、監督が映画化をずっと夢見ていた作品。愛よりも、もっと深い“運命”で結ばれた恋人たちのラブ・ストーリー。前作よりも、さらにスケールアップした世界観と圧倒的な映像美、抒情的な音楽で綴られている。新たな恋愛映画の金字塔が、2月22日(金)全国ロードショーとなる。

【画像】映画『ビール・ストリートの恋人たち』場面カット

世界が絶賛!映画賞を席巻!

主人公の母親役で熱演を見せたレジーナ・キングは、第76回ゴールデン・グローブ賞で助演女優賞を受賞。そして先日発表された第91回アカデミー賞®では、脚色賞、助演女優賞、作曲賞の3部門に見事ノミネートを果たした。現在(2月8日時点)206ノミネート、71受賞を記録。世界中から2作連続のアカデミー賞なるか注目を集めている。

【画像】映画『ビール・ストリートの恋人たち』場面カット

1970年代、アメリカのNY

この作品は公民権運動後の70年代の世界だが、再び人種的偏見が拡大している現代にも通じるものがある。監督は、昨年『ムーンライト』でアカデミー賞® 作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス。1974年に出版されたジェイムズ・ボールドウィンの原作に一目ぼれをし、2013年ベルリンに渡り、脚本を書き上げたそうだ。今なおアメリカで続く差別の問題を再び世の中に訴えるタイミングだと確信し、原作を忠実に映画化したとインタビューで語っている。

差別なんかに負けない!若いふたりの愛と信念

この物語の舞台は、きちんと教育を受け、職もあり、大きな愛に溢れた暖かな黒人家庭。ノスタルジックな色調とジャズの音楽で1970年代NY・ハーレムの雰囲気を体感できるだろう。若い恋人たちは、台詞ではなく、視線の交わし方や表情の変化で言葉以上の感情の揺れ動きを表現する。ティッシュ役のキキは、あどけなさの残る大きな瞳で初主演を射止めた新人女優。

【画像】映画『ビール・ストリートの恋人たち』場面カット

母親役のレジーナ・キングは、母になろうとする娘を愛し、自己犠牲の上に成り立つ強さを我々にみせつける。理不尽な差別を宿命と諦めず、家族を軋轢から救い出そうと奔走するレジーナの姿に共感を覚える。

【画像】映画『ビール・ストリートの恋人たち』場面カット

普通の人の不公平との戦いは現代にも続く

どこの国にも差別は存在する。その事実を急激に変えようとするのではなく、全員で痛みを少しずつ分かち合う事でより良い未来が見えてくる。また、無関心が一番良くないというメッセージも強く伝わる。

[ライター: 花岡 薫]

映画『ビール・ストリートの恋人たち』予告篇

映画作品情報

【画像】映画『ビール・ストリートの恋人たち』ポスタービジュアル

《ストーリー》

1970年代、ニューヨーク。幼い頃から共に育ち、強い絆で結ばれた19歳のティッシュと22歳の恋人ファニー。互いに運命の相手を見出し幸せな日々を送っていたある日、ファニーが無実の罪で逮捕されてしまう。二人の愛を守るため、彼女とその家族はファニーを助け出そうと奔走するが、様々な困難が待ち受けていた…。

 
第76回ゴールデン・グローブ賞 助演女優賞受賞
第91回アカデミー賞® 3部門ノミネート《脚色賞・助演女優賞・作曲賞》
 
原題: If Beale Street Could Talk
 
出演: キキ・レイン、ステファン・ジェームス、レジ―ナ・キング 他
 
監督・脚本: バリー・ジェンキンス
原作: ジェイムズ・ボールドウィン「ビール・ストリートの恋人たち」(早川書房刊)
  
提供: バップ、ロングライド
配給: ロングライド
 
2018年 / アメリカ / 英語 / 119分 / アメリカンビスタ / カラー / 日本語字幕:古田由紀子 
© 2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
 
2019年2月22日(金) 
TOHOシネマズ シャンテ他全国公開!
 
映画公式サイト
 
公式Facebook@movie.longride
公式Twitter: @longride_movie 
公式Instagramlongride_movie

この記事の著者

花岡 薫

花岡 薫ライター

自分にとって殿堂入りのスターは、アラン・ドロン。思い起こせば子どもの頃から、愛読書は「スクリーン」(SCREEN)と「ロードショー」(ROADSHOW)だった。朝から3本立てを鑑賞し、英語のリスニング対策も映画(洋画)から。お腹が空くまで家には帰らなかったあの日々が懐かしい。
今も変わらず洋画が大好きで、リチャード・ギア、ロブ・ロウ、ブラッド・ピットとイケメン王道まっしぐらな性格も変わらず。目下の妄想相手はアーミー・ハマー。カッコいい俳優さんたちが、人生の好不調に耐えて充実した50代を迎えられる姿を、陰ながら応援をしていきたい。

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