映画『MOTHER マザー』公開記念リモート舞台挨拶
母と息子。ひとつの殺害事件。
実話をベースに描く感動の衝撃作がついに公開!
長澤まさみ「ここまで後ろ髪引かれる感覚になる作品は初めて」
実話をベースにし、既成の価値観では測れない親子のあり方を問いかける感動の衝撃作『MOTHER マザー』が7月3日(金)に公開初日を迎えた。
主演の長澤まさみがシングルマザーの秋子を演じ、社会の闇へ堕ちていく母親に挑戦。また、秋子と内縁の夫になるホスト・遼を阿部サダヲ、息子・周平役を新人・奥平大兼が演じる。製作は、第43回日本アカデミー賞(主要部門)三冠の『新聞記者』(2019年)、『宮本から君へ』(2019年)など話題作を送りだし、現代社会の様々なテーマを世に問い続ける映画会社スターサンズ。河村光庸プロデューサーが、実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て、『日日是好日』(2018年)、『タロウのバカ』(2019年)の大森立嗣監督とタッグを組み、新たな物語として映画化!社会から孤立していく中で、築かれる母と息子の歪んだ絆が、ひとつの殺害事件を引き起こす物語を描いている。
公開翌日の7月4日(土)、全国5大都市のTOHOシネマズ全15劇場へライブ中継される公開記念“リモート舞台挨拶”が開催され、母親・秋子を演じた主演の長澤まさみ、その息子・周平を演じた新人・奥平大兼、秋子と内縁の夫になるホスト・遼を演じた阿部サダヲのほか、周平の子供時代を演じた郡司翔、周平の妹役を演じた浅田芭路、そして大森立嗣監督が登壇した。
本作を観終わったばかりのTOHOシネマズ 池袋の観客がライブで映し出されるスクリーン前に登場した監督とキャスト陣。音声も繋がっているため、TOHOシネマズ 池袋で鑑賞した観客からの「面白かった!」との声がリアルに届く“コール&レスポンス”状態にキャスト陣も感激!長澤は「こんな大変な中、映画館に足を運んで頂き、本当にありがとうございます」とその歓声に答え、先日行われた完成披露に続いて人生2回目となる舞台挨拶に登壇した本作がビューの奥平は「特殊な環境で、焦り気味です…」とわずかに緊張をにじませた。
観客の反応がスクリーンで見ることのできる本舞台挨拶に対して阿部は「本作観賞後のお客さんの反応が見られるのが今日初めてで。。(映し出される観客の捕様子を見て)でも、マスクをしてるから、お客さんの顔が見えないのが残念だなあ」と述べつつ「僕の演じた“遼”ってホスト役、どうでした?イラっとした人、手をあげてください」と問いかけ、ほぼ全員から挙手!「演ってよかったです(笑)」と、初めてのリモート舞台挨拶を早速使いこなし、ライブで繋がったTOHOシネマズ池袋の観客とのコミュニケーションを楽しんだ。
その後、本舞台挨拶の模様が配信された全国15箇所の劇場のへ改めて挨拶した監督&キャスト陣。長澤は「普段は一箇所でしか舞台挨拶が出来ないので、今回は逆に新鮮で。こうやって沢山の方々と繋がれるのが嬉しいです。今後きっとこういう舞台挨拶もレアになっていくと思うので、今日はぜひ楽しんでいってください」と感謝を述べ、奥平は「色んな人に見られているって感覚が無いのでちょっと変な気持ちなんですけど」「この映画を通して何かを感じてくれたら」と初デビュー作品でもある舞台挨拶への感動を語った。
続いて阿部は「『土曜日の朝10時から観る映画だっただろうか?』といろいろ考えるような映画だったと思いますが(笑)」。しかし「きっと午後からも、ずっと考えてしまう映画だと思うので、でも天気もあまり良くない今日にちょうどいいという気もします」と語り、大森監督は「ジブリじゃなくてこの映画を選んでくれて嬉しいです(笑)。楽しんでください!」とユーモアたっぷりに挨拶した。
自身が演じた自堕落で奔放な母親・秋子について長澤は「共感しようと思っても、最後まで出来なかった」「“分からない事”っていうのも。あるんだなと思った」と述べ、本作の役柄や作品に対して「本当に、この作品を手放していいのか」と、役を演じて「ここまで後ろ髪引かれる感覚になる作品は初めてだった」と、本作の秋子を演じるにあたって生まれた複雑な胸中を改めて想い起こした。続いて阿部はいわゆる“ヒール”役を演じた長澤に対して「こういう秋子みたいな役や、お母さんの印象も無かったので、すごくびっくりしました」「こういう役を演じる長澤さんと一緒にやれて良かったです、良いですよね?!こういう長澤さん!」と周囲に同意を求めるように述べると、長澤から「本当に思っている事を言ってください(笑)」と突っ込まれ、思わずアタフタする一場面も。
その後、本作でデビューした奥平は阿部から「長澤まさみって知っていたでしょ?」という素朴な質問を受け、「『キングダム』とか、学校とかでも“長澤さん、かわいい”って言われていたので。。そんな中、“長澤さんの息子役を演じることになりました”と言われても、実感が無かった」と言い、劇中で長澤からビンタを受けるシーンで、本気で叩かれるとは考えていなかったらしく「実はびっくりして思わず泣いてしまった」と明かし、“優しいお父さん”の役柄のイメージを持っていた阿部さんから劇中怒鳴られるシーンでは「めっちゃ怖かった!」と、デビュー作で様々な初体験をしたことを語った。
長澤に対して「何か役柄に対してリクエストをしましたか?」と聞かれた大森監督は「秋子の(シーンに応じた)体重の増減の話はしましたね」「河原で寝転がったりとか、大変なシーンだったと思うので。。」と現代の日本映画ではなかなか珍しい“ホームレス的な女性”を長澤にどう演じてもらうかを考えたと言い、それに対して長澤も「毎日悩んで『これでいいのかな?』っていう思いはありました」と当時の撮影を振り返った。
ほか、役柄的に精神的にハードになってしまいそうだった撮影中、その気持ちが救われたのは自身の子供たちを演じた郡司翔(幼少期の周平)と、浅田芭路(周平の妹)の言葉や存在だったと明かした長澤。「子役の子達は、素直で純真無垢で、誠実なお芝居をするので、、子供たちのおかげで、私が役柄に対して悩んでる不安な思いには引っ張られず、、本当に子供たちには救われました。子供たちから教わる事もあるんだな、と実感しながら秋子を演じてたように感じます」とその想いを述べた。
その後、郡司翔と浅田芭路が自分たちの“両親(長澤・阿部)”にプレゼントするため、映画のテーマカラーでもある青いカーネーションの花束をもって登壇!映画の撮影現場について聞かれた郡司は「楽しかった!」と言い、浅田は「周平(奥平)くんとは一緒にご飯食べたり遊んだり、いっぱい楽しいことがあったし。。お母さん(長澤)から、お布団でぐるぐる巻きにされて一緒に遊んだり、あと、お父さん(阿部)はちょっと悪いお父さん役だったけど、家族で焼肉を食べるシーンでは一緒に爆笑して、良い思い出ができました」と、ともに9歳と6歳とは思えないしっかりした受け答えを披露。
最後、長澤は「親子の向き合い方についてそれぞれが考えたりするきっかけになる映画かなと思っています。びっくりするシーンもたくさんあると思いますが、そういった所だけではなくて、どこか“普遍的なもの”っていうのを感じてもらえる、そんな問いかけのある映画なっているかな?って思います」と語り、奥平は「周平目線だけじゃなく、秋子目線でも観ることによって、映画の感じ方がいろいろ変わってくる映画だと思っています。家に帰って『こういう環境の人たちもいる』って少しで頭のどこかにおいて欲しいなと思いました」と述べ、阿部は「リモートで全国で繋がってるは嬉しいです!」と久々に観客の方達と繋がることができた感動を伝えた後、本作が実際の事件がモチーフになってることにも触れ、「この映画のような状況が身近にも起こりかねない」と“観た人、これから観る人でこのことについて話してみて欲しい”とその想いを述べた。
最後、大森監督は「本作は親子の関係を描いているのですが、本作の親子は僕たちのイメージを超えていくるような親子なので、それをどう撮っていくか、というのを俳優たちをコラボレーションしながら作ってきました。奥平くんとか、長澤さんの表情とか、この映画でしかできないことができたんじゃないかなと思ってます」とコメントした。
イベント情報
映画『MOTHER マザー』公開記念リモート舞台挨拶■開催日: 2020年7月4日(土) ■リモート先: TOHOシネマズ池袋(※客席映像はTOHOシネマズ池袋) |
映画『MOTHER マザー』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》男たちとゆきずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきた秋子。シングルマザーの彼女は、息子の周平に奇妙な執着を見せ、忠実であることを強いる。そんな母からの歪んだ愛の形しか知らず、翻弄されながらも応えようとする周平。彼の小さな世界には、こんな母親しか頼るものはなかった。やがて身内からも絶縁され、次第に社会から孤立していく中で、母と息子の間に生まれた“絆”。それは 17歳に成長した周平をひとつの殺害事件へ向かわせる……。 何が周平を追い込んだのか?彼が罪を犯してまで守ろうとしたものとは——?事件の真相に迫るとき、少年の“告白”に涙する。 |
監督: 大森立嗣
脚本: 大森立嗣、港岳彦
音楽: 岩代太郎
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー: 河村光庸
公式Facebook: @eiga.mother
公式ハッシュタグ: #映画マザー