完成披露試写会 舞台挨拶
撮影裏話に会場大笑い!
キャスト陣の「衝撃的」な出来事とは!?
吉田大八監督最新作、錦戸亮主演の映画『羊の木』が、2018年2月3日(土)より全国公開となる。
山上たつひこ、いがらしみきおという漫画界に君臨する2人の巨匠がタッグを組み、2014年文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した傑作コミックを、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)、『紙の月』 (2014年)の俊英・吉田大八監督が映画化。原作のセンセーショナルなテーマはそのままに、強烈な個性を持つオールスターキャストを配し、誰も想像し得ない衝撃と希望の結末を創り上げる、心揺さぶるヒューマン・サスペンスが誕生した。
12月13日(水)、東京・よみうりホールで映画の公開を記念して、完成披露試写会が開催され、舞台挨拶に主演の錦戸亮、木村文乃、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平ら豪華キャスト陣、そして吉田大八監督が登壇した。
原作のパワーに負けない映画作りを目指した吉田大八監督
―― 吉田監督、釜山国際映画祭(BIFF)キム・ジソク賞受賞おめでとうございます!センセーショナルなテーマを持つ原作を映画化しようと思った理由を教えてください。
吉田監督: 僕が関わり始めた頃はまだ原作が完結していませんでしたが、普通の田舎町に6人の元受刑者が移住してくるという設定が面白かったので、自分で何かやりたいと思ったことがきっかけです。
―― 時間をかけて準備されたそうですね。
吉田監督: 原作が半端ないパワーを持っているので、映画が原作に負けないためにはどうしたら良いかを試行錯誤しているうちに約2年かかりました。
キャスト陣はそれぞれの役を演じる上で、意識した点、苦労した点を観客の皆さんにネタバレしないように配慮しながら語った。
元受刑者たちと出会い、翻弄されていく役柄を演じた思いとは
―― 錦戸さん演じる月末(つきすえ)は、平凡な市役所職員ですが、思いがけず元受刑者を受け入れる担当者となり、様々な過去を抱える彼らの中で翻弄される役でしたね。
錦戸: 僕は、月末として思いっきり翻弄されてやろうという思いで臨みました。映画は、月末目線で観ていただく方が多いと思います。月末と一緒にドキドキしながら観て欲しいです。
―― 木村さん演じる文は、都会から田舎へ戻り、田舎の空気に違和感を感じながらも、元受刑者の1人に惹かれてしまう役でしたね。
木村: 都会にも田舎にも馴染めない気持ちは理解できたので、あまり気負わずに吉田監督の思う通りに動けたらいいなと思って演じていました。
元受刑者たちは、個性あふれる役柄ばかり。演じた上での苦労とは?
―― 次に国家の極秘プロジェクトとして、街に移住してくる元受刑者役の皆さんにお話を伺いたいと思います。まず、優香さん演じられた介護士の理江子役、とても色っぽかったです。
優香: 剥き出しの色気ではなくて、隙のある色気を出して欲しいと吉田監督から言われていたので、生々しさを大切にしながら演じました。
―― 市川さん演じられた清美は、人見知りで几帳面な清掃員役でしたね。
市川: 清美は極度の人見知りなので、話す相手は錦戸さん演じる月末1人だけ。そしてなぜか死骸を見つけてしまう役なんですね。私はとても死骸が苦手なので耐えて演じました。
錦戸: 映画の情報ゼロの中、“死骸”というキーワードだけ出てきたから会場がざわついてますね。観ていただければ、このシーンのことか!と納得してもらえると思います。
―― 水澤さん演じる福元は普段気弱でお酒を飲むと豹変してしまうという理髪師の役でしたね。
水澤: 気弱ですが人を殺めているんです。福元の人生は、どういう人生なのかずっと考えてしまうほど、演じるのは難しかったです。
―― 田中さん演じる大野は、顔に大きな傷のある寡黙なクリーニング店の店員役でしたね。
田中: 今日も顔に傷をつけてもらいたかったくらい大野を演じることは自然で、抵抗もありませんでした。ちょっと運命が違っていたら自分も大野のようになっていたかもしれません。
―― 松田さん演じる宮腰は、元受刑者の中でも天真爛漫で月末や文とも関係を深めていきますね。
松田: 宮腰は6人の元受刑者の中でも少し変わっていましたが、闇を抱えて生きる6人と付き合っていく月末がすごいと思いました。
錦戸: すでにここで映画の見所を言ってくれましたね!
―― 今回初共演の錦戸さんと松田さん、現場はどのような雰囲気でしたか?
錦戸: 何度か飲みに行くうちに打ち解けましたが、最初は緊張感ありましたね。撮影もストーリー通り撮っていたので、出会いのシーンはお互い探り探りの雰囲気がリアルに出ていたかもしれません。
キャスト陣の衝撃エピソードに“福白髪”
“誰も想像ができない衝撃の展開”がラストに待ち受けていることにちなんで、撮影現場や身の周りで起きた“衝撃的”な出来事を発表する場面では、個性あふれる解答が続出し会場は大盛り上がりだった。
錦戸: 今日この会場で映画を観てくださったみなさんがまず衝撃を受けて、さらにその衝撃が広がっていって、『羊の木』が一人歩きして最後に僕たちに衝撃を与えてくれたらいいですね。
木村: 私は2年間ずっと、錦戸さんの頬に福白髪が滞在してることがずっと気になっていました……。
錦戸: えっ!?取って取って!恥ずかしい!
―― 錦戸さんが衝撃を受けましたね。
優香: 福白髪以上の衝撃はないと思いますけど、映画の中で、松尾さん(42歳)が錦戸さんの同級生だという設定に驚きました!でも完成した作品を観たら同級生に見えなくもないかな。
市川: 吉田監督は、何回も撮り直しをすることが当たり前だと思っていたら、1回でOKが出たシーンがあったので、本当にいいの?と驚きました。
水澤: 錦戸さんと僕がですよ。運転席と助手席という密室にいるという衝撃!!
田中: 僕の中でこの映画はまだ終わっていない。日々の考えの中にざわざわと潜り込んでくる感覚。「終わった!」と言えない映画は初めてなので僕の中では衝撃を受けています。
松田: 「驚くエピソードを用意してます」と説明を受けたと思って楽しみにしていたのに、自分が話すんですね。何も用意していませんでした。
―― まさに今、松田さんが衝撃を受けていらっしゃいますね!
終始、笑いの絶えない衝撃エピソードが飛び交う中、主演の錦戸亮と吉田大八監督から最後の一言があり、大盛況のうちに完成披露試写会は終了した。
錦戸: 観終わったあとは、なんて表現して良いかわからない感情が湧き上がる。僕自身、この映画を観てどう感じたかをすごく知りたいので皆さんの感想が楽しみです。
吉田監督: 衝撃待ちとか死骸待ちとかになっていなければいいな。純粋に面白い映画なので楽しんでいってください。
イベント情報
映画『羊の木』完成披露試写会 舞台挨拶■開催日: 2017年12月13日(水) |
映画作品情報
《ストーリー》素性が知れないものたち、信じるか?疑うか? さびれた港町・魚深(うおぶか)に移住してきた互いに見知らぬ6人の男女。市役所職員の月末(つきすえ)は、彼らの受け入れを命じられた。一見普通にみえる彼らは、何かがおかしい。やがて月末は驚愕の事実を知る。「彼らは全員、元殺人犯」。それは、受刑者を仮釈放させ過疎化が進む町で受け入れる、国家の極秘プロジェクトだった。ある日、港で発生した死亡事故をきっかけに、月末の同級生・文をも巻き込み、小さな町の日常の歯車は、少しずつ狂い始める・・・。 |
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