広島国際映画祭2020 舞台挨拶
主演・清原果耶と藤井道人監督が登壇!
清原「この作品は忘れたくない大切な作品」
小説すばるで新人賞を受賞するなど、多くの読者を魅了する作家・野中ともその大人気小説を第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画『新聞記者』の藤井道人監督が実写化した映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』が、広島国際映画祭2020(HIFF)の特別招待作品として11月21日(土)に広島市のNTTクレドホールで上映された。
映画祭のスペシャルゲストとして、主人公・大石つばめを演じた主演女優の清原果耶と藤井道人監督が上映後の舞台挨拶に登壇。映画『デイアンドナイト』(2019年)に続き再びタッグを組んだ二人が広島の舞台で映画についてトークを繰り広げた。
清原果耶 “初”広島!そして藤井監督 映画製作の“故郷”広島凱旋!
会場に登場した清原果耶と藤井監督。清原は「実は私は“初”広島でドキドキしながら来たんですが、みなさんと楽しくこの映画を共有できたらと思います」と、藤井監督は「2011年のダマー国際映画祭から定期的に広島に来させていただいていて、自分にとっては自分を見つめなおす大事なイベントになっています。こういう大変な時期の中で、お客さんが来て下さるのか心配していたんですがこんな素敵な場内を見てすごく安心しています」と挨拶をした。
作品が公開できた喜びを改めて実感
9月4日(金)に全国公開された『宇宙でいちばんあかるい屋根』。コロナ禍での劇場公開について聞かれると、藤井監督は「僕はやっぱり“夏”にどうしてもこの作品を上映したくて、各方面と相談しながらその願いを汲んでくれて上映できました。それに『宇宙でいちばんあかるい屋根』っていうタイトルのように、こんなに“屋根”の下にいなければいけなかった期間って今まで無かったと思いますし、そんな時に励ましてくれるような作品にこの作品はなっていたと思っていたので、早く上映してほしいなという気持ちはありました」と話し、公開初日を迎えた時の気持ちについて聞かれた清原は「桃井さんは残念ながら一緒に登壇(初日舞台挨拶)はできなかったのですが、監督と無事に初日を迎えられて、とても嬉しく、ありがたいなという気持ちが一番大きかったです」と答えた。
そして公開から3カ月が経ち、改めて初主演となった本作への想いを聞かれた清原は「初主演ということでとても特別で大切な作品だなというのは撮影の時から感じていたのですが、無事に公開されて数ヶ月経って、本日ここで上映して頂けたり、作品を公開してもらえることの大切さを、こういう時期だからこそ改めて感じています。今日もここに来られてとても嬉しいです」と答えた。
話し合いを重ねた撮影
14歳の少女を演じた清原は、演じる上で工夫したポイントを聞かれると、「監督とは、すごく話し合いながら撮影をしたんです。それは役のことだけではなく、自分自身の中身のことなど。色々話し合いながら、フラットな目線で役に向き合えるようにということは意識しながら撮影に臨みました」と答えた。藤井監督は「自分にとってはご褒美のような映画だと思っていて、『新聞記者』はある種チャレンジングな作品で、次に撮る作品はとても重要だなと思っていたので、それがこの作品で良かったと思いますし、清原さんとは2年前に『デイアンドナイト』という映画でご一緒させてもらっていて、そのあとも様々なところで活躍している姿を見ていたので、まさか初主演の作品として自分の作品に出てもらえるとは思わなかった。二度とないチャンスだなと思いながら楽しんで撮影させてもらいました」と話した。
15歳の清原果耶の演技に山田孝之 涙!?
『デイアンドナイト』撮影時、15歳の清原について藤井監督は「オーディションで初めて会ったんですが、すごくシンプルな顔でスッと来てバッと芝居をして帰って行ったんです。その時、隣の山田孝之さんが泣いていて(笑)。すごい出会いだったなって印象に残っています」と驚きの初対面エピソードを明かした。
撮影時のコミュニケーションについて、藤井監督は「やっぱり14歳の少女っていう経験は物理的に僕にはないものなので、清原さんが持っている感性をお借りしないとできないシーンってのもあったんです。そういうのはやっぱりお互い、監督として俳優として大事にしたいもの、表現したいものがあると思うので、そういうものを交換し合えるようになったのがこの映画のいいシーンの中に表れているのかなと思います」と話した。
印象に残っているファミレスのシーンは刹那的
印象に残っているシーンを聞かれた清原は「一番最後のマコトと一緒にファミレスで喋るシーンは、すごく刹那的というか一瞬一瞬にかける感情が濃かったなというのは覚えていて、すごく楽しかったんですけど、それより儚いなにかがあるなと見返して改めて気付きました」と答え、藤井監督も「マコト役の醍醐(虎汰朗)くんも等身大の中学生をやってくれたのであのシーンはすごく良かったですね」と答えた。
今回美術を務めた部谷京子について藤井監督は「今回あのクラゲのキーホルダーとかも全部作っていただいて、屋上のセットも部谷さんがデザインしてくれました」と、清原は「部屋のカットですごい好きなところがあって、ひばりさん(実母)の画集を入れている机の棚に鍵がかかっているんですけど、その画集の下に亨くんに渡すはずだったバースデーカードが見えるっていうカットがあるんです。それを見て“うわ、愛おしいー!”と思って、そのつばめの少女らしさみたいなものが見えるすごい良いカットだなって思いました」と話した。
桃井かおりはエネルギーと愛に溢れた人
キャスティングについて藤井監督は「前田プロデューサーからこの作品のお話をいただいたのは2016年だったんですが、映画化するのに時間がかかった理由のひとつに、星ばあを誰にするかっていうのがあったんです。4年間あまり自分の中でしっくりくる人が見つからずにいたんですが、ある時前田プロデューサーから桃井さんはどうかというお話をいただいて、現場大変そうだなとは思ったんですが(笑)、オファーしたところ桃井さんはLAにお住いなんですが快諾していただいて映画化が進んでいったという形になります」と話した。
桃井との共演について聞かれた清原は「ものすごくエネルギーと愛に溢れた方だなと思います。人間性という部分もそうだし、お芝居に対してもすごく貪欲に向き合ってらっしゃる方だなっていうのを、星ばあとつばめとして対峙した時にものすごく受け取ったし、とにかく楽しかったです。引き出しの数も多くてそれもものすごいスピードで開くので、それになんとか返そうって必死についていって毎日勉強になりましたし、ただただ楽しい日々でした」と桃井との共演を振り返った。
憧れのCoccoとのレコーディングに清原緊張しっぱなし
自身が歌う主題歌について聞かれた清原は「主題歌を歌うことの重大さというかプレッシャーで、どうしようっていう気持ちがすごくあったんですけどCoccoさんがこの作品を観てつばめと同じ目線で歌詞も書き上げてくださったので、私がちゃんとつばめとしてお届けできたらと思い、挑戦させてもらいました。
さっきもエンドロールが流れるときに冷や冷やしすぎて、一回楽屋に戻ろうかなと思ったんですけど(笑)、ちゃんと届いていればいいなと願うばかりです」と答え、「みなさん届きましたよね」というMCの呼びかけに会場からは大きな拍手が起こった。
「レコーディングの時もCoccoさんが来て下さって、私は緊張しすぎてずっと肩が挙がっているような状態で目も合わせられず、本当にCoccoさんの曲が好きで“本人だ!”っていうのもありながら(笑)、でも“大丈夫だよ”って優しく声をかけてもらいながらなんとかレコーディングもできました」と憧れのCoocoとの対面に緊張しっぱなしだったことを明かした。
この作品は人生を辿っていく中で忘れられない大切な作品
そして12月4日(金)より開始するデジタル配信、 2021年2月3日(水)より発売・レンタル開始されるBlu-ray&DVDについて、藤井監督は「最近コメンタリーをとりました!僕と清原さんと誰よりもおしゃべりな前田プロデューサーで(笑)。あんなことあったね、こんなことあったねと楽しくお話しさせてもらいました」と話した。
最後に藤井監督は「たくさんの世代の人に届けばいいなと思ってこの映画を作っていたので、そういう作品にこれからなっていってくれればと思います」と、清原は「これから先、人生を辿っていく中でも忘れたくない、思い出したいと思えるようなそんな大切な作品になったので、観てくださった方々にもそう思ってもらえるような作品になってくれればなと思います」と挨拶をし大盛況のままイベントは幕を閉じた。
イベント情報
広島国際映画祭2020 (HIFF) 特別招待作品
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2020年12月4日(金)より先行デジタル配信開始!
2021年2月3日(水)よりBlu-ray&DVD発売・レンタル開始決定!
Blu-ray&DVDが2021年2月3日(水)に豪華版をふくめた4形態で発売されることが決定。豪華版は、デジパック仕様&ブックレット付き!その他、メイキングや貴重な各種イベント映像が収録された特典ディスクも付属され、充実の特典が満載。また、発売に先駆け、本編は2020年12月4日(金)より先行デジタル配信を開始!劇場で本編を鑑賞できなかった方も、是非この機会にご鑑賞頂きたい。また、デジタル配信及びBlu-ray&DVD発売を記念して藤井道人監督からコメントが届いている。
藤井道人監督 コメント撮影当時17歳だった清原果耶さんの「今」しか撮れない魅力が沢山詰まった映画になりました。この映画が辛いときや、生きることに悩んでしまったときに皆様の心に優しく寄り添ってくれる映画として長く愛されることを願っています。 |
Blu-ray&DVD情報■『宇宙でいちばんあかるい屋根』豪華版Blu-ray(2枚組) 6,800円(税抜) BIXJ 0344
■『宇宙でいちばんあかるい屋根』通常版Blu-ray 4,800円(税抜) BIXJ 034 3 本編115分 / Blu-ray:16:9 [1080p Hi-Def] スコープサイズ・日本語 DTS-HD Master Audio 5.1chサラウンド・2層 / DVD:16:9LB スコープサイズ・日本語 ドルビーデジタル 5.1chサラウンド・片面2層/バリアフリー日本語字幕付
発売元: ハピネット/朝日新聞社
販売元: ハピネット |
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》お隣の大学生・亨(伊藤健太郎)に恋する14歳の少女・つばめ(清原果耶)。優しく支えてくれる父 (吉岡秀隆) と、明るく包み込んでくれる育ての母(坂井真紀)。もうすぐ2人の間に赤ちゃんが生まれるのだ。幸せそうな両親の姿はつばめの心をチクチクと刺していた。しかも、学校は元カレの笹川(醍醐虎汰朗)との悪い噂でもちきりで、なんだか居心地が悪い。つばめは書道教室の屋上でひとり過ごす時間が好きだった。ところがある夜、唯一の憩いの場に闖入者が―。空を見上げたつばめの目に飛び込んできたのは、星空を舞う老婆の姿!?派手な装いの老婆・星ばあ(桃井かおり)はキックボードを乗り回しながら、「年くったらなんだってできるようになるんだ―」とはしゃいでいる。最初は自由気ままな星ばあが苦手だったのに、つばめはいつしか悩みを打ち明けるようになっていた。 |
原作: 野中ともそ「宇宙でいちばんあかるい屋根」(光文社文庫刊)
配給: KADOKAWA
2021年2月3日(水) Bluーray&DVD発売・レンタル開始!
公式Instagram: @uchuichi_movie