映画『終点のあの子』ジャパンプレミア

W主演の當真あみ＆中島セナら若手キャストが集結！
女子高生のリアルで残酷な心情を語る!!

柚木麻子の鮮烈なデビュー作にして、少女たちの危うい人間関係を描き“ガールズ系小説の金字塔”と称された連作短編集「終点のあの子」。これを実写化した映画『終点のあの子』が、2026年1月23日（金）に全国公開を迎える。

公開に先駆け、12月1日（月）にグランドシネマサンシャイン池袋にてジャパンプレミアが開催され、上映後の舞台挨拶にW主演の當真あみと中島セナ、共演の平澤宏々路、南琴奈、深川麻衣、石田ひかりらキャスト陣、そして吉田浩太監督が登壇。トークセッションでは、撮影時のエピソードや、それぞれが“かつて憧れた存在”について語られた。

作品への思いとキャスティング秘話

上映後、満席の会場からの大きな拍手に迎えられて豪華キャスト・監督陣が登壇。MCを務める八雲ふみねの紹介のもと、和やかな雰囲気で舞台挨拶はスタートした。

主人公の一人、希代子きよこを演じた當真は、「撮影から1年半ほど経っていますが、こうして皆さまにお届けできる日を迎えられてすごく嬉しく思っています」と挨拶。もう一人の主人公・朱里あかりを演じた中島も「今日は来ていただいてありがとうございます。短い間ですが楽しんでいってもらえると幸いです」と観客に呼びかけた。

本作について吉田監督は、「原作を約10年前に読みまして、その頃僕は30代だったんですけど、登場人物の痛みや煌めきにすごく惹かれました」と原作への思いを語り、「今日という日を迎えられて本当に光栄に思っております」と感無量の様子を見せた。

思春期の少女たちの繊細な心の機微を捉えた本作。吉田監督は、W主演の二人について、「當真さんは、すごく透明感、空気感みたいなものがすごく良いなと思っていて。中島さんは、どこかこうミステリアスな独特の空気感を持っている。お二人のそういう部分がすごくいい化学反応を起こすんじゃないかなと思ってお願いしました」とキャスティングの理由を明かした。

さらに、希代子の親友・奈津子なつこを演じた平澤については「感受性の豊かさが素晴らしかった」、クラスのリーダー格・恭子きょうこを演じた南については「トップの存在感がある。実はお芝居を見る前に彼女に決めていた」と、それぞれの魅力を語った。

繊細で複雑な役作りへのアプローチ

続いて、キャスト陣が自身が演じた役柄について語った。
當真は「私が演じた希代子は本当に普通の女の子。周りに合わせて生活している中で、感情のグラデーションがあって。その部分は小・中学校の時の自分とすごく似ているなと思っていたので、できるだけナチュラルに、自然体に演じられるように意識しました」と、自身の経験を役作りに重ねたことを明かした。

一方、中島は朱里というキャラクターを「普通であることを嫌っていて、人とは違うことに意味を見出す子。高校生特有の万能感と自意識の中で揺らいでいる人だと思っていて、自由であろうとする姿勢などを意識して演じました」と分析。その独特な存在感をスクリーンに焼き付けた。

キャスト陣が告白する“かつて憧れた存在”とは？

イベント中盤では、「“特別な存在”になりたい」という作品のテーマにちなみ、「かつて憧れていた、もしくは今憧れている存在は？」という質問が投げかけられた。

當真は、「私は作品で共演させていただいた俳優の皆さんです。お芝居はもちろん、現場での振る舞いや向き合い方を見て、私もこういう風になりたいなと憧れというか尊敬の気持ちを込めて思います」とコメント。

続いて中島は「好きな漫画とか映画とか、創作物みたいなものの表現方法とか、それを作っている人たちにすごく憧れというか尊敬するものがあって。自分たちも関わらせていただくことが多いですし、そういうものに今すごく惹かれています」と語った。

また平澤は、「私は女優の満島ひかりさんにずっと憧れていて、尊敬もすごくしています。一度共演させていただいた時に、本当にお芝居だけでなくその人となりがもう全て格好よくて。こんな方が今私が生きている時代に生きててくれて良かったなって思えるぐらい本当に格好いい方でした」と熱い思いを明かした。

南は「私は、熱量です。今の私には熱量はあるなって思うんですけど、学生時代はこれといってすごく打ち込めるものがなかったので、友達とか先輩が好きなものに没頭している姿は本当にキラキラして見えましたし、私にはなかったので、その熱量にすごく憧れていました」と、自身の学生時代を振り返った。

美大生の先輩・瑠璃子るりこを演じた深川麻衣は「思いついた答えがちょっと的外れかもしれないんですけど(笑)、髪質です。猫っ毛な髪質の方にすごく憧れていて」とユニークな回答。「自分は髪がしっかりしてて丈夫で直毛なんです。猫っ毛の方ってどんな髪型してても雰囲気が柔らかくて、海外の女の子みたいに見えて羨ましいなってずっと思っていたんですけど、猫っ毛の方の悩みも聞いて、結局自分そのままを受け入れようって思えるようになったっていう話でした」と一通り語り終えると、MCの八雲から「でも直毛だっていうのは、くせっ毛の私からするととっても羨ましいですけどね」とコメントが。これに深川は「ありがとうございます(笑)。ないものねだりですね」と笑顔で返し、会場を和ませた。

希代子の母・美恵子みえこ役の石田ひかりは、「私も皆さんぐらいの時、周りの素敵な大人たちがたくさんいてくれたおかげで、憧れを強く持って今日まで来られたなって思います。あとは、自分の限界に挑戦している方を見ると、本当に素晴らしいと思うし、それができる環境をお持ちなのをすごく羨ましく思ったりします」と語った。

最後にW主演の二人と監督よりメッセージ

舞台挨拶の最後に、中島、當真、そして吉田監督から観客へ向けてメッセージが送られた。

中島は、「10代の頃って、良い思い出も苦い思い出もあると思うんですけど、そういう経験とか思い出の一つ一つが、今の自分を構築している何か要素になっているんじゃないかなと思うので。今回この映画を観て、大人の方は自分が10代だった頃を思い出すきっかけになってくれたら嬉しいですし、今学生の方は自分がどういう風に今を考えているのかっていうのを考えるきっかけになれば嬉しいなと思ってます」と語った。

當真は、「この作品は、観てくださった大人の方は過去の自分を思い出すでしょうし、学生の方は自分も同じ状況にいるなとか、そういう風に苦しい思いをしていたりする方もいるかもしれません。そういう方はこの作品を観て、自分だけじゃないんだっていう風にちょっと安心してほしいなっていう気持ちもあります。みんなそれぞれが学生、思春期のこの時代に通ってくるものをこの作品では描いているので、実際観て、何か自分の中にも同じものがあるなって感じた方は、その自分一人だけじゃないっていうのも感じてほしいです」と思いを伝えた。

最後に吉田監督は、「10代の時って傷つきながら色々変化していく話かなと思って作ったので、大人の皆さんも10代の頃を思い出していただきたいですし、学生の方は自分の傷つきを見つめてほしいなっていう風に思っています」と締めくくった。

イベント情報

映画『終点のあの子』ジャパンプレミア ■開催日： 2025年12月1日（月） ■会場： グランドシネマサンシャイン池袋 スクリーン3 ■登壇者： 當真あみ、中島セナ、平澤宏々路、南琴奈、深川麻衣、石田ひかり、吉田浩太監督 ■MC： 八雲ふみね

映画『終点のあの子』特報映像🎞

映画作品情報

《ストーリー》 私立女子高校の入学式。中等部から進学した希代子と奈津子は、通学の途中で青い服を着た見知らぬ女の子から声をかけられた。高校から外部生として入学してきた朱里だった。父は有名カメラマン、海外で暮らしてきた朱里を希代子は気になって仕方がない。朱里は学校では浮いた存在でありつつも、羨望の眼差しで見られていた。希代子は朱里と一緒に共に時間を過ごすような仲になり、「親密な関係」になったと思っていた矢先、希代子は朱里の日記帳を見つける───。