㊗公開記念舞台挨拶
伊藤沙莉が終始爆笑のトークが展開!?
“ちょっと思い出した”バレンタインデーの思い出も披露♥
第34回東京国際映画祭(TIFF)のコンペティション部門に選出され、観客賞とスペシャルメンションをW受賞するなど、注目を集めた映画『ちょっと思い出しただけ』がついに2月11日(金・祝)に全国公開を迎えた。
2月12日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた公開記念舞台挨拶に、W主演の池松壮亮と伊藤沙莉、共演の永瀬正敏、そして松居大悟監督が登壇。映画にも出演している屋敷裕政(ニューヨーク)が舞台挨拶のMCを務め、屋敷を中心に終始笑いが絶えないトークが展開された。
松居監督が海外でも注目を集める本作への思いを語る!!
初めての松居組に伊藤は「みんなで松居さんを支えている感じ」
香港、台湾、マレーシアなど海外での劇場公開も決定し、アジアの国際映画祭からも声がかかるなど、国内外から注目を集めている映画『ちょっと思い出しただけ』。劇中ではコロナ禍の東京でかつての思い出を振り返るという物語を描いていることもあり、松居監督は「コロナは世界共通のものなので、世界中の人が映画を観て“昔も良かったけど今も悪くないじゃん”と思ってもらえれば嬉しいです」とコメント。
さらに松居監督は無事公開日を迎えたことについて「(映画を観た人が)自分の物語として、自分のことや昔の恋人を思い出しながら映画を観ていただいているようなので、嬉しいです」と公開後の反響を語った。
松居監督と何度もタッグを組んできた池松は「初めて会ったのは、20歳とかの時でした。お互いアップデートした上で毎回新しいことに一緒に挑戦できていますね」と松居監督との映画づくりへの思いを明かした。
初めて松居組に参加した伊藤は「みんなで松居さんを支えている感じがありました。松居さんの独特な世界観があって、それを実現するためにみんなが一生懸命松居さんに寄り添っている感じでした」と撮影現場を振り返って感想を述べると、MCの屋敷から「(その体制は)松居組特有なんですか」と質問が。
伊藤が「ちょっと適当に言っちゃったかも(笑)」と返答すると、思わず屋敷から「お前(松居監督)がキャスティングした役者、どうなっとんねん!舞台挨拶ってこんな感じなの!?」と鋭いツッコミが入り伊藤が爆笑。伊藤は笑いながらも「松居監督の世界観を叶えるのも止めるのもみんなだったのが見ていて面白かったし、それは松居監督特有だなと思いました」とまとめた。
そして永瀬は初めて脚本を読んだ感想を「1度目観た時と2度目では噛み締め方が違う作品です。何度も“ちょっと思い出す”ものがありました」と語った。
『ちょっと思い出しただけ』は“東京版『ナイト・オン・ザ・プラネット』”
永瀬と松居監督がジム・ジャームッシュ監督への思いを熱弁‼︎
クリープハイプの尾崎世界観がジム・ジャームッシュ監督の映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)に着想を得て書き上げた新曲「ナイトオンザプラネット」をもとに、松居監督が完全オリジナルラブストーリーを書き上げたという経緯を持つ映画『ちょっと思い出しただけ』。
ジム・ジャームッシュ監督の『ミステリー・トレイン』(1989年)や『パターソン』(2016年)に出演している永瀬をキャスティングした理由について松居監督は「ジム・ジャームッシュのDNAを引き継ぎながら作りたいと思って、ジムの作品に出演している永瀬さんに(劇中で)生きていてもらえると映画として説得力や力強さが出るということで、台本をお送りしました」と説明した。
キャスティングを受けて永瀬は「すごく嬉しかったです。『ナイト・オン・ザ・プラネット』を作る前後にジムと話している時にも、東京編ができなくて残念だという話をしていたので、グッとくるものがありました」と『ナイト・オン・ザ・プラネット』では夜中から朝にかけて同じ時間の世界中の話を描くという映画の設定上、時差の関係で日本は登場しなかったという経緯に触れながら、映画『ちょっと思い出しただけ』への思いを熱弁。
さらに松居監督も「現場では永瀬さんと“ジムが観てくれた時に『ナイト・オン・ザ・プラネット』の東京編だと思ってくれたらいいね”と話していました」とジム・ジャームッシュ監督への思いを語った。
バレンタインデーの“ちょっと思い出した”エピソードは?
伊藤は本命男子へ不器用なアプローチを振り返る。
もうすぐバレンタインデーということで、登壇者がバレンタインの“ちょっと思い出した”エピソードを披露。
池松は「小学生の頃にバレンタインデーをフライングしてチョコレートをくれた人がいたのですが、物心がつきはじめたからか恥ずかしすぎて。そのチョコを空き地に投げたんですよ。するとその後、その空き地に茶色い綺麗な家が建ったんですよね」と衝撃のエピソードを語り、会場は笑いに包まれた。
伊藤も小学生の時を振り返り、「私は素直な性格じゃなかったので、好きって言いたいけど気持ちはバレたくなかったんです。一生懸命チョコを作ったんですが、(カモフラージュのために)全員分作って本命の人だけ中身を変えて配っていたら、本命の子が先に帰っちゃったんです。だから家まで行って“みんなに渡しているから”と言ってチョコを渡して。すると後から“俺だけ中身違った?”って言われたので、“お前のだけ余り物で作った”って言いました」と叶わなかった恋の話を披露。
そして松居監督は「(登校する時に)毎日同じ時間のバスに乗ると、乗っている人も毎日だいたい同じ人だったので(その中に)誰か自分にチョコを渡したい人がいるのではないかと思ったんですよ。だからすごく早い時間からバス停に行って、いつでもチョコを受け取れるように待機していました」と高校時代のバレンタインデーを振り返った。
永瀬正敏のデビュー39周年をお祝い💐
ここで、映画『ちょっと思い出しただけ』の公開日である2月11日(金・祝)にデビュー39周年を迎えた永瀬にサプライズで花束が贈られた。
松居監督は「東京国際映画祭での世界初上映が僕の誕生日で、公開日が永瀬さんのデビュー日ということで、すごく嬉しく思います」とコメントし、永瀬も「ありがとうございます」と答えた。
登壇者からこれから映画を観る観客へメッセージ
最後に登壇者から観客に向けてメッセージが送られた。
永瀬は「何より(池松と伊藤の)お二人が素晴らしいので、噛み締めていただきたいと思います。僕にとっては感謝の映画です。その思いが一人でも多くの方に届くといいなと思っております」とコメント。
伊藤は「特に今、多くの方が何気ない日常を思い出したり、日常の大事さや愛おしさを感じたりしていると思います。“前はよかったな”とちょっと思い出すことで、逆に前に進めると思います。この映画はとても希望を感じる作品です。この映画を見て自分の人生を前向きに捉えられたらと願っております」と映画への思いを語った。
続いて池松は「僕らがこれから生きていくことにまつわる映画になっています。2時間どっぷり浸って帰っていただければ嬉しいです」と観客に語りかけた。
さらに松居監督が「今は苦しいことも多いですが、こうして映画館に来ること、人と話せることとが昔より嬉しく感じられると思います。そんな風に、失ったものよりも手に入ったものを愛おしく抱きしめられるようにという思いを込めました。映画を観て愛おしい感覚を見つけてもらって、そして広めてもらえたら嬉しいです」とまとめた。
最後は松居監督のムチャブリに答えて屋敷が「大どんでん返しに期待してください」とコメントを締め、MCを務めた屋敷を中心に終始笑いに包まれた舞台挨拶は幕を閉じた。
これから海外での劇場公開、そして国際映画祭への出品も決定しているという映画『ちょっと思い出しただけ』。これからの国内外の動向から目が離せない。
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イベント情報
映画『ちょっと思い出しただけ』公開記念舞台挨拶
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映画『ちょっと思い出しただけ』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》照明スタッフの照生と、タクシードライバーの葉。 物語はふたりが別れてしまった後から始まり、時が巻き戻されていく。 愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日・・・ コロナ禍より前の世界に戻れないように、誰もが戻れない過去を抱えて生きている。 そんな日々を“ちょっと思い出しただけ”。 |