映画『明日の食卓』㊗公開初日舞台挨拶
菅野美穂「“明日の食卓”が豊かになりますように」
第42回講談社児童⽂学新⼈賞を受賞した「⼗⼆歳」で作家デビューし、数々の受賞歴のある椰⽉美智⼦の2016年に出版された同名⼩説を原作に、⼦を持つ親なら誰もが直⾯する問題を社会派エンターテインメントの旗⼿である瀬々敬久監督が豪華⼥優陣を迎え映画化した『明⽇の⾷卓』が5⽉28⽇(⾦)に公開初日を迎えた。
同日、神奈川県・横浜市のイオンシネマみなとみらいにて初日舞台挨拶を開催。主演の菅野美穂、高畑充希、尾野真千子ら同じ名前の10歳の息子を持つ母親を演じた女優陣と、その夫を演じた和田聰宏、大東駿介、そして高畑演じる加奈の弟役を演じた藤原季節ら男優陣、そして瀬々敬久監督の総勢7名が登壇した。
瀬々監督、“物語”という宝物をプレゼント🎁
菅野美穂、“映画の持つ力”が元気の素になる
この日は横浜での舞台挨拶となったが、瀬々監督は「ここへ来られたこと、この出会いが嬉しいです。こんな時期でも、物語という宝物をプレゼントすることができます」と映画公開の喜びを口にした。
主演を務めた菅野は、コロナ禍の中で「公開になるのかな? という気持ちで過ごしてきましたが、映画館でこうしてみなさんとお会いすることができて嬉しいです。コロナ禍で、物語の持つ力を改めて感じています。誰かの元気の素になるといいなぁと思いながら、今日という日を待っておりました」と初日を迎えての思いを語った。
この日は、映画の中で夫婦を演じた菅野と和田、尾野と大東、そして姉弟を演じた高畑と藤原という3組のペアが登壇しており、それぞれの共演について振り返った。
和田聰宏、菅野美穂を全力でプールに!?
菅野は、和田が演じた劇中での夫について「うちのダンナはビールばっかり飲んで、子どもとは遊んでくれるけど、私がやってほしいことはやってくれない(笑)」と話して笑いを誘いつつ、そんな夫を演じた和田は「菅野さんは、テストと本番で(演技が)がらりと変わるんです」と指摘。菅野は「毎回、全力でただ投げ込むだけでした(笑)。暴投になっていたかも…」と照れくさそうに語る。
そんな2人の激しいケンカのシーンについて、和田は「(菅野さんが放り込まれることになる)プールの水が汚かったんです。女優さんが入るので心配してたんですが、菅野さんは『全力で入れてください!』と言うので、それに応えて思い切りやりました」と明かした。
菅野も2人の激しいやり取りを振り返り「夫婦のことって2人にしかわからないこともあるので、私もよくないところが絶対にあったはずなんです。育児って毎日ギリギリで、綱渡りですけど、ちょいちょい綱から落ちるもの。そういう怒りはわかりますので、ケンカのシーンは確かに凄かったですね…。極限状態ですけど、和田さんがしっかり受け止めてくださって、監督もグッと熱量が上がる瞬間があり、やりがいのあるシーンができてるな、と思いながらやっていました」と充実した表情を見せた。
藤原季節の驚愕の告白!!
高畑充希「知らなくてよかったです」
続いて、高畑は藤原が演じた弟について「どうしようもない弟でしたけど、季節さんだったからなのか?どうにも嫌いになれなくて…」と困ったような表情で語る。一方、藤原は、高畑との近距離での芝居について「体臭とか大丈夫かな?と心配してました。瀬々監督の映画に出るってことで、“匂い立つ”感じが出ればと、お風呂に数日入らなかったんです」と驚きの告白! 高畑は全く気づかなかったそうだが、藤原は熱いさなかの撮影で「胸ぐらをつかまれるシーンもあって『入ればよかったな』と思ってました…」と申し訳なさそう。高畑は「知らなくてよかったです」と驚きつつ、笑みを浮かべていた。
尾野真千子と大東駿介、コテコテの関西弁で見事な夫婦漫才を披露!?
尾野と大東も、劇中でかなり激しいやり取りを見せているが、尾野は「私たち、関西人でして、気を抜くとすぐに関西弁になる危機感を持ちながらやっていました(笑)」と述懐。大東曰く、2人とも関西弁の中でも「かなりコテコテのほう」とのこと。そんな2人は壇上で、現場でのやり取りを再現。尾野がコテコテの関西弁で「標準語でいきたいねん、今日は」と言えば、大東が「そやな。シュッとしよ、今日は」とこれまた関西弁で返し、笑いを誘う。さらに尾野が、大東が演じたとんでもない夫について「イヤですね。でも、全部が全部、イヤじゃなかったような気もしました」と言うと、大東は「それは…? 大東くんが…? 演じているから…? って、全部俺が言うてまったやん! 言ってくれや(笑)!」と返すなど、見事な夫婦漫才を繰り広げ、これには共演陣も大笑いだった。
主演・菅野美穂と瀬々監督から観客へ向けてメッセージ
最後に菅野は「女性が日々抱えているモヤモヤ、孤独感は『自分だけのものじゃないんだ!』と思ってもらえる何かがある映画だと思います」と映画をアピールし「大きな声で『劇場にお越しください』と言いづらい世の中で、今日は横浜に参りましたが、物語の持つ力を私は今、改めて感じているし、今日、こうしてみなさんが劇場に来てくださったことに励まされました!この映画との出会いに感謝しています。“明日の食卓”が豊かなものになりますように」と感謝の思いを口にした。
瀬々監督は「いま、すごくつらい状況だと思います。この映画もつらい状況を扱っていますが、そんな状況でも、出会いがあったり、別れがあったり、気持ちが昂って、感動的な瞬間が訪れたりするんだということを描こうと思い、作った映画です。こういう状況の中でも、みなさんの中にそんな出会いや『いいなぁ、今日は』という瞬間が訪れることを願っていますし、そういう映画になっていれば幸いです。みなさん、Twitterとかでこの映画について『苦しい」とか『つらい』と書くと思いますが『でも、よかった』と最後に足してください。お願いします!」と呼びかけ、舞台挨拶は幕を閉じた。
イベント情報
映画『明日の食卓』公開初日舞台挨拶
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映画『明日の食卓』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》同じ「石橋ユウ」という名前の小学5年生の息子を育てる3人の母親たち。 神奈川在住・フリーライターの石橋留美子(菅野美穂)43歳。夫・豊はフリーカメラマン。息子・悠宇10歳。 大阪在住・シングルマザーの石橋加奈(高畑充希)30歳。離婚してアルバイトを掛け持ちする毎日。息子・勇10歳。 静岡在住・専業主婦の石橋あすみ(尾野真千子)36歳。夫・太一は東京に通い勤務するサラリーマン。息子・優10歳。 それぞれが息子の「ユウ」を育てながら忙しく幸せな日々を送っていた。しかし、些細なことがきっかけで徐々にその生活が崩れていく。苦労はあっても、息子への愛に偽りはなかったはずなのに、どこで歯車が狂ってしまったのか。「ユウ」の命を奪った犯人は誰なのか、そして三つの石橋家がたどり着く運命とは……? |