- 2018-10-26
- イベントレポート, 第31回 東京国際映画祭, 記者会見
第31回 東京国際映画祭(TIFF)
コンペティション部門『堕ちた希望』記者会見
“どうせ死ぬなら、好きに死にたい”ヒロインの生き様が輝く作品
イタリアから「死に抗おうとする生の頑固さ」に着想を得て制作された人生のどん底にいるヒロインの、最も根源的で力強い生き様を描いた映画『堕ちた希望』(英題:The Vice of Hope / 原題:Il Vizio Della Speranza)が第31回東京国際映画祭(TIFF)のコンペティション部門に出品され、10月26日(金)にTOHOシネマズ 六本木で記者会見が行われた。会見には来日した監督のエドアルド・デ・アンジェリスと主演女優のピーナ・トゥルコが出席した。
マリアを演じた事は大きな糧に
マリア役のピーナ・トゥルコは、テレビを中心に活躍する女優で本作が2度目の映画出演となる。トゥルコは「私が話す言葉は日本語ではありませんが、この映画を通じて皆さんの心に通じたのではないかと思います。この作品は全世界の人々に通じる内容になっていると思います。また、温かく迎えて下さってありがとうございます」と挨拶した。
自身が演じるマリアについて「肉体をハードに使う人物」とし、撮影にもトレーニングをしてから臨んだことを明かした。そして「肉体を使って語りかける。彼女のその身体性は映画の中でも変化していきます。役者としてマリアを演じたことは自分の大きな糧にもなりました。観ていただいた皆さんの中にも何か残すことができたら」と語りかけた。
本作のテーマは女性の強さ
「男たちが自分たちの仕事を見失った、男たち自身が迷子になっている世界像を描きたかった。なのでこの映画では女性が男性としての役割を担っています。搾取する側もされる側も女性です。また、自分が3人の女性に育てられたので、女性を描いたということもあります。たくましく生きるマリアを撮ることで女性は弱いという固定概念を壊したかったのです」と映画に込めたメッセージを告白した。
《イベント情報》第31回東京国際映画祭(TIFF) コンペティション部門
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第31回東京国際映画祭(TIFF) コンペティション部門
映画『堕ちた希望』記者会見
映画作品情報
《ストーリー》マリアは夢も希望もないその日暮らしで、母の面倒をみながら、宝石に囲まれた冷たい老女に仕えている。ある日、獰猛な目をした犬のピットブルと共に、マリアは妊婦を連れてフェリーで川を渡るのだが……。 |
英題: The Vice of Hope
プロデューサー: アッティリオ・デ・ラッツァ、ピエルパオロ・ヴェルガ
脚本: ウンベルト・コンタレッロ
撮影監督: フェラン・パレーデス・ルビオ
編集: キアーラ・グリズィオッティ
美術: カルミネ・グワリーノ
衣装: マッシモ・カンティーニ・パッリーニ
ペングエ: マッシミリアーノ・ロッシ
マリおばさん: マリーナ・コンファローネ
アルバ: クリスティーナ・ドナディオ
先生: マルチェッロ・ロモロ