- 2017-11-3
- イベントレポート, 第30回 東京国際映画祭, 記者会見
第30回 東京国際映画祭(TIFF)
コンペティション国際審査委員&受賞者記者会見
素晴らしい審査委員と各賞受賞者が一同に集い、映画祭のフィナーレを締めくくった。
10日間におよび開催された第30回東京国際映画祭(TIFF)も11月3日(金・祝)にクロージングを迎え、セレモニー終了後にコンペティション国際審査委員と各賞受賞者による記者会見を実施。コンペティション部門の国際審査委員長を務めたトミー・リー・ジョーンズ氏をはじめ、レザ・ミルキャリミ、マルタン・プロヴォ、ヴィッキー・チャオ(趙薇)、永瀬正敏ら国際審査委員と、日本映画スプラッシュ部門、アジアの未来部門、コンペティション部門の各賞受賞者が登壇した。
シネマアートオンラインの記者も参加したその模様をお届けします。
コンペティション国際審査委員記者会見
<国際審査委員総評>
トミー・リー・ジョーンズ審査委員長まるで一本の映画を撮り終えた後の打ち上げに参加している気分です。この映画祭期間中、映画作りと同様でみんなで一緒に仕事をして、それが終わった今は、友達も作れてとても良い経験となりました。またどこかの映画祭でばったりお目にかかれると思いますが、今はただただ嬉しいです。
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レザ・ミルキャリミトミー・リー・ジョーンズさんと同じ気持ちで、良き友達を見つけられてとても嬉しいです。これからも素晴らしい作品を観られる事を期待しています。映画祭に出るチャンスのある映画は全て受賞する可能性のある立場だと思います。皆素晴らしい映画で審査する事はとても難しく、審査委員それぞれの好みや意見がある中、意見を合わせるのは困難なことが多いです。いつも100パーセント合意する事は難しいが、今回はそれが出来たと思っています。
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マルタン・プロヴォ本当に貴重でインパクトの強い経験となりました。他の映画祭にはない東京国際映画祭だからこその、素晴らしい審査委員をさせてもらいとても感謝しています。それぞれが現在の世界の状況を描写して、色んな不安が描かれていましたが、これから取り組むべきこともたくさんあるなと感じました。映画監督がそれを描写して問題提起をして人々の意識を高め、これから世の中が光と愛に溢れる方向に向いていければすごく嬉しいです。
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ヴィッキー・チャオ(趙薇)この東京国際映画祭は非常に開かれた映画祭だと思います。どの作品にも我々審査委員に対してもとても良くしてくれて、良い作品を観ることができて嬉しく思います。5つの国の国際審査委員団で映画を観て、議論して、インスパイアし合うことが出来ました。このような機会を与えてくれた東京国際映画祭に感謝しています。
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永瀬 正敏25日のオープニングの日に審査委員長から、『1作観るごとに必ずミーティングをしよう』という提案がありましたが、それが本当に素晴らしい提案でした。他の映画祭の審査委員に聞くと、そんなことはまずないとのことです。映画を観てすぐに話し合うことで共通認識を持てて様々なアイデアを引き出すことが出来たことに感謝しています。この出逢いを生涯大事にしたいですし、他の審査委員の皆さんは監督で、僕は役者なので今後役者として起用してもらえるように頑張っていきたいです。
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<国際審査委員Q&A>
Q: トミー・リー・ジョーンズ審査委員長はなぜ1作品観るたびにミーティングすることにしたのでしょうか?
トミー・リー・ジョーンズ: 上映直後に意見交換することで、作品の第一印象を新鮮な気持ちで覚えているからです。考えは表現するうちに成長するので、他の人の意見を聞く事で発展したり、変化することもあります。今回はそれが非常に有効的に働いたと思います。
Q: 審査結果以外で、お気に入りだった作品は?
永瀬正敏: それは私たち5人の秘密なのですが、他にももっとたくさんの賞があれば全ての作品が賞を獲っていると思います。それほどまでにどの作品も素晴らしかったです。
Q: トミー・リー・ジョーンズの審査委員長としてのリーダーぶりはいかがでしたか?
ヴィッキー・チャオ(趙薇): ジョーンズ氏は素晴らしいリーダーでした。独自の意見はもちろん持ちつつ、我々の意見も尊重してくださいました。ずっと言いたかったけれど、実は私はトミーさんのファンで、これまでご本人に言えなかったので、この場で言わせていただきます。
Q: 審議はパッションをぶつけあう熱いものでしたか?それとも穏やかに進んだのでしょうか?
レザ・ミルキャリミ: とても穏やかな雰囲気でした。特にトミーと僕との関係は親子のような関係になり、トミーは父のように私に接してくれ、現在のイランとアメリカの中とは全くの逆のものでした。
受賞者記者会見
<日本映画スプラッシュ部門 作品賞>
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<アジアの未来 部門 作品賞/国際交流基金アジアセンター特別賞>
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<コンペティション部門 観客賞>
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<コンペティション部門 最優秀脚本賞 Presented by WOWOW>
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<コンペティション部門 最優秀芸術貢献賞>
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<コンペティション部門 最優秀男優賞>
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<コンペティション部門 最優秀監督賞>
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<コンペティション部門 審査委員特別賞>
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<コンペティション部門 東京グランプリ/東京都知事賞>
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記者会見取材を終えて
国際審査委員5人すべての国籍と言語が違う中、ひとつひとつの作品に時間をかけて評価した様子が伝わってくる記者会見だった。
今回受賞した作品は、人間性やマイノリティと呼ばれる人々に焦点を当てたものが多く、作品を観た人たちにも今の社会で観えている問題、また、埋もれがちな問題を考えるきっかけになったのではないでしょうか。
『僕の帰る場所』や『ナポリ、輝きの陰で』などいくつかの作品は、あえて俳優ではない現地の人たちをメインキャストに起用したり、脚本にも彼らに参加してもらい意見や思いを反映させたりすることで、よりリアリティのあるメッセージが伝わる作品になったと感じられた。
今年で東京国際映画祭も第30回の節目を迎え、昨年を上回る231本の作品が上映された。
今後は映画ファンはもちろん、”ミレニアル世代”や”ジェネレーションZ”などの若い世代に対して、この映画祭がどのように映画の面白さを発信していくのか注目したい。
[ムービー撮影: 恵水 流生 / スチール写真: © 2017 TIFF]
《記者会見概要》■開催日: 2017年11月3日(金・祝) 【コンペティション国際審査委員】
トミー・リー・ジョーンズ審査委員長、レザ・ミルキャリミ、マルタン・プロヴォ、ヴィッキー・チャオ(趙薇)、永瀬正敏 【各賞の受賞者】
★日本映画スプラッシュ部門
作品賞: 戸田ひかる(『Of Love & Law』監督) ★アジアの未来部門
作品賞・国際交流基金アジアセンター特別賞: 藤元明緒(『僕の帰る場所』監督/脚本/編集) ★コンペティション部門
最優秀脚本賞 Presented by WOWOW: ヤニ・ポソ(『ペット安楽死請負人』プロデューサー) 観客賞: 大九明子(『勝手にふるえてろ』監督) 最優秀芸術貢献賞: ドン・ユエ(『迫り来る嵐』監督/脚本) 最優秀男優賞: ドアン・イーホン(『迫り来る嵐』) 審査委員特別賞: シルヴィア・ルーツィ(『ナポリ、輝きの陰で』監督/脚本/プロデューサー/編集)、ルカ・ベッリーノ(『ナポリ、輝きの陰で』監督/脚本/プロデューサー/編集) 最優秀監督賞: エドモンド・ヨウ(『アケラット-ロヒャンギャの祈り』監督/脚本) 東京グランプリ/東京都知事賞: セミフ・カプランオール(『グレイン』監督/脚本/編集/プロデューサー) |
《第30回 東京国際映画祭 動員数》<速報>劇場動員数: 60,589人(上映作品数 231本/第29回は206本)
TIFFCOM、共催/定型企画動員数: 222,039人 レッドカーペット・アリーナ等イベント: 111,598人 |