映画『転がるビー玉』吉川愛×萩原みのり×今泉佑唯 インタビュー
【写真】映画『転がるビー玉』吉川愛 × 萩原みのり × 今泉佑唯 インタビュー

映画『転がるビー玉』

吉川愛×萩原みのり×今泉佑唯インタビュー

20代の悩みを3人が表現
世代を越えて共感できる映画 

『黒い暴動❤︎』(2016年)、『サラバ静寂』(2018年)、そして『魔法少年☆ワイルドバージン』(2019年)など、独特な感性で、オリジナリティ溢れる魅力的な映画を作り続ける宇賀那健一監督が、感度の高い若者達から絶大な人気を集めているファッション&カルチャーマガジン「NYLON JAPAN」の、創刊15周年記念プロジェクトである映画『転がるビー玉』を世に送り出す。

【画像】映画『転がるビー玉』メインカット

新しいファッションやカルチャーを生み出し続け、時代の流れとともに常に変動しているカオスな街、渋谷。かつてないほどの大規模再開発中の渋谷で、いつずれ取り壊されることが決まっている古いマンションをシェアして生活する、3人の女の子の物語。目にする景色は毎日目まぐるしく変化しているのに、自分たちは同じ場所からなかなか動くことができない。そんな葛藤と共に明日を描く、ささやかな青春映画が誕生した。

3人の主人公を演じるメインキャストは、夢を追い求めるモデルの愛役に吉川愛、編集者の瑞穂役を萩原みのり、ストリートミュージシャンの恵梨香役を今泉佑唯が務める。

1月31日(金)から渋谷の映画館「WHITE CINE QUINTO」で先行公開され、そして2月7日(金)についに全国公開を迎えた。メインキャストの3人に『転がるビー玉』の見どころや撮影の裏話などお話しを伺った。

—— 20代の悩みが反映されている作品で共感する部分がたくさんありました。脚本を読まれていかがでしたか?

萩原: この作品の脚本を読んだ時から、表に出している感情よりもその時に心の中で動いている感情の方が映っていた方が良いと思っていました。言っている言葉の奥にある気持ちの方がこの子たちは大事なんだなと思っていたので。笑っていても(心から)笑ってなかったりとか、その辺は意識していましたね。

同世代の子たちの等身大の悩みが色んな言葉の中に詰まっているので、かなり共感してもらえるんじゃないかなと思っています。大学を卒業してから社会に出る方が多いけど、私は中学生からこの業界に入って仕事を始めたので、瑞穂という役に関して言えば、私自身は20歳くらいに色んな気持ちを抱えていたと思います。

【画像】映画『転がるビー玉』場面カット

吉川: 同世代の方が悩んでいることと、似たようなことをしているので、共感してもらえるんじゃないかなと思います。それぞれ悩みも向かっている目標も全然違うので、この3人を見て誰に1番共感するのかが気になりました。私は愛の性格に似ていたので、演じていて愛の気持ちがとてもよく分かりました。画面を通しても、共感しながら観ていました。

今泉: 私自身もこういうことで悩むことあったなって改めて思った部分もあるし、逆に同世代だけじゃなく、30代、40代の方も懐かしく思える部分もあると思うので、幅広い年齢層の方に共感していただけるかなと思います。

【画像】映画『転がるビー玉』場面カット

—— ご自身の役について共感できるところ、そうでないところはありましたか?

萩原: 根っこに持っているものは分からなくはないけど、瑞穂に似ているというわけでもないです。私はこんなに社交的に動かないし、相手にもあそこまでさらけ出さないですね。瑞穂は不安定さが表に出ていると思いますが、そこまで感情を相手にぶつけないので、そこは似ていないですね。

吉川: 私は結構似ているところが多かったです。ただ、体調悪くても無理に頑張って走ることは絶対にないですね。なるべく体調を優先にします。

今泉: 自分の中で溜まったとしても誰かに怒りをぶつけたりとか、すごく泣いたりとかはしないので、ちょっとしたことで感情的になるのは自分とは違うのかなと思いました。1人で泣くことはあるんですけど、誰かに向かって感情的になって泣いたりとかはないので、難しかったです。

【画像】映画『転がるビー玉』場面カット

—— 劇中で愛が自身の強みを聞かれるシーンがありましたが、吉川さんご自身の強みはどこでしょうか?

吉川: それが最近の難題でして。台詞を覚えていた時に、自分のことも考えたんですけど、(強みが)「ないかも」と思って。会う友達に私の強みは何か聞いているんですけど、“誰にも負けない”とか言われますね。

【画像】映画『転がるビー玉』場面カット

萩原: 愛ちゃんの強みって全部じゃないですかね。こんな人いないし。愛ちゃんらしく突き進んでほしい。自分が見えている姿と人から見られている姿って違うなと思います。自分のコンプレックスがむしろ褒められたりするから分からないなって。私は元々目力が強すぎるところがコンプレックスで、人の目を見れなくなったり、メガネをかけるくらい自分の目が嫌いだったんですが、役者を始めたら一番褒められるのが目だったりするので、何が強みなのか自分だと分からないですね。

—— 萩原さんは、応募総数2,395名の中からオーディションで大抜擢されました。メインキャストに決まった時のお気持ちをお聞かせください。

萩原: オーディションを受けた後、他のキャストの方を教えてもらいました。元々2人とも知っているし、見てきているから同じ場に立たせてもらえることに漠然と「すごいなぁ」と思っていました。

今泉: 私も2人のことを知っていたのでついていけるか不安もあったし、まだお芝居始めてそんなに経験もないので、足を引っ張ってしまうかもしれないというプレッシャーはありました。

萩原: プレッシャーなんて絶対感じていなかったですよ(笑)。本当にご機嫌で、「はじめまして!」の時も挨拶する前にカーテン越しにオリジナルソングを歌っていたんですよ。基本的に一日中歌っていますね。なんか面白い現場になりそうだなって。

吉川: 私は最初すごく緊張しちゃって。(萩原が)最初クールなイメージがありましたが、それは違いました(笑)。

萩原: 人見知りMAXな2人(吉川、萩原)と自由な子が1人(今泉)。「やっばい、吉川愛おる」と思って(笑)。ずーみん(今泉)が2人(吉川と萩原)の壁を壊してくれましたね。クランクインしたらめちゃくちゃ居心地が良いです。ラクでしょうがない。

吉川: クランクインした時、3人とも全然話せないまま撮影が始まってどうなるんだろうと思っていたけど、意外とそんな心配することもなくて普通に話せたよね。撮影している時は、今までもずっとシェアハウスしてきたんじゃないかなっていうくらい距離感が近くて居心地も良くて。全然無言でも平気な空気感があって好きに芝居していいんだなって。

【画像】映画『転がるビー玉』場面カット

—— 3人の仲の良さが伝わってきました。劇中のようにプライベートで出かけることはありましたか?

吉川: この3人の空気感あるよね。
プライベートでは、まだどこにも行けていないので行きたいです。

萩原: 寒くなってきたから、今度鍋行こうって話しています。

今泉: やっと行ける(笑)。

—— 3人のシーンは、ほとんどがアドリブなのではと思いましたが、撮影現場はいかがでしたか?

萩原: スイカ割り、停電、コンビニの中など、基本3人でわちゃわちゃしているのは結構アドリブですね。宇賀那監督が好きに動いてみてと言ってくれるので、MAXふざけてみてアドリブの中から選んでいって繋いで一つのシーンにするみたいな。やりすぎたら止めてくれるという監督との信頼関係があったので、挑戦しやすい現場でした。

吉川: 最後の花火をしているシーンで、ものすごく2人が大好きになっちゃって。泣かなくてよかったんですけど、なぜか分からないけど涙が出てきちゃいました。2人が好きすぎて離れたくなくて、「大好きだよ、みんな」って言ったらそれが予告編で使われていました(笑)。

今泉: 宇賀那監督は毎回「ここ良かったよ」って褒めてくれるから、楽しかった。

萩原: すごく順調に進んでいて、いつも巻いていたし、映画の現場ではありえない22時上がりで、毎日健康的な時間に帰宅してめちゃめちゃ平和でした。

吉川: 「あれ、もう終わった」っていうことが多かったです。

【画像】映画『転がるビー玉』場面カット

—— 本作は「NYLON JAPAN」創刊15周年企画の映画ですが、「NYLON JAPAN」の世界観やファッションは好きですか?また、普段のファッションで意識していることはありますか?

今泉: 「NYLON」の独特の世界観がすごく好きで、いつかお仕事できたらいいなと思っていたのですごく嬉しいです。

吉川: 私は黒や白のモノトーンの服が多くてだいたい黒っぽい服に差し色を入れるのが好きで、今日はバックに赤を入れています。この冬は流行のピンクに挑戦して女の子らしいコートを着たいです。

萩原: 顔がめちゃくちゃハッキリしているんで服はなるべくシンプルにしようと思っていますね。あまりクセの強いのを着ると本当に個性的なやつに見えてしまうので、そこは自分の顔面を自覚して引き算をしていますね。奇抜なのは着れないですね。

—— 最後に、シネマアートオンラインの読者の皆さんにメッセージをお願いします。

[インタビュー: フジモト マリ / スチール撮影: 坂本 貴光]
[スタイリスト: 入江陽子 (Tron) / メイク: Maki ihara (Pele) / ヘア: Moe mukai (Pele)]

プロフィール

吉川 愛 (Ai Yoshikawa) 

1999年10月28日生まれ。東京都出身。近年の主な出演作は、ドラマ「愛してたって、秘密はある。」(日本テレビ)、「初めて恋をした日に読む話」(TBS)、大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」(NHK)、映画『虹色デイズ』(2018年)、『十二人の死にたい子どもたち』(2019年)などに出演。現在放送中のドラマ「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)に出演中。2020年は6月に映画『のぼる小寺さん』の公開も控えている。

【写真】吉川愛 (Ai Yoshikawa)

萩原 みのり (Minori Hagiwara) 

1997年3月6日生まれ。愛知県出身。2013年、ドラマ「放課後グルーヴ」(TBS)で女優デビュー。以降、ドラマ「表参道高校合唱部!」(TBS)、「 I”s」(BSスカパー!)、「虫籠の錠前」(WOWOW)、映画『64-ロクヨン- 前編/後編』(2016年)、『何者』(2016年)、『昼顔』(2017年)、『ハローグッバイ』(2017年)、『お嬢ちゃん』(2018年)などに出演。2020年は映画『37 セカンズ』、『街の上で』の公開も控えている。

【写真】萩原みのり (Minori Hagiwara)

今泉 佑唯 (Yui Imaizumi)

1998年9月30日生まれ。神奈川県出身。欅坂46の元メンバー。卒業後、舞台「熱海殺人事件 LAST GENERATION 46」、ドラマ「ミリオンジョー」(テレビ東京)、「左ききのエレン」(MBS/TBS)に出演するなど、女優として活躍。2020年は3月に映画『酔うと化け物になる父がつらい』の公開が控えている。

【写真】今泉佑唯 (Yui Imaizumi)

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映画『転がるビー玉』予告篇

映画作品情報

【画像】映画『転がるビー玉』ポスタービジュアル

《ストーリー》

再開発が進む、渋谷。

その片隅にある古い家の床は少し傾いている。
ここで共同生活する愛、瑞穂、恵梨香の三人は夢を追い求めながら、悩み、もがき、飲んで、愚痴って、笑っては、泣いた。

彼女たちが手にいれたのは、〈宝石〉なんて眩しいものではなくて、どこかで紛れ込んだ一つの欠けた〈ビー玉〉だった。

そんなある日、部屋の立ち退き勧告の通達が来る。
街の再開発で家の取壊しが決定したのだ。

これは、いずれ出て行かなくてはならないその部屋で三人が過ごした、ささやかな日常の物語。

絶え間なく変化するこの街で埋もれてしまいがちな幸せは確かにそこにあった…。

 
出演: 吉川愛、萩原みのり、今泉佑唯
 
笠松将、大野いと、冨手麻妙、大下ヒロト、日南響子、田辺桃子、神尾楓珠、中島歩、徳永えり、大西信満、山中崇 仁科あい、中尾有伽、手島実優、安倍乙、濱正悟、河合優実、浦山佳樹、比佐仁、高橋雄祐、青木将彦、川端康太、 内堀太郎、松川遥菜、佐々木穂高
 
監督: 宇賀那健一
 
プロデューサー: 戸川貴詞 
共同プロデューサー: 小美野昌史
キャスティングプロデューサー: 當間咲耶香(SKALY inc,)
脚本: 宇賀那健一、加藤法子
音楽: 佐藤千亜妃
制作: VANDALISM
 
主題歌: 「転がるビー玉」 作詞/作曲 佐藤千亜妃
 
​配給: パルコ
 
2020年 / 日本 / 94分 / シネスコ / 5.1ch / カラー
 
©『転がるビー玉』製作委員会
 
2020年1月31日(金) 先行公開!
2020年2月7日(金)より全国順次ロードショー!

 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @korogarubidama
公式Facebook: @korogarubidama
公式Instagram: @korogarubidama

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