第18回 東京フィルメックス/TOKYO FILMeX 2017 受賞結果発表!
【写真】第18回 東京フィルメックス/TOKYO FILMeX 2017 授賞式 フォトセッション

第17回 東京フィルメックス / TOKYO FILMeX 2016

第18回 東京フィルメックス 授賞式

最優秀作品賞はインドネシア映画2作品が受賞!!
原一男審査委員長が映画界に一石を投じた。

第18回 東京フィルメックス(TOKYO FILMeX 2017)の授賞式が11月25日(土)、東京・有楽町朝日ホールで開催された。

才能ある新鋭作家が2016年から2017年にかけて製作した作品の中から9作品が上映されたコンペティション部門では、モーリー・スリヤ監督の『殺人者マルリナ』(原題:Marlina the Murderer in Four Acts)とカミラ・アンディニ監督の『見えるもの、見えざるもの』(原題:The Seen and Unseen)の2作品が最優秀作品賞に選出され、インドネシアの女性監督2人がそろって受賞した。今回初めて出品されたインドネシア映画が異例の2作品同時受賞という快挙に、2人の女性監督は互いを称えあい喜びを分かち合った。

【写真】第18回 東京フィルメックス/TOKYO FILMeX 2017 授賞式 最優秀作品賞

観客賞は、コンペティション審査委員長を務めた原一男監督の新作ドキュメンタリー映画『ニッポン国 VS 泉南石綿村』が受賞。学生審査員賞には、五十嵐耕平監督とダミアン・マニヴェル監督の日仏合作映画『泳ぎすぎた夜』(原題:La nuit ou j’ai nage)が選出された。

また、授賞式に先立って発表されたタレンツ・トーキョー・アワード2017には、ゾルジャーガル・ピュレヴダッシュ監督の『I wish I could HIBERNATE』、スペシャルメンションにスパッチャ・ティプセナ監督の『Doi Boy』が輝いた。

[スチール撮影・取材: Cinema Art Online UK]
 

各賞の受賞結果と受賞理由は以下の通りである。

 

◆最優秀作品賞 <副賞として賞金75万円が監督に授与>

『殺人者マルリナ』
【画像】映画『殺人者マルリナ』(Marlina the Murderer in Four Acts)
Marlina the Murderer in Four Acts / インドネシア、 フランス、マレーシア、タイ / 2017年 / 95分
監督: モーリー・スリヤ (Mouly SURYA)
 
授賞理由: マカロニウエスタンの音楽に乗ってヒロインは戦う。敵は男、そして男性社会、今こそ復讐せよ、破壊せよ、強姦などに打ちひしがれる哀れな女を演じるのはもうやめよう、女性自らが新しい女性像を作ること、肉体的にも精神的にもタフな女性像を。エンターテイメント型アクション映画に込められたメッセージ。闘うヒロイン像を作り出した、イキのいい痛快な傑作の誕生です。

 

『見えるもの、見えざるもの』
映画『見えるもの、見えざるもの』(The Seen and Unseen)
The Seen and Unseen / インドネシア、オランダ、オーストラリア、カタール / 2017年 / 86分 /
監督: カミラ・アンディニ (Kamila ANDINI)
 
授賞理由: 双子としてこの世に生を受けた姉と弟。ほとんど同時に命を受けながら弟は死へ、姉は生の方へと双子は別離を強いられる。理不尽とも言える命のありよう。最後の別れを前に、命を慈しむように、姉は弟をダンスに誘う。伝統と現代、現実とファンタジー、光りと影、昼と夜、過去の記憶と一瞬の現在、それらの混在こそが地上のパラダイス、新しくて懐かしさに満ちた傑作です。

 

第18回東京フィルメックス コンペティション審査員:

原 一男(HARA Kazuo 審査委員長: 日本 / 映画監督)、國實 瑞惠(KUNIZANE Mizue / 日本 / プロデューサー)、エレン・キム(Ellen Y. D. KIM / 韓国 / 映画祭プログラマー、映画プロデューサー)、ミレーナ・グレゴール(Milena GREGOR /ドイツ / アルセナール芸術監督)、クラレンス・ツィ(Clarence TSUI / 香港 / 映画評論家)

 

◆観客賞

『ニッポン国 VS 泉南石綿村』
【画像】映画『ニッポン国 VS 泉南石綿村』(Sennan Asbestos Disaster)
Sennan Asbestos Disaster / 日本 / 2017年 / 215分
監督: 原一男 (HARA Kazuo)
製作・配給: 疾走プロダクション 配給協力: 太秦

 

◆学生審査員賞

『泳ぎすぎた夜』
『泳ぎすぎた夜』(The Night I Swam)
The Night I Swam / 日本、フランス / 2017年 / 79分
監督: 五十嵐耕平、ダミアン・マニヴェル (IGARASHI Kohei, Damien MANIVEL)
配給: コピアポア・フィルム、NOBO
 
授賞理由: 孤独や家族を複雑に描こうとする作品が多い中で、『泳ぎすぎた夜』はシンプルに見える映画だからこそ、一人の小さな子供のたった一夜から、私たちにまっすぐに届けられたように思います。それはとても希望に溢れたことで、同じ作り手としても羨ましく思いました。私たちはタカラくんを通して、私たちが忘れてはいけないのに忘れてしまった感覚を思い出しました。20年程しか生きていないのに勝手に大人ぶっていることを思い知らされ、恥ずかしくも感じました。けれど、それは同時に私たちがここまで成長したことも確かなことなのだと小さなタカラくんに教わりました。

 
■学生審査員:

シガヤダイスケ(日本大学芸術学部卒)、福田芽衣(東放学園映画専門学校卒)、鈴木ゆり子(国際基督教大学)

 

◆タレンツ・トーキョー・アワード 2017
 <副賞として賞金30万円が受賞者に授与>

『I wish I could HIBERNATE』(ゾルジャーガル・ピュレヴダッシュ / モンゴル)

◆スペシャル・メンション

『Doi Boy』(スパッチャ・ティプセナ / タイ)
 

タレンツ・トーキョー2017 エキスパーツ(講師):

ペンエーグ・ラッタナルアーン(映画監督)、チェドミール・コラール(プロデューサー)、フレデリック・コルヴェズ(ワールド・セールス)、クリスティーネ・トロストロム(ベルリナーレ・タレンツ、プロジェクト・マネージャー)

 
◆Filmarks賞

国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks」と東京フィルメックスがコラボ。上映作品をFilmarksでClip!し、鑑賞後には5点満点の★評価をつけてレビューを投稿。さらに今年はFilmarks賞を新設。映画祭で上映される全作品を対象に、映画祭終了翌日の11月27日(月)の時点で最も★評価が高かった作品に賞が与えられる。Filmarks賞は、後日Filmarksのサイト上で発表される。

Filmarksの登録方法《無料》
1. PCから… https://filmarks.com/ にアクセス後、メールアドレスもしくはFacebook、Twitterのアカウントで登録できます。
2. スマートフォンから…iPhone(App Store)、Android(Google Play)、Kindle(Amazon Apps)でアプリをダウンロードできます。

 

第18回 東京フィルメックス公式サイト

【画像】第18回 東京フィルメックス / TOKYO FILMeX 2017 ポスタービジュアル

この記事の著者

この著者の最新の記事

関連記事

カテゴリー

アーカイブ

YouTube Channel

Twitter

【バナー画像】日本アカデミー賞
ページ上部へ戻る