- 2016-8-20
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もはや聖地!ロケ地も魅力的な夏邦画5選
蒸し暑い夏、涼みながら映画を観るのは最高のひと時です。
魅力的な映画に登場するロケ地を、実際に訪れたくなる人も多いかもしれません。
映画はもちろんロケ地も魅力的な、Cinema Art Onlineがオススメする夏邦画5選をご紹介します!
『ドルフィンブルーフジ、もう一度宙へ』
ヒトからイルカへ、温かなエゴが生んだ奇跡
舞台は沖縄県にある美ら海水族館。突発かつ原因不明の感染症により、尾びれが壊死し死の危機に直面したイルカの「フジ」。尾びれを一部焼き切ることで命はとり止めたものの、以前の様には泳げなくなってしまう。
「イルカの尾びれって、また生えてくるって知ってた?」
一度失われた尾びれは、自然に再生することはない。新米獣医・植村一也(松山ケンイチ)と飼育員達は、泳げずただ浮かぶことしかできないフジに胸を痛める。有名タイヤメーカーと共に世界初となるイルカの人口尾びれを作り、フジが再び泳ぎジャンプできるよう試行錯誤を重ねる。美ら海水族館で起こった実話を元に、劇中のイルカのフジを、本物のフジがドキュメンタリーさながらに熱演している。
美ら海水族館にある大きな水槽の魚たちや、ラグーンプールで泳ぐイルカたちの姿に心癒されると共に、本物の飼育員も出演しており、懸命に生き物たちと向き合う水族館の舞台裏を垣間見ることができる。
出演: 松山ケンイチ、高畑充希、池内博之、坂井真紀、利重剛、山崎努
監督: 前田 哲 製作: 堀 義貴、持田克己、山上徹二郎 脚本: 川嶋澄乃、松本 稔、前田 哲
原案: 岩貞るみこ『もういちど宙へ』(講談社刊)
配給: 松竹株式会社
2007年 / 日本 / 103分 / © 2007「ドルフィンブルー」製作委員会
公式サイト: http://www.dolphin-blue.com/
『天然コケッコー』
純粋培養のカントリーガール、都会のイケメンとの恋
舞台は島根県の浜田市。長く愛読されている同名コミックの映画化だ。
小中合わせて生徒が6人しかいない分校の最上級生・右田そよ(夏帆)は、中学二年生。大沢広海(岡田将生)が東京からやってくるが、面倒見の良いそよと違い、都会的な雰囲気の大沢は年下の子供達やそよにもそっけない。しかし、皆で出かけた海岸でのできごとをきっかけに、そよは大沢に惹かれていく。大沢の暮らした東京へ行ってみたい! 学校の先生たちに頼み込み、修学旅行でその機会を得る。
「ああ、ほっとする。人が見えんけーじゃ」
都会の人混みに酔ったそよが呟く。都会と田舎の違いを感じる一方で、耳をすまし歩くと、周囲の音がついてくる―田舎で感じた現象が都会でも起こり、そよは故郷と都会の共通点を見出す。高校3年生になり進路を決める時がやってくる。そよと大沢が選ぶのは、田舎かそれとも都会か……?
辿り着くまでのひと騒動で、そよと大沢の距離がぐっと近づく海岸は、劇中でも分校の子ども達7人以外は誰もいない静かで美しい場所だ。実際、ロケ地の「浅利海岸」は地元の人しか知らないような隠れ家的な場所である。
監督: 山下敦弘 脚本: 渡辺あや
原作: くらもちふさこ『天然コケッコー』(講談社刊)
配給: アスミック・エース株式会社
2007年 / 日本 / 121分 / © 2007「天然コケッコー」製作委員会
公式サイト: http://tenkoke.com/
『アラウンド四万十~カールニ・カーラン~』
高知のアラフォーおっさんズ、再びの青春
舞台は高知県の四万十市。晃(西村雄正)は、役者を辞め東京から地元・高知に帰ってきた。
5年ぶりにタケシ(荒木誠)、ヤス(ツーライス 大ちゃん)、シュン(ビーグル38能勢)と会うと、駅伝の主要メンバーとして高校時代期待されていた仲良し4人は「あの頃は俺達輝いていたよな」と呟くのだった。俺達まだまだ捨てたものじゃない! それを証明しようと、市で開催される自転車のロードレースに挑戦する。高知県四万十市の豊かな自然を背景に、おっさん達の青春が始まる。
監督: 松田大祐 脚本: 松田大佑、西尾純哉
原案: 西尾純哉
配給: スタジオウェイブ株式会社
2015年 / 日本 / 111分 / © 2015「あらうんど四万十」製作委員会
公式サイト: http://40010movie.com/
『海のふた』
こだわりの天然シロップ、丁寧なひと夏
舞台は静岡県の伊豆市。よしもとばななの同名小説が原作だ。大学進学と同時に上京し、そのまま就いた仕事を辞めたまり(菊池亜希子)。地元に戻り、海の見える一軒家を改装して、夢だったかき氷屋を始めることにした。「自分がいいと思うものしか出したくない」まりのかき氷は、サトウキビを煮詰め糖蜜を作るなど、手をかけたもの。いよいよ開店という時に、母の友人の娘であるはじめちゃん(三根梓)が現れ、ひと夏を共に過ごすことになる。顔に火傷の跡が残り、祖母を亡くして心が深く傷ついたはじめちゃんも、まりのかき氷を一口食べると口元が綻んだ。
「こんなに自然に生かされてるって、感じたことなかった」
ロケ地の伊豆市土肥温泉の景色は、少し寂し気で、とても穏やかだ。夏には海水浴客で賑わうというが、劇中では美しい海でのシーンを中心に静かな癒しを与える。
監督: 豊島圭介 製作: 川城和実、小林栄太朗 脚本: 黒沢久子
原案: よしもとばなな『海のふた』(中公文庫)
配給: 株式会社ファントム・フィルム
2015年 / 日本 / 84分 / © 2015 よしもとばなな/『海のふた』製作委員会
公式サイト: http://uminofuta.com/
『絶壁の上のトランペット』
全てはあの光を見た瞬間から始まったのかもしれない
東京で写真を学ぶ女子大生だったアオイ(桜庭ななみ)は、心臓移植という大きな手術を受けた後、母・ミツコ(大塚寧々)とともに療養のため伯父・イチロウ(辰巳琢郎)が暮らす沖縄の小さな島を訪れる。そこでふと見上げた絶壁の上に、淋しげにトランペットを吹く青年(L.Joe)を見つけた。その青年ジオが営んでいるという食堂や秘密の海岸で楽しい時を過ごし急速に距離を縮めていく二人。祭りを前に、アオイとジオとの神秘的な出会いが続く。トランペットのこと、イルカのこと、願いを叶えてくれる手紙のこと、家族のこと。
そして祭りの最終日、突如心臓の痛みに襲われたアオイは再び命の危機を迎え…。
舞台は沖縄県の石垣島。アオイとジオが初めて出会う「御神崎灯台」は神秘的な雰囲気が漂う場所だ。石垣島の美しいエメラルドグリーンの海が見渡せる、絶景スポットでもある。
監督・脚本: ハン・サンヒ(『初雪の恋』『愛の言葉』『忘れ雪』)
配給: アーチ・エンタテインメント 配給協力: トリプルアップ
2016年 / 日本・韓国 / 102分 / © 2016「絶壁の上のトランペット」製作委員会
公式サイト: http://uminofuta.com/
2016年9月17日(土)よりシネマート新宿他、全国順次公開!
おわりに
夏らしい景色満載の作品たち、みているだけでも涼しげですよね。実際に訪れる際は映画の登場人物になりきって、ロケ地を巡ってみるのもい いかもしれません。
[ライター: 宮﨑 千尋 / 編集: Cinema Art Online UK]