ジャパン・シネマ・オーケストラ
映画公開前・邦画史上初開催!
全編フルオーケストラ生演奏上映&主題歌生歌唱!!
長編アニメーション第一作目の映画『メアリと魔女の花』(2017年)が150の国と地域で公開され、世界で鮮烈なデビューを飾ったスタジオポノックの長編アニメーション最新作、映画『屋根裏のラジャー』が12月15日(金)に全国公開される。
イギリスの詩人・作家のA.F.ハロルドによる小説「The Imaginary」を原作とし、少女アマンダの想像から生まれた誰にも見えない〈イマジナリ〉の少年ラジャーを主人公に、イマジナリーフレンドたちによる現実と想像が交錯する世界で繰り広げられる大冒険が、スタジオポノックの圧倒的なアニメーションで描かれる。
主題歌は、2015年に第57回グラミー賞® 最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞を受賞した2人組音楽ユニットのア・グレイト・ビッグ・ワールドが作詞・作曲を手掛け、シンガーソングライターのレイチェル・プラッテンとのデュオにより実現した。
そして、12月6日(水)に邦画史上初となる映画公開前のジャパン・シネマ・オーケストラが東京オペラシティ コンサートホールで開催され、神奈川フィルハーモニー管弦楽団によるフル・オーケストラで映画音楽が生演奏される本編の上映を、主演の寺田心、鈴木梨央、仲里依紗、イッセー尾形ら声優キャスト陣、百瀬義行監督、西村義明プロデューサーが観客と共に鑑賞。さらには主題歌アーティストのア・グレイト・ビッグ・ワールドのイアン・アクセルも緊急来日し、オーケストラの生演奏と共に主題歌「Nothing’s Impossible」が披露された。
鈴木梨央が感極まり涙
「アマンダを演じることができて本当によかった」
映画のエンドロールと共に主題歌の生演奏でエンディングを迎えると、会場はスタンディングオベーション状態に。オーケストラ一同も総立ちの拍手で応えるなか、客席で上映を鑑賞したキャスト・スタッフの6人が舞台上に登壇。オーケストラを指揮した栗田博文と主題歌を披露したイアン・アクセルも加わり舞台挨拶が行われた。
主人公のラジャーの声を演じた寺田は、この日で3回目の本編鑑賞だったという。オーケストラの生演奏で本編を鑑賞した感想を聞かれると、「最後に流れる『Nothing’s Impossible』の歌詞は、ラジャーとアマンダのお父さんがアマンダに向けて、もしくは皆さんに向けて伝えたいことなんじゃないかと、主題歌の歌詞について考えさせられました」と独自の考察をしていたことを明かす。そして「素晴らしかった」とオーケストラの演奏を称えた。
ラジャーを生み出した少女アマンダの声を演じた鈴木は、「(本編を鑑賞し終えたばかりで)まだ余韻に浸っています。アマンダを演じることができて本当によかったです。改めてそう思いました」と話すと、感極まり瞳に涙を浮かべた。
イマジナリの町でラジャーが出会う少女エミリの声を演じた仲は、「(オーケストラの生演奏で観るのは)初めての経験で、さらに映画に没入できました。みんなで作っているということが実感できる貴重な機会でした。本当に号泣しちゃったんで、ちょっと一回メイク直したいくらいです(笑)」と明るい表情を見せた。
ラジャーをつけ狙う謎の男ミスター・バンティングの声を演じたイッセー尾形は、「最初からオケの演奏に鳥肌が立ちっぱなしで、“リジー早く気がつけ!”とか本当にのめり込みました。あとは“冷蔵庫はこんなときに出て来たのか!”と(笑)。それと(指揮者の)栗田さんの演奏していないときの直立不動の姿勢が目に焼きつきました」と興奮気味に語り、シネマ・オーケストラを存分に楽しんだようだ。
膨大な時間と総勢約500名のクリエイターが支えるアニメーション制作
来場したメインスタッフへ観客から盛大な拍手👏
百瀬監督は、「アニメーションは、数秒のカットを仕上げるのに3日とか1週間とか、大変な場合だと1カ月とかかります。そういう時間の流れの中にいると、その場でみんなと共有できるコンサートというものにすごく憧れがありました。自分が関わったこの作品でライブ感を再現できたことに冒頭から感動しておりました」と感慨深い様子。
本編の制作と共にこのイベントを迎えるにあたって準備もしてきた西村プロデューサーは、「栗田さんと神奈川フィルハーモニー管弦楽団の方々に感謝申し上げたいです。ありがとうございました」と謝辞を述べた上で「観客として観入ってしまい言葉が出なくなってしまいました。この映画がこれからどんどん共有されていくんだなと思うととても嬉しい気持ちです」と心境を語った。
さらに「(映画の制作は)クリエイターたちが500人ぐらい見えないところで毎日頑張っています。そのうちのメインスタッフが何人かこの会場に来ています」と紹介し、観客席で観覧していたスタッフがその場で立ち上がると、会場は盛大な拍手に包まれた。
『屋根裏のラジャー』最高ですよね!
指揮者・栗田博文も三カ条を破り涙!?
続いてオーケストラの指揮を務めた栗田氏が「皆さんこんばんは、映画っていいですよね。音楽っていいですよね。そして『屋根裏のラジャー』最高ですよね!」とコール&レスポンスで会場を盛り上げると、最初の打ち合わせから5カ月の歳月をかけて丁寧に積み重ねてきたというシネマ・コンサートの開催について「公開前にシネマ・オーケストラをやるという初めての経験ができたことを私はとても嬉しく思っています。携わってくださった皆さんにはこういった機会を作ってくださったことに心より感謝しています」と挨拶。
また難しかった点について「オーケストラの皆さんは(シーンに合わせて)そこで演奏すること自体には比較的慣れていますが、(演奏シーンまで)ずっと待っている時間が長いときにどう保ち続けるかということです。個人的に難しかった点は、屋根裏でアマンダが泣くシーンで『Nothing’s Impossible』を演奏するわけですが、僕もあそこで泣きました!あの三カ条(ラジャーとアマンドの約束)で、“泣かないこと”というのがあるのに、僕も1回目で泣いちゃったし、周りのメンバーでも泣いている人がいました」と明かし、「本当にライブ感もあるので、シネマコンサートを楽しんでいただけたら嬉しいです」と締めくくった。
主題歌を披露したイアン・アクセル
「本当に魔法のような瞬間でした」
そして、オーケストラとの共演で主題歌を披露したア・グレイト・ビッグ・ワールドのイアン・アクセルが紹介されると一際大きな拍手が。現在の気持ちを聞かれたイアンは「もう夢が叶ったという感じですね。本当に細部にまで渡っていろんなことを気にしながら、まるで顕微鏡を見るような形で作曲をしてきました。それが数年前でした。そして、こうして日本にやって来て、このような形でステージに上がって演奏ができました。このような光景は私は今まで見たことがないです。曲がより大きな存在になって、魔法のような瞬間でした。本当に嬉しく思っています。ありがとうございます」と喜びを露わにしながら語った。
フォトギャラリー📸
イベント情報
映画『屋根裏のラジャー』ジャパン・シネマ・オーケストラ■開催日: 2023年12月6日(水) |
映画『屋根裏のラジャー』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》彼の名はラジャー。 世界の誰にも、その姿は見えない。 なぜなら、ラジャーは愛をなくした少女の想像の友だち―イマジナリ―。 しかし、イマジナリには運命があった。 人間に忘れられると、消えていく。 失意のラジャーがたどり着いたのは、かつて人間に忘れさられた想像たちが身を寄せ合って暮らす「イマジナリの町」だった――。 |