映画『絶壁の上のトランペット』公開初日舞台挨拶レポート
映画 「絶壁の上のトランペット」 公開初日舞台挨拶

映画『絶壁の上のトランペット』桜庭ななみ、見事な「眠い」を韓国語で披露。
撮影現場は「眠い」ほどハードながら「幸せオーラで笑えてくる」!

9月17(土)シネマート新宿にて、桜庭ななみ、L.Joe、久保田悠来、辰巳琢郎、ハン・サンヒ監督による映画『絶壁の上のトランペット』の初日舞台挨拶が行われた。本作は、沖縄・石垣島の美しい景色を背景にした、日韓合作映画である。

【画像】映画『絶壁の上のトランペット』

会場は満員で、立ち見客も出るほどの盛況ぶり。登壇者が全員整列し、主演の桜庭が一声を発しようとした瞬間「桜庭―!」「ななみー!!!」と客席から熱い声援が沸き起こった。オール石垣島で撮影されたという映画の温かな雰囲気と同様、舞台挨拶も和やかに進行した。

「演じたアオイは何か一つかけているもの、寂しさが魅力的な女性」と語った桜庭は、明るい性格の自分とは異なる繊細さをどう演じるか監督と話し合ったという。アオイとの共通点を尋ねられると、「なかなか人に思いを伝えないところです」とはにかんだ。

【写真】映画『絶壁の上のトランペット』公開初日舞台挨拶 (桜庭ななみ)

外国語での演技に挑戦するにあたり、「何が何でも撮影の日までに日本語をちゃんと覚えよう」と意欲的に取り組んだというL.Joeは、お気に入りシーンを尋ねられると「ななみさんと自転車に乗るシーン。きれいに映っていて嬉しい」と笑顔を見せた。同様のシーンは桜庭にとっても思い入れがあったようで「景色、空気、(L.Joeによる自転車の)運転も上手で、乗っていて気持ちがよかった」と撮影を振り返った。

【写真】映画『絶壁の上のトランペット』公開初日舞台挨拶 (L.Joe/TEENTOP)

L.Joeの韓国語に「ななみさんが軽くてよかった!」という通訳が入る前に、反応を示した桜庭。韓国語が特技の一つである桜庭は、L.Joeに撮影現場で韓国語を教わることもあったようで、教えてもらった言葉の一つ「眠い」を見事な発音で披露した。

教わった印象的な言葉に「眠い」が上がるほど、ハードなスケジュールだった撮影は、オール石垣島でのロケのため、自然・天候によって大きく左右されたという。加えて「優しいけれど、熱い人」と辰巳が評するハン・サンヒ監督はなかなか撮影でOKを出さず、一つ一つのシーンで何度もテイクを重ねたのだとか。演じる側としてはイライラすることもあったのではと思いきや辰巳は「ずっとひたっていたい」と思える程、気持ちのよい時間を過ごしたと、一年前の撮影を思い返した。

【写真】映画『絶壁の上のトランペット』公開初日舞台挨拶 (辰巳琢郎)

L.Joeの演じたZIOのライバル的ポジション、コウイチを演じた久保田は、クールな見た目に反して現場のムードメーカー的存在だったようだ。舞台挨拶でも、どこまでもひたすらアオイを追いかけるコウイチを演じた自分を「ゼニガタ久保田」追われるアオイ役の桜庭を「桜庭ルパン」と呼び、会場の笑いを誘った。「(久保田といると)幸せオーラで笑えてくる!」と桜庭は語り、それに久保田も「笑いのビリケン?」と返すなど、楽しい現場の雰囲気が舞台挨拶でも感じられた。

【写真】映画『絶壁の上のトランペット』公開初日舞台挨拶 (久保田悠来)

本作で石垣島の人たちの温かさに触れ、本当に住むつもりだと言うくらい、石垣島がお気に入りの場所になったというサン・ハンヒ監督。すでに2作品の日韓合作映画を企画しているという監督の次回作にも、期待が高まる。

【写真】映画『絶壁の上のトランペット』公開初日舞台挨拶 (ハン・サンヒ監督)

最後に、石垣島のように温かなスタッフや監督、共演者に励まされたという桜庭は「この映画のような温かい作品がたくさんの方に届くといいなと思います」と言葉を送った。

【写真】映画『絶壁の上のトランペット』公開初日舞台挨拶 (桜庭ななみ)

[記者: 宮﨑 千尋 / スチール撮影:平本 直人] 

イベント情報

<映画『絶壁の上のトランペット』公開初日舞台挨拶> 

■開催日: 2016年9月17日(土)
■会場: 東京・シネマート新宿
■登壇者: 桜庭ななみ、L.Joe(TEENTOP)、久保田悠来、辰巳琢郎、ハン・サンヒ監督

【写真】映画『絶壁の上のトランペット』公開初日舞台挨拶

映画作品情報

映画 「絶壁の上のトランペット」

石垣島の美しい景色を背景に、命を見つめる感動の物語

東京で写真を学ぶ女子大生アオイは心臓移植という大きな手術を受け、療養のため叔父の住む沖縄の小さな島を訪れた。ちょうど夏の祭りが始まる頃。ポラロイドカメラを手に海岸を散策するアオイの耳に、微かなトランペットの音色が届く。引き寄せられるように向かった先には、繊細に動く長くて白い指先とその隙間から輝く金色の夕陽。指の動きに合わせて生まれる音が、絶壁の向こうの海へと広がっていた。

【画像】映画『絶壁の上のトランペット』

本作でメガホンをとったのは、『初雪の恋』『忘れ雪』など繊細な映像美でファンを獲得しているハン・サンヒ監督。石垣島に拠点を置き、日韓合作作品に意欲的な監督が、壮大な石垣の自然に主人公アオイとジオとの切なく儚い愛の物語を重ね、命を見つめる感動作を作り上げた。

主人公・アオイを演じるのは、2010年『書道ガールズ!! わたしたちの甲⼦園』『最後の忠⾂蔵』で、第35回報知映画賞新⼈賞および第84回キネマ旬報ベスト・テン新⼈⼥優賞をはじめ数々の新⼈賞を受賞し、着実に演技の幅を広げる桜庭ななみ。桜庭ななみの透明感あふれる存在感が本作の持つファンタジックな世界観に見事なコラボレーションを奏でる。神秘的な⻘年・ジオを韓国の⼈気⾳楽グループ「TEENTOP」のメンバーで本作がスクリーンデビューとなる L.Joe(エルジョー)が演じる。

【画像】映画『絶壁の上のトランペット』

韓国では、演技力にも注目され韓流スター・チソンと共演するSBS制作ドラマ「タンタラ」で地上波ドラマ初出演を果たすなど、次世代スターとして注目度急上昇中。更に、優しくて情熱的なアオイの⺟ミツコには、TV ドラマ、映画で安定した演技を⾒せる⼤塚寧々。児童⼩説家であるアオイの叔⽗には、「浅⾒光彦シリーズ」他、NHK連続テレビ⼩説「あさが来た」の眉⼭栄達役が記憶に新しい⾠⺒琢郎。また、ジオの祖⽗コヤマに重厚な存在を放つベテラン俳優 堀⽥眞三、アオイの元彼コウイチに⼈気上昇中の俳優 久保⽥悠来と、ベテラン俳優と若⼿実⼒派俳優たちが顔を揃え、⾒事なコラボレーションを奏でる。

《ストーリー》

東京で写真を学ぶ女子大生だったアオイ(桜庭ななみ)は、心臓移植という大きな手術を受けた後、母・ミツコ(大塚寧々)とともに療養のため伯父・イチロウ(辰巳琢郎)が暮らす沖縄の小さな島を訪れる。そこでふと見上げた絶壁の上に、淋しげにトランペットを吹く青年(L.Joe)を見つけた。その青年ジオが営んでいるという食堂や秘密の海岸で楽しい時を過ごし急速に距離を縮めていく二人。祭りを前に、アオイとジオとの神秘的な出会いが続く。トランペットのこと、イルカのこと、願いを叶えてくれる手紙のこと、家族のこと。そして祭りの最終日、突如心臓の痛みに襲われたアオイは再び命の危機を迎え・・・。

 
 
出演: 桜庭ななみ、L.Joe(TEEN TOP)、大塚寧々、辰巳琢郎、堀田眞三、久保田悠来、立花美優 他
 
監督・脚本: ハン・サンヒ(『初雪の恋』『愛の言葉』『忘れ雪』)
配給: アーチ・エンタテインメント株式会社 配給協力: 株式会社トリプルアップ
2016年 / 日本・韓国 / 102分 / カラー / 映倫区分: G
© 2016 「絶壁の上のトランペット」 製作委員会
 
2016年9月17日(土) よりシネマート新宿ほか全国順次公開!

映画公式サイト

公式Twitter: @Official_TofC
公式Facebook: @trumpetofthcliff

この記事の著者

宮﨑 千尋ライター

一番古い映画に関する記憶は、姉と「天使にラブソングを...」ごっこをして遊んだこと。
10代後半でひとり暮らしを始めてから、ひとり映画にどっぷりはまっている。
映画館の独特な雰囲気を好み、休みの日にはミニシアターや小さなカフェで行われる自主上映にも足を運んでいる。

★好きな映画
『天使にラブソングを...』 (Sister Act) [監督: Emile Ardolino 製作:1992年/米]
『アバウトタイム~愛おしい時間について~』 (ABOUT TIME) [監督: Richard Curtis 製作: 2013年/英]
『シックスセンス』 (The Sixth Sense) [監督: M. Night Shyamalan 製作: 1999年/米]

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