日豪合作映画『STAR SAND -星砂物語-』
織田梨沙、吉岡里帆、ロジャー・パルバース監督
DVD発売トークイベント開催!
72歳初監督が送る非暴力と愛の映画作品が遂にDVD発売!
50年前に、ベトナム戦争に徴兵される前に、人を殺すことを拒否して、アメリカを去ったロジャー・パルバース監督が、「”国に戦争に行けと言われても行かない。人を殺せと言われても殺さない”という勇気を知ってもらいたい」と、通常“卑怯者”とみなされる脱走兵をヒーローとして描いた日豪合作映画『STAR SAND ─星砂物語─』(2017年劇場公開)のDVDセル・レンタルが6月2日(土)に同時リリースされ、iTunes、Google play、Amazon Prime Video、U-NEXT、Video Market、DMM. COM、ひかりTV、J:COMオンデマンド、dTVでも配信中。
それを記念して、1945年の沖縄と現代の東京のヒロインを演じた、織田梨沙と吉岡里帆、ロジャー・パルバース監督によるトークイベントが6月8日(金)に東京・原宿で開催された。
会場は、吉岡里帆演じる志保のシーンで映画にも登場するベリーベリースープ原宿神宮前店にて開催され、多くのメディアでにぎわう会場超満員でのトークイベントとなった。
《イベントレポート》
冒頭の挨拶で「(トークイベントに)あんまり慣れていなくて…」と言った織田を見て、吉岡が「梨沙は本当に照れ屋なんです。私は今日、彼女をサポートするために来たと言っても過言ではない」とジョークでフォロー混じりに挨拶をし、和やかなムードでトークイベントはスタートした。
パルバース監督も、「日本語で話して良いですか?」というジョークで挨拶。監督は「ちょうど2年前の6月にこのベリーベリースープで撮影させていただいて、2年ぶりに来て、こんなイベントもやらせていただいて嬉しいです」と笑顔で語った。
2016年の東京で、戦時中の洋海(ひろみ)の日記を読む女子大生・志保役の吉岡も、「志保が、卒論を書くために洋海が書いた過去の日記を読んでいる時に自分が向かったからこそ出た答えを見つける大事なシーンを撮りました。将来の何の希望もなかった卒業間近の大学生が、初めて自分から発見して、人の人生に興味を持ち出すという、好きなシーンでした」と話した。
1945年の沖縄で、戦火から遠く離れた小島に渡り暮らし始めた少女・洋海(ひろみ)役で、本作で初主演を飾った織田は、昨年の本作公開時に「演技がいい」と言ってもらったり、「考えさせられた映画でよかった」という感想をもらったとのこと。
吉岡は、「私だけ現代のパートを撮っていたので、昨年の初日舞台挨拶で、梨沙とも、満島(真之介)さんとも、三浦(貴大)さんともやっと対面できて、すべてのパートが揃った感じがしました。銃撃戦があったりする映画ではなく、それ以上にもっと小さな星砂のような希望を描いている映画で、私は洋海が残したノートでしか見ていない彼女の人生が、映像でとても繊細に描かれていて、特に私の家族は感動して、『とてもいい映画に巡り会えたね』と言ってもらえました」と述懐。「洋海も満島さんの役も、孤島に生きるために逃げてきた人たちなので、『そこ(戦争)から逃げ出すことは悪ではない』というのは素敵なテーマだなと思って本編を観ました」と話した。
先日のシドニープレミアに参加したパルバース監督は「日本人は沖縄の戦争だとか天皇制だとか映画の背景を知っているけれど、オーストラリア人は知らないから心配していた。けれど、『STAR SAND』は戦争映画というよりも、『非暴力、愛』についての映画だから外国でも理解してもらえて嬉しかったです」と話した。
司会から「DVDや配信では、巻き戻したり、好きなシーンをもう一度観たりできるので、ここをじっくり観てほしいというようなシーンを教えてください」と聞かれると、織田も吉岡も、日本兵(満島真之介)とアメリカ兵(ブランドン・マクレランド)とがお互いの髭を剃り落とし合うシェービングシーンを挙げた。織田は、「言葉がわからない2人が、初めて心を通じて楽しくやっているシーン。洋海が初めて笑顔を見せるシーンでもあるので、観てください」と話し、同じシーンを挙げた吉岡も、「日本兵とアメリカ兵が分け隔てなく、ただ、髭があるの嫌だなと思って髭を剃っているシーンが、国とか戦争とかが関係なくなっている段階でのシーンなので、生活感があっていいんです!」と力説。
2人のオススメのシーンを聞かれた監督は、「梨沙ちゃんはキスシーン。16歳の少女のファーストキスの無邪気さ、美しさ、本当の愛の純粋さがあった。ブランドンもよかったけれど、梨沙のイニシアチブでやったキスで、美しかった。一方、里帆ちゃんは緑魔子さんから星砂をもらうシーン。横から2人の手を撮りました。2本の傘がハートに見えるように撮りました」とおすすめした。
『STAR SAND』はどういう存在か聞かれ、織田は「初めて主演した映画ですし、英語のセリフも初めてで、大きな影響があった映画でした。自分で言うのも恥ずかしいけれど、演技で成長できました」と話し、吉岡は、「この、戦争を題材にしたラブストーリーの監督が、初めて映画を監督した、オーストラリアのロジャーさんだったことが私にとって、とても大事なことです。自分以上に日本のことを知って愛している監督で、完成した本編を観て、こういう風に物を見ることができたら素敵だなと思いました」と話した。
最後のメッセージとして、織田は、「戦時中のお話でもありますが、それよりも、『人と人』、『戦わない勇気』といういいメッセージがあるので、もっといろんな人に観てもらえたらなと思います。劇場でご覧になられた方も、なられていない方もぜひDVDで観ていただけたらなと思います」、吉岡は、「ぜひDVDを手にとっていただきたいですし、夏がやってくると、戦争のことを考えるべきだと思うので、戦争を知らない若い方たちにもぜひ観ていただきたいですし、戦争の一片を知っている方たちにも、『逃げることは悪ではない』というとても優しい、温かいメッセージが込められているので、DVDを通してそのメッセージが伝わればと思います。ぜひ観てみてください」、パルバース監督は「舞台は日本ですが、どこででもこの物語は成り立ちます。僕ら皆は国籍を問わず繋がっているんです。私は50年宮沢賢治の研究をしているから、その影響があるといいですけれど、劇中のボブ曰く、僕らは皆、天の川で繋がっているんです。最近そういう発想が脇役になってしまっている。ぜひそういう憧れを持ってこの作品を観ていただければ、私は満足です」と話した。
[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 取材: 蒼山 隆之]
イベント情報
映画『STAR SAND -星砂物語-』DVD発売トークイベント■開催日:2018年6月8日(金) |
映画『STAR SAND -星砂物語-』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》1945年の沖縄。戦火から遠く離れた小島に渡り暮らし始めた16歳の少女・洋海(ひろみ)は、洞窟で日本軍とアメリカ軍からの脱走兵、隆康とボブに出会う。隆康とボブ、そして彼らの世話を焼く洋海の間には、不思議な関係が築かれてゆく。 ある日、戦いで脚を負傷し、除隊を余儀なくされた隆康の兄・一(はじめ)が、養生のために洞窟にやって来るが、それは悲劇の幕開けだった── 2016年、東京。大学生の志保は、卒業論文のために教授から一冊の日記を手渡される。それは、戦時中に沖縄の小島で暮らしていた少女のものだった。志保は日記を読み、そこに封印されていた過去の出来事にわれ知らず迫ってゆく……。 |
第21回 キャンベラ国際映画祭(CIFF) 正式招待作品
原作: ロジャー・パルバース「星砂物語」講談社刊
主題曲: 坂本龍一
© 2017 The STAR SAND Team
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