映画『川っぺりムコリッタ』㊗公開記念舞台挨拶
吉岡「味がしみ込んだ美味しい白滝でした・・・!」
墓石売り溝口(吉岡)、大家の南(満島)にお肉で家賃払い?!
「ひっそりと暮らしたい」と無一文のような状態で、川べりの古いアパート“ハイツムコリッタ”に引っ越してきた孤独な男・山田(松山ケンイチ)。図々しいほど距離感が近い隣の部屋の島田(ムロツヨシ)、夫に先立たれた大家の南(満島ひかり)、墓石の販売員の溝口(吉岡秀隆)といった様々な事情を抱えた住人たちと出会い、山田の心は少しずつほぐされていく・・・。荻上直子監督がオリジナル脚本で贈る、友達でも家族でもない、でも孤独ではない、新しい「つながり」の物語。
「おいしい食」と「心をほぐす幸せ」を描く、荻上直子監督最新作『川っぺりムコリッタ』が9月16日(金)より全国公開公開!初日翌日の9月17日(土)に新宿ピカデリーで公開記念舞台挨拶が行われ、主演の松山ケンイチ、共演のムロツヨシ、満島ひかり、吉岡秀隆、そして荻上直子監督が登壇した。
約1年の公開延期を経て、念願の劇場公開!荻上監督は「公開まで大人しくしなければいけないと思いつつ、我慢して我慢してこの日を迎えることができて嬉しい!」と封切りに感慨無量だった。
北陸の塩辛工場で仕事を見つけて、ハイツムコリッタに引っ越してきた主人公の山田役の松山は、山田の隣に住んでいる島田役のムロとの冒頭シーンを回想して「ムロさんはとても好きな俳優で大切な仕事仲間です。でも島田はいきなり山田の部屋に入って来て『風呂貸して』って…。どんな気持ちで言ったんですか?」と質問。これにムロは「とにかくお風呂に入りたかったんだと思うよ!」とキャラクターの心情を代弁していた。
一方、荻上監督との出会いで俳優としての引き出しが増えたと自負しているムロ。「荻上監督との戦いの毎日が楽しくて、緊張感とやりがいが交互にやってきた撮影の日々。それがいい具合にスクリーンに映っていれば」と期待。するとハイツムコリッタの大家・南役の満島は「現場でのムロさんが可哀想で可愛かった。荻上監督にやっつけられている場面などもあり、敗北感のある男がさ迷うように歩いていて」と撮影中のムロの様子を明らかにすると、当のムロは「敗北感…。強烈な言葉ですね」と苦笑いだった。
息子と一緒に墓石を売り歩く溝口役の吉岡は、満島に“やっつけられた”様子。主要キャラたちですき焼きを囲んで食べるシーンの話題になると「僕はお肉を食べられていなくて…。食べようとすると満島さんが器を出すので、僕は注ぐしかない。カットがかかるたびにみんな『美味しい!美味しい!』と言うけれど、僕はあの美味しそうなお肉を一枚も食べていません。僕は常にネギとしらたきしかなくて」とションボリ。それでも「味が染み込んだ美味しいしらたきでした」としみじみと語って笑いをとっていた。
また作品の内容にちなんで「ちょっとした幸せ」について聞かれると、吉岡は再び食をテーマにトーク。撮影後の一コマとして「コロナ禍になってからは外食をせずに配給されたロケ弁をホテルの部屋で一人ぼっちで食べる。そんなときに、お豆の代わりに濃い味のナポリタンや春雨サラダが入っていたら『幸せだなあ』と感じる。豆はあまり好きではないから…。どのタイミングで食べればいいのか悩むので」と打ち明けていた。
松山は、本作のロケの際の待機場所として設営されたテントにちょっとした幸せを感じたらしい。「その場所の近くに住んでいる野良猫がやって来て、ものをあさったり、昼寝をしたりする。猫が自然な振る舞いをしてくれるのが嬉しかった。僕らもその場の風景の一部になっているのかなと思ったりして」としみじみ。すると荻上監督から「その猫も出ていますよ!」との報告があり、松山はビックリしながら「みなさん、もう一度作品を確認した方がいいです!僕も忘れていましたから!」と劇場への再訪を観客に訴えていた。
最後に主演の松山は「これからの時代、身の回りにある小さな幸せを実感して発見していくことができるかどうかが、必要になっていくと自分は思っているので、そのいいヒントになるような作品だと思います。言語では言い表すことのできないあいまいなものを皆さんに届けて、いつまでも皆さんの中に残るのが映画の理想。この作品を気に入ってくれたら、たくさんの人に紹介してもらいたいです」と大ヒットを祈願していた。
イベント情報
映画『川っぺりムコリッタ』公開記念舞台挨拶
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映画『川っぺりムコリッタ』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》築50年の「ハイツムコリッタ」で暮らし始めた孤独な山田。 底抜けに明るい住人たちと出会い、ささやかなシアワセに気づき始める・・・。 山田(松山ケンイチ)は、北陸の小さな街で、小さな塩辛工場で働き口を見つけ、社長から紹介された「ハイツムコリッタ」という古い安アパートで暮らし始める。無一文に近い状態でやってきた山田のささやかな楽しみは、風呂上がりの良く冷えた牛乳と、炊き立ての白いごはん。ある日、隣の部屋の住人・島田(ムロツヨシ)が風呂を貸してほしいと上がり込んできた日から、山田の静かな日々は一変する。できるだけ人と関わらず、ひっそりと生きたいと思っていた山田だったが、夫を亡くした大家の南(満島ひかり)、息子と二人暮らしで墓石を販売する溝口(吉岡秀隆)といった、ハイツムコリッタの住人たちと関わりを持ってしまい…。図々しいけど、温かいアパートの住人たちに囲まれて、山田の心は少しずつほぐされていく―。 |
製作: 堀内大示、五老剛、多湖慎一、中西一雄、益田祐美子、亀山暢央、竹内力、五十嵐淳之、鈴木貴幸、川村岬、中西修、駒澤信雄
撮影監督: 安藤広樹
ヘアメイク: 須田理恵