ジャパンプレミア完成披露試写会舞台挨拶
蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊、白石和彌監督が登壇!
全員が“共感度ゼロ”で最低な役柄を語り合う「クズ合戦」!
ラブストーリーに夢を見られなくなった大人の女性たちに「究極の愛とは何か」と突きつけ、読者を虜にした沼田まほかるの 20万部を超える人気ミステリー小説の待望の映画化!蒼井優、阿部サダヲW主演『彼女がその名を知らない鳥たち』が10月28日(土)より新宿バルト9他、全国ロードショーとなる。
メガホンを取るのは『凶悪』(2013年)、『日本で一番悪い奴ら』(2016年)の白石和彌。ノンフィクションを原作に骨太な社会派エンターテイメントを作り出してきた彼が、初めて本格的な大人のラブストーリーに挑んだ。
W主演の蒼井優、阿部サダヲの二人に加え、松坂桃李、竹野内豊といった実力確かな豪華俳優陣が織りなす“全員最低なのにまぎれもない愛の物語”が描かれる本作。蒼井優演じるクレーマーで自分勝手な女・十和子や、阿部サダヲ演じる不潔で下劣、そのうえ十和子に異様な執着を見せる男・陣治、松坂桃李演じる一見誠実そうな風貌ながらとにかく薄っぺらな水島、竹野内豊演じる十和子の昔の恋人であり、自身の出世や保身のためなら女を道具に使うことも厭わない黒崎と、全員共感度0なクズなキャラクターたちばかり。
公開を記念して9月28日(木)、東京・新宿バルト9にて、蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊の豪華キャストと、白石和彌監督が一堂に会するジャパンプレミアが開催された。
撮影時のクズで汚いエピソードが次々に飛び出し、さらには蒼井優が「クズ合戦」と称するほどそれぞれが演じた”共感度ゼロ”の最低なキャラクターについて大いに語り合い、最後には、本作が第42回トロント国際映画祭、第22回釜山国際映画祭に続き、第12回ローマ国際映画祭に正式出品されることも発表!世界へと羽ばたき続ける“かの鳥”の公開にむけ意気の上がるイベントとなった。
《イベントレポート》
いよいよ日本初お披露目となるジャパンプレミアとあって、大雨にもかかわらず多数の報道陣と満員の観客が詰めかけた会場に、蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊の豪華キャスト陣と白石和彌監督が登場すると割れんばかりの拍手と歓声が上がった。
蒼井が「雨の中ありがとうございます。観終わった後、ここにいらっしゃる全員に嫌われると思うとワナワナしますが(笑)、本当にいい映画ですので楽しんでください」と挨拶し、阿部が「雨の中ありがとうございます。この映画を観てどういう気持ちで帰られるのか凄い楽しみです。(上映前なのに)もう泣いてる観客の方もいますが(笑)、きっとそういう気持ちになって帰れる映画だと思います」と続け、松坂は「観終わったら皆さん僕をキライになるんだろうなと、僕の名前のうちわを持ってくださってる方も帰りにはごみ箱行きでしょうね(笑)」と会場を笑わせ、竹野内さんは「今日は天気の悪い中、クズしか出ていない映画を観に来てくださりありがとうございます。でも観終わったらなぜか心を揺さぶられる素敵な映画ですので、最後までよろしくお願いします」とコメント、白石監督は「待ちに待ったようやく皆様に観ていただける機会です。クズばかりと皆さんおっしゃっていますが、最後に持って帰ってもらえるものはいい気持ちだと自負していますので、今日は楽しんでください」と熱い想いを語った。
まぎれもない愛の物語が描かれている作品ながら、登壇した豪華キャスト陣はそれぞれ嫌な女、下劣な男、ゲスな男、クズな男と最低な人物ばかりを演じているとあって、蒼井は「白石監督と阿部さんだけが決まっているときにお話を頂いたので、お二方とお仕事が嬉しく引き受けさせて頂いたのですが、読めば読むほど最低な役で、後から松坂と竹野内の出演が決まって、私より最低な役も出てくるから救われてます(笑)。本当は自分の中で永久凍結しておきたい部分を解凍して腐っちゃってるような、共感できる部分はないと言った方が人間性を疑われないなと思いつつ、『言いたくないけど実はわかるところもわかる』と思えるところもあるはずなので、みなさんお手柔らかにお願いします」と話し、阿部は「現場に行ったらすぐ汚されて、落ちた食べ物も平気で拾って食べてました。
見えないのに毎朝足の指にごみをはさんだり、はじめてネイルの機械を使ったんですが水虫設定のために汚くしたりして。現場近くで買い物したときすごく気になりました(笑)」と撮影時のエピソードを明かし、松坂が「自分の役は、ゲスだ、の一言。女性の敵、ペラペラぺラ男です。共感出来たら終わりだなと思ってました」と話すと、白石監督から「でも、何も説明しなくてもあんな人になってたよね」とすかさずツッコミが入ると阿部からも「監督は『なんでこの役受けたの?』って聞いてました」と明かされ、松坂さんは「なかなかできないこんな役に監督が話をくださって嬉しかったんですぐにやりたいと言ったんです。いやー、いろいろ演出つけてもらってたと思うんだけどな、おかしいおかしい」とタジタジに。竹野内は「監督の素晴らしい作品に、これだけの豪華なキャストと一緒で『俺はちゃんとやれるか』と思うこともありましたが、監督がすごく的確なヒントを投げてくださった。色々助けていただいて幸せな現場でした」と振り返った。
そんな演出をした立場の白石監督は「竹野内さん演じた黒崎は、クズが出てくる映画をよく撮っている僕の中でも歴代No.1のクズだったので、竹野内さんにやっていただけるのが嬉しくて、たくさんディスカッションしました」と思い返しながら、「僕はそこまでクズばかりだと思っていなくて、蒼井さんと話しましたがどのくらい嫌われるべきなのか考えながらやりました。観終わったあと美しい映画にする自信があったので、みなさんにはキャラクターに少し色を付けてもらえればと思っていました」と互いの信頼を明かしつつ、「でもやっぱり(松坂)桃李くんには何も言わなかったです」と付け加える徹底ぶり。
また、蒼井演じる十和子を取り巻く3人の男たちに扮した阿部、松坂、竹野内全員とこの作品で初共演となった蒼井は、一人一人の印象について「阿部さんは本当に軽やかにお芝居をされるので、私も一緒にふわっと軽やかに飛べるように、と思っていました。松坂さんは、こんな薄いセリフをよく真顔で言えるなと思うくらいで、あまりに自然にひどい単語を口にできるからツボに入っちゃって大変で(笑)。松坂さんというより、目の前にペラペラぺラ男が本当にいて感動しました。竹野内さんは本当に気を使ってくださって、まさかこんな役を引き受けてくださってお会いしてすぐに映画の核になるところについて話し合いしたので一緒に映画を作れる喜びを感じました」と撮影時のエピソードを明かすと、松坂は蒼井との印象に残っているシーンとして「大阪城のシーン…」とぽつりとつぶやくと「あれは最低!」「大阪の人に怒られる!」「いいの?蒼井さんとの一番印象的なシーンがあれで?」と一同から総攻撃をくらいまたもタジタジに。竹野内は「いつか共演したいと思っていたので、今回ご一緒にして本物の女優さんだと感じましたし、飾り気のない女性としての魅力もあふれていて素敵な方でした」と返した。
また阿部、松坂、竹野内は本作の共演シーンがそれぞれほんの一瞬しかなく、完成版で初めてお互いのシーンを観る形となり、阿部は「竹野内さんとは同い年なんです。でも、観ててなんなんだこいつらと思って。殺してやりたいです(笑)」と言い出し、竹野内さんが「いちばん最低なのは監督ですよ!こんなことをやらせて!」と言及、監督は「クズが好きなんでしょうね、みんなゴメン(笑)。でも松坂さんが一番最低です」とまたも持ち出し、松坂は「朝ドラこのあとやるから!!(笑)」と好感度を気にする一幕も飛び出しながら、気をとりなして「でも初めて5人揃ったのに、仲間の一体感がありますよね」と話すと一同も同感のようで、白石監督が「もう1本作ります?」と嬉しそうに語るなど大盛り上がり。
最後には、本作が第42回トロント国際映画祭、第22回釜山国際映画祭に続き、第12回ローマ国際映画祭に正式出品されることも発表。世界へと羽ばたき続ける“かの鳥”の公開にむけ意気の上がるジャパンプレミアとなった。
イベント情報
<映画『彼女がその名を知らない鳥たち』ジャパンプレミア>
日時: 2017年9月28(木)
場所: 新宿バルト9 シアター9
登壇者: 蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊、白石和彌監督
映画作品情報
《ストーリー》
八年前に別れた男・黒崎を忘れられない十和子は、今は15歳上の男・陣治と暮らしている。
下品で、貧相で、地位もお金もない陣治を激しく嫌悪しながらも、彼の稼ぎで働きもせず日々を過ごしていた。ある日、十和子は黒崎の面影を思い起こさせる妻子ある男・水島と関係を持ち、彼との情事に溺れていく。そんな時、家に訪ねてきた刑事から「黒崎が行方不明だ」と知らされる。どんなに足蹴にされても文句を言わず、「十和子のためなら何でもできる」と言い続ける陣治が、執拗に自分をつけ回していることに気付いた十和子は、黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯え始める――
松坂桃李 / 村川絵梨、赤堀雅秋、赤澤ムック、中嶋しゅう / 竹野内豊監督: 白石和彌
原作: 沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」(幻冬舎文庫)
制作プロダクション: C&I エンタテインメント
製作: 映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
配給: クロックワークス2017年 / 日本 / カラー / シネマスコープ / DCP / 5.1ch / 123分 / R15
© 2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
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