
映画『ひみつきちのつくりかた』公開記念舞台挨拶
トークセッションで明かされる撮影裏話と「大人のひみつきち」
廣末哲万、藤田健彦、佐藤貢三、もりたかお、白畑真逸ら“同級生5人組”が喪服で大集合!
若手クリエイターの登竜門であるSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025のコンペティション部門にて観客賞を受賞した映画『ひみつきちのつくりかた』が8月1日(金)よりシモキタ-エキマエ-シネマ『K2』にて公開され、初日から連日チケットは完売・満席御礼の大盛況となっている。
8月4日(月)、公開を記念して上映後に舞台挨拶が開催され、“ひみつきち”づくりに没頭する初老の男4人組を演じた主演の廣末哲万(山上謙一/ケン役)、藤田健彦(御手洗典雄/ノリ役)、佐藤貢三(豊永光彦/ミッチー役)、もりたかお(工藤哲治/クドー役)、さらには急死した同級生を演じた白畑真逸(佐藤役)らキャスト陣、そして本作で長編デビューを飾った板橋知也監督、製作のemir heart Inc.代表取締役の恵水流生プロデューサーが登壇。劇中の葬式のシーンにちなんで全員が喪服姿で登場し、満席の観客を前に撮影秘話や“ひみつきち”トークが繰り広げられた。
喪服で揃えた“同級生”たち
個性あふれるキャスト陣の挨拶で会場は爆笑の渦に
公開初日から4日連続でミニシアターを熱気で満たしている映画『ひみつきちのつくりかた』。その公開記念舞台挨拶は、作品を愛する観客で満席となった会場の熱気と大きな拍手で幕を開けた。
まずMCを務める恵水流生プロデューサーが登壇。満席の客席を見渡し、「この光景を板橋監督とキャストの皆さんに見せることができて、心から嬉しいです」と喜びを噛みしめるように挨拶した。その呼び込みに応え、板橋知也監督、そして廣末哲万、藤田健彦、佐藤貢三、もりたかお、白畑真逸が登場。劇中の佐藤の葬儀シーンにちなみ、全員が黒の喪服姿で登場すると、会場は再び映画の世界へと誘われた。
最初の挨拶から、キャスト陣の個性は全開。廣末が「この中で、出演者の中では最年少なんですけど…」と、50歳の同級生という役柄と実年齢のギャップに触れて会場の笑いを誘うと、藤田は「撮影から3年経ちまして、すっかりおじさんになってしまいました」と自虐的な挨拶で観客を笑わせる。佐藤は「短い時間ですが、楽しんで帰ってください」と観客に呼びかけた。
一方、もりは「この『ひみつきち』に参加させていただいて、私の人生はバラ色でございます!」と高らかに宣言。物語のキーマンである白畑は「“お前は誰だ?”と思っている方もいるかと思いますが、スパゲッティに顔を突っ込んで死にました佐藤です(笑)」と完璧な自己紹介で会場を沸かせた。
最後に板橋監督が「お暑い中、またこんな夜遅くに、大勢のお客様に来ていただいてありがたく思っております」と感謝を述べた後、「今日はもりさんが実は下半身がジャージというところを皆さん見て帰ってください」と衝撃の事実を暴露。冒頭から温かい笑いに包まれ、舞台挨拶はスタートした。
役と本人が交差する、トウモロコシの食べ方🌽
トークセッションでは、まず監督が撮影中に気になっていたという「トウモロコシを食べるシーンの食べ方にそれぞれの個性が出ていたが、あれは役作りだったのか?」という質問が投げかけられた。
劇中で綺麗に食べていた藤田と佐藤は、プライベートでもきっちり食べたいタイプだと明かす。藤田が「最初の(食べるための)きっかけ(の列)をいかにきれいに作るか」と美学を語れば、佐藤も「まず一列取ってからきれいにいく」と、食べ方へのこだわりを熱弁した。
対照的に、ワイルドな食べっぷりだったもりは「工藤はガツガツいくだろうと。普段は丁寧ですけど」と役作りであったことを強調。廣末は「僕はそもそも(トウモロコシの)食べ方が分からない。嫌いじゃないんですけど」と天然な回答で会場を和ませた。
そして、物語冒頭で亡くなっているため同級生たちとの共演シーンがなかった白畑は「僕はみんなとの思い出は全くありません(笑)。子供の頃の思い出だけです」としんみりと語り、会場の笑いを誘った。
大人になった僕たちの“ひみつきち”とは?
ミッチー役の佐藤貢三は実はアウトドア派だった!?
続いて、「登壇者それぞれの大人になってからの“ひみつきち”は?」というテーマでは、各々の人生観が垣間見えた。
板橋監督は「ハワイに留学していた時の、ダイヤモンドヘッドの下にある小さいビーチです。思い悩んだ時によく行ってたそがれていました」と、なんともお洒落な“ひみつきち”を告白。佐藤は「コロナ禍以降、家が基地。仲間と山を切り開いて遊び場を作ったりもしていて、それが今ではビジネスにもなっています」と驚きのアクティブな一面を明かす。藤田は「自分の部屋がまさに秘密基地。コロナ以降親も来なくて、ぐちゃぐちゃで誰もあげられない。秘密にしておきたい場所」と照れながら語った。
そんな中、廣末が「何十年ぶりに会っても、その時の感覚でおしゃべりできるような、人間と過ごす時間こそが秘密基地なんじゃないかなと思ってます」と、作品のテーマに寄り添う深い回答で会場を唸らせる。すると間髪入れず、佐藤が「さっき(廣末は)俺もカラオケボックスって言ってたよ」と暴露。慌てた様子のもりは「僕は深夜のカラオケボックスですね。静かな部屋で大きな声でセリフの練習をする」と明かし、白畑は「自宅。犬と一緒に遊んでます」と、それぞれの心安らぐ場所を語った。
さらに板橋監督からは、撮影中の公園での心温まるエピソードも。「(撮影現場を見ていた)子供たちが『秘密基地を作るんだ』とスコップで穴を掘り始めて。佐藤(貢三)さんが『もっとこうした方がいいよ』とアドバイスしていた」という裏話が披露された。
撮影の合間に公園のブランコに乗っていたところ、地元の子供たちが「何してんの?」と集まってきたという。「秘密基地を作るんだ」とスコップで穴を掘り始めた子供たちに、佐藤が「(地面の)上から掘ってくよりも、そこの高台の壁の方から掘っていった方がいいと思うよ」と本格的なアドバイスを送っていたという。劇中でアウトドアとは無縁のミッチー(豊永)役とは対照的な、佐藤本人のアウトドア派な一面が明らかとなり、会場は和やかな空気に包まれた。
フォトセッションでは最高の笑顔!
観客撮影タイムでファンとの交流も📸
フォトセッションでは、ポスタービジュアルで印象的な4人の笑顔を再現してほしいというリクエストに、キャスト陣が満面の笑みで応えた。その後、観客向けの撮影タイムも設けられ、観客たちが一斉に手持ちのスマートフォンカメラ(中には一眼レフの猛者も)で、貴重な瞬間を写真に収めた。
それぞれの想いを胸に、温かいフィナーレへ
舞台挨拶の締めくくりには、登壇者一人ひとりから観客への感謝のメッセージが送られた。
主演の廣末が「何か皆さんの日常に持ち帰っていただけるような、ワンフレーズでもワンカットでもあったら嬉しく思います」と観客に語りかけると、藤田も「緩い感じの映画なので、ぜひまたお友達とか連れてきていただけたら」と続いた。
佐藤は、「もしよろしければ、皆さんの感想など、我々もフィードバックが欲しいので、SNSなどで書いていただけるとありがたいです」とお願いすると共に、「今日ちょっと奥の外の方で、皆さんへのプレゼントを用意しています。SNSに感想を書いていただける方、あとリピーターの方は、くじ引きができますので!」とサプライズ企画を発表し、会場を沸かせた。
一方、もりは「この映画をやって、初めて自分のことおじさんだと認められました。やっとです。まだ50歳だと思ってたんですけど」と、初老を迎えた心境をユーモラスに吐露し、会場の笑いを誘った。
白畑は、改めて来場への感謝を述べ、「もしこの映画が面白いな、良かったなと思っていただけたら、ぜひ周りの方に宣伝をしていただけたら」と口コミでの応援を求めた。
最後に板橋監督が、「撮影は酷暑と虫とコロナ対策で本当に大変で、1回あきらめかけたくらいしんどかった。でもこうやって皆さんに観ていただいて、連日満席で、作ってよかったと本当に心から思っております」と万感の想いを語り、舞台挨拶は温かい拍手に包まれて締めくくられた。
公開記念きゃんぺーん!
終演後には心温まるファンサービスも実施✨
舞台挨拶終了後、佐藤貢三からのアナウンス通り、ロビーにてサプライズのファンサービス「『ひみつきちのつくりかた』公開記念きゃんぺーん!」が実施された。ダンボールで作られた手作り感あふれる「ひみつきち」風のくじ引きBOX(made by ミッチー)を前に、観客は長蛇の列を作った。キャスト陣は一人ひとりと交流しながら、直接駄菓子や景品を手渡し、記念撮影にも応じるなど、終始和やかな雰囲気の中、ファンとの時間を楽しんだ。
キャストと観客の温かい一体感に包まれ、盛況のうちに幕を閉じた公開記念舞台挨拶。映画の持つノスタルジックで心温まる魅力が、劇場全体に広がった一夜となった。
フォトギャラリー📸
イベント情報
映画『ひみつきちのつくりかた』公開記念舞台挨拶
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映画『ひみつきちのつくりかた』予告篇🎞
映画作品情報
《ストーリー》大人になってしまった僕たちは、もう子供の頃には戻れないのかもしれない。 都内アパートの一室、50歳を迎えた佐藤がスパゲッティに頭を突っ込み急死を遂げる。佐藤の小学校時代からの旧友である山上は葬式に参列するため地元へ帰省すると、同じく旧友の御手洗(みたらい)、工藤、豊永と再会する。同じ町で少年時代を過ごしながらも、全く違う人生を歩んだ4人の初老たち。 葬式の合間に昔話に花を咲かせていると、工藤が1冊の大学ノートを取り出す。そこに描かれていたのは、佐藤が小学生の頃に書いた『ひみつきち建設計画』。その夏、彼らは忘れていた子供心を取り戻そうと、あの頃に夢見た“ひみつきち”を建て始める。しかし、彼らの目の前には様々な“大人の事情”が立ちはだかり……。 |
シモキタ-エキマエ-シネマ『K2』にて公開!