第25回 上海国際映画祭(SIFF) 映画『こんにちは、母さん』記者会見&舞台挨拶 レポート
【写真】第25回上海国際映画祭(SIFF) 映画『こんにちは、母さん』舞台挨拶 (山田洋次監督、房俊介プロデューサー)

第25回 上海国際映画祭(SIFF)
長編コンペティション部門 
映画『こんにちは、母さん』記者会見&舞台挨拶 

山田洋次監督が上海へ 
約3,500人の観客から拍手喝采!!

山田洋次監督にとって記念すべき90本目となる最新作、映画『こんにちは、母さん』第25回上海国際映画祭(Shanghai International Film Festival:SIFF)の長編コンペティション部門に出品され、6月16日(金)にワールドプレミア上映記者会見が行われた。

上海国際映画祭(Shanghai International Film Festival:SIFF)は中国本土で開催される映画祭として唯一、国際映画製作者連盟(FIAPF)の認定を受けている、アジア最大級の規模を誇る映画祭。今年は128以上の国と地域から約8,800作品の応募があった中、山田洋次監督の最新作『こんにちは、母さん』は、同映画祭の最高賞にあたる「金爵賞」(ゴールデンゴブレット賞)の長編コンペティション部門に出品。同部門の出品作品は全12作品で、そのうち2作品(山田洋次監督の『こんにちは、母さん』と熊切和嘉監督の『658km、陽子の旅』)が日本映画がノミネートされている。

長編コンペティション部門で最優秀作品賞を受賞した場合は、日本映画としては2005年に行われた第8回上海国際映画祭で最優秀作品賞を受賞した三原光尋監督の『村の写真集』(2004年)以来18年ぶりの快挙となる。

山田洋次監督が記者会見に登壇 
今後の新作についても意気込みを語る!!

クラウンプラザホテル上海IHGホテル(上海銀星皇冠假日酒店) での記者会見には山田洋次監督が登壇し、現地記者との質疑応答が実施された。

詰めかけた多くの報道陣の前に姿を見せた山田監督は挨拶を求められると「上海国際映画祭は僕も何回も来させていただいている映画祭なのでとても親しみがあります。僕の新しい作品をここで上映していただくことができ、とても光栄です」と上海国際映画祭に対する想いを語った。

さらに作品について聞かれると「僕ももう若くない。年齢も重ねていますし作品の出来については甘く見てほしい」とユーモアを交えながら答えつつ、「今作は恋をするお母さんという役どころですから、吉永小百合さんにこれまで僕の映画で演じてもらったお母さんとは違うと思います」と話した。

【写真】第25回上海国際映画祭(SIFF) 映画『こんにちは、母さん』記者会見 (山田洋次監督)

また記者から作品に関連して「母親の恋」に関する質問が出ると、山田監督ご自身の母親が再婚の経験があることに触れ「この作品には、僕がその時に母親に対して感じた息子としての戸惑いや悩みが重なっているかもしれません。(母が恋をすることは)ひとりの母親であると同時に、ひとりの女性であるし、ある男性を好きになることは人間として仕方のないことなのだと思う」と、母の恋に関して自身の考えを述べた。

また恋をする母の息子を演じた大泉洋については「大泉洋くんはいま日本で最も人気のあるスターの一人ですね。そのスターの大泉さんを小百合さんの息子にする、というのは良いキャスティングだったと思う。イメージ通りに素敵な芝居をしてくれました」と演技を絶賛していた。

今後の新作に関する構想を聞かれると、「日本映画はいま非常に苦しい状況にある。僕はこういうときだからこそ軽やかで、笑えるような楽しい映画を作りたい」と力強く語り、記者会見は終了した。

【写真】第25回上海国際映画祭(SIFF) 映画『こんにちは、母さん』記者会見 (山田洋次監督)

約3,500席のチケットが完売のワールドプレミア 
山田洋次監督と房俊介プロデューサーが舞台挨拶に登壇!!

記者会見終了後には、山田監督がプレミア上映後の舞台挨拶に登壇。今回の上映では、約3,500席分のチケットが即売り切れとなるなど、上映前から大きな盛り上がりを見せていたが、上映後の熱気が漂う中、満席の会場に山田監督、そしてプロデューサーである房俊介が姿を現すと、会場からは割れんばかりの拍手が沸き起こった。

現地のファンからの熱烈な歓迎ムードが漂う中、いまの心境を聞かれた山田監督は、「こんなに大きな劇場は日本にはない。圧倒されています。上海の映画ファンのみなさん、僕の映画を観に来てくれてありがとう」と劇場に詰めかけた観客に感謝の言葉を述べた。

司会者から本作で描いた「母」について聞かれると、記者会見でも触れた自身の母の体験について言及し、「母が恋をするというストーリーは、決して僕にとって他人事じゃない。そういう意味では、本作は描きたいテーマでした」と語った。

また本作の制作の過程について聞かれた房プロデューサーは「この作品は20年間、監督が構想を温め続けた作品で、監督の中に大きく存在し続けてきた作品です。脚本を作るにも約1年半という期間を費やしました」と本作ができあがるまでを振り返った。

舞台挨拶の最後には観客と一緒に記念写真も行い、大盛況のうちに舞台挨拶は幕を閉じた。

【写真】第25回上海国際映画祭(SIFF) 映画『こんにちは、母さん』舞台挨拶 (山田洋次監督、房俊介プロデューサー、観客)

なお、山田監督は6月17日(土)に行われるレッドカーペットと授賞式にも参加予定。賞の行方にも大きな注目が集まる。

第25回 上海国際映画祭(SIFF) 映画『こんにちは、母さん』レッドカーペット&授賞式 レポート

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イベント情報

第25回上海国際映画祭(SIFF) 長編コンペティション部門
映画『こんにちは、母さん』
記者会見

■開催日時: 2023年6月16日(金)13:30~14:00(現地時間)
■会場: クラウンプラザホテル上海IHGホテル(上海銀星皇冠假日酒店) 
■登壇者: 山田洋次監督

第25回上海国際映画祭(SIFF) 長編コンペティション部門
映画『こんにちは、母さん』
舞台挨拶

■開催日時: 2023年6月16日(金)14:51~15:11(現地時間)
■会場: 上海フィルムアートセンター(上海影城)
■登壇者: 山田洋次監督、房俊介プロデューサー

映画作品情報

【画像】映画『こんにちは、母さん』ポスタービジュアル

《ストーリー》

⼤会社の⼈事部⻑として⽇々神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、⼤学⽣になった娘・舞(永野芽郁)との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(⼤泉洋)は、久しぶりに⺟・福江(吉永⼩百合)が暮らす東京下町の実家を訪れる。

「こんにちは、⺟さん」

しかし、迎えてくれた⺟の様⼦が、どうもおかしい…。

割烹着を着ていたはずの⺟親が、艶やかなファッションに⾝を包み、イキイキと⽣活している。おまけに恋愛までしているようだ!

久々の実家にも⾃分の居場所がなく、⼾惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住⺠や、これまでとは違う“⺟”と新たに出会い、次第に⾒失っていたことに気付かされてゆく。

 
監督: ⼭⽥洋次
脚本: ⼭⽥洋次、朝原雄三
原作: 永井愛
 
出演: 吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、寺尾聰、宮藤官九郎、田中泯、YOU、枝元萌、加藤ローサ、田口浩正、北山雅康、松野太紀、広岡由里子、シルクロード(フィッシャーズ)、明生(立浪部屋)、名塚佳織、神戸浩
 
撮影: 2022年9月30日~11月17日
上映時間: 110分
 
配給: 松竹
 
© 2023「こんにちは、⺟さん」製作委員会
 
2023年9⽉1⽇(⾦) 全国公開!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @konnichihakasan
公式Instagram: @konnichihakasan
 

映画『こんにちは、母さん』完成報告会見 レポート

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