
第49回 日本アカデミー賞 授賞式 優秀主演男優賞
最優秀主演男優賞は『国宝』の吉沢亮🏆
プレゼンターの盟友・横浜流星と固い握手交わす
3月13日(金)、「第49回 日本アカデミー賞 授賞式」が、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール「崑崙」で開催。昨年『あんのこと』で第48回最優秀主演女優賞受賞した河合優実と、第43回~第48回授賞式に続き7回目となるフリーアナウンサーの羽鳥慎一が司会を務め、各部門の最優秀賞受賞者および最優秀作品などが発表された。

優秀主演男優賞を受賞したのは、妻夫木聡(『宝島』)、長塚京三(『敵』)、松村北斗(『秒速5センチメートル』)、山田裕貴(『爆弾』)、吉沢亮(『国宝』)。受賞者は各自撮影時の思い出を披露した。
アメリカ統治下の沖縄を生きた妻夫木聡は
「一番大事な痛みをちゃんと感じること」が芝居の核に
戦後アメリカ統治下の沖縄を舞台にした『宝島』で主演を務めた妻夫木聡は、役を捉える上で「決して戦争映画ではなかったんですけど、やはり沖縄を知る上では、その過去をしっかりと自分も知って感じていなきゃいけないので、まずは勉強をいっぱいしました」と明かした。
特に大きな契機となったのは、佐喜眞美術館で「沖縄戦の図」を観たことだったと振り返る。「それを見た時に、涙して動けなくなっちゃって。絵の中の女の子が自分を見つめて来るんです『ちゃんと生きてるか』って。僕は一番大事なその“痛み”をちゃんと感じて自分の中に見るということをしてなかったなって、すごく思い知らされて。それが僕の芝居の中でも核みたいなものになってましたね」と真摯に語った。
かつての出演作で知り合った現地での親友を通し、三線を聴いて自然と皆が踊り出す「カチャーシー」を体験できる場を作ってもらったというエピソードも披露。「これはいい機会だと言っていたら、行ったらみんな(一緒に行った共演の広瀬)すずちゃんに夢中になっちゃって、写真タイムみたいになっちゃって(笑)。ただ僕が、親友が三線を弾いてるのを見るっていう会になっちゃいました(笑)」と話し、会場を和ませた。

長塚京三は自身と近い年齢の役を演じ
「演じている僕自身を僕が演じているような錯覚」を覚える
77歳の時に撮影し、現在は80歳となった長塚京三。自身に近い年齢の役を演じたことについて、「この年にならないと分からないことがあります。主人公は『儀助』って名前なんですけど、儀助さんを演じている僕自身を、僕が演じているという錯覚まで覚えてしまうくらいでしたね」と不思議な境界線の中での演技を回顧。
また、同作のバーのシーンで共演し、今回司会を務めている河合に対しては、「一旦カメラが回ると、何ですかあの解放感は。僕なんか圧倒されてしまって、ただ雷に打たれたみたいに呆然として見つめるばかりでした」と絶賛。「どこをひねったらああいう演技が出てくるんですか?」と直球の質問を投げかけ、「もったいないお言葉」と恐縮しきりの河合も、「必死に長塚さんについていこう、受け止めようと必死でした」と敬意を表していた。

熱愛する原作の実写を務めた松村北斗
「役への憧れを断ち切るのが一番大変だった」
松村北斗は、「元々原作がものすごく好きで、この作品に人生を変えられた1人だったので」と作品への深い思い入れを吐露。「演じた『貴樹』という役へのある種の憧れみたいなものがずっと止まらなくて。これを断ち切るということが一番大変だったというか。言葉一つ一つにゾクゾクしてしまったりして、それが自分としては演じる上では苦痛な時間でしたね」と、ファン目線ゆえの贅沢な苦労を明かした。
現場で一番情熱的で頼れる方だったという奥山由之監督の話題になると、「大好きな監督なんですけど、大切なシーンの前に『ここ大事なシーンなんで』とプレッシャーをかけてくるんです。で、最後に『プレッシャーになっちゃうと思うんで忘れてください』って言うんですけど、その頃にはもう冷や汗かきながらやる状況になっている(笑)」と微笑ましい暴露も。共演した高畑充希も「緊張するわ!と思うんですが、現場の空気をいつも温かくしてくれてたチャーミングな監督でした」と現場の温かな空気感を語り、会場の笑いを誘った。

“天才”刑事役を演じた山田裕貴
「孤高で1人ぼっちの存在だったのかな」と想像
天才刑事の類家という役どころについて山田裕貴は、「多分自分のIQの高さや、心理を読み解く力や理論的なところから、(人間たちのことを)すごく見えてしまうキャラクターだったので、世の中を悲観し人類を憂う、孤高の天才で1人ぼっちの存在だったのかなと想像しました」と独自の解釈を説明。また、共演の佐藤二朗と佐藤が演じたスズキにふれて「二朗さんと本当にお芝居をセッションしていく中でかなり自然に生まれた感覚を大事にして、取り調べ室にずっといましたね」と振り返った。

さらに、アンケートで『国宝』の吉沢亮への熱い思いを連ねていたことについて山田は、「お辞儀をした時に床に(鏡のように)反射して見えた彼とチラッと目があって、あ、こんな景色も俺らにしか見えないんだなと思いながら…」と熱弁。だが、話を振られた吉沢から「いや、僕は目が合ったとは思ってなかったです。ごめんなさい、自分の顔しか見てなかったんで」とばっさり斬り捨てられると会場は笑いに包まれた。

『国宝』の吉沢亮はラストの「鷺娘」で
“今までに感じたことのない空間”へ
吉沢亮は、歌舞伎の女形の大変さを知らない状態で憧れの李相日監督の現場へオファーを受けて即諾したと振り返り、「1年半ぐらいずっと歌舞伎の稽古を重ねていくうちに足元にも及ばないことを感じていきました。『これ絶対間に合わないな』と思いながら、それでももうやるしかないというある種の意地みたいなもので、隣に座っている横浜流星とずっと励まし合いながら、どうにかやりきったって感じですね」と極限の重圧を語った。
さらに、終盤の重要な「鷺娘」の踊りのシーンについては、「(李監督から)綺麗に踊ることよりも、喜久雄としてここまでの人生、役者として生きてきた人生をある種昇華させるような気持ちでやってくれという演出がありました。自分の中で、自分の呼吸音しか聞こえないぐらい集中しきって撮れたというか。感じたことのない空間に連れていってもらった」と極限状態の集中で初めての体験をしたことを明かした。

最優秀主演男優賞は、『国宝』の吉沢亮!
「この道に生きる自分を見つめ直す機会に」
昨年『正体』で最優秀賞に輝いた横浜流星がプレゼンターとして登壇し、力強く読み上げたのは、「『国宝』の吉沢亮さんです」の名。大きな歓声と拍手に包まれ、ステージへ登壇した吉沢は、厳しい時間を共に戦い抜いた横浜と固い握手を交わした。

「ありがとうございます。非常に嬉しく思っております。僕の名前を呼んでくれて、このトロフィー(ブロンズ)を渡してくれた横浜流星とともに、大変な稽古期間を乗り越え、本当に彼がいなかったら、僕自身も喜久雄になれなかったし、この場に立つこともできなかったと思うし。本当にこの映画にとっても僕自身にとっても、本当に偉大な存在でした。ありがとうございます」と何度も感謝を口にした。
さらに「今まで、お芝居って楽しいなって思いだけで、なんとなく役者を続けてきたんですけども。今回、芸の道を生きる人間の業というか、その道の険しさみたいなものを改めて痛感しました。その先にある本当の喜びのようなものに、少し触れられたような気がして、改めて、この道に生きる自分を見つめ直す機会になりました。これから、映画を愛する皆様に楽しんでいただけるような作品に参加できるように、僕自身もますます精進して参りますので、今後ともよろしくお願いします。本日はありがとうございました」と、深く一礼し、会場からは極限まで追い込んで己を更新し続けた名優への盛大な拍手が贈られた。
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イベント情報
第49回 日本アカデミー賞 授賞式■開催日: 2026年3月13日(金)
■会場: グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール「崑崙」
■司会: 羽鳥慎一(アナウンサー)、河合優実(女優)
■副賞協力: TASAKI
■協賛: 大東建託、Dolby Japan
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