映画『3D彼女 リアルガール』
主演・中条あやみ インタビュー
色葉は美人だけど、とっても人間味溢れる女の子。
この物語を自分達がリアルに生きたような感覚になれました。
オタク街道を突き進み、クラスメイト達からも嘲笑される存在であったつっつん(佐野勇斗)がひょんな出来事からある日突然、学校一の美少女から告白される――。
原作コミックスが145万部を超える大ヒットとなった、9月14日(金)公開の映画『3D彼女 リアルガール』にて、学校一の美少女・五十嵐色葉を演じた主演の中条あやみさんに本作の出演やその背景について話を聞いた。
―― 本作の出演にあたり、原作コミックスを読まれて、どんな感想を持ちましたか?
本作の出演が決まった際に、原作本を読ませていただいて感じたのは、作者である那波マオさんのキャラクターへのものすごい愛情でした。漫画の中だけでなく、一言コメントなど端々からも那波さんのキャラクター達に対する愛や色葉とつっつんだけではなく、6人それぞれに対する愛情がものすごく伝わってきました。緻密にキャラクターが描かれているので、漫画を読んでいても、映画でも是非このシーンは演じたいなとか、そういったことをイメージしやすかったです。
―― 出演者の皆さんの仲の良さが伝わってきました。
映画のパンフレットの裏表紙で6人が並んでいるシーンは原作本の一番後ろに描かれている6人の絵と一緒なんですよ。その絵を見た時に鳥肌が立って、この作品は本当に6人の物語だったんだなと思える絵でした。皆んな本当に良い仲間で、それぞれが役にぴったりで、このために集まってきたと感じるぐらい最高の仲間でした。一番好きなシーンをパンフレットにも載せていただいて、なんだか不思議な気持ちです。漫画を作っていらっしゃるのは那波さんですが、自分達が本当にこの世界、物語を生きた時間になれました。
―― まさに色葉という女の子をリアルガールとして生きたわけですね。
これまで、ご自身と正反対の役柄であったり、素のままで演じられる役柄であったりと、様々だったと思いますが、中条さんが今回演じた色葉という人物に対して、自身と重なる部分や共感できる部分はありましたか?
今回、私の役柄はセリフが沢山あったわけではなく、割とつっつんのセリフに対して私がリアクションするといった構図が多かったです。私は色葉の不器用な部分に共感できました。ある事情から彼女は一匹狼で行動しているわけですが、「本当はこうなのに」といったことを周りに言えずに、自分の中で抱えるような部分が自分と似ているなと思っていて。私は大人数の時はそれはそれで楽しめるのですが、割と一人、二人ぐらいの少人数でいるのが好きなタイプなので。「ありがとう」とか感謝の気持ちを伝えることも、相手と近しくなればなるほど素直に言えないといったことがよくあるので、色葉に対する共感だったり、人間味のある性格を愛しく思いました。
―― ベンチを蹴ったり、窓からつっつんのある光景を目撃してしまい、むくれて頬を膨らませているシーンなどに人間味を感じました。
嬉しいです!あれはアドリブなんです(笑)。私が色葉っぽいなと思ってアドリブでやったお芝居を、監督がちゃんと使ってくださっていて、そのシーンが沢山あって嬉しかったです。
―― 今回、学校一の超絶美少女を演じましたが、食事や美容の面で気をつけていることがあれば教えて下さい。
できるだけ自炊はするようにしています。食べるものにも気を遣っていて、時間がなくてもサラダだけは食べるようにしています。現場が続くと栄養が偏ってきたりしますので、野菜を摂ったり、携帯出来る青汁などを常に持っていて、現場で水に入れて飲むようにしています。あとは発酵食品が好きなので、腸から綺麗にするように努めています。納豆を食べたり、ヨーグルトを食べたり、タンパク質もですね。昨日は豆腐ハンバーグを作りました。大雑把にぱっぱっぱと作っちゃいます(笑)。お母さんから隠し味を教えてもらったり、レシピのサイトを見たりもしています。
―― 心のデトックスはどのようにしていますか?
一番はやっぱりちゃんと寝ることではないでしょうか。あとはマインド!ポジティブ思考ってとっても大事だと思っていて。私は嫌なことがあっても、わりと忘れることができるのですが、それでもちょっと嫌だなと思う時は、「全部試練、修行、試されている!」と、思うようにしていて、「これを乗り越えればきっと良いことが待っている」と、無理やりポジティブに変えています。
―― 今回、とても楽しく映画作りが出来たという印象を受けましたが、ここは大変だったなと思うことはありますか?
私は本当に人に恵まれているなと思いました。だから頑張ったというよりは、皆んなで各々やりたいことをやって、監督がそれをピックアップしてくださったという感じだったので。多分つっつん役の佐野くんが本当に一番大変だったと思います(笑)。
―― 色葉は作中でも皆んなの憧れの存在ですが、役作りをしていく中で、撮影中に特段意識していたことがあれば教えて下さい。どうやって色葉という人物に自分を役作りしていきましたか?
自分が演じるとしたらどう演じていくかをイメージして、出来るだけ色葉に近づけたらいいなと考えながら演じました。シーンによっては絵コンテ代わりに原作コミックスを読んだりしました。漫画の色葉を忠実に演じるというよりも、自分が思うキャラクターの中に生身の人間らしさを入れたくなるので、そういう意味では忠実にというよりは、(原作と脚本を)分けているのかもしれません。
―― この作品を観るオタクの方達の恋愛対象が、アニメキャラからリアルへと根こそぎ変わるのではないかと思いましたが、この作品の公開に対して中条さんの想いでしたり、期待することがあればお聞かせください。
(本作に登場するアニメ「魔法少女えぞみち」キャラクターの)えぞみちのとあるセリフに切なくなりました。せっかく人間として生まれてきたんだから、人間らしく生きなければと、(2次元の存在である)えぞみちのセリフで思わされました。いつ何が起きるかわからないし、いつも会えていた人と会えなくなるかもしれません。いつ、そうなるかわからないので一日一日、自分が大事に思っていることを伝えるって大切だなと、この映画を個人的に観ていてもそう感じさせられたので、人間らしさを大事にして生きたいなと思っています。
―― この映画作品を通じて、一番思い出に残っていることを教えて下さい。
皆んな大好きなので、こうやって全員で一つの作品を作れたことが嬉しいです。その中でもキャンプのシーンは特に濃厚でした(笑)。本当にミツヤくん(清水尋也)と石野さん(恒松祐里)が乗っていたバギーにみんなで代わりばんこで乗って、遊びすぎて大人の方たちから怒られたこととかも本当にいい思い出です(笑)。青春とか恋とかが一杯詰まった作品だったように思います。
―― オタク=好きなことに没頭している人のことだと思いますが、そういう人は一定のラインを超えると、その没頭(熱中)している様がカッコよく見える面もあります。中条さんが誰に遠慮することなく、時間もお金も無制限で何かのオタクになれる環境にいたとしたら、何オタクになりたいですか?
オタクを突き詰めて、別の言い方をすれば、「職人」さんってことだと思うので、私も職人さんになりたいです。映画で観た『Perfume』という作品があるんですけど、人間が好きな人の香りを抽出することにのめり込む狂気的な人が登場する過激な作品なのですが、とても印象に残っています。私も人の香りや匂いというわけではないですが、花など色んな香りが好きなので、好きな香りに関するオタク=職人さんになりたいなと思っています。
―― 中条さんはその華やかさの裏で努力をものすごくされてきた方という印象を受けます。自分の役割や立ち位置について、自身の深いところまで見つめている方とお見受けしましたが、今後のご自分の在り方について、想うことはありますか?
今後どうなっていくのかを考えている最中ですが、やっぱり見ている方ってちゃんと見てくださっているので、騙せないですし、嘘はつけないです。誰でも出来ることにはあまり興味を持てないので、自分が見ている視点で物事を捉えて、私にしか出来ないことを私らしくやっていけたら良いなと思っています。
―― 最後に、読者の皆様にメッセージをお願いします。
[インタビュー: 蒼山 隆之 / 撮影: Cinema Art Online UK & 坂本 貴光]
プロフィール
中条 あやみ (Ayami Nakajo)1997年2月4日生まれ。大阪府出身。雑誌「CanCam」専属モデル。 |
映画『3D彼女 リアルガール』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》書店で万引きの濡れ衣を着せられた学校一の美少女・五十嵐色葉を助けたのは、2次元を愛する超絶オタク・つっつんこと筒井光。リア充の色葉から突然の告白を受けたつっつんは新手のイジメだと疑いながらも、正反対のふたりの交際がスタートして……!? 那波マオ原作の同名コミックを、映画『ヒロイン失格』チームが、中条あやみ主演、佐野勇斗共演で映画化。 『美女と野獣』ならぬ“美女とオタク”のありえない純愛の行方を描く、大爆笑&大号泣!いまだかつてない純愛コメディ! |
監督: 英 勉
脚本: 高野水登、英勉
音楽: 横山克
主題歌: 西野カナ「Bedtime Story」(SMEレコーズ)
配給: ワーナー・ブラザース映画