映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア レポート
【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (吉岡里帆、水上恒司、竜星涼、栁俊太郎、梅澤美波、フィガロ・ツェン、花瀬琴音、池田千尋監督)

映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア

吉岡里帆「パワフルなチームだった」水上恒司「熱量がすごい」
豪華キャストが語る灼熱の撮影現場と作品への想い 

累計発行部数150万部を超える眉月じゅんの人気漫画を実写化した映画『九龍ジェネリックロマンス』が、8月29日(金)に全国公開される。

かつて香港に存在した美しくも妖しい街“九龍城砦”を舞台に、ノスタルジー溢れる世界で切ないミステリーと極上のラブロマンスが描かれる本作。鯨井令子役の吉岡里帆、工藤発役の水上恒司がW主演を務め、巨大製薬会社の社⻑・蛇沼みゆき役に⻯星涼、喫茶店・金魚茶館の店員タオ・グエン役に栁俊太郎、靴屋の店主で令子の親友になる楊明役に乃木坂46の梅澤美波、九龍のあらゆる店でアルバイトをしている小黑役に花瀬琴音、蛇沼と行動を共にし、九龍の街を調べるユウロン役にフィガロ・ツェンら豪華俳優陣が集結した。

 

7月23日(水)、映画の完成を記念してTOHOシネマズ 日比谷にてジャパンプレミアが開催され、W主演の吉岡里帆水上恒司をはじめ、竜星涼栁俊太郎梅澤美波フィガロ・ツェン花瀬琴音、そして池田千尋監督ら豪華キャスト・監督が上映前の舞台挨拶に登壇。真夏の台湾で行われた撮影の裏話や、作品のテーマにちなみ“今、恋しているもの”について語った。

キャスト陣が語る、灼熱の台湾ロケと撮影の思い出

満員の観客を前に、主演の吉岡は「皆さんとお会いできるのを楽しみにしていました。九龍という熱気あふれる町で、本当にパワフルなチームで撮影して参りました。今日は短い時間ですがどうぞよろしくお願いします」と挨拶。同じく主演の水上も「今日は短い時間ですが、よろしくお願いします」と呼びかけた。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (吉岡里帆、水上恒司、竜星涼、栁俊太郎、梅澤美波、フィガロ・ツェン、花瀬琴音、池田千尋監督)

懐かしさで溢れる街・九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子を演じた吉岡は「(原作は)大人気の漫画なので、原作ファンの方にも楽しんでいただけるように、できるだけビジュアルも寄せて、本の解釈も深掘りしていけたらいいなと思っていました。ただ、まだ完結していない漫画なので、映画でできることは何かについて、池田監督とたくさん話し合いをさせていただきました」と、作品への真摯なアプローチを語った。

それを受け池田監督も「お互いに(心を)開いてやっていこうと話していましたが、吉岡さんは何でも話してくださったので、私もそれを全力で受け止めて向き合っていました」と、密なコミュニケーションが交わされていたことを明かした。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (吉岡里帆)

続いて、令子の先輩社員の工藤発を演じた水上は「工藤の“痛み”っていうところがすごく重要だなと。いかにその痛みを、弱みを隠しながら生きているかが、前半部分のすごく大事なところで、それがあるからこそ後半に出てくる工藤の過去などが効いてくるんじゃないかと思って演じていました」と役作りの核について言及した。

また、台湾ロケについては「暑かったですね。毎日38℃くらいあって、もう萎えましたね(笑)。でもその温度や湿度が伝わってくるような映像になっていると思います。そうした熱気、空気感を感じていただけたらなと思います」と、過酷ながらも作品の魅力へと繋がった撮影を振り返った。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (水上恒司)

巨大製薬会社の社長・蛇沼みゆきという役どころについて竜星は、「エキセントリックな役だったので、僕がやってハマるのかすごく不安だったんですけど、本当に熱い熱い台湾でサンバを踊ったりとか…。これ、日本でも良かったんじゃないかなって。台湾で撮るべきだったのか…」と演技がかった口調で問いかけ、会場の笑いを誘った。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (竜星涼)

すかさず水上が「台湾だったからこそ、あのキレがあったんじゃないですか」とフォロー。さらに吉岡も「私も蛇沼で観てほしいところがあって、絶対に台湾じゃなきゃダメだったと思っていますが、唇の潤いに、本当に注目してください。あの熱気がないとあの艶は出なかったと思います」と返し、キャスト陣の仲の良さを見せた。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (吉岡里帆、水上恒司、竜星涼、栁俊太郎)

金魚茶館の店員・タオ・グエンを演じた栁は、「原作とまた違う要素が入ってるんですけど、すごく素直で純粋で、皆さんに愛される役なのかなと感じました。蛇沼と一緒に行動するんですけど、蛇沼が可愛いくて。そういう目線の役です」と自身の役どころについて“匂わせ”た。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (栁俊太郎)

令子の友人・楊明(ヤンミン)役の梅澤は、「本当に太陽みたいに明るくて無邪気だけど、芯があるような女性。どうにかこの九龍で、レコポン(鯨井令子)温かく包み込めるよに、癒せるように、と思いながら演じました」とコメント。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (梅澤美波/乃木坂46)

九龍でアルバイトをする小黒(シャオヘイ)を演じた花瀬は、「原作のシャオヘイがフリフリだったりロリータが好きなので、衣装部さんがすごく細かくこだわって作ってくださった。監督とは“台湾の方が日本語を喋っている”話し方を探りながら一緒に作っていきました」と役作りの裏側を明かした。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (花瀬琴音)

台湾から参加したユウロン役のフィガロは、「幼稚園生の時から日本の文化が大好きだったので、今回この神秘的な役を演じられてすごく嬉しかったです。現場では全部日本語でコミュニケーションをとっていました」と流暢な日本語で挨拶。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (フィガロ・ツェン)

池田監督は、「本当に彩り豊かな皆さんが集まってくださった。日本でこうして会うのが不思議なくらい、台湾という異国で撮影をご一緒できたのがとても心強かったですし、本当に皆さん、役にも作品にも真摯に向き合ってくださって、楽しかったです」とキャスト陣への感謝を述べ、チームの絆をうかがわせた。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (池田千尋監督)

キャスト陣が“恋をしているもの”を発表!
吉岡里帆は「盆栽」、水上恒司は「ベッド」に恋してる!?

舞台挨拶では、作品の印象的なセリフ「私、九龍に恋をしているの」にちなみ、登壇者がフリップで「今、“恋をしているもの”」を発表する企画が実施された。

花瀬はフリップに「私、チャットGPTに恋をしている」と現代的な回答を披露。「いろんなコメントとかキャッチコピーとか作ってもらったり、相談相手です」と活用法を語ると、共演者からは「心配になっちゃう」「友達とかいる?」とツッコミが飛び交った。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (花瀬琴音「私、チャットGPTに恋をしている」)

台湾出身のフィガロは「私、ラーメンに恋をしている」と告白。「子供の時から大好きです。日本のラーメンの方が好き。大変な仕事の後に食べると元気になる」と笑顔を見せた。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (フィガロ・ツェン「私、ラーメンに恋をしている」)

梅澤は「私、お塩♡に恋をしている」と発表。「めちゃくちゃ美味しい、ちょっといいお塩があって、何にでもかけてます。お刺身とかお肉とか。夏なので塩分も欲しくて。魚介の旨味が入っている系です」とマイブームを語った。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (梅澤美波/乃木坂46「私、お塩♡に恋をしている」)

続いて栁の番になると、竜星が「たぶん冷や汁だと思う」とまさかのフライング回答。栁が「私、冷や汁に恋をしている」と書かれたフリップを見せると会場は笑いに包まれ、「なんで先に言うの?夏、家で自分で作ってる」と、個別のインタビューでも度々話すほどの“冷や汁愛”を覗かせた。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (栁俊太郎)「私、冷や汁に恋をしている」

その竜星の回答の予想を聞かれた栁は「プール?」と答えて見事的中させ、仲の良さを見せつけた。竜星は「私、ぷ〜るに恋をしている」と書かれたフリップを手に、「夏になるとプールに行きたくなる。先日出演していた舞台の地方公演でもプール行って浮いていた。背泳ぎが好き」と意外な一面を明かした。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (竜星涼「私、ぷ〜るに恋をしている」)

ここで代謝が良すぎると明かした水上が汗を拭うために一旦降壇するハプニングも。残されたキャスト陣がトークを繋ぎ、戻ってきた水上は「私、ベッドに恋をしている」と回答。「ここ4日間本当に寝てなくて」と多忙ぶりを明かすと、共演者から「どういうベッドが好き?」「枕は?」「シーツは?」と質問攻めに。たまらず水上は「次行ってもらっていいですか!」と返し、会場を沸かせた。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (水上恒司「私、ベッドに恋をしている」)

トリを務めた吉岡は「私、盆栽に恋をしている」と発表。「お休みの日とかずっと見てて。お水をあげて、葉っぱを拭いてあげて、『元気かな?』って。…まあ世話が焼けるので、今も心配です。レモンの木とかも育ててて、40株くらいあります」とその奥深い魅力と現在の心境を熱弁した。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (吉岡里帆「私、盆栽に恋をしている」)

主演の吉岡&水上から観客へのラストメッセージ

最後に、池田監督と主演の二人からメッセージが送られた。池田監督は「本当にたくさんの謎がちりばめられている作品ですが、一番の謎は『恋は理屈じゃない』ってところかなと思っています。ぜひ皆さんも謎解きをしながら、この懐かしい世界にどっぷりと浸っていただけたら嬉しいです」と作品をアピールした。

水上は「人は基本的に孤独で、死ぬ時も大事な人と一緒に死ねるわけではない。孤独だからこそ、他者を求め、愛を求め、傷つけ合ったりするんじゃないかなと。それがこの映画の中に詰め込まれていると思います。なので、孤独だと感じている方々を少しでも包めるような作品になっていたらと思います」と作品に込めた想いを語った。

そして吉岡は、「本当にこの作品は、『恋は理屈じゃない』という言葉がぴったりだなと思います。みんなそれぞれ何かに恋をしていて、好きなものに対して暴走してしまうような、そういう愛すべき世界観がギュッと詰まっております。原作の眉月先生のロマンチックな部分と、ミステリアスな部分と、池田監督の人間ドラマの丁寧な描き方、全部が詰まっておりますので、ぜひ皆さんの夏の思い出の1ページになったら嬉しいです」と締めくくり、温かい拍手に包まれながら舞台挨拶は幕を閉じた。

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (吉岡里帆)

[スチール撮影: Cinema Art Online 編集部 / 記者: 深海ワタル]

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イベント情報

映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア

■開催日: 2025年7月23日(水)
■会場: TOHOシネマズ 日比谷 スクリーン12
■登壇者: 吉岡里帆、水上恒司、竜星涼、栁俊太郎、梅澤美波、フィガロ・ツェン、花瀬琴音、池田千尋監督
■MC: 奥浜レイラ

【写真】映画『九龍ジェネリックロマンス』ジャパンプレミア 舞台挨拶 (吉岡里帆、水上恒司、竜星涼、栁俊太郎、梅澤美波、フィガロ・ツェン、花瀬琴音、池田千尋監督)

映画『九龍ジェネリックロマンス』予告篇🎞

映画作品情報

【画像】映画『九龍ジェネリックロマンス』ポスタービジュアル

《ストーリー》

懐かしさで溢れる街・九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子は先輩社員の工藤発に恋をしていた。工藤は九龍の街を知り尽くしており、令子をお気に入りの場所に連れ出してくれるが、距離は縮まらないまま。

そんな中、九龍で靴屋を営む楊明、あらゆる店でバイトをする小黒らと意気投合。令子は、九龍でゆっくりと流れる日常にそれなりに満足していた。

しかしある日、工藤と立ち寄った金魚茶館の店員タオ・グエンに工藤の恋人と間違われる。さらに、令子は偶然1枚の写真を見つけるのだが、そこには工藤と一緒に自分そっくりの恋人が写っていた。困惑する令子の元に大企業の社長・蛇沼みゆきと謎めいた男ユウロンが現れる。

思い出せない過去の記憶、もう1人の自分の正体、九龍に隠された秘密。核心に迫る令子は、工藤が抱える切ない過去を知ることになる――。

 
出演:吉岡里帆、水上恒司、栁俊太郎、梅澤美波(乃木坂46)、曾少宗(フィガロ・ツェン)、花瀬琴音、諏訪太朗、三島ゆたか、サヘル・ローズ / 関口メンディー、山中崇、嶋田久作、竜星涼
 
原作: 眉月じゅん「九龍ジェネリックロマンス」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
 
監督: 池田千尋
脚本: 和田清人、池田千尋
音楽: 小山絵里奈
主題歌: Kroi「HAZE」(IRORI Records / PONY CANYON INC.)
制作プロダクション: ROBOT
制作協力: さざなみ
企画・配給: バンダイナムコフィルムワークス
 
© 眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会
 
2025年8月29日(金) 全国ロードショー!
 
映画公式サイト
 
公式X:@kowloongr_jp
公式Instagram:@kowloongr_jp
公式TikTok:@kowloongr_jp
ハッシュタグ: #九龍ジェネリックロマンス #九龍GR

この記事の著者

深海 ワタルエディター/ライター

ビジネスメディア、情報誌、ITメディア他幅広い媒体で執筆・編集を担当するも、得意分野は一貫して「人」。単独・対談・鼎談含め数多くのインタビュー記事を手掛ける。
エンタメジャンルのインタビュー実績は堤真一、永瀬正敏、大森南朋、北村一輝、斎藤工、菅田将暉、山田涼介、中川大志、柴咲コウ、北川景子、吉田羊、中谷美紀、行定勲監督、大森立嗣監督、藤井道人監督ほか60人超。作品に内包されたテーマに切り込み、その捉え方・アプローチ等を通してインタビュイーの信念や感性、人柄を深堀りしていく記事で評価を得る。

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