- 2019-11-4
- イベントレポート, 日本映画, 第32回 東京国際映画祭, 舞台挨拶
第32回 東京国際映画祭(TIFF) 特別招待作品
映画『“隠れビッチ”やってました。』舞台挨拶
三木康一郎監督「僕のモテ必殺テクニックは自虐ネタ(笑)」
佐久間由衣「脚本を見たとき、“お嫁にいけない”かもと思った」
11月4日(月)、第32回東京国際映画祭(TIFF)にて、特別招待作品である映画『“隠れビッチ”やってました。』の公式上映がTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われた。
監督・脚本には『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(2016年)、『旅猫リポート』(2018年)の三木康一郎。原作はイラストレーターで漫画家のあらいぴろよが、自身の体験をベースに描いたコミックエッセイ「“隠れビッチ”やってました。」(光文社刊)自信がなくて、素直になれない全ての人に贈るリアルラブストーリーだ。
主人公の荒井ひろみ役は、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」、「ゼクシィ」の10代目CMガールで注目を集めた佐久間由衣。ひろみが成長するきっかけとなる三沢光昭役にはNHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック〜噺~」に出演中の森山未來。主人公を見守るシェアハウス仲間のコジこと小島晃役には第31回東京国際映画祭で「東京ジェムストーン賞」を受賞した村上虹郎。同じくシェアハウス仲間の木村彩役を映画『SAYURI』(2005年)でチャン・ツィイーが演じるヒロインの子供時代を演じた大後寿々花。ひろみが本気で好きになるモテ男子の安藤剛役を『わたしに××しなさい!』(2018年)で主演を務め、NHK連続小説「半分、青い。」では個性的なキャラクターを演じて話題となった小関裕太が演じる。
本編上映前の舞台挨拶には、「愛されたい」気持ちを持て余し、もがき成長するひろみを演じた佐久間由衣、主人公を見守るバイセクシャルのコジ役の村上虹郎、素直に自分の気持ちを伝えられずダメな恋愛を繰り返す女友達・彩を演じる大後寿々花、飾らない笑顔の美容師・安藤を演じる小関雄太、そして個性豊かな俳優たちを見事に束ね上げた監督・脚本の三木康一郎が登壇。大きな拍手に包まれる中、登壇者の一言挨拶から始まった。
仲間の結束を感じる大爆笑ひと言挨拶
佐久間は「たくさんの映画が公開されている東京国際映画祭で『“隠れビッチ”やってました。』を選んでくれてありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。
続いて村上は「久しぶりに会った監督に衣装が闘牛士かよ」と言われたと会場からの笑いを取った。
大後は「一年前の撮影作品が公開を迎えられて嬉しい」と挨拶。
小関は「初めて英語通訳が入るイベントで話をします」と言い、英語を披露。続けて「ラブコメディが描かれていますが、観終わると心にずっしりとくるものがありますよ」と意味深な発言。
最後に三木監督が、「会場が埋め尽くされて 嬉しいです。短い時間ですが、僕らの大爆笑トークを楽しんだ後、映画を観てお帰りください」と少し照れながらも映画への自信をのぞかせた。
正解が出るまで繰り返した三木監督の熱血演技指導
オファーの作品名を聞いた感想を聞かれた佐久間は「1年半前にオファーが来ました。台本を読む前は、お嫁に行けなくなると思いました。実際は承認欲求に関する話だったので、出演を引き受けました」と出演への経緯を説明した。
現場でヒロイン・ひろみのテンションの高い役作りについて三木監督は「演技のひとつひとつ正解を出させた」と愛のムチで演技指導したことを明かした。シェアハウス仲間のコジを演じた村上にお母さんのような役作りで心掛けたことを聞くと「破天荒なふたりを見守ることでしょうかね」と包容力をみせた。
大後は役への共感度を聞かれ「激しくてきつい性格の役でしたが、ひろみと彩は本音で付き合える関係で羨ましく思った」と感想を述べた。
ひろみが初めて本気の愛を捧げた男性役の小関にどんなタイプの男性役だと思ったかの質問が飛ぶと小関は「カテゴリーにはまらない系男子だと思います」と分析した。
三木監督には、4コマ漫画の原作から2時間の脚本に書き直す際に心掛けたことへの質問が及ぶと「女の子のちょっとした思いをどうやって物語にするかを考えながら作りました」と脚本化の苦労を打ち明けた。
意外な事?! “必殺モテテクニック”を紹介!
この後、登壇者に気になる異性への必殺モテテクニックを紹介するコーナーに移った。
各自がフリップボードにあらかじめ記入した内容を1人ずつ披露。トップバッターは佐久間で「生々しいかもしれません」と発言すると「ぜひ聞かせて」の声が会場から次々とあがった。
「お酒の力を借りてみたい」と意味深な言葉を言うと、横から村上が「飲めばいいだけじゃん」と突っ込みを入れた。
さらに周りから突っ込まれた佐久間は、実はお酒に強い女性であることが判明。仲間の笑いの中心にいる村上は「口数を減らす」と真面目な回答をした。
デビュー作のオーディションで河瀨直美監督から「しゃべらない方がカッコいいよと言われたから」と打ち明けると、三木監督から「それをできるのは、イケメン限定だよ」と突っ込まれ、更に笑いを誘った。
大後のフリップボードに「『あっ』と転んで(スカートの)裾をつかむ」と書いてあるのを知り、小関が「キュンとして守りたくなる」と優しさをみせた。
小関はシンプルに「好きって言うことだ」と回答すると、周囲から冷やかされる結果に。「カレーが好き、みたいな好きポイントを探すと魔法にかかると信じている」と慌てて真意を付け加えた。
三木監督はポツンと「自虐ネタです(笑)」と照れてみせた。
初主演佐久間の感涙から伝わる完成映画の満足度
最後に、三木監督と主演の佐久間がひと言ずつ『“隠れビッチ”やってました。』のセールスポイントをアピール。
三木監督は真面目な表情で「タイトルに驚くかもしれませんが、身近な物語になっています。ご覧いただき前向きな気持ちになってもらえれば、作った甲斐があると思っています」と締めくくった。
佐久間は「撮影は1年前の12月、寒い時期にスタートしました。初主演のためできないこともたくさんありましたが、周囲の人に支えてもらい形にできました」と、撮影時の苦労を思い出し目を潤ませた。
監督とキャストの仲の良さがダイレクトに伝わってくる温かい舞台挨拶が幕を閉じた。
[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: 花岡 薫]
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映画『“隠れビッチ”やってました。』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》笑えて、悩んで、切なさに身悶える!歪んだ心の処方箋 異性からモテ続ける事で、「認められたい欲求」を満たしてきた主人公・ひろみ。自分が傷つかずに、相手の気持ちだけを弄びながら、恋愛の美味しい所だけを楽しみ、体の関係は断る―というゲームのようなやり口に、ひろみのシェアハウス仲間であるバイセクシャルの晃と恋愛に失敗してばかりの彩は驚いていた。服の露出は少な目、鎖骨がちらりとのぞく透け感のあるワンピースが戦闘服。どこにでもいる女性に見えるのに、計算しつくした仕草と会話で、男性を落とすハンターぶりから、彩は「あんたは“隠れビッチ”ね!」と名付ける。そんなある日、同じ職場に気になる相手が現れ、ひろみは初めて自分の本音と向き合う。「男に頼ってばかりではだめ。人間になりなさい」そんな晃からの叱咤を受け、ひろみは<自分に必要なもの>を探しはじめるが……。 |
監督・脚本: 三木康一郎
原作: あらいぴろよ「“隠れビッチ”やってました。」(光文社刊)
2019年12月6日(金) 全国ロードショー!
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