SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025 オープニング・セレモニー レポート

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025 
オープニング・セレモニー 

新たな才能の発掘と映像の未来への挑戦を宣言!
第22回を迎えたDシネマの祭典が開幕!!

7月18日(金)、埼玉県川口市のSKIPシティにて、次代を担う映像クリエイターの登竜門「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025」が華やかに開幕した。第22回を迎えた今年も、映像産業の未来を担う新たな才能の発掘と育成を掲げ、9日間にわたる映画の祭典がスタート。オープニング・セレモニーには、コンペティション部門に出品された作品の監督たちや国際的な審査員、そして大野元裕埼玉県知事をはじめとする主催者が一堂に会し、その幕開けを祝った。

【画像】SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025 メインビジュアル

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭とは?

2004年、世界に先駆けてデジタルシネマにフォーカスした映画祭として誕生。以来、一貫して新たな才能の発掘と育成を掲げ、デジタルならではの新しい表現の可能性を追求してきた。

過去には、現在日本映画界を牽引する白石和彌、中野量太、そして今年の審査委員長を務める石川慶といった、数多くの才能を輩出している国際的な映画祭である。

今年はコンペティション部門を国内作品に一本化し、より日本の才能に光を当てるほか、スマートフォンでの視聴に最適化された「縦型映画」の大型スクリーン上映や、AI、XRといった最新技術を探求する企画展など、新たな映像体験を提示する意欲的なプログラムが揃っている。

埼玉県知事、川口市長らが登壇
映画祭の功績と映像産業の未来を語る 

オープニングセレモニーの冒頭、主催者を代表して映画祭実行委員会会長の大野元裕埼玉県知事が登壇。「フィルムで映画を撮影する全盛期であった時代より次世代を見据え、デジタルシネマに対しフォーカスを行ったことは大いなるチャレンジでありました。このチャレンジは成功し、これまでこの映画祭からは、今年の審査委員長をお引き受けいただいた石川慶監督や中野量太監督、あるいは白石和彌監督など、その後、映画界で活躍をされた多くのクリエイターの方々が旅立って行かれました」と、映画祭が果たしてきた役割とその歴史を振り返った。

さらに、「スマートフォンの普及やXRなど映像技術の進展により、人々が映像を楽しむ場面は多様化しています。そこで新たなチャレンジとして、特製の大型スクリーンで上映をする縦型映画祭や、多様な映像を体験していただけるプログラムもご用意いたしました」と、時代の変化に対応する映画祭の新たな試みへの期待を語った。

続いて、開催市を代表し、奥ノ木信夫川口市長が挨拶。隣接地で進むNHKの新放送スタジオ建設に触れ、「元々は映像産業の拠点としてオープンしたものであって、今、NHKと合わせて素晴らしい施設になったなと実感しております。これからあのスタジオがあそこに5つぐらいできて、川口にその映像産業の火が灯り、そしてそういった産業が盛んになる、まず第一歩になるんじゃないのかなと期待しているわけでございます」と、SKIPシティが映像産業の拠点としてさらなる発展を遂げることへの熱い思いを述べた。

未来の映画界を担う才能が集結!
コンペティション部門の若き監督たちに期待の拍手

セレモニーでは、今年のコンペティション部門に出品された全13作品の監督が紹介され、ステージに集結した。映画祭ディレクターの土川勉は、応募総数271本の中から厳正な審査を経て選出された監督たち一人ひとりの名前を呼び上げ、「改めてコンペティション部門の監督の皆様に拍手をお送りください」と会場に呼びかけると、満員の客席からは未来の映画界を担う才能たちへ温かく、そして大きな拍手が送られた。

今年の審査員には、ロッテルダム国際映画祭プログラマーのクーン・デ・ロイ、映画プロデューサーの水野詠子、そして審査委員長を『愚行録』(2016年)、『ある男』(2022年)で知られる映画監督の石川慶が務める。自身も2009年に本映画祭のコンペティション部門(短編部門)に参加した経験を持つ石川の鋭い視点で、次代の才能が選出されることに期待が高まる。

コンペティション部門 出品作品 

【画像】SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025 コンペティション部門

© 映画「お笑えない芸人」製作 / © 木下組2024 / © ヨウウアン / Yui Kusakari© / © 2024 Jun Kawada / © 2025 emir heart Inc. / © 2024 STUDIO MOVES All Rights Reserved / © 2025「そこまで一緒に。」関寛之 /© 2024 川上 栄輝 / © 柏井彰太 / © Cyrus Nozomu Sethna / © ボルボックスタジオ / © The Black Screen Brigade
 
  • 『お笑えない芸人』(監督:西田祐香/日本)
  • 『死神は待ってくれる』(監督:木下一心/日本)
  • 『東京の青稞酒』(監督:楊 宇安/日本)
  • 『長い夜』(監督:草刈悠生/日本)
  • 『夏休みの記録』(監督:川田 淳/日本)
  • 『ひみつきちのつくりかた』(監督:板橋知也/日本)
  • 『ブラックホールに願いを!』(監督:渡邉 聡/日本)
  • 『そこまで一緒に。』(監督:関 寛之/日本)
  • 『さざなみに揺れる手』(監督:川上栄輝/日本)
  • 『山のあなた』(監督:伊藤希紗/日本)
  • 『そして、今日も生きる』(監督:サイラス・望・セスナ/日本)
  • 『水底のミメシス』(監督:茂木毅流、長澤太一/日本)
  • 『ラッキー・ストライク』(監督:星野有樹/日本)

最注目のコンペ作品を紹介!
前代未聞!? 異例の映画祭出品を前に劇場公開が決定!!

数ある出品作品の中でも特に注目される一本が、映画祭出品に先駆けて劇場公開も決定している板橋知也監督の初長編作品『ひみつきちのつくりかた』だ。

本作は、友人の突然の死をきっかけに再会した50歳の男たちが、小学生の頃に夢見た「ひみつきち」作りに奮闘する物語。「大人になりきれなかった」自分を登場人物に投影したという監督自身の想いが込められており、誰もが心の奥底に持つ“子供心”を呼び覚ます、ノスタルジックでユーモアとペーソスに満ちた作品となっている。

【画像】映画『ひみつきちのつくりかた』場面カット

撮影は監督の故郷である東京都あきる野市で行われ、その原風景が物語に深い情感を与えている。門真国際映画祭2020で最優秀脚本賞を受賞した短編映画『ある母』でその才能を高く評価されている板橋監督の長編デビュー作として、大きな注目を集めている。

コンペティション部門にて、7月22日(火)にワールドプレミア上映と観客とのQ&Aが予定されている。

[記者: Cinema Art Online 編集部 / スチール撮影: 恵水 流生]

イベント情報

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025 
オープニング・セレモニー

■開催日時: 2025年7月18日(金)
■会場: SKIPシティ 映像ホール
■登壇者: 大野元裕(実行委員会会長/埼玉県知事)、奥ノ木信夫(実行委員会副会長/川口市長)、細野博隆(川口商工会議所会頭)、白土幸仁(埼玉県議会議長)、古川久一(川口市議会議長)、土川勉(映画祭ディレクター)、コンペティション部門ノミネート監督等一同、クーン・デ・ロイ(コンペティション審査員)、水野詠子(コンペティション審査員)、石川慶(コンペティション審査委員長)、 八木信忠(総合プロデューサー)
■司会進行: 沢口みなみ

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025 (第22回) 開催概要

■会期: 2025年7月18日(金)~7月26日(土)(9日間)
■会場: SKIPシティ 映像ホール、多目的ホール、HDスタジオ 他(埼玉県川口市上青木3-12-63)
■主催: 埼玉県、川口市、川口商工会議所、SKIPシティ国際映画祭実行委員会
■公式サイト: https://www.skipcity-dcf.jp/

【画像】SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2025 メインビジュアル

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この記事の著者

Cinema Art Online編集部

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