ステイシー・マーティン来日記者会見
「ゴダールのことなんて忘れていいわ、グッバイ・ゴダール!なんだから」
女優であり、作家であり、1960年代に映画を変えたと世界中から注目される気鋭の映画監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ち、後にゴダールの二番目の妻でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキーによる自伝的小説が、映画『アーティスト』(2011年)で第84回アカデミー賞(作品賞はじめ5部門受賞)に輝いたミシェル・アザナヴィシウス監督の手によって今回映画化された。
本作にてアンヌに扮するのは『ニンフォマニアック』(2013年)でセンセーショナルなデビューを飾り、MiuMiuのフレグランスの広告塔を務めるなどファッショニスタとしても現在大注目されているステイシー・マーティン。7月13日(金)の日本公開に先駆けて来日し、5月23日(水)に東京・神楽座で記者会見が開催された。
―― 子供の頃に東京に住んでいたことがあるステイシーの冒頭挨拶
こんにちは皆さん。またこうして東京に来れてとても嬉しいです。日本は私にとっての一部であり、もう一部のフランスを日本にこの作品を通して伝えることが出来るのをとても嬉しく思っています。今日はよろしくお願いします。
―― この作品に抜擢された感想は?
とてもわくわくしました。ミシェル・アザナヴィシウス監督が本来得意とするコメディーに立ち戻る作品であったこと、フランスでは誰もが知るゴダールを取り上げた作品であったことにもワクワクしましたね。原作者であるアンヌが物書きである側面は知らなかったのですが、役者として、物書きとして、そこで感じたことを物語を通じて伝えることが大切だなと感じました。
―― アンヌを演じるにあたり心がけたことは?
やはり実在した人物であったこと、実際にあった物語ということを大切に、また、アンナさんが書いた本が基になっているので、脚本のことも大切にしながら演じていきましたね。アンヌの記憶を映画としたわけですこの作品は、でも、監督が当初から伝記物にはしないと明言していましたし、監督が得意とするポップコラージュ。再解釈して作るということをしています。今作は独特のジャンルとしてのゴダール作品であると。アンヌについては、監督とも話しましたが、アンヌそのものを演じるというよりも当時のパリに生きたアイコンと呼ばれる女性たち全てを総括しているような存在。例えばジェーンバーキンなど、全てを包括するような抽象的な存在を作ることを目指しました。
―― 現在2018年ですが、ちょうど50年前にあたる1968年に生きたパリの女性を演じるにあたって、その違いや、何か気づいたことがあればお聞かせください。(CAO蒼山)
その時代に身を置くことがこんなに楽なのかと思うぐらいすんなりと役に入ることができました。特に五月革命のシーンでは数百人いたエキストラの人たちのおかげですんなり共感できました。五月革命だけでなく、あの時代はバイタリティがものすごくあったと思います。そういったところが、一役者としても非常にワクワクできたからこそ、すんなり役に入ることができたのです。
その他にもいくつか記者からの質疑に答えた後、フォトセッションが行われ、最後にステイシーが本作の意気込みを語った。
ステイシー: ゴダールのことなんて忘れてください。(日本のタイトルは)『グッバイ・ゴダール!』だし(笑)。
私が演じた原作のアンヌ・ヴィアゼムスキーさんが作品を観終わった後で、アザナヴィシウス監督に会った際にこう言ったそうです。「見事に悲劇の中から喜劇を産んでくださいましたね」と、それは正に私達が生きる上で応用できる考え方だと思います。生きる上でコメディは必要ですからね。
是非みなさん、この作品を観に来てください。大いに楽しんで笑って、恋に落ち、そして最後に大きな失恋をしてください。本日はありがとうございました。
大きな拍手を浴びながらステイシー・マーティンは笑顔で降壇し、来日記者会見は幕を閉じた。
イベント情報
映画『グッバイ・ゴダール!』ステイシー・マーティン来日記者会見■開催日: 2018年5月23日(水) |
映画『グッバイ・ゴダール!』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》もうすぐ20歳のアンヌは、それまで予想だにしなかった刺激的な日々を送っていた。世界中から注目される気鋭の映画監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ち、彼の新作『中国女』の主演を飾ることになったのだ。新しい仲間たちと映画を作る刺激的な日々、そしてゴダールからのプロポーズ。初体験ばかりの毎日を彼女は夢中で駆け抜けていくが、1968年の五月革命が2人の運命を変えていく──。 |
邦題: グッバイ・ゴダール!
原作: 「それからの彼女」(DU BOOKS 刊・原題「Un an apres」)
配給: ギャガ
後援: 在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ
協力: ユニフランス日本
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