映画『CUBE 一度入ったら、最後』
㊗公開初日舞台挨拶
菅田将暉、サプライズ登場のヴィンチェンゾ・ナタリに
「今すぐ日本に行きたくなる」殺し文句で撮影のお願い!
1997年に公開されたヴィンチェンゾ・ナタリ監督による映画『CUBE』。密室ものの先駆けとして、世界中でカルト的⼈気を誇るこの映画を、ナタリ初の公認として清水康彦監督がリメイクを手掛け、主演の菅⽥将暉をはじめ、杏、岡⽥将⽣、⽥代輝、斎藤⼯、吉⽥鋼太郎ら日本屈指の俳優陣が集結した映画『CUBE 一度入ったら、最後』が完成!謎の⽴⽅体「CUBE」を舞台に、全世界を巻き込む2021年⼀番”ヤバい”劇薬系密室エンタテインメントが10⽉22⽇(⾦)についに公開初日を迎えた。
公開初日舞台挨拶が新宿ピカデリーで行われ、主演の菅⽥将暉をはじめ、杏、岡⽥将⽣、⽥代輝、斎藤⼯らキャスト陣、そして清⽔康彦監督が登壇した。
公開を迎えての想いや撮影時のエピソードトークに加え、なんとヴィンチェンゾ・ナタリが現在撮影中のアメリカから生中継でスクリーンに登場するサプライズも!!以前からオリジナル版が好きだと語るキャスト陣と清水監督は、ナタリの突然の登場と日本リメイク版を観た感想に驚きながらも大感激であった。
岡田将生が毎朝食べる物を菅田が「同類」と暴露!!
杏は、衣装に付いた「しっぽ」の驚きの正体を明かす
満場の観客に迎えられて、キャスト陣と清水監督が舞台上に登場。菅田を始めとする全員の挨拶をもって舞台挨拶はスタートした。
最初の質問は、撮影時のプチ情報について。まず指名された菅田は、撮影時から10cmも身長が伸びたという、作品内で唯一の中学生・宇野を演じた田代との”接近”エピソードを披露。「彼とは結構近い距離のお芝居が多かった。その時はまだ子どもだったからあまーいミルクの香りがした。でも映画と共にどんどん成長して、今日お会いしたら全然大人の感じになってて」と明かし、登壇者の笑いを誘った。さらに「まーくん(岡田将生)は毎朝ゆで卵を食べてた。それで僕は毎朝、真っ白くてツルツルした物を、真っ白くてツルツルした者が食べていて『同類だな』と思っていました」とユーモアを交えて語り、またしても壇上は笑いに包まれた。
杏は、CUBEに閉じ込められた登場人物たちが、気付いたら着せられているそろいの衣装について、「(衣装に)みんなしっぽがついてる。何だろうなと思って聞いたら、囚人服のシステムみたいなもので、手元にも同じような紐みたいなものがついていて、拘束が必要になった時に、両手としっぽの部分をつなげると自動的に拘束ができるっていう。実際劇中では使われていないんですけど、実際にある服をふまえて作られたリアルな囚人服。でもそのおかげで後ろから見るとみなさんどこか可愛い」と意外な発見を伝えた。
岡田はセットの照明について言及。「キャラクターの身長に合わせて照明が変わっていく。その仕掛けが芝居をしていてもものすごく面白くて、完成作を観ると『こういう風になってるのか!』って。それを知って観ると(より)芝居にも引き込まれるんじゃないかと思う」と現場にいた立場ならではの情報を披露した。
さらに「あの(CUBEの)中でずっと芝居をするっていう経験はほとんどなかったから…」と付け加えると、菅田は「そうですね。画がずっと変わらなくてイライラした(笑)」と、意外なストレスがあったことを笑いながら吐露。「ちょっと嫌だなと思ったのは、現場におもちゃを持っていこうと思っておもちゃ屋さんに行って、気付いたらルービックキューブを手に持っていた」といつの間にかCUBEに支配されていたエピソードを語った。
斉藤工、チームプレーが光った現場は“超いいクラス”
菅田&岡田は「工さんのおかげでやりやすくなった」
最年少の田代はプチ情報を問われると、完成披露の時の緊張した面持ちとは打って変わり、堂々とした様子で「この作品は全年齢が(鑑賞)対象になっているので、ご家族や友達と観ていただけたらうれしいなと思います」としっかり回答。登壇者および会場からの大きな拍手を浴び、菅田が語るように短期での成長を印象づけた。
ナタリが手掛けたオリジナル版『CUBE』のファンだという斉藤は、「オリジナル版よりも(CUBE内の)作りが全体的に大きめなんですよね。だから、閉鎖的でありながらどこかに解放感があるので、そこも日本独特の空間。より(観客が訪れて観る)映画館に近い空間になっていると思う」と映画好きならではの視点でプチ情報を提供した。
さらにキャストたちがずっと同じ空間で撮影を続けていたことについての感想を問われると「チームプレーだって空気が基本だったので、序盤からめちゃくちゃそれぞれが自分の役割をリカバリーしあってる“超いいクラス”っていうか。集団としてバランスのいい塊でしたね」と“密室戦”ならではチーム力について想いを巡らせた。
すると、話を聞いていた菅田から斉藤にまつわるチームプレーのエピソードが。CUBE脱出に向けて、狭い空間をアスレチックのように動き回る撮影にふれ「段々腕とか痛くなってくる。リハーサルの後もしんどいな、とか。みんなが思い出した頃に、工さんがそれ用のグローブを買って来てくれたんです。それによって僕らすごくやりやすくなって」と話すと、岡田も「本当にすぐ持ってきてくれるんですよ。なかなかみんな言いづらかった中、その話を聞いていた工さんがサッと買ってきてくれた」と感激したように続けた。当の斉藤は、「俺は(役柄に)靴がなかったから、皮膚が擦れる辛さをもう知っていたので…」と照れたように返し、まさに現場さながらのチームプレーが見られる一幕となった。
ヴィンチェンゾ・ナタリ監督が登場!
日本文化と融合し、独自性あふれる今作を「特別な映画」と絶賛!!
ノースカロライナ州の撮影現場から中継が繋がり、表れた顔にキャストが各々驚きの声を挙げた。
ナタリが「こんにちは。なんだかCUBEのマスターになったような気持ちでいます」と作品になぞらえて挨拶すると、菅田がすぐ「閉じ込めないでください」と返し、ナタリは「もう遅いです。みなさんもうCUBEの中ですから」と応酬。最初から和やかな雰囲気で中継が始まった。
まずは、MCの荘口から『CUBE』のリメイクを聞いた時の感想について質問が。
ナタリは「アメリカでも実はリメイクの話が出ていましたが、それよりも日本でのリメイクにワクワクしました。自分が作ったオリジナルと全く違う作品を絶対作ってくださると思っていたので。そして拝見させていただいたところ、実際違った作品になっています。本当に清水監督は素晴らしい作品を作ったと思っています。すごくパーソナルな作品にもなっていると思いますし、日本文化というものをしっかりと踏襲しているので、特別な映画じゃないでしょうか」と、日本ならでは、そして清水監督ならではのオリジナリティを褒め称えた。
また一番記憶に残っているのは、ネタバレを含むシーンであることを明かし、「それと最初の30秒間かなり楽しめると思います。本当に素晴らしいオープニングがみなさまを待っていますから」とこれから観る観客に期待感の高まるメッセージを伝えた。
続いてキャスト陣からナタリに聞きたいこと、伝えたいことの時間が。トップバッターの菅田が「はじめまして、菅田将暉です。お会い出来て嬉しいです」と伝えると、ナタリは「菅田さん、ありがとうございました」と今作に主演に対して日本語で挨拶。続けて「本当に今回のキャストみなさん素晴らしくて、この『CUBE』という作品に関わってくださって心から感謝しております」と率直に伝えた。
菅田からナタリへ「日本へ来たことがありますか?」と質問すると、
ナタリ「何度も来ています。そして日本大好きです」
菅田「その時どこ行かれたんですか?」
ナタリ「東京周辺が多いですね」
菅田「じゃあいつか日本で映画撮ってくれますか?」
ナタリ「実は日本で撮影することは僕の1番の夢の1つなんです」
菅田「お待ちしてます!」
ナタリ「そんな風に言われたら今飛行機に乗りたくなるじゃないですか!日本の映画も文化も日本の全てが僕は大好きなんですね。もし引退するならば日本で余生を過ごしたいと思ってるくらいなんです」
菅田「良い所色々紹介します」
ナタリ「ありがとう(日本語で)」
とテンポのよい会話が繰り広げられた。
杏はナタリと交流を図ったことがあるといい、「私と子供たちがCUBEにいる絵を描いて送ってくれて。ヴィンチェンゾ監督は私が母として、女性としてこの映画に参加することにも意義を感じてくださるようなことを最初にクランクインの前にビデオメッセージをいただきました」とCUBEに閉じ込められる内の紅一点として参加した意義を認められたことを明かした。
斎藤もまたトロント国際映画祭でナタリ監督と面識が。「奥様が日本人の方なので、とってもその時に日本のカルチャー、映画に精通されていることをとても強く思ってて、まさかこういう形で再会するとは思ってませんでした」と驚きを伝えた。これに対してナタリは「実は日本の映画は大好きで、影響もとても受けています。ある程度の知識があるからこそ、この『CUBE』という作品と日本の相性は良いんじゃないかと最初から思っていました。むしろ『CUBE』のオリジナルが日本の映画に影響されて作られた作品でもあるんですよね。1本目のオリジナルではいくつかあるCUBEのそれぞれ性格が違うんですけど、1つは小津安二郎監督に因んでオズキューブと呼んでいたものがありました」と日本映画について言及。またオリジナル作品の制作秘話が飛び出すこととなった。
岡田は「日本の映画で1番影響を受けた作品はなんですかって聞きたかったんですけど、今小津さんの名前が出たので聞けて嬉しいです。改めて1番影響を受けた作品を教えていただけたら嬉しいです」と、控えめに質問。ナタリは「黒澤明監督は勿論なんですけど、アニメ映画の『パプリカ』(2006年)などを作ってらっしゃる今敏監督にも非常に影響を受けています」とジャパニメーションにも影響を受けている様子をのぞかせた。
「閉じ込められた」撮影現場から公開へ
キャスト陣と監督が語る映画への熱い想いと先への希望✨
イベントの最後には、登壇者全員からの熱いメッセージが。
菅田は「本当にお越しくださりありがとうございました。映画撮影時時は1年前、コロナど真ん中の時期で。撮影でしか人にも会わないし、そんな中撮影に行ったらキューブに閉じ込められてどんどん追い詰められてっていう、本当によく分からない日々だったんですけども、そこから1本作品が完成して今日こうやって公開出来ることが本当に嬉しいです。是非楽しんでください。よろしくお願いします」と公開への喜びを率直に伝えた。
杏は「映画とか色々みんなとやっと楽しめるような時期になってきたのかなということで今日この後楽しんでいただいて、その後も映画の感想を色々な方々とシェアしていただいたり、他にもたくさん楽しいことを、まだまだ気をつけないといけないこともたくさんあるんですけども少しずつ少しずつみんなで前に進んで行けたらなと思います」とコロナ禍でもエンタメが楽しみを運ぶことにふれながら、感謝を伝えた。
岡田は「満席の席を見られて僕自身嬉しく思っております。この『CUBE』は密室劇ですが、人間の感情がすごくうごめいています。とても観応えのある作品になっておりますので是非楽しんでいってください」と作品への自信をのぞかせながら挨拶。
田代は「僕はやっぱり改めてこんなに豪華なキャストの方々、監督、それからこんなに大きなステージに立たせていただいて、たくさんのお客さんにお越しいただいて本当に感激です。是非『CUBE』1人1人のストーリーに注目して観てみてください!」と大舞台に立った感激をかみしめながら観客へメッセージ。
斎藤は「菅田さんも仰ってましたけど、僕らみんなこうやって閉じ込められる体験を世界レベルでしていると思います。その閉じこもった中で何を思い、何を希望とするかというのが必然的にこの作品が生まれた理由になっているんじゃないかなと思います。みなさんが口元にスクリーンのようなものをつけていただいて、一緒に映画鑑賞という空間を作ってくださるというニュースタンダード。これからこの作品だけじゃなくて多くの映画をみなさん共に作ってこの空間を作って映画を盛り上げていっていただけたらと思います。本日はありがとうございました」とアフターコロナの世界に言及しながらも、希望を感じさせる言葉で締めくくった。
最後に清水監督が「本当に1年前に撮影したものがこうやってみなさんに公開できてとても嬉しい。本当に色んなことがあって、色んなこと考えながら、色んな想いを込めた作品なので、今日初日を迎えてそれをみなさんと共有出来るっていうのがすごく嬉しいです。今日来ていただきありがとうございます。よろしくお願いします」と厳しい状況の中で作品に込めた想いを伝え、盛況の内に舞台挨拶は終了した。
[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: 深海 ワタル]
フォトギャラリー📸
イベント情報
映画『CUBE 一度入ったら、最後』公開初日舞台挨拶
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映画『CUBE 一度入ったら、最後』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》⽬が覚めるとそこは謎の⽴⽅体=CUBEの中だった―。 突然閉じ込められた男⼥6⼈。エンジニア、団体職員、フリーター、中学⽣、整備⼠、会社役員。彼らには何の接点もつながりもない。理由もわからないまま、脱出を試みる彼らを、熱感知式レーザー、ワイヤースライサーや⽕炎噴射など、殺⼈的なトラップが次々と。仕掛けられた暗号を解明しなくては、そこから抜け出すことは絶対にできない。体⼒と精神⼒の限界、極度の緊張と不安、そして徐々に表れていく⼈間の本性…。恐怖と不信感の中、終わりが⾒えない道のりを、それでも「⽣きる」ためにひたすら進んでいく。果たして彼らは無事に脱出することはできるのか︖︕ |
製作︓ 「CUBE」製作委員会