映画『惡の華』完成披露舞台挨拶
女性キャストにタジタジの伊藤健太郎、
“変態”に目覚めた!?撮影の裏側をセキララトーク!!
鬱屈とした青春と、行き場のない衝動を描き思春期の暗黒面をえぐり出したコミックス『惡の華』。同作は、別冊少年マガジンに連載され、「このマンガがすごい!2011」にランクイン、「マンガ大賞 2012」にもノミネートされ、コミック連載中にテレビアニメ化、2016年には舞台化を果たした。
9月27日(金)の映画公開に先立ち、8月8日(金)に完成披露舞台挨拶を開催。主演の伊藤健太郎、玉城ティナ、飯豊まりえ、秋田汐梨という旬の若手キャストに加え、井口昇監督が登壇!撮影の裏側をセキララに語り合った。
伊藤健太郎「魂を込めた作品。公開が本当にうれしいです!」
満員の観客による大きな拍手に迎えられて主演の伊藤健太郎が登場。その後、個性的で華やかなドレスに身を包んだ女性キャストに続き、井口昇監督が現れると会場にはファンからの声援が飛び出した。
まずは、主人公の春日高男を演じた伊藤が「魂を込めて作った」という今作公開への喜びを伝えるとともに挨拶。玉城も「やっとだなという思い」と心情を率直に語った。さらに「今日は(観客の)鑑賞後なので何でも話していい安心感があります」と前置きし「いっぱい話せるように頑張ろう」と伊藤を巻き込んで意気込みを語った。
飯豊は登場前に、余りの静けさから「人(観客)が誰もいないのでは」と登壇者一同不安になったことを明かすも、500席弱ある同イベントのチケットが2分で完売なったことを報告し、温かい拍手に迎えられた。秋田は「このキャストと監督の横に自分が立っていることが信じられない」と緊張していることを素直に告白。最後は井口監督が8年越しで作り上げた作品公開への感激と感謝を告げ、和やかな雰囲気でイベントはスタートした。
玉城ティナは原作の1コマを待ち受けに
各キャストの役作りに掛ける思い
続いて、各キャストに演じた役柄にちなんだ質問が。伊藤はインパクトがすごいと観客も認める春日役で工夫したところを問われると「今までやったことのないタイプで本当に悩みました。14、5歳の少年の心になるのが大事だと思ったので、当時の自分とまずは向き合うためにお酒をやめたりして。それが思った以上に苦労しましたね」と話し、会場の笑いを誘った。さらに独特のテンションの保ち方について聞かれると「正直覚えてないです。その時その時で出し切っていたのだと思います」と一ヶ月に及ぶ激動の撮影期間を振り返った。
玉城は原作でキャラクターが確立され、ファンも多い仲村役を振り返り「超えていかなくちゃ」と大きなプレッシャーを感じていたことを吐露。また、役作りには原作漫画の表情を参考にし「原作(漫画)の表情やコマを写真に撮って待ち受けにしたり、シーンの前に見返していました」と明かすと、会場からは驚きの声が上がった。「私が仲村という役の一番近くにいられるようにと考えて挑みました」
飯豊も初映像化となる自身の役に対し、プレッシャーを感じたことを告白。だが、共演3度目となる井口監督への信頼とともに、監督の見せる「想像を上回る表情のお芝居」にヒントをもらったと話し、会場の笑いを誘った。また激しい場面の多かった伊藤や玉城に比べ、穏やかに撮影が進んだと振り返ると、玉城から「常盤さんにも闇を感じる」とのツッコミが。そこから、伊藤・玉城と海で撮影した一発撮りの激しいシーンの話で3人が盛り上がり、キャスト同士の仲の良さが垣間見える一幕となった。
オーディションで今回の役を射止め、15歳で撮影に参加した秋田は原作を読み「私が見ていいの?というような(衝撃的な)世界観。受かったときは不安しかなかった」と告白。演じた佐伯のことは全く理解できなかったといい、ナチュラルな演技をすることに集中したという秋田が「私の演技は大丈夫でしたか?」と遠慮がちに問いかけると、会場は大きな拍手に包まれた。
井口監督はそんな秋田を起用した決め手を問われると「(演技の)ふり幅がずば抜けていた。かわいい芝居はみんなできるけれど、ダークな芝居は秋田さんがピカイチ」と絶賛。伊藤も秋田から言われた「ガッカリした」というせりふに自身が本当にに傷つくくらいすごい演技だったと賛美した。
撮影期間は「少し“開花”」!?
伊藤健太郎のお気に入りシーンは?
各キャストが印象に残っているシーンを問われると、まずは玉城が「人生で人にブルマを履かせるシーンは2度とないと思う」と伊藤との“変態”シーンをピックアップ。さらに同シーンの撮影では本当に2人で呼吸とタイミングを合わせて(うまくはかせられるように)頑張ったと裏側を暴露した。
続いて伊藤がブルマつながりで「ブルマをかぐシーンがどうしたらいいのか分からなくて…」と話すと、すかさず玉城が「慣れてたじゃん」と返答。伊藤も「バカ言うんじゃないよ。マスコミがいるから、やめて」と反論するも、映画さながらの玉城のイジリにタジタジに。同シーンはクランクイン後のファーストカットだったが、井口監督から「ブルマの繊維、分子を全て吸い取って」と言われ困惑したという伊藤。しかし、撮影が終わったとき春日というキャラクターを理解でき、演技の上でも大事なシーンだったと語った。
さらにさまざまな”変態”シーンを演じた伊藤は「撮影期間中はちょっと”開花”しました。変態ってこういうことかな、と」と普段と違う感覚に陥ったことを暴露。その後慌てて「今は違いますよ。分かりませんよ」とフォローする一幕も見られた。
最後に伊藤と井口監督から映画を楽しみにしているファンへのメッセージが。
井口監督は「高校時代僕は居場所がないことが多かった。この映画は学校だけじゃなく会社や家で居場所を見つけられない人に観てほしいと思っています」と改めて作品に込めた思いをアピール。
伊藤は、「一見過激な作品のように見えるけれど、根っこは思春期を通った人なら共感できることや思いが詰まっています。この映画を観て救われる人もきっといるはず。昔を思い出すきっかけや、親御さんが見て子供を少し理解できるきっかけになったらうれしいです」と熱い思いを打ち明け、会場からは惜しみない拍手が贈られた。
映画『惡の華』は9月27日(金)TOHOシネマズ 日比谷他で全国公開。
[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: 深海 ワタル]
イベント情報
映画『惡の華』完成披露舞台挨拶■開催日: 2019年8月8日(木) |
映画『惡の華』予告篇
映画作品情報
《ストーリー》山々に囲まれ閉塞感に満ちた地方都市。中学2年の春日高男は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい毎日をなんとかやり過ごしていた。ある放課後、春日は教室で憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を見つける。衝動のままに春日は体操着を掴み、その場から逃げ出してしまう。その一部始終を目撃したクラスの問題児・仲村佐和は、そのことを秘密にする代わりに、春日にある“契約”を持ちかける。こうして仲村と春日の悪夢のような主従関係が始まった…。 仲村に支配された春日は、仲村からの変態的な要求に翻弄されるうちに、アイデンティティが崩壊し、絶望を知る。そして、「惡の華」への憧れと同じような魅力を仲村にも感じ始めた夏祭りの夜、2人は大事件を起こすことに…。 |
脚本: 岡田麿里
2019年9月27日(金) 全国公開!
公式Instagram: @akunohana_movie0927