映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』

【画像】映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』メインカット

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』

90年代の名曲が彩るコギャルたちの青春。
大人になったあなたは幸せですか?

《ストーリー》

夫と高校生の娘と暮らす、専業主婦・奈美(篠原涼子)。出張が多くて忙しい夫とは話がかみ合わず、娘の反抗期が悩みの種だ。自分が娘と同じくらいの年齢だった1990年代半ばは、いつも仲間と笑い転げて、一番楽しい時代だった。

けがで入院中の母を見舞いに行った病院で、ふと目に入った病室の名札。見覚えのある名前が気になり様子を窺うと、そこにいたのは高校の同級生・芹香(板谷由夏)だった。SUNNYと名付けたグループのリーダーだった芹香は、都会でできた初めての友達だ。淡路島から転校してきてクラスで浮いた存在だった奈美をかばい、仲間に入れてくれた。

昔話で盛り上がるなか、芹香がガンでもうあと一か月の命だ、と知らされる。SUNNYの仲間にもう一度会いたいと願う芹香。奈美は他のメンバー4人を探し始める。

【画像】映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』場面カット1

 

《みどころ》

現代パートと高校時代の回想パート、主役級の女優たちの豪華共演!!

物語は、大人になった奈美が芹香のためにSUNNYの仲間たちを探し再び集結する現代パートと、女子高生だった20年前の回想パートが交互に語られ、進行していく。

仲の良かったグループが、どうして今は音信不通になってしまったのか。人間関係の深まりとともに崩壊を招く事件に向かう回想パートと、仲間との再会で高校生当時の気持ちや関係性を取り戻していく現代パート。すべての伏線が回収されるエンディングは、安堵とカタルシスに包まれる。

現代パートは奈美役の篠原涼子をはじめ、板谷由夏、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美と、それぞれ主役級の女優が演じている。

【画像】映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』場面カット12

回想パートの女子高生時代の奈美役には広瀬すずを起用。リーダーの芹香役にはまなざしに意志の強さを感じさせる山本舞香、ギャル雑誌のモデルで誰からも一目置かれる存在である奈々役にはアンニュイな雰囲気をまとう池田エライザ。対照的な山本と池田の強い存在感は、大物ぞろいの出演者の中でも特に目を引く。舞台である1990年代半ばにはまだ生まれてもいなかった彼女たちだが、ルーズソックスにミニスカートを身にまとい、“コギャル”が注目を集めていた時代の雰囲気を、底抜けに明るくパワフルな演技で再現している。

【画像】映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』場面カット2

音楽が映す、時代の雰囲気

本作は2011年にヒットした、韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』(原題:써니)のリメイクだ。原作が1980年代の韓国が舞台であるのに対し、こちらは1990年半ばの日本を描いている。

当時、女子高生の間でゴムを抜いた靴下であるルーズソックスや、「超」を多用する話し方などが流行した。大人たちが眉を顰めるような独自の価値観、新しい感性を持つ彼女たちは「コギャル」と呼ばれ、文化の最先端として注目を集めていた。

劇中歌には当時のアーティストのヒット曲がちりばめられ、テーマソングには安室奈美恵の「SWEET 19 BLUES」が採用されている。当時の日本は、本作の音楽を担当する小室哲也プロデュースの“小室サウンド”が一斉を風靡し、中でも小室サウンドの代表格だった安室は女子高生の憧れの存在だった。安室のファッションに影響を受けたファンは通称“アムラー”と呼ばれ、コギャルたちはこぞってアムラーファッションに身を包んだ。

【画像】映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』場面カット15

タイトルになっている「強い気持ち・強い愛」は、“渋谷系”を代表するミュージシャン小沢健二の1995年のヒット曲。劇中でSUNNYの仲間たちがダンスする曲として登場し、現代と過去をつなぐ大切な曲として描かれる。

男性ボーカルで歌われる、男性を主人公とした歌詞のこの曲は、当時の少女たちの文化を象徴する曲としては少し場違いで、異質な存在だ。 2018年にコギャル映画を撮ると考えれば、いっそ振り切って今年引退する安室奈美恵の曲で統一してしまえばおさまりが良いのに、とか、せっかく主演なのだから小室ブームの火付け役ともいえる篠原涼子の「恋しさとせつなさと心強さと」でもよかったのに、などと思う人もいるかもしれない。ではなぜ、“渋谷系”の曲が使われているのだろうか。

【画像】映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』場面カット10

現在と過去の出会いが生み出す幸福な未来

渋谷という街は若者にとって、常にアートやファッションの情報集積地であった。こうした土地の特性を背景に、膨大な音楽的知識の中から自分が良いと思った要素をちりばめ、“ジャンルを横断した流行にとらわれない音楽”を目指した音楽が“渋谷系”であり、常識にとらわれず自分たちの価値観を貫いたコギャルたちの文化と呼応する。何より渋谷は、今も変わらず最先端の価値観を生み出し続けている。

【画像】映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』場面カット7

現代パートと過去のパートが交差するシーンで流れる「強い愛、強い気持ち」は、二つの時代をつなぐ音楽として、大きな役割を全うしているのだ。

翻ってかつて「最先端」を謳歌した奈美たちの今はどうだろう。

この映画で語られる1990年中頃の空気は、自分の価値観を尊重して自由に生きることを肯定する。

大人となり自分の意志を殺すことをおぼえた奈美たちは、かつての仲間たちとの再会で高校生当時の自由な感覚を思い出し、息苦しさから解放されようとする。

【画像】映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』場面カット3

この映画に登場するかつての日本を席巻したコギャルたちと出会いは、スマホやSNSで常に情報を共有し、均一化された情報にがんじがらめになった現代に生きるわたしたちにも、個性や逸脱を許容する自由を再発見させてくれることだろう。

[ライター: 金尾 真里]

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』予告篇

映画作品情報

【画像】映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』メインカット

出演: 篠原涼子、広瀬すず、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美、池田エライザ、山本舞香、野田美桜、田辺桃子、富田望生、三浦春馬、リリー・フランキー、板谷由夏
 
原作:「Sunny」CJ E&M CORPORATION
監督・脚本: 大根 仁
音楽: 小室哲哉
配給: 東宝
2018年 / 日本 / カラー
© 2018「SUNNY」製作委員会
 
2018年8月31日(金) 全国東宝系にてロードショー!
大ヒット上映中!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @sunny_movie0831
公式Instagram:@sunny_movie0831

この記事の著者

金尾 真里

金尾 真里ライター

神奈川県横浜市生まれ。
映画の舞台挨拶を観て、最前列で写真を撮ったり記事を書いている「あの仕事がしたい!」と思いライター講座に飛び込む。普段は都内でIT関係の仕事に従事。
好きな映画のジャンルは単館上映のニッチな青春ものとビジュアルだけでもゲラゲラ笑えるコメディ。
一番影響を受けた映画は『ベニスに死す』(原題: Death in Venice/1971年)。
2.5次元系と特撮関係はかれこれ10年以上追いかけていて、遠征にかこつけた旅行が趣味。

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