映画『太陽を掴め』主演・吉村界人インタビュー
【写真】映画『太陽を掴め』吉村界人 インタビュー

映画『太陽を掴め』主演・吉村界人インタビュー

とにかく熱く、真っ直ぐに。

元子役で人気急上昇中のミュージシャンとして活動するヤット(吉村界人)と、彼を撮るフォトグラファーのタクマ(浅香航大)、タクマの元恋人であるユミカ(岸井ゆきの)。この3人を中心に、音楽を題材として、それぞれに歯がゆさを感じながらも日々を生きる都会の若者たちを描いた青春映画『太陽を掴め』が12月24日(土)テアトル新宿、名古屋シネマスコーレほかで全国公開となった。

【画像】映画『太陽を掴め』メインカット

熱く、真っ直ぐな主人公ヤットを演じた吉村界人さんにCinema Art Onlineのティーンズメンバーがインタビュー!『太陽を掴め』への出演経緯やヤットを通じて感じたことなど話を聞いた。

―― 映画『太陽を掴め』への出演はどういったきっかけで実現したのですか?

あるとき、ふと出かけた映画館で、友達を介して知っていた中村祐太郎監督とばったり会って、お茶をしながら、歌の作品をやりたいねって話になってそこからですかね。お互い尾崎豊が好きとかビートルズが好きとか趣味が合ったのがきっかけでした。

【写真】映画『太陽を掴め』インタビュー 吉村界人

―― 主演が決まった時どんな気持ちでしたか?

今の思いや考えをぶつけたいなと思いました。熱い感じで、やりたいことをやろうと。

―― どんなイメージで役に入っていきましたか?

役のイメージはあんまりなかったんですけど、この時ヤットはどう思うのかとか、兄貴と上手くいってないとか歌手だしな…とかいろいろな要素を考えました。繊細だからそこは大事にしたいなと思いました。

【画像】映画『太陽を掴め』場面カット (吉村界人)

―― ヤットを演じる中で自分に似ていると感じたところや全然似ていないなと感じたところはありましたか?

友達なのか友達でないのかとか、歌もどうなのかとか、恋愛のこととかも全ての物事が器用に進まなくて、でも思いが爆発してしまうところとか、近い部分があるなって思いました。似てないところは全部表に出して泣いたり、笑ったりとかは現実生きててあんな風にはできないなと思いました。

【画像】映画『太陽を掴め』場面カット (吉村界人&岸井ゆきの)

―― ヤットの中で尊敬できるところはありますか?

歌を作って、表に出して歌ってっていう消化しきれない部分とかを全部歌にして表現する、っていうところでまとめるとかっこいいですよね、真っ直ぐで。人間って強欲な感じがあるじゃないですか。でも、強欲の中でも純粋で真っ直ぐなところがすごく好きだな思いました。

【画像】映画『太陽を掴め』場面カット (吉村界人)

―― ヤットが自分と向き合おうと葛藤してるシーンがありましたが、吉村さんは普段葛藤することなどありますか?

ものすごくあります。きついなとか。それが9割で、歯がゆいですね。例えば人といて馴染めないとか本当は入りたいけど入れないとか、それでそれを他にぶつけるとか、自分の好きな人に好かれないとか、世の中の不条理な事とかでも今の自分にはどうにもできないからどうしようかとか鬱屈はあります。

―― その葛藤とはどのように向き合っていますか?

映画とかアートとか、それだと思います。人と話してもなんか違うんですよ。やっぱり一人で生きていくしかないじゃないですか。そうなった時、冷静になって考えてみて、誰かと話すと結構気持ちが楽になったりもしますが、でもそれって瞬間的なことで永久にはならないじゃないですか。だから、人に言われても気づかないところと似ていることで、自分で思わないと無理だなって思って。だから、本とか映画とか観て芸術に触れて、それで感じた事に僕は結構救われました。

【画像】映画『太陽を掴め』場面カット (吉村界人)

―― 映画の中に出てくる「負けてもないけど勝ってもいない」というところが印象的でした。吉村さんが好きなセリフはありますか?

僕もそこのセリフがすごく好きです。勝つってよく分からないんですよ。でも、分からないってことは分かりたいってことなんでしょうね。なんか目に見えて確かなものが欲しいみたいな、それを簡単に言うと勝つ負けるみたいな、なんか分からないことばかりだから、そういう意味で勝つってことなんですけど僕が思うに。幸せになりたいとか、自分っていうのが欲しいとか、それが勝つってことかなって思います。

―― 『太陽を掴め』を通じて10代に感じてほしいことはありますか?

今回、本当に今できるやりたいことをやれた作品です。やりたいことをやるって意外と難しいじゃないですか。色んな大人の声とかも入ってきますし。でも、それを分かったよって言って、それを踏まえてやりたいことをやるってことの楽しさに励まされたり、前を向いてもらえたりしたら嬉しいです。

【画像】映画『太陽を掴め』場面カット (吉村界人&岸井ゆきの)

―― 『太陽を掴め』が第29回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門に正式出品されましたが、率直にいかがでしたでしょうか?

単純に嬉しかったです。お互い色んな仕事やってると「仕事合ってるかな?」とか「間違ってるかな?」とかいろいろ思うけど、それをわかりやすく「合ってるよ」とか声が分かるのが東京国際映画祭に出るとか賞とか肩書きだと思ってるので、間違ってなかったって僅かですけど今回それを感じた瞬間があったので嬉しかったです。

―― これからどんなことに挑戦していきたいですか?

映画をずっとやっていきたいですし、自分の居場所というか、なんか言葉のいらない場所みたいなのが見つかったら嬉しいですね。

―― 最後に、『太陽を掴め』の公開を楽しみにしている読者の皆様へメッセージをお願いします。

この作品を観て、「金髪の人誰だよ!」とか、「よく分かんないよなこれ」とか、いろいろ思う節はあると思いますけど、作って観ている人に押し付けないから、作品に対し何かを感じてくれたらこれからもやろうって思えるし、このインタビューもそうだけど今だから作れるっていう今しか出来ないものをやったというものも確かだから、(自分と)同じような世代の人とか若い世代の人が、映画館に入った時と出た時の顔(感情)が少しでも変わってくれれば嬉しいです。

【写真】映画『太陽を掴め』吉村界人

    
[インタビュー: 瑞慶山 日向 / スチール撮影: 堀越 健介]
[スタイリスト: 安本 侑史 / ヘアメイク: 寺沢 ルミ]

プロフィール

吉村 界人 (Kaito Yoshimura)

1993年2月2日生まれ、東京都出身。
映画『ポルトレ –PORTRAIT-』(内田俊太郎監督/2014年)で映画主演デビュー。以降、多数の映画、ドラマ、CMに出演。主な出演作品に映画『百円の恋』(武正晴監督/2015年)、『いいにおいのする映画』(酒井麻衣監督/2015年)、『ディストラクション・ベイビーズ』(真利子哲也監督/2016年)、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(宮藤官九郎監督/2016年)など。今後『牝猫たち』(白石和彌監督/2017年1月14日公開)、『獣道』(内田英治監督/2017年公開予定)など、多数の話題作の公開を控える注目の若手俳優。

【写真】映画『太陽を掴め』吉村界人 インタビュー

<衣装>

紫のブルゾン ¥56,160 / LITTLEBIG
白ハイネック ¥7,020
黒のレザーパンツ ¥10,260
ベルト ¥7,020 / 共にCONTENASTORE
ピアス、ソックス、靴 / スタイリスト 私物

[問い合わせ先]
LITTLEBIG
TEL: 03-6407-0270
Web: http://littlebig-tokyo.com
CONTENA STORE
大阪府大阪市中央区西心斎橋1-9-21

映画『太陽を掴め』予告篇

映画『太陽を掴め』作品情報

【画像】映画『太陽を掴め』ポスタービジュアル

《ストーリー》

渋谷のライブハウス。場内は熱気に溢れ、楽屋ではヤット(吉村界人)がステージに向かう準備をしている。ユミカ(岸井ゆきの)とタクマ(浅香航大)はその上の階、ひと気のないフロアで親密そうに話をしている。バンドの音色が漏れ聞こえてくる。もうすぐライブが始まろうとしている。ヤットがステージに立つ。叫ぶような歌声が鳴り響く。元子役で現在はミュージシャンとして活動しているヤット、フォトグラファーのタクマ、タクマの元恋人であるユミカは幼馴染み。タクマが撮る写真は評判よくヤットの人気に繋がっている。一方で、ヤットはユミカに好意を持ち、タクマに対して複雑な感情を抱いているのだった。ユミカもまたヤットのことを気に掛けつつも、タクマとあやふやな関係を続けていた。

タクマがサラ(三浦萌)と家に戻ると、プル(森優作)が上がりこんでいた。タクマは、ハッパのブローカーという裏の仕事に手を出しており、ハッパに依存しているサラとプルはしばしばタクマの部屋で狂乱の夜を過ごしていた。ある日、そこにユミカも訪れて…。

 
第29回 東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門 公式出品作品
 
出演: 吉村界人、浅香航大、岸井ゆきの、三浦萌、森優作、内田淳子、松浦祐也、古舘寛治、柳楽優弥(友情出演)
 
監督・脚本: 中村祐太郎
プロデューサー: 髭野純
脚本: 木村 暉
撮影: 鈴木一博
照明: 陸浦康公
録音: 山本タカアキ
整音: 小川武
美術: 成尾美奈
編集: 谷口恒平
ヘアメイク: 寺沢ルミ
衣裳: 松田稜平
楽曲プロデュース: 若月ルーク
音楽: 池永正二
制作・配給: UNDERDOG FILMS
 
2016年 / 日本 / 日本語 / 89 分 / カラー / シネマスコープ
 
© 2016 UNDERDOG FILMS
 

2016年12月24日(土)より、
テアトル新宿他、全国順次公開!

映画公式サイト
 
公式Twitter: @taiyouwotsukame
公式Facebook: @taiyouwotsukame
 

この記事の著者

瑞慶山 日向シネマレポーター/ライター

1997年10月5日生まれの10代ライター
映画に出ている俳優やタレント、幅広い分野で活躍する人を10代ならではの質問で取材し、主にティーンに向けた情報を発信している。

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