メットライフ財団とセサミワークショップ 金融教育プログラムの提供を開始!
Sesame Workshop

夢をえがき、計画をたて、行動する 
みんなで考えるファイナンシャル・エンパワーメント 

セサミワークショップ(「セサミストリート」制作・提供等で知られる米国NPO法人)およびメットライフ財団(会長兼最高経営責任者 デニス・ホワイト)は、日本において、マルチメディアを活用した金融教育プログラム「夢をえがき、計画をたて、行動する:みんなで考えるファイナンシャル・エンパワーメント」を開始する。このプログラムは、日本各地の小学校などで提供され、子どもと大人が一緒になって金融スキルやお金との付き合い方を学ぶことを目的としており、セサミストリートのキャラクターを使った教材を通じて、お金をどう使い、蓄えていくかだけでなく、寄付などを通じて他者と分かち合うことの大切さを楽しく学習できる内容になっている。

9月14日(水)、東京都港区のYouTube Space Tokyoにて、プログラムの提供開始にあたっての発表記念シンポジウムが開催され、石戸奈々子をモデレーターに、鈴木寛、永瀬昭幸、松本大をパネリストに招き、パネルディスカッションも実施した。パネリストそれぞれの立場から、日本の子どもたちに必要なスキルについて示唆に富む意見も披露され、中でも、「ファイナンシャル・エンパワーメント」に通じる「夢をえがき、計画をたて、行動する」ことの重要性について、大きな賛同が得られた。
また、当日は教育委員会関係者、小学校の先生方も出席され、セサミワークショップ日本オリジナル教材のデモンストレーション等に強い興味が寄せられた。

開催概要

■日時: 2016年9月14日(水) 13:00~15:00
■場所: YouTube Space Tokyo(東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー29F)

■内容:
(1)開会の言葉
(2)フォトセッション(クッキーモンスターを交えて)
(3)基調講演
    メットライフ生命 代表執行役 会長 社長 サシン・N・シャー
    セサミワークショップCEO ジェフリー・D・ダン
(4)教材デモンストレーション
(5)パネルディスカッション
    テーマ: 「日本の子どもたちが夢を描き、叶えるために必要なものは何か」
    パネリスト: 東京大学・慶応義塾大学 教授 鈴木寛氏
    株式会社ナガセ 代表取締役社長 永瀬昭幸氏
    マネックス証券株式会社 代表取締役会長CEO 松本大氏
    モデレーター: NPO法人CANVAS 理事長 石戸奈々子氏
(6)閉会の言葉

基調講演《登壇者コメント》

メットライフ生命 代表執行役 会長 社長  サシン・N・シャー

「セサミワークショップと世界規模で協働できることを誇りに思っています。こういった活動を通じて、私たちは私たちが掲げるファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)という目標を世界中に広めていきます。メットライフ生命とメットライフ財団は、あらゆる世代の人々が経済的に自立し、安定した生活を送れるために必要な金融知識を身につけられるように尽力しています。セサミワークショップとのパートナーシップは、ファイナンシャル・インクルージョンを世界中に広める最適な手段であり、より多くの人々が明るく安定した将来への準備ができる手助けとなると考えています。」


セサミワークショップCEO  ジェフリー・D・ダン

「教育全般においてそうであるように、『幼少期から始める』ことが本プログラムの成功の鍵となります。幼いうちにしっかりとした基礎を築き上げることで、よい生活習慣が身につき、その習慣を、生涯を通じて役立てていくことができます。メットライフ財団と取り組む『夢をえがき、計画をたて、行動する:みんなで考えるファイナンシャル・エンパワーメント』では、エルモやクッキーモンスターといった親しみやすいキャラクターの力で、子どもたちは楽しみながら学ぶことができます。本プログラムには、子どもと大人の間での重要な対話を促進しながら、ファイナンシャル・エンパワーメントにつながる活動を日々の生活に取り入れるためのさまざまな『しかけ』があります。」

過去数年にわたり、メットライフ財団とセサミワークショップは、国内外のアドバイザーを集め、本プログラムを開発してきました。そして、ファイナンシャル・エンパワーメントに組み込むべき共通のマインドセットとして、以下3つを定義しました。

・「できる!」 夢をえがく意欲と、その夢を実現する自信を培いながら、自己肯定感を育む。
・「どうやったらできる?」 目標を設定し、計画をたて、行動するために必要な自制心と実行力(思考・感情・行動を能動的にコントロールする力)を育む。
・「必要なものは?」 ファイナンシャル・エンパワーメントを通じて、目標を達成するために必要な知識と知恵を育む。

本プログラムは、アドバイザリーチームによる調査と提言をもとに、コミュニティへのリーチやユーザーの理解度、その他教育的・社会的インパクトの評価を行い、コミュニケーション戦略を策定しています。世界中で愛されているセサミストリートのキャラクターを使用したマルチメディアコンテンツ(ゲーム、アクティビティシート等)は、インターネットをはじめとするデジタル媒体、コミュニティ・アウトリーチ、イベント、セミナー等を通じて提供されます。

2013年の11月、メットライフ財団は、全世界の子どもと大人のためのファイナンシャル・エンパワーメントプログラムの開発・実施に向け、セサミワークショップに5年間で2,000万ドルを拠出することを発表しました。「“Dream, Save, Do”(夢をえがき、計画をたて、行動する)」プログラムは、2015年より中国、インド、ブラジル、メキシコの4カ国で開始しています。2016年以降は日本を含むその他の国でも展開される予定です。

パネルディスカッション《鈴木寛、永瀬昭幸、松本大》

★テーマ: 日本の子どもたちが夢を描き叶えるために必要なことは何か?

<東京大学・慶応義塾大学 教授  鈴木 寛>

指揮者、オペラ歌手、物理学者、脳科学者になりたいなど、夢があり過ぎる子どもでした。
子どもの頃は、アポロを成功させたJ・F・ケネディに憧れましたし、小学校の時は、ニュートン、ガリレオ、ケネディの伝記を読みまくりました。
時代だとも言えますが、アポロの中継を父親と徹夜で見ていました。小学校の時には、冬季オリンピックがあり、日本のスキージャンプ陣が、金・銀・銅を独占しました。そうしたナショナルイベントやグローバルイベントなど、歴史的な瞬間をテレビを通じて見ていました。

中学や高校生になると「諦め」がでてきます。
僕は、「11次元」のイメージができなかったので、ノーベル物理学賞はとれないなあと、物理学者を諦めました。

今の仕事である、文部科学省は、音楽・文化・スポーツ・科学技術など様々な分野を応援する部署があり、日々、アーティストや科学者の方々と仕事していますので、才能のある人たちを応援することを通じて、自分の夢とつながった仕事につけているのだと思っております。

夢を探すこと、なりたいもの探しは、あまりやりすぎないほうがいいと思います。これから人工知能が発達してくると、世の中の職業が変わっていくことは確実です。
“今ある職業”につきたい人を育てる教育ではなく、今はまだない仕事を「作っていく」人を育てる教育を考えていかなくてはいけないと思います。ある統計によると、日本の高校生に「自分は価値ある人間であるか?」とリサーチすると、40%しかそう思えていません。アメリカの場合は80%、中国・韓国は85%を「自分は価値ある人間だ」と答えます。これは、よくない結果だと思っています。

日本の入学試験は、選択肢を5つくらい設けて、小さな間違いを発見して、消去法で決めていきます。それを続けていくと、正解をさがす訓練をしてしまいます。少しでもズレていると減点となる。日本はどんどん「減点主義の文化」になっています。白い原稿用紙やまっさらなキャンバスに表現していく思考に変えていきたいので、大学入試センター試験は、2020年に取りやめる予定です。

個人的には、今はテレビをつけると、大人が謝罪ばかりしていて、若い人たちが夢を描けなくなっているように思います。謝ってばかりではない、むしろ活き活きと充実した自分の生活について語る、先輩の成功体験を聞く機会を与えて「斜めの関係」に出会わせることで、若者の意識も変革されます。YouTubeで、ポジティブメディアをつくりたいと思っているくらいです。

20年後の世界なんて僕らもわかりません。「今と違う」ということだけが確実です。自分たちが育った30年前の常識を子どもにおしつけるような親ではいけません。親が子どもをつぶしているのです。これは、子どもが計画をたてる自由を奪ってしまっているに等しいのです。不確実性が加速する時代を生き抜く力を身につけてほしいと思います。つまり、自立は、自分で自分の人生をデザインしてプロデュースすることだからです。そして、夢を達成するためには、今までは、大きな組織に入って、大きな組織のリソースを使うことが成功体験のひとつでしたが、今は、組織以外、組織の外からいろいろな応援をもらうことができる環境になってきています。組織内外含め、仲間になればいいと思うのです。ファイナンシャル・エンパワーメントを通じて、こうした力を学んでほしいと思います。

<株式会社ナガセ 代表取締役社長  永瀬 昭幸>

僕は田舎生まれで、小学校の頃から、図書館で色んな本を読むことが好きでした。文字は、自分自身を考えるきっかけになります。
自分は、ナポレオン、野口英世など偉人の「伝記」をたくさん読みました。そして、人の心に残るような人間になりたいなあと思っていました。「夢をえがき、計画をたて、行動する」は、その通りだと思います。いま、ナガセは、四谷大塚、イトマンスイミングスクール、東進ハイスクールなどを通じて30万人の生徒に教育の場を提供していて、常に「夢をえがき、計画をたて、行動する」ことに関して呼びかけています。僕たちは、多くの人たちに夢をもってもらって頑張ってもらうという、子どもたちの夢を叶えるお仕事をしているわけで、とても幸せなことだと思っています。

たくさんの夢がある中で、それらを実現するためにはどうすればいいかを考え始めることが大事だと思います。考え始めるということは、アクションの第一歩と言えるからです。僕は、マンションの一室からスタートし、今は全国にビジネスを展開しています。今では当然のように日本全国にビジネスを展開すると思っていますが、マンションではじめた最初の頃から、全国展開をするつもりで計画をたてていました。

精神的自立、社会的自立、そして経済的自立。3つがそろってはじめて人間としての「自立」が成立すると思います。自分のことは自分で稼ぐのは当たり前のことなので、改めて、「夢をえがき、計画をたて、行動する」はその通りだと思います。

メディアの影響や人口・経済のシュリンクで、子どもが未来に夢をもてず、希望ももてなくなってきています。自分の努力で、自分の人生は切り開けるのだし、心の受け止め方の問題で、日本はポテンシャルをもっていると思っています。
ピンチは大チャンスなのですから。例えば、今回のオリンピックのリレー、感激でした。特にチームワーク。日本が世界に誇っていい「チームワーク」に関しても大切にしてほしいと思います。今の職業の60%くらいは、将来なくなります。車も、自動運転になってしまうくらいです。新しい価値観を生み出さなくてはならないのです。日本は、「短所矯正型」の指導が多いので、自分自身に自信を持ちにくい。アメリカのような「長所伸張型」を取り入れ、褒めて褒めて褒めまくれば、自信をもった子どもたちが生まれ、世界に向かって自信をもって羽ばたいていけるでしょう。

<マネックス証券株式会社 代表取締役会長CEO  松本 大>

何かを知りたい、どこかに行きたいなど、好奇心は子どもの時から強くありましたが、何かになりたいなどの夢をもったことはあまりないんです。好奇心は旺盛でしたので、海外に行きたい、世界のことを知りたい、世界の人と交流したいという気持ちは強く、英語もできないのに、アメリカの会社に就職したり、今の会社でも海外に出ていったりしています。

父親が本の虫だったので、大人の本だけでなく、当時は珍しくなかったルビがふられた本などもあり、家に転がっていた本を読んでいたのが、好奇心をもつファンデーション(基礎)になっているのだと思います。それから、一人一人の個人が批判精神をもっていないといけない、と父親から教えられました。夢を探すより、自分を出し切ることに興味があります。自分は他人になれないのだから、何になれるかではなく、自分をどれだけパフォーマンスをあげられるかに興味をもってきましたし、今でもそうであると思います。

「今の若い者は・・・」とは、思わないです。もしも世代が若くなるごとにレベルが低下していたのなら、すでに人類が滅んでしまっているだろうから、彼らの方が優秀だと思っています。みんな個性があるので、押し付けても仕方がないと思うので、個性を開く機会がいっぱいあること、チャンスはいくらでもあり色んな選択肢があることをわかるようにしてあげることが大切なのだと思います。あとは本人の問題です。

今、年4回、土曜の午後に母校に行き、中学1年〜高2くらいまでと、36歳〜60歳くらいまでの80人くらいが集まって、1時間半くらいテーマなしで、様々な質問・相談に応じるというウルトラお節介な会を行っています。こういう会を設けていると、よりわかることは、みんな夢を持っているということ。子どもたちが夢をもっているのに、親が夢を潰している現実があります。

昔の価値観と今の子どもたちの価値観は違う。親に頼るから、夢も親のものになってしまいます。インディペンデントになれば自分のものになります。つまり、エンパワーメントとは、「自立する」ということなんですよね。親からの独立も含めて、経済的自立が大切です。そして、お金はどういうところに使うのかの使い方のイメージトレーニングをすることも重要なので、使い方に関して、みんなで意見を言い合う機会がもっと増えていいと思います。

「好きこそものの上手なれ」
好きなことをやるのが一いちばんだし、子どもは好きなことをすればいいし、周りも子どもに好きなことをさせればいいと思います。

 

メットライフ財団(MetLife Foundation)について

米国ニューヨークに拠点を置くメットライフ財団は、1976年の創業以来、メットライフがビジネスを展開している世界各国で企業市民として地域社会に貢献する、という理念の実現を目指して活動を行っている。設立から2015年までにメットライフ財団は合計7億ドルを超える寄付金を拠出しており、また地域社会に良いインパクトをもたらすであろう課題に取り組む組織に対し7,000万ドル相当のプログラム関連投資を行っている。金融知識・スキルを提供することで、あらゆる立場の人々が生涯にわたり経済的に安定した生活を送れる「ファイナンシャル・インクルージョン」をテーマに、5年間で2億ドルの資金拠出し、世界中の人々や地域社会が確かな未来を実現するために支援している。

セサミワークショップについて

セサミワークショップは、1969年から子どもたちに楽しまれている子ども向け番組「セサミストリート」を提供しているNPO法人です。世界中の子どもたちが賢く、たくましく、そして優しく育つよう支援することをミッションとしている。世界150カ国以上において子どもたちに様々なメディア、教育、慈善活動を提供しています。それらのプログラムは、提供される国やコミュニティでリサーチを行い、現地のニーズに合わせて制作されている。詳細は、www.sesameworkshop.orgを参照。

メットライフ生命について

メットライフ生命は、日本初の外資系生命保険会社として1973年に営業を開始し、多様な販売チャネルを通して、個人・法人のお客さまに革新的かつ幅広いリスクに対応できる商品を提供してきた。現在は日本法人「メットライフ生命保険株式会社」として、お客さまに常に寄り添い、お客さま自らが自信を持って最適な保障を選ぶお手伝いをし続けることに努めている。
詳細は、www.metlife.co.jp/を参照。

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