【舞台挨拶】映画「さようなら」 – 第28回東京国際映画祭

第28回 東京国際映画祭 さようなら 舞台挨拶
©2015 TIFF
左から 石黒浩教授、ジェミノイドFさん(女優)、ブライアリー・ロングさん(女優)、村上虹郎さん(俳優)、深田晃司監督

映画「さようなら」(Sayonara)
第28回 東京国際映画祭 コンペティション部門 舞台挨拶!

深田晃司監督は興奮氣味に語った。
「ワールドプレミアはぜひ日本で行いたいと思っていました。」

第28回東京国際映画祭のコンペティション部門で深田晃司監督の映画『さようなら』が上映されました。
2015年10月24日の上映後の舞台挨拶に、深田晃司監督、ブライアリー・ロング(主演ターニャ役)、ジェミノイドF(アンドロイド・レオナ役)、村上虹郎(山下役)、石黒浩教授(アンドロイドアドバイザー)が登壇し、Q&Aが行われました。

≪舞台挨拶・Q&Aレポート≫

本作は、平田オリザ(劇作家)と石黒浩教授(アンドロイド開発研究者)のコラボによるアンドロイド演劇『さようなら』(2010年)を映画化したものです。日本の本土はどこも汚染されてしまい、国民は次々に国外へ避難していくなか、外国人難民であるターニャは避難の優先順位が低いためなかなか順番がまわってこない。結婚の約束をした恋人もターニャを残して避難してしまい、誰もいなくなった汚染地域にレオナとふたり取り残されたままターニャはどんどん衰弱していく。死にゆくターニャを見守るアンドロイドのレオナ。レオナが読みあげる美しい詩が静かに眠るターニャの耳もとに届く…。死に向かって生きるしかないという本作は、深田監督が濃密な演劇『さようなら』の“メメント・モリ(死を想え)”に興奮し、この戯曲をモチーフに映画言語で自分なりの“メメント・モリ”の芸術を表現したいと思い臨んだ入魂作です。

上映後の舞台挨拶には、深田晃司監督、村上虹郎、石黒浩教授が順に入場し、ブライアリー・ロングがアンドロイドのジェミノイドFの車いすを慎重に押しながらにこやかに登場しました。深田晃司監督は、放射能に侵された近未来の日本を舞台にした映画ということもあり、ワールドプレミアはぜひ日本で行いたいと思っていたと熱く語りました。ブライアリー・ロングは、2010年の東京国際映画祭で受賞(『歓待』)して以来、東京国際映画祭に育ててもらっているという感謝の思いと、華のある大先輩ジェミノイドFとの共演を光栄に思っていることを流暢な日本語で話しました。ジェミノイドFさんは、大役を演じきった経験と充実感が自分のなかにちゃんとインプットされたことをスラスラと語りました。

村上虹郎さんは、静かで深い映画の中に唯一の希望の存在として、とても楽しく出演できたとを満足そうに満面の笑みで語りました。石黒浩教授は、アンドロイドの研究開発をするうえで、ジェミノイドFを演劇や映画に出演させてもらったことは大変助けになったこと、また、演劇界においても新しい可能性が開けたのではないかということを、もっと話したいという様子で語りました。

舞台挨拶終了後の退場時には、ジェミノイドFさんに触れようと近づく方々も見受けられ、そばで見た人たちはその美しさと精巧さに驚きの声をあげていました。

第28回 東京国際映画祭 さようなら 舞台挨拶
© 2015 TIFF |  ジェミノイドFさんとふれあう登壇者の皆さん 「手の感触はちょっとやばいです(笑)」

舞台挨拶イベント情報

第28回 東京国際映画祭 コンペティション部門「さようなら」舞台挨拶
日  時:  2015年10月24日 (土) 
場  所:  TOHOシネマズ 六本木 スクリーン7
登壇者: 深田晃司(監督)、村上虹郎(俳優)、ブライアリー・ロング(女優)、ジェミノイドF(女優)、石黒浩教授(アンドロイドアドバイザー)

★第28回 東京国際映画祭 オフィシャルレポート (TIFF)
10/24(土):舞台挨拶「ジェミノイドFさんの手の感触はちょっとやばいです」
10/27(火):Q&A「たった15分だった作品を、連想ゲームのように膨らませていきました」


≪主演 ブライアリー・ロングさん 単独インタビュー≫

偶然実現したCinema Art Online専属ライターによる単独プチインタビューも合わせてお届けします!
このインタビューは、第28回東京国際映画祭の開催期間中に開設されていた“TOKYO CINEMA LOUNGE”で、主演女優のブライリー・ロングさんと当記者がバッタリお会いし、その場で突撃インタビューをさせていただいたものです。
短いインタビューですので要約せずにお届けします。

Q:撮影には、どれくらいの時間をかけられたのでしょうか?
撮影自体は、10日間でしたが、撮影の事前準備には半年以上かかりましたし、撮影後の編集などにも通常以上に時間がかかりました。

Q:ロングさんが演じられた主人公のターニャは、アンドロイドと共演するという点でも難しい役だと感じましたが、役作りはどのようにされたのですか?
私は、ターニャの役を演劇(平田オリザさんのアンドロイド演劇『さようなら』)ですでに演じて下積みができていましたので、今回の映画ではリハーサルを少しするくらいで大丈夫でした。

役作りができていたとはいえ、あれだけの作品を10日間で撮影するのは、相当タイトなスケジュールだったのではないでしょうか?
はい。連日、早朝から夜中までの撮影でしたので睡眠時間は3時間程度しかなく、かなりハードでした。スタッフからは「もしかして、ほんとうにブライアリーさんは死んでしまうのではないか…。」という心配の声もきかれました。

Q:最後に、この映画へのおもいをお聞かせください。
深田監督は本当にこの映画が大好きで、撮影後もかなりの時間をかけて映像を仕上げていました。この作品の質を最高のものにして、なんとしてでも多くの方々に届けたいという強いパッションを肌で感じました。この作品は、監督、キャスト、スタッフ、プロデューサーがひとつになって、心を込めて作った作品です。より多くの方々に観ていただきたいと思っています。

― ありがとうございました。

ブライアリー・ロングさんは、過酷な撮影であったにもかかわらず「スタッフの皆さんの方が、よほど大変でした。」というコメントをされるほど、優しく氣さくなお人柄で、ファンにならずにはいられない素敵な女優さんでした。

快くインタビューに応じてくださりましたブライリー・ロングさんに深く感謝申し上げます。

[記者: Takako Kambara]


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この記事の著者

Takako Kambara

Takako KambaraCinema Art Online 専属ライター

★好きな映画
『素晴らしき哉、人生!』 (It's a Wonderful Life) [監督: Frank Russell Capra 製作: 1946年/米]
『太陽と月に背いて』 (Total Eclipse) [監督: Agnieszka Holland 製作: 1995年/英]
『きみに読む物語』 (The Notebook) [監督: Nick Cassavetes 製作: 2004年/米]

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