映画「アトラクション 制圧」公開イベント 松江哲明監督トークショーレポート

映画『アトラクション 制圧』公開イベント 松江哲明監督トークショー

映画『アトラクション 制圧』
カリコレ2017 松江哲明監督トークショーレポート

世界屈指の制作会社やクリエーターたちがロシアに集結したSF超大作!

8月8日(火)新宿シネマカリテにて、ロシアSF超大作『アトラクション 制圧』の公開初日を記念して、話題作『フラッシュバックメモリーズ 3D』(2012年)、『映画 山田孝之 3D』(2017年)の松江哲明監督によるトークショーが開催された。

トークイベントレポート

平日の昼間というのに、満員御礼の初日上映直後に「何かあるな!」という直感で試写を観に行ったという松江監督の『アトラクション 制圧』談で大いに盛りあがった。

『アトラクション 制圧』は、新宿シネマカリテの映画祭「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017」のラインナップにも選ばれたロシアのゴールデン・イーグル長編映画賞やニカ作品賞などの映画賞を受賞した『アフガン』(2005年)のフョードル・ボンダルチューク監督の最新作である。

映画『アトラクション 制圧』(原題: Притяжение / 英題: Attraction)

松江監督は、フョードル・ボンダルチューク監督の『オーガストウォーズ』(2012年)がすごく好きで、『スターリングラード 史上最大の市街戦』(2014年)の世界観にもひかれて、「多分何かがあるんだろうな!」と数ある試写状の中から引っかかりを感じて試写に行ったという。

「すごく変わった映画。年間ベスト1の映画では決してないし、突っ込みどころもあるが駄目でもなく、観るタイミングによってはすごくグッとくる、良い意味でちょうど良い、嫌いになれない映画」だと感想を語った。

映画『アトラクション 制圧』公開イベント 松江哲明監督トークショー

「120分あったけど、多分ベスト90分ぐらいだと思うんですけど、あえて30分伸びている」とお国柄長くなっても切らない点や「ワンシーン、ワンシーンもすごく長いし」「演出が二重三重になっていて、それ切れば良いなと思うんだけど」「ポイントポイントですごく盛り上がるところに、過剰な演出するじゃないですか、マイケル・ベイっぽい」などと松江監督ならではの突っ込みが炸裂して、余韻がさめやらない観客も笑いながら頷いていた。

『人間の運命』(1959年)でレーニン賞を受賞し、死後は功労者のみが入るモスクワのノヴォデヴィチ墓地に葬られた父をもち、母も姉も映画女優という映画一家に生まれたフョードル・ボンダルチューク監督がエネルギッシュで本当に映画好きで、変わったクレーンの使い方をしたり、観たことのない新しいアングルを見つけたり、いかにして新しい映画を作るのか、面白いことを探している点にとても興味があるという。

映画『アトラクション 制圧』(原題: Притяжение / 英題: Attraction)

さらに、松江監督がこの映画を観ようと思ったのは、ロシアでヒットしたことであった。
「ご当地映画は、何かあるんですよ!」「ご当地大ヒット映画って、いびつなんですよ!」と自国で受け入れられることが、他国ではいびつにうつるというご当地ヒット論も語った。これまでの映画では、壊されることのなかったロシアをモスクワ市長も映画のクレジットに参加して爆破して、軍も全面協力してしまう。しかも、できるだけCGを使わないで、本当に爆破ができるのも広いロシアならではである。自分たちで何とかする傾向も「最近のアメリカのハリウッドでは、必ず中国が協力する」「世界中が協力するのは、世界中に公開している映画」だと、ロシア映画の面白さも解説していた。

また、「この映画は、安心してみれる」と、対比がある点も松江監督は評価していた。キャラクターの作り方も、設定がきちんとなされていて、今いる登場人物をどう変えるかなど、常に対比させて描くという老若男女へのわかりやすさがご当地でヒットする作品の要素だという。

映画『アトラクション 制圧』公開イベント 松江哲明監督トークショー

「高尚なことを言っているけれど、ところどころほころびが見えて、それが可愛らしさや魅力になっている」とこの映画の特徴をあげて、かつて、テレビの地上波の日曜洋画劇場で観たような「こういう映画がないと駄目だなあ」と、名作だけでなく、この映画のように他国からみれば少し変に感じても心に強く残る映画の大事さを熱く語り、上映後でないと言えない松江監督のトークを聴いた観客には、さらに忘れられない映画になりそうだ。

[撮影: Cinema Art Online UK / 記者: おくの ゆか]

イベント情報

<映画『アトラクション 制圧』公開イベント 松江哲明監督トークショー>

日時: 2017年8月8日(火)
場所: 新宿シネマカリテ
登壇者: 松江哲明監督
MC: 青木基晃(クリエイティブプロデューサー)

映画作品情報

『第9地区』『エリジウム』のスタッフが放つロシア SF 超大作
カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション 2017 選出作品

《ストーリー》

ある日、ロシアの首都モスクワに巨大な宇宙母船が墜落した。
圧倒的な大きさでモスクワの街をなぎ倒して、多くの死傷者を出しながら宇宙船が着陸。初めて遭遇する地球外生命体に戸惑う人々。ロシア政府は、即座に戒厳令を敷いて、事態の鎮圧を図ろうとする。その状況下で軍の司令官の娘ユリアは、宇宙船とともにやってきた異星人で科学技術者であるヘイコンと知り合い、次第に仲を深めてゆく。宇宙船に対する排斥の空気が高まる中、ユリアはヘイコンが自身の惑星へと戻るために必要なデバイスのシルクを探すことに協力する。

映画『アトラクション 制圧』(原題: Притяжение / 英題: Attraction)

原題: Притяжение
英題: Attraction
邦題: アトラクション 制圧 
監督: フョードル・ボンダルチューク(『スターリングラード』)
出演: イリーナ・ストラシェンバウム、アレクサンドル・ペトロフ
2017年 / ロシア / カラー / 117 分 / シネマスコープ / ドルビーデジタル
配給: プレシディオ
宣伝: ウフル
© Art Pictures Studio
 

2017年8月、新宿シネマカリテほか全国順次公開!

映画公式サイト
カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017 公式サイト

この記事の著者

おくの ゆか

おくの ゆかライター

映画好きの父親の影響で10代のうちに日本映画の名作のほとんどを観る。
子どものときに観た『砂の器』の衝撃的な感動を超える映像美に出会うために、今も映画を観続けている。

★好きな映画
『砂の器』[監督: 野村芳太郎 製作: 1974年]
『転校生』[監督: 大林宣彦 製作: 1982年]
『風の谷のナウシカ』[監督: 宮崎駿 制作:1984年]
『硫黄島からの手紙』(Letters from Iwo Jima) [監督: クリント・イーストウッド 製作: 2006年]

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