映画『ライオンは今夜死ぬ』三浦友和×諏訪敦彦監督トークイベントレポート

【写真】映画『ライオンは今夜死ぬ』三浦友和×諏訪敦彦監督トークイベント

映画『ライオンは今夜死ぬ』
三浦友和×諏訪敦彦監督トークイベント開催!

1月26日(金)、東京・YEBISU GARDEN CINEMAにて、映画『ライオンは今夜死ぬ』の公開を記念し、俳優の三浦友和と諏訪敦彦監督によるトークイベントが開催された。

『ライオンは今夜死ぬ』は、『M/OTHER』(1999年)や『不完全なふたり』(2005年)、『ユキとニナ』(2009年)の諏訪敦彦監督とヌーヴェルヴァーグの申し子の名俳優ジャン=ピエール・レオーとの最高のコラボレーション作品。南仏コート・ダジュールで映画のリハーサルを続けている老年の俳優ジャンが撮影が中断されたことから旧友に会いに行き、映画を撮影する子どもたちに出会うことによって残された時間や生きる歓びを知っていく物語である。2018年1月20日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか大ヒット上映中である。

【写真】映画『ライオンは今夜死ぬ』諏訪敦彦監督

本作の諏訪敦彦監督と長編二作目の『M/OTHER』で主演をつとめた俳優・三浦友和が上映後に登壇し、二人の思い出話や『ライオンは今夜死ぬ』の撮影エピソードなどが明かされた

『ライオンは今夜死ぬ』は諏訪監督らしくない映画!?

「老いた名俳優が問う“難題がある。どうやれば死を演じられる?”さらりと答える女性がいる“演じてはだめ”だから、この映画は美しい」と本作にコメント贈った三浦友和は、会場に集まった多くの観客に「みなさん、こんばんは。三浦友和です。二度観させていただきました。」と挨拶を行い、自身も会員で平日に劇場に足を運ぶときと比べて、「この劇場にこんなにたくさんのお客さんがいるのはとてもうれしいです。南仏が好きで三回位行っているのですが、ワンカット目から独特の光なんですね。“あっ、南仏だ”というのが分かる青い空や海。空気感なのでしょうか、太陽もそうですし、“諏訪監督らしくないな”って思いました(笑)。」と言うと、諏訪監督も「そうなんですよ。それはよく言われるんです。『M/OTHER』のときはあんなに暗い印象でやっていたので(笑)。」と、“らしくなさ”を肯定していた。

名俳優ジャン=ピエール・レオーは「子どもみたいな大人」

三浦は本作について「すごく優しい映画だと思いました。老人と子どもがすごく対比的に出てきますけれども、子どももすごく老成しているところがあって(笑)、老人はあんなに老いているのですが無邪気で、自分も66歳になるのですけれども、中学生くらいから何も変わっていないなと思っているのですね。だから、すごく大人と子どもが対等に見えたのです。」と感想を述べた。

諏訪も「そうなんですよ。ジャン=ピエール・レオーという役者さんは独特なところもあるんだけれども、この映画が完成してこの映画に出てくれた子どもたちを集めてみんなで試写会をやったんですよ。一番小さな女の子がいるのですけれども、一番しっかりしていて、シナリオもちゃんと自分で書いているんですけれども。“ジャン=ピエール・レオーと共演してどうだった?”と訊いたら、“変!”だと(笑)。“だって、大人なのに子どもみたいなんだもん。”って言うのです。本当にジャン=ピエール・レオーは大人じゃないんですよね。普通の大人じゃなくて子どもとある意味で対等にやりあっているんです。」と語った。

三浦は、そんなジャン=ピエール・レオーを「きっと、すごく素直な大人の人なんですね。会社勤めをして地位が上がって係長や部長に昇級すると、それらしくしなければいけないと演じてしまう。大人になったことを勘違いしてしまうんじゃないかと思います。」と話すと、諏訪監督も「だんだん勘違いに気づく年頃ってありますよね。」と同意して、「僕もそれに気づきはじめて、もう子どもに戻って良いんじゃないかと。子どものように無邪気に映画を作っても良いんじゃないかという気がしています(笑)。」と自身の映画作りの方向性を語った。

また、三浦は「この映画は“説教くさくない”ですよね。テーマに“死”があるじゃないですか。どうしても“死”を扱ったり、何か大きなテーマがあると、“説教くさくなってしまう”と僕は感じることが多いのですね。ですから、こんな風にエンディングロードが流れても、“ああ、この映画はどういうことだったんだろう?”と、もう一回考えさせられて、とても自由に考える隙間がある映画ですよね。」と観る自由度についても述べた。

【画像】映画『ライオンは今夜死ぬ』場面カット8

全編即興『M/OTHER』の撮影秘話

最近、十何年振りに『M/OTHER』を観直したという諏訪は「おそらく三浦さんは一緒に『M/OTHER』という映画をやっていただいて大変だっただろうなと思いました(笑)。『ライオンは今夜死ぬ』の場合は、ジャン=ピエール・レオーも相当お年なので、ゆっくりゆったりと撮影をしていたんですけれども、『M/OTHER』のときはまだエネルギーもあったので、全編即興の長回しで芝居が全部即興でしたからね。しかも、中身がかなり濃密だったので。」と明かした。『M/OTHER』は諏訪監督長編二作目で、第52回カンヌ国際映画祭の国際批評家連盟賞を審査員満場一致で受賞しており、諏訪監督も「あの映画がなければ、フランスで映画を撮るということも起きなかったんですよ。」という作品である。

三浦も当時をふり返って「お話があったときに、“全部即興でやるってどういうことなんだろう?”と思ったんですよ。」と言うと、「悪かったなと思います。」と諏訪監督も頭をかくほどに大変だったようだ。三浦は「“即興でやるって言ったって、一応流れとかないといけないよね”って(笑)。どういう風な形でやっていくのかなと思って、そこにものすごい興味を感じて、それでやらせていただきたいと思いました。もちろん不安はいっぱいだったんですよね。」とオファーを受けたという。諏訪も「そうなんですよね。どうやるかっていうことですね。」と答え、話し合いがずっと続いていたという。

諏訪が「たまりかねて三浦さん脚本を書かれましたよね。何もないところからは生まれないから何かないかなって言われて(笑)。」と秘話を明かすと、三浦は笑いながら「全部、無視しましたよね(笑)。」と話し、諏訪は「無視したわけではないんですけれども(笑)。」と弁明。三浦は「結局、何日もかけて話し合いをして、その中から拾っていってある程度のものが活かされていって。セリフが無いにしても構成はやるかなと思っていたら、結局、また違ってきて(笑)。“あのミーティングは何だったんだろうか”と思いながら(笑)」と思い出すと、諏訪監督も「また変わったりしましたのもね。すみませんね。」と答え、「一応、シーンが割りふってあって二人が語る。“結婚していない男女がいて、このシーンはこんな感じ、こんな感じ、こんな感じ”という風に書いてあって、あとは全部その場でやっていったんですよね。」と何も無いところから生み出す苦労があったことを懐かしそうに思い出していた。

半分即興の『ライオンは今夜死ぬ』

今回の作品でも、子どもたちは全編即興だと話す諏訪監督に、「映画の脚本を作るところからですか。」と三浦が訊ねると、諏訪監督は「あれも彼らに“君たち、これから脚本の相談をしてね。”みたいな感じで、そこで“ちゃんと自分の意見を言って脚本を作ってください”と言って、彼らは演じいるのですけれども。彼らは自分たちの意見を言っているので、自由にしゃべっているんですね。だから、ジャン=ピエール・ルオーに「このジジイ、早く降りろ。」とか、「変な奴だな。」とか、無茶苦茶なことを言っているんですけれども(笑)。勝手に言っているんですよね(笑)。」と本作の秘話も明かした。

さらに、その状況に対して、ジャン=ピエール・レオーは「子どもたちには即興で応対をしています。ただ即興が予測不可能なところもあって、途中で“ボケているんじゃないか”と何を考えているのか分からないところがあるんです。」と諏訪監督が話すと、三浦も「途中で子どもたちが演出をしながら、“僕がこのドアから出てくるから、ここで寝ていて、僕が出てきた瞬間に起き上がって向こうにおびえた感じで行ってくれ。”というところがありましたよね。あれが出来なくて何を言うかと思ったら、“いや、セリフを忘れたんだ。”と。セリフなんかねないじゃないかって(笑)。何なんだろうこの人はと思いました(笑)。」と突っ込んでいた。

諏訪もあまりにも無邪気過ぎるジャン=ピエール・レオーについて「最後は突然にしゃべり出しますからね。僕たちもすごくびっくりしましたね。子どもたちも結構驚いていたと思います。理解出来ない大人にはじめて会ったんじゃないかと思うんですよ。だから、こういう人に会ったことがなかったはずですね。僕たちも、俳優としても、予測できない人なんです。でも、彼は必死にやっているんですよ。全然リラックスしていないのですね。常に不安な状態にあるというか、「これで良いかどうしよう。明日の撮影をどうしたら良いか。」ということを常に心配していました。」と名俳優の素顔を明かした。

【画像】映画『ライオンは今夜死ぬ』メインカット

諏訪監督が一緒に仕事をしたい俳優とは

三浦が「監督は俳優に何を求めているのですか。どんな俳優と一緒に仕事をしたいんですか。」と諏訪監督に質問をすると、「やっぱり自分が予測できない人(笑)。自分がこうしてほしいなと思うときに、こうなってしまうのではなくて、この人はいったいどういう人なんだろう。どういうものが出てくるんだろうとか、そういう驚きですよね。最初に三浦さんにお会いしたときに、何度もお話をしたと思うんですけれども、相米(慎二)さんの『台風クラブ』(1985年)を観たときにやっぱり驚きましたね。三浦さんの演技は三浦さんのシーンだけではなくて映画全体を変えていくというか、そういうところがある気がして。存在が。だから、『M/OTHER』のときにも、三浦さんが子どもにどう接するのか、子どもの演技や映画全体をどう引き出していくのかということがあったと思います。」と答えた。

カメラが恋人のジャン=ピエール・レオー

三浦は諏訪監督に「『M/OTHER』の撮影の途中で、ほとんどがぶっつけ本番で打合せではじまるんですけれども。カメラマンも我々に対してずっと追っかけて撮っていて、終わってしばらくしてから監督やカメラの人が“やっぱりカメラを意識してお芝居をしているよね。”と言われたんです。僕はそのときに“無意識でそういう風にやっているかもしれないですね。カメラの向こうにお客さんがいることを無意識に意識しているかもしれませんね。“と答えたのですけれども、それは異様なことなのですかね。」と訊ねた。

諏訪監督は「いや、それがですね、ジャン=ピエール・ルオーはカメラに向かってしか演技をしません。彼はカメラが恋人なんです。だから、カメラが常にどこにあるかを意識していて、カメラに向かって演技をしているので、ふっと子どもが横切ったりすると、“邪魔!”みたいな感じなのです(笑)。彼は三浦さんとは正反対みたいなところがあって、三浦さんは自分がという演技じゃなくて自分が中心じゃないという。だけど、彼のチャーミングなところでもあるんだけれども、彼は自分が中心なんですよ。自分が中心で、自分がカメラに向かってどう演じるかというのがすごく大事で。だから『M/OTHER』とは正反対な演出をしていて、僕も彼に対しては“ここで止まってください。ここでこっちを5秒向いてください。”というのを最初はやっていたんですよ。彼にはそれが必要だったんです。彼の演技はある種のダンスみたいなところがあるんですよ。振り付けというか、心を作るというよりは動きを作っていく。それが彼のスタイルだったんだけれども、そこに子どもが入ってきて、「ジジイ」とか、「くそジジイ」とか言うから、彼も変わってくるんですよ。だから、子どもが結構変えたところがあるんですよ。」と演出の秘話も明かした。

【画像】映画『ライオンは今夜死ぬ』場面カット7

「演じてはだめ」は三浦友和のテーマでもある

三浦が「先ほど、僕のコメントを読んでいただきましたけれども。どういう風に死を演じて良いのか分からないと言ったときに、あれはマネージャーなんですかね。」と演じてはだめだとアドバイスをした人物について訊ねると、諏訪監督が「あれは役者さんですね。設定はメイクさんで控え室に連れて行くときに“演じちゃだめ”って言ったんです。」と答えて、「あれは良いセリフですよね。あれは勝手に出てきちゃったんです。」としみじみ言うと、三浦も「すごかったですよね。」と共感した。

三浦は「やっぱり“演じちゃだめ”って言うんですよね。それって僕のテーマでもあって、ものを作っているときって作意があるじゃないですか。」と言うと、諏訪監督も「そうなんですよ。何もしないようでいてやっているということですからね。」と加えて、続けて三浦は「だから“演技をしちゃだめ”っていうのは、冒頭のシーンでしたから、そこにすごく感じるものがあって、我々の仕事を一番最初から言われているなって感じたんですよ。でも、演じなきゃ仕事にならないし。それは、“死”を演じることだけではなくて、ある一人の与えられた役柄を演じなくてはいけないですね。それを“演じちゃだめ”というのは、“演じているように見えてはだめ”ということなんでしょうね。」と熱く語った。

「どういう風に解釈すれば良いのですかね。永遠のテーマです。」と言う三浦に対して諏訪監督は悩みつつも「ここで答えが出てしまうと困るんですよね(笑)」と笑いながらも、「分かります。だから、『M/OTHER』のときにやりたかったことは、多分、決してこれはただ演じているように見えないことっていうか、そういうものを求めていたのだろうなって思います。」と答えた。

三浦も「ドキュメンタリー調であっても、ドキュメントではないですからね。」と述べると、諏訪監督も「演技だし、それはフィクションなんですよね。フィクションであることは大事なんだけれども、そのフィクションというのは全くどこかに嘘としてあるわけではなくて、“自分たちが生きているこの世界と何かつながっているはずだよね”って。だから、“これは演技だね。”、“これはフィクションだね。”というのではなくて、区別されてしまうものではなくて、“あっ、これはどっちなんだろう。”という。実際に僕たちは現実でも演じているし、現実にもフィクションがあるんですよね。」と現実とフィクションについて語った。

「上手い」ではなく「素敵」だと言われたい

「さっき言いましたけれども、部下を抱えてきたりすると演じてきますよね。」という三浦に、諏訪監督は「三浦さんは現場でも“全て芝居です。”っておっしゃっていたときもありましたよね。」と過去を振り返ると、三浦は「例えば、フランスで何度も撮られていますけれども、ルーブル美術館やオルセー美術館の古いものや近代の名画を見て、“これを描いている。”という人はいないですよね。その域まで行かなければならないってことかもしれないですよね。だから、僕らの仕事はお客さんや観た方に“あの人の芝居は上手かったね。”って言われたときに終わってしまうような気がして仕方がないんですよ。そういうところの域までいっていない感じがして、“上手い役者”って言われたときに、“まだまだなんだな。”って。そこまでいくのはすごいんですけれども、そこまでしかいっていないのかという思いも我々は持たないといけないのかなと思っていますね。」と演じることの想いを述べた。

諏訪監督も「それは、映画を作る側にとっても、“あそこを作るのが上手いですね。”って言われてもあまりうれしくないですよね。」と賛同すると、三浦は「だから、映画の作品を1本観終わったあとに、“面白かったですね、あの映画。”って言って帰りに一杯人とお茶を飲みながら話したり、別の意見が出たり、話し合うことがあったり、僕らの仕事に個人的なことで言うと、“あの人の芝居が上手かったね。”って言うのではなくて、“素敵だったね。”とか、“あの役が素敵だったね。”、“あの役が憎たらしかったね。”とか、そんな評価が一番良いのかなという気がしますね。」と話を続けた。

そう話す三浦に対して諏訪監督は、「僕は『M/OTHER』のときの三浦さんをそう感じましたね。この人の演技が良いとかいうことだけではなくて、この人を感じるという瞬間をいくつも感じさせていただきました。」と伝えると、三浦は「それはありがとうございます(笑)。」と照れ笑いをしていた。

諏訪監督が子どもたちから感じたこと

三浦は「映画も現実の一つではあるでしょうから、全部そうなんでしょうね。素人の展覧会に行くと、“いやー、この人上手いね。”とか言っちゃいますよね。」と言い、諏訪監督も「僕もなるべく何かをしようとしていることが見えないようにしたくて、観た人の中に生まれていくのが映画だと思いたいですね。この間、パリで200人の子どもたちとこの試写会を観たんですね。9歳から17歳までの200人の子どもたちがどういうことを言うのだろうと思ったら、画面がフェイドアウトする度に拍手するんですよ。“もう終わったのかな?”って(笑)。“終わってない、終わってないから。”って。それで一番最後にどうなるかなと思ったら、みんなが手拍子で歌を歌って大歓声だったんです。」と試写会の様子を紹介すると、三浦も「有名な歌ですものね。」と納得。諏訪監督は「大騒ぎになってしまって、すごくうれしかったです。こんなに最後に映画が終わって、“キャーキャー”言っているのは面白かったですね。この映画をそんな風に観ることも出来るんだと思いました。」とその喜びを語った。

出演した子どもたちが試写を観たときの感想を三浦が訊ねると、諏訪監督は「もう結構大きくなっているんですよ。1年が経ったら、あの子たちは今、僕よりも大きいんですよ。びっくりしました。それで、映画をやりたくなった子もいるけれども、“お話を考えたり、映画を作ったり、そういうことに興味ある人”ということで集まった子どもたちで、映画に出たい子が集まってきたわけではないのですね。募集をして、僕が“ワークショップをやるから映画を一緒に作ろう”というのを三回くらい南仏でやって、そこに20人くらい集まって来ていた子どもたちから選んだので役者ではないんですよ。でも、あれでも一生懸命演じているんですよ。」と子どもたちのキャスティング秘話を明かすと、三浦は「すごく演じていますよ。」と子どもたちをフォローした。

【画像】映画『ライオンは今夜死ぬ』場面カット3

100人いれば100通りの観え方があって良い

三浦は「感想を聴きたいですね。質問がある人はいませんか?勇気を出して手を挙げる人はいませんか?」と客席に向かって問うと、ある男性が人生を色々な角度から知れるところが良いところだと思ったことと、はじまりの方の遠くに見えるフランスの海がまるで日本のように感じたと述べて、それを聴いていた諏訪監督が「遠くに見える湖と幽霊が入っていくところは同じ湖なんです。湖に入っていくところは南仏の光なんですけれども、若干日本を意識したんですよ。全然そういう風になっていませんけど(笑)。」と答えて質問者と会場を驚かせていた。

諏訪監督は「『M/OTHER』をフランスで上映をしたときに、91歳のおばあさんが近寄って来て、“私はこの状況と全く同じことを生きていたのです。”と自分の歴史を話してくれて、映画って100人の人がみんな同じ気持ちになる場合もあるじゃないですか。でも、これはこれで楽しい映画ですよね。みんなで楽しめる映画もあるのですけれども、自分の映画をヨーロッパで上映をしたときに色々な人がいるんですよ。泣いている人もいるし、“もう観たくない。”と出て行く人もいるし、笑っている人もいれば、怒っている人もいて、最初は“これはどういうことなんだろう”と思ったものです。でも、それで良いんじゃないかと思うのですね。ある種、映画は観る人が作るものだから、観る人によって違っても良いんだということも必要だと思うのですね。色々な風に観れるんだと。そういう映画もあった方が良いなと思っているのです。」と映画に対する想いを語った。

最後に三浦は「映画は映画館で観るようにスタッフも絵作りも音作りもしているので、映画館で観ていただくことが一番うれしいことなので、みなさんにこの映画を愛していただきたいと思います。今日はありがとうございます。」と伝えた。そして、諏訪監督も「今日はありがとうございました。僕も久しぶりの映画で、日本で映画を上映するのは八年ぶり位になります。あたたかく観ていただいているなと感じて本当にうれしく思っております。よろしければ、二回三回と観ていただければと思います。ありがとうございました。」と終わりの挨拶を述べてイベントの幕が閉じた。

『ライオンは今夜死ぬ』は映画を作るとは何か、演じるとは何か、人生を生きるとは何かということを深く感じ、無邪気な子ども心の大切さも実感する作品である。ぜひハートをオープンにして、諏訪敦彦監督ならではの世界観を楽しんでいただきたい。

[スチール撮影/記者: おくの ゆか]
 

イベント概要

<映画『ライオンは今夜死ぬ』公開記念トークイベント>
 
■開催日: 2018年1月26日(金)
■会場: YEBISU GARDEN CINEMA
■登壇者: 三浦友和(俳優)、諏訪敦彦(映画監督)

映画作品情報

【画像】映画『ライオンは今夜死ぬ』ポスタービジュアル

《ストーリー》

子どもたちがジャン=ピエール・レオーを演出して、映画を作る
南仏コート・ダジュール。死を演じられないと悩む、年老いた俳優ジャン(ジャン=ピエール・レオー)。過去に囚われ、かつて愛した女性ジュリエット(ポーリーヌ・エチエンヌ)の住んでいた古い屋敷を訪ねると、幽霊の姿となってジュリエットが彼の前に現れる。さらに、地元の子どもたちが屋敷に忍び込んできて…子どもたちからの誘いで突然はじまった映画撮影。撮り進めるうちに過去の記憶と向き合い、残された時間、ジャンの心に生きる歓びの明かりがふたたび灯されていく。

 
第65回 サン・セバスティアン国際映画祭 コンペティション部門正式出品
第22回 釜山国際映画祭(BIFF) ワールド・シネマ部門正式出品
 
出演: ジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴェンガルテン
監督・脚本: 諏訪敦彦
配給: ビターズ・エンド
2017年 / フランス=日本 / 103分 / ビスタ
© 2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BAL THAZAR-BITTERS END
 
2018年1月20日(土) より、
YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー!
 
映画公式サイト

公式Twitter: @lion_tonight
公式Facebook: www.facebook.com/lion.tonight/

この記事の著者

おくの ゆか

おくの ゆかライター

映画好きの父親の影響で10代のうちに日本映画の名作のほとんどを観る。
子どものときに観た『砂の器』の衝撃的な感動を超える映像美に出会うために、今も映画を観続けている。

★好きな映画
『砂の器』[監督: 野村芳太郎 製作: 1974年]
『転校生』[監督: 大林宣彦 製作: 1982年]
『風の谷のナウシカ』[監督: 宮崎駿 制作:1984年]
『硫黄島からの手紙』(Letters from Iwo Jima) [監督: クリント・イーストウッド 製作: 2006年]

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