映画『不能犯』ワールドプレミア in「2017 日本新片展」レポート

【画像】映画『不能犯』メインカット (宇相吹正/松坂桃李)

2017 中国・日本新片展
映画『不能犯』ワールドプレミア上映!

上海・深圳・昆明の全チケット即完!
白石晃士監督が中国の熱いファンと世界最速交流!

俳優・松坂桃李が初めてダークヒーローを演じる「立証不可能犯罪」なスリラー・エンターテインメントの映画『不能犯』が、2018年2月1日(木)より日本公開となる。

本作は、作画・神崎裕也、原作・宮月新の漫画「不能犯」をもとに、相手を見つめるだけで死に追いやる主人公・宇相吹(うそぶき)正(ただし)役を松坂桃李、宇相吹が唯一殺すことのできない女刑事・多田友子役を沢尻エリカ、その他にも宇相吹に翻弄される役を新田真剣佑、間宮祥太朗、真野恵里菜、忍成修吾、今野浩喜、芦名星、矢田亜希子、安田顕、小林稔侍という豪華キャストが演じている。

【画像】映画『不能犯』

日本公開に先駆けて、12月1日(金)に日中国交正常化45周年記念日中映画交流事業として、上海、深圳、昆明の中国3都市で行われている「2017 日本新片展」において、映画『不能犯』がワールドプレミア上映された。

本作は、半日もたたないうちに上海、深圳、昆明の3都市全5会場でチケットが即完するほどの期待作である。「2017 日本新片展」の初日、上海でのレッドカーペットやオープニングセレモニー、ワールドプレミア上映後のティーチインに白石晃士監督が登壇して、世界最速上映直後の大ホールを埋めつくす熱気あふれるファンたちの質問に白石監督が答える熱い映画交流が行われた。

【写真】映画『不能犯』白石晃士監督 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

「2017 日本新片展」は、独立行政法人国際交流基金、公益財団法人ユニ・ジャパン(東京国際映画祭)、上海国際影視節有限公司(上海国際映画祭)が主催する日本と中国の最新の映画をお互いに両国において上映する文化交流である。日本でも、2018年3月8日(木)〜14日(水)に中国映画祭(「電影-Dianying-2018(仮)」)が東京、大阪、名古屋にて開催される。

白石監督は、上映作品の『美しい星』の吉田大八監督、『ユリゴコロ』『心が叫びたがってるんだ。』の熊澤尚人監督らと共にレッドカーペットに登場して、世界中から集まるメディアからフラッシュを浴びた。オープニングセレモニーでは、「日本よりも先に上海でのワールドプレミアとなり、私もみなさんと一緒に映画を観ようと思っております。みなさんのリアクションを楽しみにしております。」と挨拶を行い、白石監督と一緒に本作を観れることを知った観客たちからは、大きな喜びの歓声があがっていた。

【写真】2017 中国・日本新作映画上映会 (2017 中国・日本新片展) レッドカーペット

アジア全体で高い人気を誇る松坂桃李が初のダークヒーローを演じ、白石監督のトークも聞けるとあって、深夜のイベントにも関わらず1,365席が即日完売となっている。ワールドプレミア上映直後の興奮が覚めやらない中、白石監督が観客の前に登壇した。

映画『不能犯』ティーチインレポート

先ず、白石監督が上映中に非常に多くの場面で観客から驚きや笑いのリアクションがみられたことから、どんなところが面白かったのか会場に質問を投げかけたところ、「コンニチハ。素晴らしい映画です。」と『不能犯』がスリラー・エンターテイメント作品であるにも関わらず、非常に愉快に感じるシーンもたくさんみられて楽しんだという会場の声に対して、「作り手としては、真面目に観てもらおうと作っているのですが、みんなおかしい行動をする。やり過ぎかもしれないですよね。それを映画的に面白いと思ってやっているのですけれども、作り手としては、〝コレちょっとやり過ぎだよね。〟と、わりとみんなが笑って編集をしていたりするところがあって。それは、作り手側の笑いなんですけれども。そういうところとみなさんも笑いが一緒だったんだなと。みなさんが作り手の気持ちをよく分かっているお客さんだなと思いましたね。」と観客と共に本作を観たファンの印象を伝えた。

【写真】映画『不能犯』白石晃士監督 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

後半のシリアスなシーンについても、「そこは、結構シリアスなシーンなんですけれども。実は、その死にゆく姿をみとる女刑事の沢尻さんがプッと笑っちゃったりして。結局、死にゆく役者さんたちは熱演だったんですけれども、〝なぜかおかしい笑いのシーンになっているね。〟って作り手や沢尻さんも言っていて、それが本当にみなさんに分かってしまっているなという風に。みなさん、お客さんとしてレベルが高いなと。」と映画に対するレベルの高いファンたちとその撮影秘話を分かち合っていた。

【画像】映画『不能犯』場面カット

日本語が上手いファンから、「この映画はすごく面白いのですけども、すごく良い作品だと私は思っています。この映画は、いったいどんなことを伝えようとしていますか?」というテーマに関する質問に白石監督は、「それを言っちゃうと映画を作った意味がなくなるんですけれども。基本は、観た人がそれぞれ考えていただければ良いのですが。絶望と希望の判断ですとか、正義と悪の判断をどこですれば良いのかっていうのがすごく曖昧なことであるというのを、あなたならどこでラインを引きますか?どこで判断をしますか?というのを一人一人が自分の判断で考えてほしいなと思って作ったのですね。」と思いを話した。

【画像】映画『不能犯』場面カット

他にも日本語の流暢なファンから、「白石監督こんにちは!」と呼びかけられて、「日本語が上手いですね。日本の方ですか?」と白石監督がファンに訊くと、「いいえ、中国の者です。」と。「そうなんですか?めちゃくちゃ日本語が上手いですね。凄く上手い。」と監督が言うと、「映画を観させていただきましてありがとうございます。不能犯として映画の中で殺し合っているのですけれども。監督個人的には、一番好きな殺人はどれでしょうか?殺し方のシーンなどもぜひ聴かせていただけたらと思います。お願いできますでしょうか?」と質問があった。「それは、やっぱりこの映画のわりと最初の方のエピソードで、◯◯さんが。」と殺されてしまうある役柄を白石監督が取り上げると、まだ逐次通訳が始まってもいないのに会場全体から「あー。」と同意の声が上がって、「あれ、もう分かるの⁈ 日本語が分かるの⁈」と会場の反応の速さに白石監督も驚きを隠せない様子であった。白石監督が「そこで△△さんとの話であるはずが。」と劇中の好きな殺しのシーンをあげて、「凄いとばっちりを受けて可哀想な死に方なので、そこが好きですね。」と答えると、会場からも大きな同意と笑いが起きていた。

【写真】映画『不能犯』白石晃士監督 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

また、日本語が巧みなファンから、「原作を読んだことがないのですけれども」と後半の判断が迫られるシーンについて、「それは、ノーラン(クリストファー・ノーラン監督)の『バットマン』とか、何かヒントをもらいましたか?」という質問があり、「『ダークナイト』(2008年)ですね。この脚本の打ち合わせをしているときに、『ダークナイト』の話題は確かに出ましたね。そういうような登場人物に突きつける判断をお客さんにも突きつけたいという意味では、『ダークナイト』のジョーカーのようなお客さんへの突きつけ方をしたいなと思っていたので、そういう意味では、確かに参考の1つですね。」と白石監督は答えていた。

次も日本語で、「こんにちは。凄く印象に残ったシーンで間宮さんが。」と間宮祥太朗演じる川端タケルが取る行動について、なぜそのようになったのかという質問があり、白石監督が彼の状況を説明して、二者択一のうちの一方の方法だと可愛くなってしまうので、もう一方のインパクトのある方法を選択したと明かすと、「確かにインパクトが凄かったです。」とファンも頷いて納得していた。

【写真】映画『不能犯』白石晃士監督 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

最後にMCから、会場の反応も大きかった沢尻エリカ演じる多田友子の口から出る「希望で殺す」という言葉の希望を監督はどう考えているのかという質問には、「これは、それぞれに考えていただければ良いと思うのですけれども。」と前置きをして、「普通の言葉としての使い方として、きっと使い方がおかしいのですけれども。きっと、彼女の意味としては、前向きな殺人。もしくは、本当の殺人を意味することではないかもしれない。希望を突きつめた上で、彼の行動を止めることがもしかしたら彼女のいう希望で殺すという意味になると思います。彼の行動を殺す。もしかしたら、そういう意味かもしれない。」と白石監督は自分の考えを伝えて、さらに「でも、彼女もそこまではっきりとは分からないままにあの言葉を言ったなという風に思っています。」とイベントの最後をしめた。

【写真】映画『不能犯』白石晃士監督 ティーチイン (2017 中国・日本新片展)

上映後のティーチインでは、質問者のほとんどが流暢な日本語で白石監督に直接質問を行い、白石監督との貴重な交流を堪能していた。中国のファンたちは、本作の上映中に監督や脚本などの細かい仕掛けや俳優たちのこだわりなどに気づいたり、好きな俳優が登場すると、歓声をあげたり、ため息をもらしたり、爆笑したり、拍手を送ったりととても感情豊かに『不能犯』を楽しんでいた。

[スチール撮影・記者: おくの ゆか]
レッドカーペットスチール写真: オフィシャル提供 
© 宮月新・神崎裕也/集英社  2018「不能犯」製作委員会 
 

映画『不能犯』2017 中国・日本新片展イベント概要

■主な内容:レッドカーペット、オープニングセレモニー、ワールドプレミア上映、ティーチイン
■日程: 2017年12月1日(金)[現地時間]
■場所: 上海大光明電影院
■登壇者: 白石晃士監督

「2017中国・日本新作映画上映会」<日本新片展とは?>
12月1日(金)[現地時間]より3日間で行われる、上海国際映画祭、国際交流基金、ユニジャパン3者で主催する大規模な日本映画上映会。上海、深圳、昆明の3都市で日本の新作映画を各都市9作品上映するほか、監督や俳優など華やかな日本人ゲストを中国によるトークやイベントを開催。2018年公開予定の日本未公開作品や、中国での劇場初公開作品も上映。

公式サイト: http://www.jpfbj.cn/FilmFestival/exhibition/

映画作品情報

【画像】映画『不能犯』ポスタービジュアル

《ストーリー》

「不能犯」とは、呪いやマインドコントロールで殺すなど、目的は犯罪だが、常識的に考えて実現が不可能な行為のことである。
都会で次々と起きる変死事件。いずれの被害者も、検死をしても、何一つとして証拠が出てこない不可解な状況で、唯一の共通点は事件現場で必ず目撃される黒スーツの男。その名は宇相吹正(松坂桃李)。
彼こそがSNSで噂の〈電話ボックスの男〉だった。とある電話ボックスに、殺人の依頼を残しておくと、どこからともなく彼が現れ、ターゲットを確実に死に至らしめるという。その死因はどれも病死や自殺に事故――

宇相吹の犯行は、すべて立件不可能な犯罪、〈不能犯〉だった。今日も、愛憎や嫉妬、欲望に塗れた人々が彼のもとにやってくる。そんな中、警察はようやく宇相吹の身柄を確保し、任意で取り調べを始める。
多田(沢尻エリカ)と部下の百々瀬(新田真剣佑)が見守る中、宇相吹を前に上司の夜目(矢田亜希子)が取り調べを始めるが、次第に夜目の様子がおかしくなり、最終的に宇相吹は解放される。
彼の正体とは一体―。そして、真の目的とは―。

 
出演: 松坂桃李、沢尻エリカ
新田真剣佑、間宮祥太朗、テット・ワダ、菅谷哲也、岡崎紗絵、真野恵里菜、忍成修吾、水上剣星、水上京香、今野浩喜、堀田茜、芦名星、矢田亜希子、安田顕、小林稔侍
 
原作:「不能犯」(集英社「グランドジャンプ」連載 原作:宮月新/画:神崎裕也)
監督: 白石晃士
脚本: 山岡潤平、白石晃士
配給: ショウゲート
© 宮月新・神崎裕也/集英社  2018「不能犯」製作委員会
 

2018年2月1日(木) 全国ロードショー!

映画公式サイト
 
公式twitter: @FunohanMovie
公式facebook: www.facebook.com/FunohanMovie/
公式Instaglam: www.instagram.com/funohan_movie/

この記事の著者

おくの ゆか

おくの ゆかライター

映画好きの父親の影響で10代のうちに日本映画の名作のほとんどを観る。
子どものときに観た『砂の器』の衝撃的な感動を超える映像美に出会うために、今も映画を観続けている。

★好きな映画
『砂の器』[監督: 野村芳太郎 製作: 1974年]
『転校生』[監督: 大林宣彦 製作: 1982年]
『風の谷のナウシカ』[監督: 宮崎駿 制作:1984年]
『硫黄島からの手紙』(Letters from Iwo Jima) [監督: クリント・イーストウッド 製作: 2006年]

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