第30回 東京国際映画祭(TIFF) クロージングセレモニーレポート

【写真】第30回 東京国際映画祭(TIFF) クロージングセレモニー受賞者フォトセッション

第30回 東京国際映画祭(TIFF) 閉幕
クロージングセレモニーで各賞を発表!

東京グランプリは『グレイン』が受賞!
東京国際映画祭が出発点で全世界へ発信!

10月25日(水)より、東京・六本木を中心に10日間におよび開催された第30回 東京国際映画祭(TIFF)もフィナーレを迎え、クロージングセレモニーが11月3日(金・祝)、東京・EXシアター六本木にて開催された。

記念すべき30回目の東京国際映画祭では、映画の未来を担う、宝石の原石のような輝きを放つ若手俳優を東京で見出し、顕彰し、世界に紹介することで、彼らがその輝きを増す一助となることを目的とした「東京ジェムストーン賞」が新設され、全出品作品の中から4名の受賞者を発表。今後の映画界の可能性を広げる貴重な瞬間を目の当たりにすることとなった。

また、日本映画スプラッシュ部門、アジアの未来部門、そして映画祭のメイン部門であるコンペティション部門の各賞が発表されると、各賞を受賞した監督、俳優や、その映画に関わった人たちが、肩を抱き合い、手を取り合って喜びを表していた。その姿は実に感動的で、トルコ語やイタリア語、中国語など様々な国の言語が飛び交う会場の空気感とそこに集ったゲストや観客からの祝福と相まって、まさに「国際映画祭」に相応しい舞台となった。 

 

各賞の受賞結果、受賞者および審査委員のコメントなど、セレモニーの模様は下記の通り。

東京ジェムストーン賞

「第1回 東京ジェムストーン賞」は、国内外からの若手俳優の中から4名が受賞。セレモニーには、受賞者の石橋静河(Japan Now 部⾨『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』)とダフネ・ロー(コンペティション部⾨『アケラット-ロヒンギャの祈り』)の2人が登壇し、手にしたトロフィーを指差し嬉しそうに会話をしている様子も伺えた。

【写真】石橋静河 & ダフネ・ロー

また、松岡茉優(コンペティション部⾨『勝⼿にふるえてろ』)、アデリーヌ・デルミ(コンペティション部⾨『マリリンヌ』)からは、動画メッセージが届いた。

石橋静河(Japan Now 部⾨『映画 夜空はいつでも最⾼密度の⻘⾊だ』)

今回はこのような賞をいただけて嬉しく思います。私はお芝居を始めてまだ⽇が浅いのですが、出会う⼈や出会い作品に恵まれていて本当に幸せだなと思います。これからも努⼒をすることを忘れずに、頑張りたいと思います。ありがとうございます。

【写真】石橋静河(Japan Now 部⾨『映画 夜空はいつでも最⾼密度の⻘⾊だ』)

ダフネ・ロー(コンペティション部⾨『アケラット-ロヒンギャの祈り』)

⼥優としてこのような賞をいただくのは初めてです。本当にありがとうございます。東京国際映画祭とは縁があると思います。実は、三年前に初めて出演した映画で東京国際映画祭に来て、その時はコンペティション部⾨に⼊選されました。再びこの作品を携えてやってくることができ、本当に縁があると思います。他三名の素晴らしい俳優(受賞者)たちと⼀緒にこの賞を受賞することができ、とても光栄に思います。これを励みに俳優として頑張ります。この場を借りて家族や周りの⼈に感謝を伝えたいです。

【写真】ダフネ・ロー(コンペティション部⾨『アケラット-ロヒンギャの祈り』)

松岡茉優(コンペティション部⾨『勝⼿にふるえてろ』)※動画メッセージ

少この度は東京ジェムストーン賞に選んでいただきありがとうございます。初主演映画『勝⼿にふるえてろ』で、東京国際映画祭に初めて伺って、こんなに熱くて強い映画祭なのだと感動致しました。そんな映画祭の第⼀回の賞に選んでいただいて本当に嬉しいです。なので、この⼿でいただきたかったのですが、伺えず残念です。この映画は少ない⼈数で少ない時間で撮った映画なのですが、こんなにたくさんの⼈に⾒ていただく機会をいただいて、映画の希望や未来を感じました。これからも、⼀⽣懸命頑張って映画を明るくしていけるように、⽇本映画が元気になるように頑張りたいと思います。今回は本当にありがとうございました。またよろしくお願い致します。

【写真】松岡茉優(コンペティション部⾨『勝⼿にふるえてろ』)動画メッセージ

アデリーヌ・デルミ(コンペティション部⾨『マリリンヌ』)※動画メッセージ

東京の皆さん、こんばんは。アデリーヌ・デルミーです。『マリリンヌ』で東京ジェムストーン賞をいただけるということでとても光栄です。とても誇りに思っていますし、今夜は是⾮皆さんのところに伺いたいところですが、舞台の公演中で伺うことができません。本当にありがとうございました。

【写真】アデリーヌ・デルミ(コンペティション部⾨『マリリンヌ』)動画メッセージ

日本映画スプラッシュ部門

出品作品の中で唯一のドキュメンタリー作品である『Of Love & Law』が「作品賞」を受賞した。
戸田ひかる監督と共に映画制作チームのメンバーも登壇し、また出演者も大阪でYou Tubeのライブ中継を観ているとのことで、チーム全体の仲の良さが伺えた。

【写真】『Of Love & Law』戸田ひかる監督

アジアの未来部門

「国際交流基金アジアセンター特別賞」を藤元明緒監督作品『僕の帰る場所』が受賞。You Tube中継で観ているミャンマーの出演者達にミャンマー語で喜びを伝えた。

【写真】藤元明緒監督

「作品賞」については、審査委員の行定勲(映画監督)より「オリジナリティのある記憶に残る映画、素晴らしい演技を見せてくれた俳優達の演技について2つの作品の力が拮抗していたので、アジアの未来を担う作品に作品賞とは別に“スペシャル・メンション”を設けた」と発表があり、「スペシャル・メンション」には、チョウ・ズーヤン監督作品『老いた野獣』が選出されると、「作品賞」には「国際交流基金アジアセンター特別賞」を受賞した『僕の帰る場所』が選ばれ、見事2冠に輝いた。

【写真】『僕の帰る場所』藤元明緒監督 & ミャンマー人の出演者、プロデューサー

『僕の帰る場所』に出演していたミャンマー人の親子も民族衣装で登壇すると、藤元監督の隣で、共に受賞を喜んでいた。

コンペティション部門

「観客賞」は『勝手にふるえてろ』(大九明子監督)が受賞。大九監督は、作品名が呼ばれた瞬間、思わず叫び声をあげて受賞を喜んでいた。港区・みなと委員会よりオリジナルトロフィーと、恒例の半被も授与された。

【写真】『勝手にふるえてろ』大九明子監督

ここからは、国際審査委員5名が選んだ各賞が発表され、記念すべき第30回開催を契機に一新された、美しい江戸切子のトロフィーが受賞者に手渡された。

今回より新設された「最優秀脚本賞Presented by WOWOW」は、『ペット安楽死請負人』(テーム・ニッキ監督)が受賞。登壇したプロデューサーのヤニ・ポソ氏は「いただいた賞金でまた新たな作品を作ります」とコメントしていた。

【写真】『ペット安楽死請負人』ヤニ・ポソ(プロデューサー)

「最優秀芸術貢献賞」に、『迫り来る嵐』(ドン・ユエ監督)、「最優秀男優賞」にドアン・イーホン(『迫り来る嵐』)が連続で受賞し、来場していた製作チームのメンバーが互いに固く抱き合い、受賞を喜び合うシーンが印象的だった。

【写真】第30回 東京国際映画祭(TIFF) クロージングセレモニー 『迫り来る嵐』受賞

「最優秀女優賞」は、「東京ジェムストーン賞」の受賞に続いてアデリーヌ・デルミ(『マリリンヌ』)が受賞。2冠に輝いた。

【写真】最優秀女優賞受賞 アデリーヌ・デルミ(コンペティション部⾨『マリリンヌ』)

「最優秀監督賞」のエドモンド・ヨウ監督(『アケラット-ロヒンギャの祈り』)は、受賞したことへの感激の涙を流しながら「アケラットファミリーと呼んでいる20人未満の小さいクルーで、それぞれが何役もこなし映画を製作しました。全員に感謝を伝えたいです。」とコメントした。

【写真】エドモンド・ヨウ監督(『アケラット-ロヒンギャの祈り』)

「審査員特別賞」には、『ナポリ、輝きの陰で』(シルビア・ルーツィ監督、ルカ・ベッリーノ監督)が受賞し、2人の監督はガッツポーズをして受賞を喜び、お互いを支えあいながら登壇し、壇上でも顔を見合わせながら話をする仲の良さが伺えた。

【写真】シルビア・ルーツィ監督、ルカ・ベッリーノ監督(『ナポリ、輝きの陰で』)

「東京グランプリ/東京都知事賞」は、『グレイン』(セミフ・カプランオール監督)が受賞。
映画について「私たちはどこからきて、どこに向かっていくのかを理解しなければなりません。私は監督として、大地、種子、創造性に敬意を払いながら、作品を作りました。」と穏やかに語りかけた。

【写真】セミフ・カプランオール監督(『グレイン』)

トミー・リー・ジョーンズ審査委員長は、「最良の映画祭というものは、映画製作者や観客を、厳しい商業的需要から開放すべきもの。皆さんに謙虚な心と希望を持って仕える者だと、審査委員を代表して申し上げます。」と心からの言葉でセレモニーを締めくくった。

【写真】トミー・リー・ジョーンズ(コンペティション国際審査委員長)

コンペティション部門には、88の国と地域から、過去最多となる1,538作品がエントリーがあり、15作品が正式出品となった。全世界から東京に集まった映画作品、その作品を今度は、東京から全世界へ「東京国際映画祭受賞作品」という形で発信する。映画製作や配給に関わる人たちだけではなく、映画を観ることが大好きな人たちも皆映画人。映画を通して、映画人はファミリーとなって、繋がることができる。映画祭に足を運ぶとそんな感覚に浸り、ますます映画が好きになっていく。

今も日本を始め全世界から、より良い映画を作るため、出会うために映画人達が動き始めていることだろう。

[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: 大石 百合奈]

 

クロージングセレモニー概要

第30回 東京国際映画祭(TIFF) クロージングセレモニー

■開催日: 2017年11月3日(金・祝)
■会場: EXシアター六本木
■登壇者: コンペティション国際審査委員(トミー・リー・ジョーンズ審査委員長、レザ・ミルキャリミ、マルタン・プロヴォ、ヴィッキー・チャオ(趙薇)、永瀬正敏)、アル・ゴア、小池百合子東京都知事、久松猛朗(フェスティバル・ディレクター)
 
【東京ジェムストーン賞受賞者】
松岡茉優『勝手にふるえてろ』(コンペティション)、石橋静河『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(Japan Now)、アデリーヌ・デルミー『マリリンヌ』(コンペティション)、ダフネ・ロー『アケラット-ロヒンギャの祈り』(コンペティション)
 
【日本映画スプラッシュ部門】
作品賞: 戸田ひかる(『Of Love & Law』監督)
 
【アジアの未来部門】
作品賞・国際交流基金アジアセンター特別賞: 藤元明緒(『僕の帰る場所』監督/脚本/編集)
 
【コンペティション部門】
最優秀脚本賞 Presented by WOWOW: ヤニ・ポソ(『ペット安楽死請負人』プロデューサー)
観客賞: 大九明子(『勝手にふるえてろ』監督)
最優秀芸術貢献賞: ドン・ユエ(『迫り来る嵐』監督/脚本)
最優秀男優賞: ドアン・イーホン(『迫り来る嵐』)
最優秀女優賞: アデリーヌ・デルミー(『マリリンヌ』)
審査委員特別賞: シルヴィア・ルーツィ(『ナポリ、輝きの陰で』監督/脚本/プロデューサー/編集)、ルカ・ベッリーノ(『ナポリ、輝きの陰で』監督/脚本/プロデューサー/編集)
最優秀監督賞: エドモンド・ヨウ(『アケラット-ロヒャンギャの祈り』監督/脚本)
東京グランプリ/東京都知事賞: セミフ・カプランオール(『グレイン』監督/脚本/編集/プロデューサー)

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