映画『二十六夜待ち』第30回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門 舞台挨拶レポート

【写真】映画『二十六夜待ち』舞台挨拶 越川道夫監督、黒川芽以、井浦新

第30回 東京国際映画祭(TIFF)
日本映画スプラッシュ部門『二十六夜待ち』舞台挨拶

記憶のない男と記憶を消したい女の大人の恋の物語。

第30回東京国際映画祭(TIFF)日本映画スプラッシュ部門にて、映画『二十六夜待ち』の世界初上映と、監督・出演者による舞台挨拶が10月27日(金)にTOHOシネマズ六本木にて行われた。

映画『二十六夜待ち』は、佐伯一麦の同名短編小説を『アレノ』(2015年)、『海辺の生と死』(2017年)の越川道夫監督が待望の映画化。記憶を失った男と震災で家族を失った女が出会い、お互いの欠けている部分を月と波のように揺れながら愛し合う大人のラブストーリー。2017年12月23日(土)から、東京・テアトル新宿ほか全国で順次公開。

監督と脚本をつとめた越川道夫監督、ダブル主演の黒川芽以と、本当は本日来られない予定であった井浦新が駆けつけて、初上映前の舞台挨拶に登壇した。

舞台挨拶レポート

井浦: みなさん、今日は世界ではじめて『二十六夜待ち』公開のこのときに足を運んでくださって、どうもありがとうございます。これから、じっくり観て味わっていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。

黒川: 今日は、どうもありがとうございます。思っていたより早く観ていただける機会があったので、すごい興奮と緊張と色々な思いでいっぱいなので、ぜひ楽しんでください。

越川監督: 本日は、どうもありがとうございます。『アレノ』という作品で2年前に呼んでいただきまして、今回も『海辺の生と死』と『二十六夜待ち』でこの東京国際映画祭に参加することができて。しかも、この作品は、この2人と一緒にレッドカーペットを歩けて、こうやって壇上に立てることになったので、本当にうれしいです。本当にどうもありがとうございます。

【写真】映画『二十六夜待ち』舞台挨拶 黒川芽以

―― 越川監督は、この作品をどのような経緯で作ろうと思われたのでしょうか?

越川監督: 『アレノ』が2年前に、この東京国際映画祭でも上映をしたのですけれども。その後、公開がありまして、そのときに観に来てくださった方がいらっしゃるんですけれども。それが、福島県のいわきの方で、この方言指導をやってくれた岡田さんという方なので。彼女と知り合うことによって、いわきの方たちと話したり、彼らが表現するものを観る機会が増えたのですね。そういう付き合いをする中で、ここの映画を作りたいなという風に思っていました。そのときに、「二十六夜待ち」っていう短編を思い出して。舞台は、本当は仙台なのですが、いわきに移して、これを撮ろうという風に思いました。本当に出来てうれしいです。

【写真】映画『二十六夜待ち』舞台挨拶 越川道夫監督

―― 主演のお二人は、この映画のお話が来たときに直ぐに返事をしたのか?この作品に出ようと思った理由を教えてください。

黒川: 私は、台本をいただいたときに、20代最後の自分の中で大きな作品になると思って。挑戦ではあるけれども、楽しみだなと思いました。越川さんとも、以前お仕事を一緒にさせていただいていたので、もう信頼関係が勝手に私は出来ていたと思っていて(笑)。なので、たくさん話し合いながら、作っていきたいなと思いました。

井浦: 僕も、今回、越川監督を「監督」ってはじめて言わせてもらって。越川さんがプロデューサーをされている作品には、僕は昔から本当にお世話になっていて。いくつかの映画の現場では、越川さんがプロデューサーとして入っている中で、例えば、あるシーンだったり、何かにぶつかって作品が進まなくなったりするときに、越川さんが現場での一番の相談相手というか。もちろん監督もいるのですけれども、それでどうこのシーンを乗り越えていくかなどをちょっと相談をさせてもらったりとか。僕にとっては、多くの作品をご一緒させてもらえて、その全ての現場でプロデューサーや監督という立場ともまたちょっと違う。僕の中では、自分が映画というものを感じているものの良心の部分を越川さんは持っているかたなので。今回、越川さんが監督として作品をやられるって。それに声がかかったということは、自分にとっては、ようやく何かに気を遣わずに、思いっきり自分も芝居をして、監督とも語り合っていける場がようやくいただけたんだなという。そういう思いで楽しみでしようがなかったです。

【写真】映画『二十六夜待ち』舞台挨拶 井浦新

―― こうしてひと足早く東京国際映画祭でみなさんに観ていただけることに、越川監督はどういうお気持ちですか?

越川監督: とにかくうれしいですよね。ありがたいなと。やっぱり小さい公開の中の小さい映画ではありますから、なるべく多くの人に届いてほしいなと思っていますし。こうやって、ひと足早くですけれども、観ていただけて。どんな風にみなさんが思われたのか、ちょっと聴いてみたい気がするのですよね。だから、やっぱりうれしいですよ。もう、直接(自分に)話しかけてください。その辺で僕はウロウロしていますからね。呼び止めて(笑)。

【写真】映画『二十六夜待ち』舞台挨拶 越川道夫監督、黒川芽以、井浦新

「還れぬ家」で第55回毎日芸術賞、「渡良瀬」で第25回伊藤整文学賞輝いた佐伯一麦の同名短編小説をプロデューサー歴の長い越川道夫監督が小説のエピソードを丁寧に膨らませて、2時間4分というたいへん見応えのある長編映画に仕上げている。本作は、監督が震災後の福島県いわき市の人々との交流によって芽が出て、以前から信頼関係の熱いキャストやスタッフたちと共同作業で希望の花を咲かせた心に染み入る作品である。

[スチール撮影: Cinema Art Online UK / 記者: おくの ゆか]
 

イベント概要

<第30回 東京国際映画祭(TIFF) 日本映画スプラッシュ部門『二十六夜待ち』舞台挨拶>
 
■開催日: 2017年10月27日(金)
■会場: TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン1
■登壇者: 越川道夫監督、黒川芽以、井浦新
 

30th TIFF『二十六夜待ち』舞台挨拶動画

映画作品情報

【画像】映画『二十六夜待ち』ポスタービジュアル

第30回 東京国際映画祭(TIFF) 日本映画スプラッシュ部門出品作品 

《ストーリー》

由実(黒川芽以)は、先の震災で何もかもを失い、今は福島県いわき市の叔母の工務店に身を寄せ日々を過ごしていた。心に傷を抱えた由実だったが、少しは外に出なければと叔母に促され、ある日バイト募集をしていた路地裏の小さな飲み屋“杉谷”で働き始める。元気で温かなお客さん達との触れ合いもありながらお店の切り盛りをしていく由美であったが、店主の杉谷(井浦新)のどこか謎めいた部分が気になり始める。彼は記憶をすべて失い、失踪届も出されていなかったため、どこの誰とも分からない。はっきりしているのは、手が料理をしていたことを覚えていることだけであった。今では小さな小料理屋を任されるまでになったが、福祉課の木村(諏訪太朗)をはじめとしたあたたかな人々に囲まれながらも、彼の心はいつも怯え、自分が何者なのか分からない孤独を抱え込んでいた。そんな孤独で傷ついた魂を持つ杉谷と由実は、“月”と“海”がお互いを引き寄せ合うように、その心と体を寄り添い合わせるようになっていく……。

 
キャスト: 井浦 新、黒川芽以
諏訪太朗、天衣織女、鈴木晋介、山田真歩、鈴木慶一、宮本なつ、足立智充、杉山ひこひこ、内田周作、嶺 豪一、信太昌之、吉岡睦雄
 
監督・脚本: 越川道夫
撮影監督: 山崎 裕
プロデューサー: 藤本 款、狩野善則
音楽: 澁谷浩次
原作: 佐伯一麦
美術: 平井淳郎
照明: 山本浩資
編集: 菊井貴繁
衣装: 宮本まさ江
録音: 近藤崇生
音響: 山本タカアキ2017年 / 日本 / 日本語 / 124分
配給: フルモテルモ
© 2017 佐伯一麦/『二十六夜待ち』製作委員会

2017年12月23日(土)より、テアトル新宿ほか全国順次公開!
 
映画公式サイト
 
公式Twitter: @26yamachi
公式Facebook: www.facebook.com/nijyuurokuyamachi/
 

この記事の著者

おくの ゆか

おくの ゆかライター

映画好きの父親の影響で10代のうちに日本映画の名作のほとんどを観る。
子どものときに観た『砂の器』の衝撃的な感動を超える映像美に出会うために、今も映画を観続けている。

★好きな映画
『砂の器』[監督: 野村芳太郎 製作: 1974年]
『転校生』[監督: 大林宣彦 製作: 1982年]
『風の谷のナウシカ』[監督: 宮崎駿 制作:1984年]
『硫黄島からの手紙』(Letters from Iwo Jima) [監督: クリント・イーストウッド 製作: 2006年]

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